アドバンス助産師とは?認証の要件と取得で変わることを解説
アドバンス助産師という言葉は耳にするものの、助産師の資格と何が違うのか、取るとどう変わるのかがはっきりしないという方は多いのではないでしょうか。国家資格だと思われがちですが、実際は民間団体による認証制度です。
この記事では、アドバンス助産師の制度上の位置づけ、助産師との違い、認証で評価される4つの能力を整理したうえで、新規申請の要件、申請料と研修費を含めた取得コスト、5年ごとの更新と更新できなかった場合の道筋まで解説します。取得を検討する段階で必要な情報を、公式に公表されている内容に沿ってまとめました。
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アドバンス助産師とは

アドバンス助産師とは、CLoCMiP(クロックミップ)レベルⅢを認証された助産師の呼称です。
一般財団法人日本助産評価機構が審査と認証を行っています。
助産師の国家資格とは別の、民間団体による認証制度です。免許が新たに与えられるわけではなく、すでに助産師として働いている人の実践能力が一定の水準に達していることを、第三者が評価して公表する仕組みです。
CLoCMiPレベルⅢを認証された助産師
CLoCMiPは「助産実践能力習熟段階」の略称で、日本看護協会が開発した助産師向けのクリニカルラダーです(日本看護協会の登録商標)。
このラダーはレベル新人からレベルⅣまでの段階に分かれており、そのうちのレベルⅢが認証の対象です。レベルⅢは「自律して助産ケアを提供できる助産師」と位置づけられており、認証を受けた助産師はその状態にあることを対外的に公表できます。
日本の助産師免許は更新制ではないため、免許を取得した後にその人がどこまで経験や学習を積んだのかは外からは分かりません。CLoCMiPレベルⅢ認証制度は、この見えにくさを補う目的で2015年から運用されています。
認証制度の目的
日本助産評価機構は、CLoCMiPレベルⅢ認証制度の目的として次の3つを挙げています。
- 妊産褥婦や新生児に対して良質で安全な助産とケアを提供できること
- 助産師が継続的に自己啓発を行い、専門的能力を高める機会にすること
- 社会や組織が助産師の実践能力を客観視できること
3つ目は、認証がケアの受け手や医療機関の側にとっても意味を持つという点を示しています。産科医師にとっては、自律して助産ケアを提供できる助産師を客観的に把握できるため、役割分担を決めるうえでの判断材料になります。組織にとっては、提供する周産期医療の機能を示す材料になります。
なお、認証制度は5年ごとの更新制です。知識や技術をその都度更新し続けることを前提とした設計になっています。
認証を行っている団体と認証者数
認証を行っているのは一般財団法人日本助産評価機構です。制度は日本看護協会、日本助産師会、日本助産学会、全国助産師教育協議会との協働で運営されています。
アドバンス助産師の人数は7,628名(2026年1月6日現在)と公表されています。認証期間が5年間であるため、過去5年間の認証者数の合計がその年のアドバンス助産師数になります。
制度開始直後の2015年から2019年にかけて増えた後、近年は減少に転じています。
アドバンス助産師数の推移(2015〜2025年)
一方、就業助産師数は38,721人です(厚生労働省「令和6年衛生行政報告例」、令和6年末現在)。
時点は異なりますが両者を並べると、アドバンス助産師は就業助産師のおよそ2割にあたる計算です。取得している人が少数派である点は、検討する際に押さえておきたいところです。
就業助産師に占めるアドバンス助産師の割合
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参考:一般財団法人日本助産評価機構「アドバンス助産師について」 / 公益社団法人日本看護協会「CLoCMiPおよびCLoCMiPレベルⅢ認証制度(アドバンス助産師)」 / 厚生労働省「令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」
助産師との違い

アドバンス助産師と助産師の違いは、「できることが増える」ではなく「実践能力が客観的に評価されている」という点にあります。
ここを混同すると制度の理解がずれてしまうため、何が同じで何が違うのかを分けて確認します。
法律上できる業務は変わらない
助産師の業務範囲は保健師助産師看護師法に定められています。同法第3条は助産師を「厚生労働大臣の免許を受けて、助産又は妊婦、じよく婦若しくは新生児の保健指導を行うことを業とする女子」と定義し、第30条で業務独占、第42条の3で名称独占を規定しています。
アドバンス助産師になっても、この業務範囲が広がることはありません。認証は法律ではなく民間団体の制度であるため、法令上できる行為が増えたり、新たな医行為が認められたりするものではないためです。
アドバンス助産師は国家資格ではなく、民間団体による認証
「できることが増える資格」として理解すると誤りになる
実践能力が客観的に評価されている点が違う
違いが出るのは、能力が第三者によって確認されているかどうかです。助産師免許は更新制ではないため、免許だけでは実践能力の現在地は分かりません。
認証を受けるには、後述する実施例数や必須研修の要件を満たしたうえで、勤務先の施設内承認と審査を通過する必要があります。つまり申請時点の実践能力が書類と試験で確認されている状態になります。
さらに5年ごとの更新制であるため、認証を保持している間は継続的な学習が求められます。
助産師 と アドバンス助産師 の違い
| 比較項目 | 助産師 | アドバンス助産師 |
|---|---|---|
| 法律上できる業務 | 保助看法第3条・第30条の範囲(同じ) | 保助看法第3条・第30条の範囲(同じ) |
| 免許・認証の更新制 | なし(免許の更新は不要) | あり(5年ごとに更新申請) |
| 実践能力の第三者評価 | なし(外部からは分からない) | あり(実施例数・研修・試験で審査) |
| 付与元 | 厚生労働大臣(国家資格) | 一般財団法人 日本助産評価機構(民間認証) |
職場で任される役割の違い
法律上の業務範囲が同じでも、施設のなかでの役割分担は変わることがあります。日本看護協会は「助産実践能力習熟段階(クリニカルラダー)活用ガイド2022」で、CLoCMiPの活用目的の一つに「人事考課、配置転換、給与査定などにおける資料とする」ことを挙げています。
ラダーの到達度が施設側の配置や評価の判断材料として想定されているということです。具体的にどの役割を任せるかは施設ごとの運用によりますが、院内助産や助産師外来の担当、後輩の指導といった場面で判断材料になる場合があります。
助産師の求人を探す参考:e-Gov法令検索「保健師助産師看護師法」 / 公益社団法人日本看護協会「CLoCMiPおよびCLoCMiPレベルⅢ認証制度(アドバンス助産師)」
認証で評価される4つの能力

CLoCMiPは、日本助産師会が示す「助産師のコア・コンピテンシー」を土台に組み立てられています。
コア・コンピテンシーは倫理的感応力、マタニティケア能力、ウィメンズヘルスケア能力、専門的自律能力の4つで構成されており、認証審査もこの4つの軸に沿って実践能力を確認します。
4つの能力と対応する研修・確認方法
実施例数(分娩介助・妊婦健診など)で確認
倫理的感応力
日本助産師会の定義では「助産師は、対象一人ひとりを尊重し、そのニーズに対して倫理的に応答する」とされています。
妊産婦さんやご家族が置かれた状況を尊重し、価値観の違いや葛藤のある場面でどう応じるかを問う能力です。ケアの技術そのものではなく、判断の前提となる姿勢が評価の対象になります。
マタニティケア能力
「助産師は、分娩を核とするマタニティサイクルにおいて、安全で有効な助産ケアを提供する」と定義されています。
妊娠期から分娩期、産褥期、新生児期までの一連のケアを担う力を指します。4つのうち唯一、研修ではなく実施例数という実績で確認される能力です。
ウィメンズヘルスケア能力
「助産師は、女性の生涯を通じた支援者であるとともに、相互にパートナーシップを築く」と定義されています。
妊娠・出産の期間に限らず、女性の生涯にわたる性と生殖の健康を支える力を指します。4つのうち最後に追加された能力で、不妊や不育の悩み、暴力被害、多様な性への対応といった、分娩の現場から離れた領域までを対象にしている点が特徴です。
専門的自律能力
「助産師は、専門職としてのパワーを組織化し、社会に発信する」と定義されています。
個人のケア技術にとどまらず、助産管理や後輩指導、政策への関与までを含む能力です。認証が「自律して助産ケアを提供できる助産師」の証明とされる根拠にもなっています。
今のあなたの状況は?
参考:公益社団法人日本助産師会「<助産師のコア・コンピテンシー 2021>」 / 一般財団法人日本助産評価機構「アドバンス助産師の申請」
認証を取得すると実務で何が変わるか

取得のメリットは「信頼される」「キャリアアップになる」といった抽象的な言い方で語られがちですが、制度上の位置づけまで見ると、どの場面で効くのかがはっきりします。
ここでは3つの場面に分けて確認します。
院内助産・助産師外来での位置づけ
日本看護協会の「院内助産・助産師外来ガイドライン2018」では、院内助産・助産師外来を担当・指導する助産師の基準として、助産実践能力習熟段階(クリニカルラダー)レベルⅢに相当する実践能力を挙げています。
アドバンス助産師はこのレベルⅢを認証された助産師にあたるため、担当者の基準を満たしていることを対外的に示しやすくなります。院内助産は、緊急時の対応が可能な医療機関で、助産師が妊娠から産褥1か月ごろまで正常・異常の判断を行いながら助産ケアを提供する体制です。助産師外来は、産科医師と役割分担をしたうえで健康診査や保健指導を行う仕組みを指します。
ただしこれは学会・職能団体のガイドラインで示された基準であり、診療報酬の施設基準として認証が要件化されているわけではありません。担当者をどう決めるかは、最終的には各施設の判断になります。
後輩助産師の教育・指導
CLoCMiPは施設内の教育体制と結びついて使われるツールです。必須研修にも「後輩指導・助産師教育」が含まれており、認証は自分がケアを提供できるかだけでなく、他者を育てられるかまでを含めた評価になっています。
後輩のラダー評価に関わる、新人の指導計画に加わる、院内研修の講師を担うといった役割は、こうした位置づけから任される場面があります。認証によって自動的に役職が付くわけではありませんが、施設が教育担当を選ぶ際の一つの目安にはなります。
転職や配置での評価
求人票で応募要件や優遇条件としてアドバンス助産師が挙げられる場合があります。とくに院内助産や助産師外来を運営している施設では、担当者の基準と重なるため、条件として示されることがあります。
一方で、認証の有無によって給与がどれだけ変わるかを示す公的な統計は公表されていません。日本看護協会の活用ガイドがCLoCMiPを給与査定の資料と位置づけていることからも、評価に反映される余地はありますが、金額の水準は施設ごとの制度によります。
資格手当の対象になるかどうかも施設によって異なるため、転職時には求人票や面接で個別に確認するのが確実です。
実務で変わる3つの場面
- 医療キャリアナビ掲載の助産師求人は44件、月給の中央値は34.0万円です
- クリニックは中央値35.0万円、病院は35.9万円で、施設によって幅があります
- 求人票に認証の有無で給与差を明記した例は少ないため、面接で個別に確認しましょう
参考:公益社団法人日本看護協会「院内助産・助産師外来」 / 公益社団法人日本看護協会「CLoCMiPおよびCLoCMiPレベルⅢ認証制度(アドバンス助産師)」
新規申請の要件

ここからは2026年の新規申請要件をもとに解説します。申請要件は年度ごとに見直されるため、実際に申請する際は日本助産評価機構の公式サイトで最新の内容を確認してください。
新規申請の対象になるのは、満5年以上の実践経験がある日本国助産師資格保持者で、過去にCLoCMiPレベルⅢ認証を取得したことがない人です。過去に認証を受けていた人は、更新申請を行わずに認証を失った場合でも新規申請はできず、再認証申請の対象になります。
満たすべき要件は、総合評価B以上、必須研修24項目×90分、指定の実施例数、指定学術集会に1回参加の4つで、これらすべてを満たしたうえで施設内承認を受ける必要があります。
実務経験と実践例数
必要な実践経験は満5年以上です。そのうえで、分娩介助や健康診査について次の実施例数が求められます。
このほか、集団指導(小集団指導)、母親学級・両親学級、緊急時の対応(BLS、多量出血等)について、実践・指導ができることが求められます。
例数は自己申告ではなく、勤務実態を把握している上司などから承認を受ける必要があります。転職や退職で前職場の実績を証明する場合は、当時の勤務実態を証明できる元上司や元同僚に依頼する形になります。
必須研修
2026年の新規申請では、必須研修24項目(各90分)の受講が必要です。項目は分娩期の胎児心拍数陣痛図(CTG)、妊産褥婦・新生児のフィジカルアセスメント、臨床薬理、医療安全と助産記録、メンタルヘルス、緊急時の対応、後輩指導・助産師教育、災害時対応など、実践から教育・政策までの幅広い範囲をカバーしています。
必須研修に該当するのは、日本助産評価機構が承認し「研修承認番号」を付与した研修です。受講済みの研修が該当するかどうかは、アドバンス助産師プラットフォームで検索して確認できます。例外として、日本周産期・新生児医学会が運営する新生児蘇生法(NCPR)の講習会は、承認番号がなくても新規申請の必須研修「新生児蘇生法(NCPR)Bコース以上」に該当します。
なお2027年の申請からは、必須研修の「ウィメンズヘルスケア提供のための基盤能力」に代わって「流産・死産を経験した女性と家族への支援」が追加される予定です。
ステップアップ研修
必須研修に加えて、指定学術集会への参加1回が新規申請の要件になっています。学術集会では、アドバンス助産師を目指す助産師に向けた研修プログラムが「ステップアップ研修」として組まれることがあり、これに参加して要件を満たす形が一般的です。
必須研修はオンデマンドでも受講できますが、1つのサイトで必須研修をすべて受講することはできません。日本助産評価機構のアドバンス助産師プラットフォーム、日本看護協会、日本助産学会の3つのサイトを使い分ける必要があります。新生児蘇生法(NCPR)Bコース以上だけはオンデマンドの対象外で、別途講習会を受講します。
どの研修をどこで受けるかによって費用も日程も変わるため、要件の一覧を確認したうえで、早めに受講計画を立てておくと進めやすくなります。
申請から認証までの流れ
申請はアドバンス助産師プラットフォームから行います。2026年のスケジュールは次のとおりです。
申請から認証書類到着までのスケジュール(2026年)
郵送での申請は受け付けておらず、手続きはすべてオンラインで行います。
審査では、他者評価者、上司評価者、施設内承認者の3者が関わります。この3者は原則としてそれぞれ別の人物である必要があります。上司にあたる職員が看護部長しかいない場合は、上司評価者を看護部長、施設内承認者を施設長とするなど、施設内での調整が必要です。診療所などで上司が院長のみという場合は、上司評価者と施設内承認者をどちらも院長とし、その旨を施設内承認書に記載する扱いになっています。
なお、試験に合格しなかった場合、翌年に試験だけを受け直すことはできません。改めて申請からやり直すことになります。
転職活動するなら?
参考:一般財団法人日本助産評価機構「アドバンス助産師の申請」 / 一般財団法人日本助産評価機構「よくあるご質問」
取得にかかる費用と期間

取得を検討するうえで見落としやすいのが、申請料以外にかかる費用です。必須研修の受講費が別途必要になるため、総額で考えると申請料だけでは収まりません。
ここでは公表されている金額をもとに整理します(いずれも2026年9月時点で公表されている金額です)。
申請料
申請料は申請の区分によって異なり、審査料と会費の内訳もそれぞれ変わります。
帯の長さは新規申請料50,000円を基準とした金額比
会費30,000円は、認証された助産師が日本助産評価機構の「認証会員」として登録されるための費用で、認証期間5年分(年額6,000円)にあたります。更新申請料と再認証申請料は2024年8月1日に改定され、いずれも50,000円から40,000円に引き下げられました。
申請料は支払い後のキャンセル・返金ができません。ただし不合格になった場合に限り、不合格決定の日から翌年7月末日までに連絡すれば会費相当額が返還されます。
研修の受講費用
必須研修24項目のうち、新生児蘇生法(NCPR)を除く23項目はオンデマンドで受講できます。配信団体ごとの受講料は次のとおりです。
-
日本助産実践能力推進協議会1研修あたり会員1,650円/非会員2,200円
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日本看護協会1研修あたり日本看護協会会員2,000円/一般3,000円
-
日本助産学会会員2,090円/非会員3,190円
会員価格が適用されるのは、アドバンス助産師、更新時期延長期間中の方、日本看護協会・日本助産師会・日本助産学会の会員です。
新規申請の場合、23項目の内訳は日本助産実践能力推進協議会が18項目、日本看護協会が4項目、日本助産学会が1項目です。これをすべて会員価格で受講するとおよそ4万円、非会員価格ではおよそ5万5千円という計算になります。
これに加えて新生児蘇生法(NCPR)の講習会費用がかかります。修了認定を受ける際の認定料は、助産師・看護師などのコ・メディカルで5,500円です。講習会そのものの受講料は開催施設ごとに設定されているため、受講先で確認が必要です。
新規申請 総額の内訳(目安)
つまりおよそ9万5千円が下限の目安で、これに学術集会の参加費や交通費、NCPRの講習会受講料が上乗せされます。
研修費を勤務先が負担する施設もあれば、全額自己負担となる場合もあるため、申請を決める前に勤務先の支援制度を確認しておくと負担の見通しが立てやすくなります。
要件を満たすまでにかかる期間
新規申請には満5年以上の実践経験が必要なため、助産師として働き始めてから最短でも5年はかかります。分娩介助100例以上、妊娠期・産褥期の健康診査それぞれ200例以上といった実施例数も、分娩を扱う施設で一定期間働くことが前提になります。
必須研修24項目についても、配信期間が年度単位で区切られているものがあり、1年でまとめて受講しきれるとは限りません。研修の受講、学術集会への参加、施設内承認の取得を並行して進める必要があるため、申請を決めてから実際に申請するまでに1~2年かける計画を立てるケースが多くなります。
助産師の求人を探す参考:一般財団法人日本助産評価機構「アドバンス助産師の申請」 / 一般財団法人日本助産評価機構「オンデマンド研修」 / 新生児蘇生法普及事業「新規に認定を受ける方へ【専門コース(A)・一次コース(B)】」
更新と、更新できなかった場合

認証期間は5年間で、その後は5年ごとの更新制です。
取得したら終わりではないため、更新にかかる負担も判断材料になります。出産や育児で更新が難しくなった場合の制度も用意されています。
5年ごとの更新申請
更新申請の対象は、5年前にCLoCMiPレベルⅢ認証を取得した人、または更新時期延長期間中の人です。2026年の更新申請であれば、2021年の認証取得者か2025年の更新時期延長者が対象になります。
要件は新規申請と項目立てが変わり、認証を維持する側のほうが基準は高くなります。
新規申請 と 更新・再認証申請 の要件比較
| 項目 | 新規申請 | 更新・再認証申請 |
|---|---|---|
| 総合評価 | B以上 | A |
| 必須研修 | 24項目×90分 | 23項目×90分 |
| 選択研修 | 規定なし | 合計145時間(研修65〜145時間+助産実践0〜80時間) |
| 実施例数 | 分娩介助・健康診査等の実施例数を規定 | 要件項目にはない |
| 学術集会参加 | 1回 | 3回 |
2026年の更新申請では、2021年9月1日から申請締切日までに受講した研修が有効とされ、学術集会や助産実践についても同じ期間が対象になります。学術集会は主催団体や分野の指定がなく、講演と一般演題発表がプログラムに含まれる集会であれば有効です。
なお、2027年・2028年の更新申請と再認証申請については、要件を一部緩和することが2026年9月に公表されています。該当する時期に更新を迎える方は、公式サイトで内容を確認しておくと安心です。
更新時期延長申請
やむを得ない理由で更新申請ができない場合は、更新時期延長申請ができます。対象となる理由として、出産、育児、介護、傷病、進学、災害等が挙げられています。
申請が承認されると更新時期が1年延長され、翌年に更新申請を行う形になります。1年以上の延長を希望する場合は翌年に改めて申請する必要があり、最大3回(3年)まで申請できます。申請料は5,000円です。
延長申請で間違えやすい点
- 延長されるのは「更新申請を行う時期」であって、認証期間そのものではない
- 延長は自動ではなく、毎年あらためて申請が必要
- 申請期間は更新申請より早く、2026年は7月1日~7月26日
産休・育休で更新要件を満たすのが難しい時期が生じても、この制度を使えば認証を失わずに済みます。ライフイベントと更新年が重なりそうな場合は、更新を諦める前に延長申請の対象になるかを確認しておくとよいでしょう。
再認証申請
更新申請を行わずに認証を失った場合でも、再認証申請という選択肢があります。対象になるのは、過去にCLoCMiPレベルⅢ認証を取得したことがあり、現在は認証を喪失している人です(更新時期延長期間中の人は除きます)。
要件は更新申請と同じで、申請料も40,000円と同額です。注意したいのは、一度アドバンス助産師になった人が、あらためて新規申請をすることはできない点です。
ブランクの後に取り直す場合は、新規のときより要件が重くなることを見込んで準備を進める必要があります。
更新期限を迎えたあとの3つの申請先
参考:一般財団法人日本助産評価機構「アドバンス助産師の申請」 / 一般財団法人日本助産評価機構「よくあるご質問」
まとめ
アドバンス助産師は、日本助産評価機構がCLoCMiPレベルⅢを認証した助産師の呼称です。国家資格ではなく民間団体の認証制度であるため、保健師助産師看護師法上の業務範囲が広がることはありません。違いは、実践能力が第三者に評価され、5年ごとに更新され続けている点にあります。
実務で効いてくるのは、院内助産・助産師外来の担当者基準がレベルⅢ相当の実践能力とされていること、そしてCLoCMiPが人事考課や配置転換の資料として位置づけられていることです。ただし診療報酬の施設基準に規定されているわけではなく、給与にどう反映されるかは施設ごとの制度によります。
新規申請には満5年以上の実践経験、分娩介助100例以上などの実施例数、必須研修24項目、学術集会1回参加が必要で、費用は申請料と研修費を合わせておよそ9万5千円が目安です。更新は5年ごとで、総合評価Aと選択研修145時間が加わります。出産や育児で更新が難しい年は更新時期延長申請、認証を失った後は再認証申請という道もあります。
要件も申請料も年度ごとに見直されるため、申請を決めたら日本助産評価機構の公式サイトで最新の内容を確認したうえで、研修と実施例数の準備を計画的に進めていきましょう。





