デイサービス管理者の給料はいくら?年収の目安と給料に差がつく要因
デイサービスの管理者を打診された、あるいは管理者の求人を見て「今の給料からどれくらい上がるの?」と気になっていませんか?
デイサービス管理者の給料は、兼務の有無や事業所の規模、運営法人によって同じ肩書きでも差が出ます。
この記事では、厚生労働省の調査をもとにデイサービス管理者の給料・年収の目安を整理し、給料に差がつく要因と、看護師やリハビリ職など医療職から管理者になるルート、給料を上げる方法を紹介します。
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デイサービス管理者の給料の目安

厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査」には、事業所の「管理者」だけを取り出した集計はありません。 そのため、デイサービス(通所介護)で働く介護職員のうち、主任・リーダーなど「管理職」に当たる人の給与が、管理者の給料を考えるときに一番近い公的データです。 以下の金額は、いずれも令和6年9月時点の月給・常勤の人の平均です。
平均月給と年収
通所介護の管理職の平均給与額は、月36万1,080円です。 この金額は基本給に手当と一時金(賞与)の月割り分を足したもので、12倍すると年収は約433万円が目安になります。
管理者は主任やリーダーをまとめる立場のため、この水準が一つの目安になります。 ただし、管理者の給与は法人の給与規程で決まり、手当の付け方も法人ごとに違います。 求人を比べるときは、月給の総額だけでなく「管理者手当」がいくらか、賞与が何か月分かまで確認しておくと安心です。
一般の介護職員との差
同じ通所介護の介護職員でも、管理職でない人の平均は月28万8,390円です。 管理職との差は月7万円あまりで、年換算すると80万円以上の開きになります。
この差には、役職手当だけでなく勤続年数の違いも含まれています。 管理職の平均勤続年数は11.7年、管理職でない人は7.9年で、経験を積んだ人が役職に就いていることが金額にも表れています。
月7万円の差って、責任の重さに見合ってるのかな?
他の介護施設の管理者との比較
サービスの種類別に管理職の月給を比べると、通所介護は調査対象の9サービスの中で最も低い水準です。 最も高い特別養護老人ホームとは、月7万5,000円ほどの差があります。
入所施設は夜勤があり、夜勤手当が給与に上乗せされます。 日中だけ営業するデイサービスは夜勤手当がないため、月給では入所施設より低く出やすくなります。 一方で、夜勤がなく、生活リズムを崩さずに管理職として働ける点はデイサービスの強みです。
今のあなたの状況は?
給料に差が生まれる要因

同じデイサービスの管理者でも、給料は「兼務しているか」「事業所の規模」「運営法人」「保有資格」の4つで変わります。 求人の金額が相場より高いか低いかを見極めるときは、この4つに当てはめてみましょう。
兼務しているかどうか
デイサービスの管理者は、事業所の管理に支障がなければ、生活相談員や機能訓練指導員など同じ事業所の他の職務を兼ねられます。 小規模な事業所ほど人員に余裕がなく、管理者が生活相談員や看護職員を兼ねる働き方が多いです。
兼務する職種によって、給料の土台は変わります。 介護施設全体で見ると、看護職員や介護支援専門員、リハビリ職は介護職員より平均月給が高めです。
資格が必要な職種を兼ねると、法人によっては資格手当や兼務手当が上乗せされます。 その一方で、送迎や入浴介助、機能訓練まで管理者が担うことになり、管理業務に使える時間が減る点は覚悟しておきましょう。
「管理者兼生活相談員」のような求人は、月給に兼務分の手当が含まれているかどうかで実質の待遇が変わります。面接で手当の内訳と、1日のうち管理業務に充てられる時間を確認しておきましょう。
機能訓練指導員として働く場合の負担については、以下の記事で紹介しています。
事業所の規模と利用定員
デイサービスは、人員基準で利用者が15人を超えると5人ごとに介護職員を1人以上増やすことになっています。 利用定員が大きい事業所ほど職員数が増え、管理者が束ねる人数も売上も大きくなります。
通所介護の介護職員(月給・常勤)の平均給与を規模別に見ると、規模が大きい区分のほうが月2万円前後高くなっています。
利用定員18人以下の地域密着型通所介護のような小規模事業所では、管理者自身が現場に入る時間が長くなりがちです。 規模が大きい事業所は、管理者が管理業務に専念しやすく、その分の責任に見合った手当が設定されていることもあります。
条件にあった求人を探してもらう運営法人の種別
運営法人の種別によっても給与水準は変わります。 通所介護の介護職員では、社会福祉法人が平均月30万7,000円で最も高く、営利法人(株式会社など)や医療法人は29万円台です。
| 運営法人 | 平均月給 | 平均勤続年数 |
|---|---|---|
| 社会福祉法人 | 307,000円 | 10.6年 |
| 営利法人(株式会社等) | 291,450円 | 6.2年 |
| 医療法人 | 290,240円 | 9.2年 |
| その他 | 280,600円 | 8.0年 |
| 社会福祉協議会 | 267,210円 | 12.7年 |
社会福祉法人は、勤続年数に応じて昇給する給与表を持つところが多く、長く勤めるほど差が開きやすい傾向があります。 営利法人は法人ごとの差が大きく、成果に応じた手当や、複数店舗を運営する会社での昇格ルートを用意しているところもあります。
保有している資格
資格の有無も、給料の差につながります。 通所介護の介護職員では、介護福祉士の平均が月30万4,850円で、資格のない人より2万円以上高い水準です。
介護支援専門員(ケアマネジャー)や社会福祉士を持つ人はさらに高い水準です。 社会福祉士は生活相談員の要件になる資格でもあるため、管理者と生活相談員を兼ねられる人材として評価されやすくなります。
同じ管理者でも、条件の組み合わせで給料はかなり変わるんだね!
参考:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」 / e-Gov法令検索「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」
デイサービス管理者の仕事内容

デイサービスの管理者は、事業所の職員の管理と、利用の申し込みの調整、業務の実施状況の把握などを一元的に担う責任者です。 仕事は大きく「人」「利用者さん」「行政・お金」「現場」の4つに分かれます。
- 人員基準を満たす配置の確認毎日
- 翌月のシフト作成毎月
- 採用面接・新人教育随時
- 新規利用の受け入れ判断・契約随時
- 通所介護計画の作成管理随時
- ケアマネジャーへの報告・連絡毎月
- 介護報酬の請求内容の確認毎月
- 加算要件の記録・書類の整備毎月
- 変更届・運営指導への対応随時
- 送迎・入浴介助・レクリエーション毎日
- 利用者さんの体調変化への対応随時
- 職員からの相談・トラブル対応随時
職員の採用とシフト管理
管理者は、人員基準を満たすように職員を配置する責任があります。 生活相談員・看護職員・介護職員・機能訓練指導員の必要な人数を、営業日ごとに確保できるようシフトを組みます。
急な欠勤で基準を満たせなくなると、介護報酬の減算につながることもあるため、欠員を出さない採用と定着の工夫は管理者の大事な仕事です。 求人の出稿や面接、新人の教育計画づくりも管理者が担うことが多いです。
利用者の受け入れとケアマネジャーとの調整
新しい利用者さんの受け入れは、居宅介護支援事業所のケアマネジャーからの依頼で始まります。 管理者は定員の空き状況を見ながら受け入れを判断し、契約や通所介護計画の作成を管理します。
稼働率(定員に対してどれだけ利用者さんが来ているか)は、事業所の収入に直結します。 ケアマネジャーとの関係づくりは、稼働率を保つうえで欠かせない営業活動でもあります。
職員と利用者さん、ケアマネさんの間に立つのは気をつかうよね
行政への書類提出と加算の管理
指定の更新や変更届、運営指導(実地指導)への対応など、自治体とのやりとりも管理者の担当です。 加算を算定するには、要件を満たしていることを示す記録や計画書が必要で、その整備と毎月の請求の確認も管理者が見ます。
書類の不備があると、運営指導で介護報酬の返還を求められることがあります。 加算の要件を把握しておくことは、事業所の収入を守ることにもつながります。
転職活動するなら?
現場業務との兼務
多くのデイサービスでは、管理者も送迎や入浴介助、レクリエーションなどの現場業務に入ります。 管理業務は現場が落ち着いた時間や、利用者さんが帰ったあとの夕方にまとめて進める形になりがちです。
1日の流れや職種ごとのスケジュールは、以下の記事で紹介しています。
参考:e-Gov法令検索「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」
管理者になるための要件

デイサービスの管理者の要件は、厚生労働省令「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」で定められています。 押さえておきたいのは、「常勤で専従が原則」「資格は不要」「支障がなければ兼務できる」の3点です。
資格要件
基準では、事業所ごとに「専らその職務に従事する常勤の管理者」を置くことだけが決められています。 介護福祉士などの資格は、法令上は求められていません。
指定通所介護事業者は、指定通所介護事業所ごとに専らその職務に従事する常勤の管理者を置かなければならない。ただし、指定通所介護事業所の管理上支障がない場合は、当該指定通所介護事業所の他の職務に従事し、又は他の事業所、施設等の職務に従事することができるものとする。
ただし、実際の求人では「介護福祉士」「生活相談員の経験」「介護現場での管理経験」などを応募条件にしている法人が多いです。 法令で資格が不要でも、職員をまとめる立場として経験や資格を見られる点は変わりません。
兼務が認められる範囲
管理者は常勤・専従が原則ですが、事業所の管理上支障がない場合は、次の働き方が認められています。
- 同じデイサービスの他の職務(生活相談員・看護職員・介護職員・機能訓練指導員など)を兼ねる
- 他の事業所や施設の職務を兼ねる
「支障がない」かどうかは、事業所の規模や兼務先の業務量を踏まえて指定権者の自治体が判断します。 兼務を前提にした配置を考えている場合は、事前に自治体の窓口に確認しておくのが無難です。
管理者の資格要件と兼務の範囲は、以下の記事でさらに詳しく紹介しています。
医療職から管理者になるルート
デイサービスには看護職員と機能訓練指導員の配置が必要なため、看護師や理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などの医療職が働いています。 管理者に資格要件がない以上、医療職が現職の職務と兼務する形で管理者に就くことも可能です。
医療職の経験は、管理者になっても強みになるよ
医療職の管理者は、利用者さんの体調変化や機能訓練の内容を自分で判断できるため、医療的なケアが必要な利用者さんの受け入れに強い事業所をつくりやすくなります。 一方で、介護保険の請求や加算の仕組み、介護職員のシフト管理は病院勤務では経験しにくい分野です。 まずは兼務で管理業務に慣れ、そのあと専従の管理者や複数事業所の統括を目指す流れが現実的です。
条件にあった求人を探してもらう参考:e-Gov法令検索「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」
給料を上げる方法

デイサービス管理者が給料を上げる方法は、「自分の評価を上げる」「事業所の収入を増やす」「職場を変える」の3方向に分かれます。 資格取得や転職に加えて、管理者だからこそ動かせるのが加算の見直しです。
介護福祉士・ケアマネジャーの資格を取る
前述のとおり、介護福祉士や介護支援専門員の資格を持つ人は、持たない人より平均給与が高い傾向があります。 法人の給与規程で資格手当が決まっている場合は、資格を取るだけで確実に月給が上がります。
介護職員として実務経験を積んできた人なら、介護福祉士が最初の目標です。 看護師やリハビリ職の人は、国家資格と実務経験をもとにケアマネジャーの受験資格を満たせる場合があり、管理者としての評価にもつながります。
加算の算定状況を見直す
事業所の収入は、基本の介護報酬と加算で決まります。 管理者の給与の原資も、事業所がどの加算をどこまで算定できているかに左右されます。
特に影響が大きいのが、職員の賃上げに充てる「介護職員等処遇改善加算」です。 令和8年6月からは加算率が引き上げられ、対象も介護職員だけでなく介護従事者全体に広がりました。
| 区分 | 加算率 | 主な上乗せ要件 |
|---|---|---|
| Ⅰロ | 12.0% | Ⅰイの要件+令和8年度特例要件 |
| Ⅰイ | 11.1% | Ⅱの要件+経験・技能のある介護職員 |
| Ⅱロ | 11.8% | Ⅱイの要件+令和8年度特例要件 |
| Ⅱイ | 10.9% | Ⅲの要件+改善後賃金年額440万円 |
| Ⅲ | 9.9% | Ⅳの要件+昇給の仕組み |
| Ⅳ | 8.3% | 賃金体系の整備・研修の実施 |
令和6年9月時点で、通所介護のうち最も上位の加算Ⅰを取得していた事業所は36.7%で、特別養護老人ホーム(80.1%)の半分以下でした。 上位区分に上げるには、キャリアパスの整備や職場環境の改善といった要件を満たす必要があり、その体制づくりは管理者が主導できる部分です。
個別機能訓練加算や入浴介助加算など、令和6年度介護報酬改定で要件が見直された加算も、算定できているか確認してみましょう。 要件を満たしているのに算定していない加算があれば、事業所の収入を増やし、給与や賞与に反映してもらう交渉材料になります。
加算の名称や要件は介護報酬改定のたびに変わります。見直すときは、最新の改定年度の告示や通知を必ず確認しましょう。
規模の大きい事業所へ移る
前述のとおり、規模が大きい事業所や社会福祉法人の事業所は、平均給与が高い傾向があります。 今の事業所で昇給の余地が小さい場合は、利用定員が大きい事業所や、給与表が整った法人への転職も選択肢の一つです。
- 月給より管理者手当と賞与の月数で比べる
- 兼務の有無と兼務手当の内訳を確認する
- 処遇改善加算の区分も待遇の判断材料に
管理者の求人は一般に公開されていないこともあるため、転職エージェントを通して条件を比べると効率的です。
複数事業所の統括に就く
複数のデイサービスを運営する法人では、エリアマネージャーや統括管理者といった役職があります。 管理者として稼働率や加算の算定を改善した実績は、統括ポストへの昇格で評価されやすいポイントです。
今の事業所で実績を積むのも、立派な給料アップの道だよ!
統括の役職は複数事業所の数字を見る分、管理者より給与が高く設定されることが多いです。 転職で統括ポストを狙う場合は、担当事業所の数や、自分が現場に入る時間があるかも確認しておきましょう。
参考:厚生労働省「介護職員の処遇改善:TOP・制度概要」 / 厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」
まとめ
デイサービス管理者の給料は、公的データでは管理職の平均で月36万円台・年収430万円前後が目安です。 入所施設より低めですが、兼務の有無、事業所の規模、運営法人、資格によって金額は大きく変わります。
この記事のポイント
- 通所介護の管理職の平均は月36万1,080円(年換算約433万円)
- 一般の介護職員とは月7万円あまりの差
- 兼務・規模・法人・資格の4つで給料に差がつく
- 管理者に法令上の資格要件はなく医療職も就ける
- 処遇改善加算など加算の見直しは管理者が動かせる
今の条件が相場と比べてどうか迷ったら、兼務の内容や手当の内訳まで含めて、ほかの事業所の求人と比べてみましょう。 管理者候補の求人は条件交渉の余地があることも多いため、転職エージェントに相談すると、求人票に載っていない待遇まで確認できます。


