理学療法士の人数は何人?国試合格者数・協会会員数・就業者数の統計と推移・地域差を解説
この記事では、理学療法士の人数を示す3つの統計を出どころごとに整理し、そのうえで人数の推移、増えてきた背景、都道府県ごとの分布、そして人数の変化が働き方に与える影響までをまとめました。
数字はすべて公表資料と時点を明記しています。進路を検討している方も、現役で将来を考えている方も、判断の土台になる数字として使っていただけます。
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理学療法士の人数を示す3つの数字

理学療法士の人数として使われる数字には、大きく分けて「国家試験の累計合格者数」「日本理学療法士協会の会員数」「実際に就業している人数」の3つがあります。この3つは数え方が違うため、当然のことながら数も一致しません。
同じ「理学療法士の人数」という言葉でも、どれを指しているかで話の意味が変わります。まずは、それぞれが何を数えた数字なのかを押さえておきます。
国家試験の累計合格者数
日本理学療法士協会がまとめた統計によると、理学療法士国家試験の累計合格者数は247,546人です(令和8年度国家試験まで、2026年3月末現在)。理学療法士の人数として最も大きな数字が出るのはこの統計で、「約25万人」という表現はここから来ています。
ただしこれは、昭和41年度の第1回試験から令和8年度までに合格した人を足し上げた数です。すでに退職した人、出産や育児で離職中の人、他の職種に移った人も含まれます。免許は更新制ではないため、一度取得すれば取り消し等がない限り資格は残り、この累計から差し引かれることはありません。
つまり累計合格者数は「これまでに理学療法士の資格を得た人の総数」であって、現在働いている人数ではありません。この点を区別せずに「理学療法士は25万人いる」と書くと、実態より多く見えてしまいます。
日本理学療法士協会の会員数
日本理学療法士協会の会員数は144,943人です(2026年3月末現在、海外在住の136人を含む)。累計合格者数247,546人に対して、およそ6割にあたります。
協会は理学療法士の職能団体ですが、入会は任意で、資格を持っていれば自動的に会員になるわけではありません。そのため会員数も有資格者全体の数ではなく、有資格者のうち協会に入会している人の数です。
一方で、協会の統計は理学療法士の分布を知るうえで最も細かく使えるデータでもあります。公表されているのは次の項目です。
- 都道府県別の会員数
- 性別・年代別の構成と平均年齢
- 勤務先の種類別の会員数と施設数
- 施設あたりの理学療法士の人数分布
- 養成校数と入学定員の推移
- 国家試験合格者数と累計の推移
この記事の後半で扱う地域差や勤務先の広がりも、この統計をもとにしています。
実際に就業している人数
ここが最も注意が必要な点です。理学療法士が全国に何人就業しているかを一括して把握する統計は、公表資料の中には見当たりません。看護師や薬剤師には2年ごとの届出制度に基づく統計がありますが、理学療法士には同種の制度がないためです。
代わりに、施設の種類ごとの調査で従事者数が把握されています。最も人数が多いのは病院で、厚生労働省の令和5年医療施設(静態・動態)調査では常勤換算で88,925.5人でした。介護分野は令和6年介護サービス施設・事業所調査で施設の種類ごとに報告されています。
| 調査名 | 施設の種類 | 理学療法士の人数 | 時点 |
|---|---|---|---|
| 医療施設(静態・動態)調査 | 病院 | 88,925.5人(常勤換算) | 令和5年10月1日 |
| 一般診療所 | 18,913.8人(常勤換算) | 令和5年10月1日 | |
| 介護サービス施設・事業所調査 | 訪問看護ステーション | 28,666人 | 令和6年10月1日 |
| 介護老人保健施設 | 15,035人 | 令和6年10月1日 | |
| 通所介護 | 9,498人 | 令和6年10月1日 | |
| 介護老人福祉施設 | 2,676人 | 令和6年10月1日 | |
| 介護医療院 | 2,207人 | 令和6年10月1日 |
これらは調査の時点も対象も数え方も異なるため、単純に足して「就業者数」とすることはできません。学校や企業、行政機関で働く人も含まれていません。
賃金構造基本統計調査には理学療法士を含む区分の労働者数として279,650人という推計値がありますが、これは理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・視能訓練士の4職種を合わせた数で、しかも企業規模10人以上の事業所に限られます。
参考:日本理学療法士協会「統計情報」 / 厚生労働省「令和5(2023)年医療施設(静態・動態)調査・病院報告の概況」 / 厚生労働省「令和6(2024)年介護サービス施設・事業所調査の概況」
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人数の推移

理学療法士の人数は、この30年でおおよそ16倍になりました。ただし増え方は一定ではなく、時期によって傾きが変わっています。ここでは累計合格者数、毎年の合格者数、養成校と入学定員の3つの角度から推移を見ていきます。
数字を読むときは、どの年度時点のものかを必ず併記して確認してください。累計は年々増え続けるため、古い記事の数字をそのまま使うと実態から離れます。
累計合格者数の推移
累計合格者数は、平成7年度末で15,607人、平成17年度末で46,086人、平成27年度末で129,931人、そして令和8年度末で247,546人です。最初の10年で約2.9倍、次の10年で約2.8倍、その後の11年で約1.9倍と、伸び率は緩やかになってきました。
累計が減らないのには構造的な理由があります。協会の年齢分布を見ると、会員144,943人のうち61歳以上は2,592人で全体の1.8%にとどまり、40歳以下が100,112人と約7割を占めます。平均年齢は男性36.9歳、女性35.9歳です(いずれも2026年3月末現在)。
一般的な定年年齢に達する層がまだ薄いため、退職による自然減がほとんど生じていません。毎年1万人を超える新規合格者がそのまま上積みされる状態が続いており、この構造は当面変わらないと考えられます。
毎年の合格者数
直近の第61回理学療法士国家試験(令和8年2月23日実施)は、出願者12,951人、受験者12,436人、合格者11,156人、合格率89.7%でした。合格者数は平成29年度に12,388人まで伸びたあと、近年は1万人台前半で推移しています。
合格率は年によって74%台から97%台まで振れがありますが、直近5年は79〜89%台です。ただしこの数字は新卒者と既卒者を合わせた値で、新卒者の合格率は94.9%(受験11,366人・合格10,782人)と大きく上回ります。差し引きで計算すると既卒者は受験1,070人・合格374人で、合格率は約35%です。
新規合格者のほとんどは養成校を卒業したばかりの学生であり、毎年の増加分は養成校の卒業者数にほぼ連動します。人数の見通しを考えるうえで、次に見る入学定員が重要になるのはそのためです。
養成校数と入学定員の推移
養成校数は平成7年度の80校から令和8年度の274校へ、入学定員は同じ期間に2,640人から14,142人へ増えました。特に増えたのは平成10年代で、平成10年度の104校・3,520人から平成21年度には246校・13,279人と、11年間で定員が約3.8倍になっています。
養成校は四年制大学、短期大学、専門職大学、専門学校の4区分で公表されています。令和8年度の内訳は四年制大学125校、短期大学5校、専門職大学6校、専門学校138校です。直近では減少に転じており、令和6年度の279校・14,954人をピークに、令和7年度278校・14,589人、令和8年度274校・14,142人と2年続けて定員が減っています。
区分別に見ると変化はさらにはっきりします。専門学校は平成21年度の165校をピークに令和8年度は138校まで減った一方、四年制大学は平成4年度にわずか1校で始まり、令和8年度には125校になりました。
参考:日本理学療法士協会「統計情報」 / 厚生労働省「第61回理学療法士国家試験及び第61回作業療法士国家試験の合格発表について」
人数が増えてきた背景

理学療法士がここまで増えたのは、養成する側と、リハビリテーションを必要とする側の両方が広がったためです。前章で見た入学定員の急増は前者、高齢化に伴う需要の拡大は後者にあたります。
養成校の設置に関する規制の緩和
養成校が急増したのは1990年代後半から2000年代です。協会の統計では平成7年度に80校だった養成校が平成17年度には183校となり、10年で倍以上になりました。増加が最も速かったのは平成14年度から平成21年度で、この7年間だけで148校から246校へ増えています。
この時期に何がきっかけとなったかを一次資料で特定するのは難しく、年次や制度改正の内容を断定することは避けるべきです。
確実に言えるのは、増加を受けて国が養成の質を担保する方向に動いたことです。厚生労働省は2017年6月から「理学療法士・作業療法士学校養成施設カリキュラム等改善検討会」を開催し、その結果として指定規則が改正されました。
現在の指定規則では、理学療法士の養成に臨床実習20単位以上を含む101単位以上が求められ、臨床実習のうち3分の2以上は医療提供施設で行うこと、通所リハビリテーションまたは訪問リハビリテーションに関する実習を1単位以上行うことなどが定められています。
リハビリテーションの需要拡大
もう一方の背景が、高齢化によるリハビリテーション需要の拡大です。内閣府の令和7年版高齢社会白書によると、介護保険で要介護または要支援の認定を受けた人は令和4年度末で681.4万人となり、平成24年度末の545.7万人から135.7万人増えました。
年齢が上がるほど認定を受ける割合は高くなります。65〜74歳では要支援1.4%・要介護3.0%であるのに対し、85歳以上では要支援14.0%・要介護44.5%と大きく上昇します。高齢者人口の中でも高年齢層が厚くなるほど、リハビリテーションの対象となる方は増える計算です。
この需要は病院の中だけにとどまりません。協会の勤務先データを見ると、訪問看護ステーション、訪問リハビリテーション、通所リハビリテーション、介護老人保健施設といった介護分野で働く会員が相当数を占めています。理学療法士の増加は、活躍する場が医療機関の外へ広がってきた過程とも重なっています。
参考:日本理学療法士協会「統計情報」 / 厚生労働省「理学療法士作業療法士学校養成施設指定規則」 / 内閣府「令和7年版高齢社会白書 第1章第2節2 高齢期の暮らしの動向」
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地域による分布の違い

全国の人数だけを見ても、自分が働く地域の状況は分かりません。理学療法士は都道府県によって人数も密度も大きく異なり、実数の順位と人口あたりの順位はほぼ逆になります。
ここでは日本理学療法士協会が公表する都道府県別会員数を使って、実数と人口あたりの2つの見方で整理します。
都道府県別の人数
会員数が最も多いのは東京都で11,506人、次いで大阪府10,751人、北海道7,702人と続きます(2026年3月末現在)。少ない側は秋田県858人、島根県908人、鳥取県951人です。
最多の東京都と最少の秋田県では13倍以上の開きがありますが、これは人口規模の差をそのまま反映したもので、この数字だけでは働きやすさや就職のしやすさは判断できません。
人口あたりで見た差
そこで、協会の都道府県別会員数を各県の人口で割り、人口10万人あたりの人数を算出します。人口は総務省統計局の令和7年国勢調査人口速報集計(2025年10月1日現在)を用い、会員数(2026年3月末現在)÷人口(2025年10月1日現在)×100,000で計算しました。
全国平均は117.7人です。最も多いのは高知県の256.7人で、徳島県、鹿児島県、和歌山県、佐賀県と西日本の県が続きます。逆に最も少ないのは神奈川県の80.2人で、東京都、埼玉県が下位に並びます。
高知県と神奈川県では約3.2倍の差があります。実数では1位・5位だった東京都と神奈川県が、人口あたりでは下から2つに入れ替わる形です。理学療法士が多い地域と、人口に対して密度が高い地域は別物だといえます。
分布の差が意味すること
人口あたりの人数が多い地域では、有資格者に対して求められる人手がすでに満たされている可能性があります。逆に人口あたりが少ない地域は、人口が多く医療機関も多いため求人の絶対数は多くなりやすいと考えられます。
ただし、この数字だけで「就職しやすい/しにくい」を判断することはできません。会員数は協会に入会している人の数であり、入会率が地域によって異なる可能性があります。また、高齢化率や医療機関の配置、回復期リハビリテーション病棟や訪問リハビリテーション事業所がどれだけあるかによって、必要とされる人数は変わります。
- 全国の人数より先に、志望する地域の求人数を見てみてください
- 人口あたりが少ない地域は、求人の数自体は多くなりやすいです
- 医療キャリアナビ掲載の理学療法士求人は6,409件(2026年時点)です
分布の差から言えるのは、全国の人数が増えていても、地域によって状況はかなり違うということです。就職先や転職先を検討する際は、全国の総数ではなく、自分が働きたい地域の求人状況を個別に確認する方が実態に近づけます。
理学療法士の求人を探す参考:日本理学療法士協会「統計情報」 / 総務省統計局「令和7年国勢調査 調査の結果」
人数の変化が働き方に与える影響

人数が増えることは、就職先の選び方、給与、働く場の広がりに影響します。ここでは公表データから言えることに絞って見ていきます。将来の見通しには不確実な部分が多く、断定的な結論は出せない点をあらかじめお伝えしておきます。
就職・転職への影響
将来の需給についてよく引用されるのが、理学療法士・作業療法士の供給が2040年頃に需要の約1.5倍になるという推計です。これは厚生労働省の理学療法士・作業療法士需給分科会が示したものですが、注意すべき点が2つあります。
1つは公表時期です。この推計が示されたのは2019年4月5日の第3回分科会で、分科会はその後開かれていません。つまり7年前の資料です。もう1つは前提条件です。この推計は理学療法士の養成定員が13,629人(2011〜2017年の中央値)で維持されると仮定した条件付きのもので、確定した予測ではありません。
実際の令和8年度の入学定員は14,142人と前提を上回る一方、令和6年度をピークに2年続けて減っており、前提とも実態とも動きがずれています。
就職先の選択という点では、勤務先の規模の違いも押さえておきたいところです。協会の統計では、会員が登録している勤務先施設のうち理学療法士が1人だけの施設が12,441施設あり、勤務先として登録された26,613施設の約47%を占めます。1〜3人の施設まで広げると約72%です。一方で31人以上が在籍する施設は715施設にとどまります。
同じ「理学療法士として働く」でも、大勢の同職種と働く職場と、ほぼ1人で担当する職場では業務の進め方も学びの環境も変わります。
転職活動するなら?
給与への影響
賃金構造基本統計調査(令和7年)では、理学療法士を含む区分の平均は年齢36.2歳、勤続8.4年、きまって支給する現金給与額309,900円、年間賞与717,200円でした。12か月分と賞与を合わせた推計年収は約443万6千円です。前年(令和6年)の同区分は約444万円で、ほぼ横ばいでした。
年齢階級別に見ると、推計年収は20〜24歳で約337万円、30〜34歳で約431万円、40〜44歳で約482万円、50〜54歳で約549万円と上がっていきます。ただし労働者数は25〜29歳の53,060人がピークで、50〜54歳は18,660人、55〜59歳は6,850人と急に薄くなります。
年齢が上がるほど給与は上がるものの、そこまで働き続けている人がまだ少ないという構成です。
年齢階級別の推計年収と労働者数
※4職種を合算した区分の値
活動領域の広がり
人数の増加は、働く場が病院の外へ広がってきたことと並行して進みました。協会の勤務先分布(2026年3月末現在、休会者を除く)を見ると、病院・センターに72,460人、診療所に11,644人と医療機関が中心であることは変わりません。ただし、それ以外の勤務先も細かく公表されています。
介護・在宅の分野に加えて、大学や専門学校といった教育・研究、市区町村や地域包括支援センターなどの行政、さらに一般企業やスポーツチームとの契約まで、区分は多岐にわたります。1つひとつの人数は多くありませんが、医療保険・介護保険の枠の外に働き方の選択肢が生まれていることは統計にも表れています。
進路や転職先を考えるときは、病院か介護施設かという二択で絞らず、こうした区分にも目を通してみると選択肢が広がります。
参考:日本理学療法士協会「統計情報」 / 厚生労働省「理学療法士・作業療法士需給分科会」 / e-Stat「賃金構造基本統計調査 5 職種(小分類)、年齢階級別 きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」
まとめ
理学療法士の人数は、どの統計を見るかで答えが変わります。国家試験の累計合格者数は247,546人(令和8年度まで)、日本理学療法士協会の会員数は144,943人(2026年3月末現在)、そして全国の就業者数を一括して示す統計は存在しません。数字を使うときは、必ず出どころと時点を添えることが大切です。
増加のペースは変わりつつあります。入学定員は令和6年度の14,954人をピークに2年続けて減り、令和8年度は14,142人です。一方で協会会員の61歳以上は1.8%にとどまり、退職による自然減はまだ小さいため、有資格者の総数はしばらく増え続けると考えられます。
地域差も見逃せません。人口10万人あたりで見ると高知県256.7人に対し神奈川県80.2人と約3.2倍の差があり、全国の総数だけでは自分の地域の状況は分かりません。
将来を考えるときは、全国の総数よりも、働きたい地域の求人状況、応募先の理学療法士の在籍人数、そして医療機関以外も含めた選択肢を具体的に確認してみてください。





