個別機能訓練計画書の書き方について詳しく解説|項目別の記入と評価の流れ
個別機能訓練計画書の書き方がわからず、記入例を探しているうちに「うちの事業所にもこの例は当てはまるの?」と迷っていませんか?
個別機能訓練計画書は、通所介護・短期入所生活介護・特定施設・特別養護老人ホームでそれぞれ要件が違い、書類を整えるだけでは満たせない手順もあります。
この記事では、令和6年度介護報酬改定後の厚生労働省の通知をもとに、サービス種別ごとの違い、作成の流れ、項目別の書き方、評価と見直し、運営指導で確認されやすい点までをまとめて紹介します。
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個別機能訓練計画書とは?

個別機能訓練計画書は、利用者さん一人ひとりの心身の状態や希望をもとに、機能訓練の目標と内容を決め、その実施と評価を記録していくための書類です。
機能訓練指導員が中心になって作りますが、看護職員・介護職員・生活相談員なども関わる多職種の書類でもあります。
作成する目的
計画書のいちばんの目的は、「何のために、どんな訓練を、どのくらい行うか」を利用者さんごとに決めて、関わる職員全員で共有することです。 厚生労働省の通知では、通所介護の個別機能訓練は、住み慣れた地域で居宅において可能な限り自立して暮らし続けることを目的に、生活機能の維持・向上を図るものとされています。
そのため、計画書は「歩く練習をする」といった訓練メニューの一覧ではありません。 トイレに一人で行く、近所のスーパーに買い物に行くといった生活上の目標があり、その達成に必要な訓練を組み立てた記録です。
計画書は、ケアマネジャーが作る居宅サービス計画や、事業所の通所介護計画と連動し、内容に食い違いがないように作ることが大切です。
個別機能訓練加算との関係
個別機能訓練加算を算定する場合、機能訓練指導員等が共同して利用者さんごとに個別機能訓練計画を作成することが、厚生労働大臣が定める基準(告示)で要件として定められています。 つまり、加算を算定する事業所にとって計画書は「あったほうがよい書類」ではなく、算定の根拠になる書類です。
加算の区分や単位数、人員配置の要件は、計画書の書き方とは別に確認が必要です。 区分ごとの算定要件は以下の記事で詳しく紹介しています。
加算を算定しない場合の取り扱い
加算を算定していなくても、機能訓練の計画と記録が不要になるわけではありません。 運営基準では、サービスの種類ごとに次のような決まりがあります。
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通所介護管理者が、利用者さんの心身の状況や希望を踏まえて「機能訓練等の目標」とサービス内容を記載した通所介護計画を作成し、説明・同意・交付を行う
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短期入所生活介護利用者さんの心身の状況を踏まえ、必要に応じて生活機能の改善や維持のための機能訓練を行う
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介護老人福祉施設入所者さんの心身の状況に応じて、日常生活に必要な機能を改善し、またはその減退を防ぐ訓練を行う
加算の有無にかかわらず、機能訓練の目標と内容を計画に書き、実施した記録を残すことは運営上の前提です。 加算を算定しない事業所でも、この記事の書き方を通所介護計画などの作成に活かせます。
加算がなくても、計画と記録はセットで考えよう!
参考:厚生労働省「リハビリテーション・個別機能訓練、栄養、口腔の実施及び一体的取組について(介護保険最新情報Vol.1217)」 / e-Gov法令検索「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」
サービス種別によって様式と要件が異なる

個別機能訓練加算は、通所介護だけでなく、短期入所生活介護、特定施設入居者生活介護、介護老人福祉施設にも設けられています。
名前は同じでも、区分・居宅訪問の有無・説明の頻度・LIFEへの提出がサービスごとに違うため、通所介護向けの記入例をそのまま当てはめるのは避けましょう。
| 項目 | 通所介護・地域密着型通所介護 | 短期入所生活介護 | 特定施設入居者生活介護 | 介護老人福祉施設 |
|---|---|---|---|---|
| 加算の区分 | (Ⅰ)イ・(Ⅰ)ロ・(Ⅱ) | 区分なし(1種類) | (Ⅰ)・(Ⅱ) | (Ⅰ)・(Ⅱ)・(Ⅲ) |
| 作成前の居宅訪問 | 必要 | 必要 | 要件なし | 要件なし |
| 説明・見直しの頻度 | 3月ごとに1回以上、居宅訪問のうえ説明 | 3月ごとに1回以上、居宅訪問のうえ説明 | 開始時と3月ごとに1回以上説明・記録 | 開始時と3月ごとに1回以上説明・記録 |
| LIFEへの提出 | (Ⅱ)で必要 | 要件の区分なし | (Ⅱ)で必要 | (Ⅱ)で必要 |
| 他の計画での代替 | 通所介護計画への記載で可 | 通知で確認 | 通知で確認 | 施設サービス計画への記載で可 |
通所介護・地域密着型通所介護
通所介護と地域密着型通所介護の個別機能訓練加算は、(Ⅰ)イ・(Ⅰ)ロ・(Ⅱ)の3区分です。 計画書づくりで特に大きいのは、機能訓練指導員等が利用者さんの居宅を訪問し、生活状況を確認したうえで計画を作成するという要件です。
(Ⅱ)は(Ⅰ)に上乗せする区分で、計画書の内容などをLIFEに提出し、フィードバックを活用することが求められます。 また、個別機能訓練計画に相当する内容を通所介護計画の中に書く場合は、その記載で計画の作成に代えられます。
短期入所生活介護
短期入所生活介護の個別機能訓練加算は区分が分かれておらず、1種類です。 短期間の利用が中心のサービスですが、居宅を訪問したうえで計画を作成し、その後3月ごとに1回以上居宅を訪問して説明・見直しを行うことが告示で定められています。
目標設定や計画作成、実施後の対応は、通所介護の事務処理手順と「一致する点も多い」とされています。 一方で、人員配置の要件や加算の目的は通所介護と異なるため、そのまま流用せず、自事業所の要件と照らし合わせましょう。
特定施設入居者生活介護
有料老人ホームなどの特定施設では、個別機能訓練加算は(Ⅰ)と(Ⅱ)の2区分です。 機能訓練指導員・看護職員・介護職員・生活相談員などが共同して計画を作り、開始時とその後3月ごとに1回以上、計画の内容を利用者さんに説明して記録することが求められます。
利用者さんが施設で暮らしているため、通所介護のような居宅訪問の要件はありません。 (Ⅱ)を算定する場合は、LIFEへの情報提出が加わります。
介護老人福祉施設
特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)の個別機能訓練加算は、(Ⅰ)・(Ⅱ)・(Ⅲ)の3区分です。 令和6年度の改定で(Ⅲ)が新設され、個別機能訓練・口腔・栄養の情報を関係職種で共有し、必要に応じて計画を見直すことが要件になりました。
説明と記録の頻度は特定施設と同じく、開始時とその後3月ごとに1回以上です。 また、計画に相当する内容を施設サービス計画の中に書く場合は、その記載で個別機能訓練計画に代えられるとされています。
自分の事業所に適用される基準を確認する方法
計画書の要件は、告示(算定の基準)と留意事項通知(解釈)、事務処理手順を示した通知の3つを合わせて確認します。 都道府県や市町村が公表している集団指導資料には、地域での取り扱いや過去の指摘事例がまとまっていることも多いです。
厚生労働省が示す様式例はあくまで参考で、独自の様式を使っている事業所もあります。 独自様式の場合は、様式例にある項目(目標、訓練項目、頻度、時間、実施者、説明日など)が漏れていないかを確認しておくと安心です。
同じ加算名でも中身が違うから、混乱しやすいよね
サービス種別ごとの機能訓練指導員の配置基準は、以下の記事で紹介しています。
判断に迷う点は、指定権者(都道府県・市町村)の介護保険担当に確認するのが確実です。
条件にあった求人を探してもらう参考:厚生労働省「厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第95号)」 / 厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(短期入所サービス及び特定施設入居者生活介護に係る部分)及び指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について」
作成までの流れ

計画書は、記入欄を埋める前の手順が要件の中心です。 書類の見た目が整っていても、居宅訪問や多職種での作成、説明と同意の手順が抜けていると要件を満たしません。
ここでは、手順がもっとも細かく示されている通所介護の流れを軸に紹介します。
情報収集とアセスメント
最初に、利用者さんの心身の状況、生活環境、本人と家族の希望、日常生活や社会生活での役割を把握します。 厚生労働省の事務処理手順では、次の情報を集めることが示されています。
- 興味・関心チェックシートで、今していること・これからしたいことを本人から聞き取る
- 家族が本人に望んでいることを確認する
- 必要に応じて医師から、病名・治療経過・合併疾患・訓練上の留意事項の情報を得る
- ケアマネジャーから、居宅サービス計画の意向・課題・目標・サービス内容の情報を得る
医師から直接情報を得られない場合は、ケアマネジャーを通じて集める方法も認められています。
居宅を訪問して確認すること
通所介護と短期入所生活介護の個別機能訓練加算では、機能訓練指導員等が利用者さんの居宅を訪問し、生活状況を確認したうえで計画を作成することが要件です。 訪問では、生活機能チェックシートを使って次の点を確認します。
- 居宅の環境(段差、手すり、使っている福祉用具や補助具など)
- ADL・IADLの項目ごとの自立度と、実際の環境でできていること
- 自宅で動作をするうえでの課題
この要件は、計画書に「居宅訪問済み」と書くだけでは満たせません。 訪問日、訪問者、確認した内容を記録として残し、計画の作成日より前に訪問していることが分かるようにしておきましょう。
なお、特定施設と介護老人福祉施設の個別機能訓練加算には、この居宅訪問の要件はありません。
多職種による協働
計画は、機能訓練指導員だけで作るものではありません。 告示では、機能訓練指導員・看護職員・介護職員・生活相談員その他の職種の者が共同して作成することが求められています。
通知では、必要に応じて機能訓練指導員等以外の職種(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、歯科衛生士、管理栄養士など)からも助言を受けることが望ましいとされています。
機能訓練指導員の仕事全体の流れは、以下の記事も参考になります。
説明・同意・交付
計画ができたら、機能訓練指導員等が利用者さんまたは家族に内容を分かりやすく説明し、同意を得ます。 通所介護では、同意を得たうえで計画書を交付(電磁的記録の提供を含む)し、ケアマネジャーにも交付して同意を得た旨を報告する流れが示されています。
説明日・説明者・同意を得た日・交付した日を計画書や記録に残しましょう。後から説明の事実を確認できる形にしておくことが大切です。
同意をもらった記録って、どこに残せばいいの?
様式例の計画書には「説明日」「説明者」の欄があるため、ここを空欄にしないことが基本です。 署名欄を設けている事業所では、署名日と説明日がずれていないかもあわせて確認しましょう。
今のあなたの状況は?
参考:厚生労働省「リハビリテーション・個別機能訓練、栄養、口腔の実施及び一体的取組について(介護保険最新情報Vol.1217)」 / 厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」
項目別の書き方

ここからは、厚生労働省の様式例(別紙様式3-3「個別機能訓練計画書」)に沿って、項目ごとの書き方を紹介します。 各項目は「何を書く欄か」「記入の例」「避けたい書き方」の順にまとめています。
記入例はあくまで一例です。 利用者さんごとに内容は異なり、例文をそのまま書き写すと個別性がないと受け取られるおそれがあります。
作成日・計画作成者・要介護度などの基本情報
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何を書く欄か作成日・前回作成日・初回作成日、計画作成者と職種、氏名・生年月日・性別、要介護度、障害高齢者と認知症高齢者の日常生活自立度
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記入の例作成日:2026年4月3日/前回作成日:2026年1月6日/計画作成者:〇〇(理学療法士)/要介護2
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避けたい書き方作成日を空欄にする、同意日や算定開始日より後の日付を書く
作成日は、居宅訪問日や同意日との前後関係が確認される大切な欄です。 要介護度は計画作成時点の最新の認定結果を書きましょう。
健康状態と留意事項
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何を書く欄か病名、発症日・受傷日、直近の入退院日、治療経過、合併症、機能訓練を行ううえでの留意事項(運動強度・負荷量など)
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記入の例病名:左大腿骨頸部骨折(人工骨頭置換術後)/留意事項:股関節の深い屈曲と内旋を避ける。主治医から示された運動中止の基準を記載
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避けたい書き方「特になし」「不明」とだけ書く、禁忌動作が書かれていない
病名や合併疾患が分からないときは、空欄のままにせず、主治医やケアマネジャーに確認してから記載するのが基本です。 確認中の場合は「主治医に照会中(〇月〇日)」のように、情報源と確認の状況を書いておくと、あとから経過を追えます。
本人・家族の希望
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何を書く欄か利用者さん本人の希望、家族の希望、本人の社会参加の状況、居宅の環境
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記入の例本人:「また自分でスーパーに行って、好きな惣菜を選びたい」/家族:「日中、一人でトイレに行けるようになってほしい」
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避けたい書き方「機能維持」「現状維持」のように職員の言葉に置き換える
本人の希望は、できるだけ本人の言葉のまま書くのがおすすめです。 この欄は長期目標の根拠になるため、本人の言葉が残っていれば、目標と訓練内容がなぜその内容なのかを誰が読んでも追えます。
長期目標
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何を書く欄か心身機能・活動・参加の3つの視点で、生活上で達成したい状態
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記入の例参加:週1回、近所のスーパーに一人で買い物に行く/活動:買い物袋(2kg程度)を持って自宅まで約300m歩いて帰る
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避けたい書き方「筋力向上」「歩行能力の維持」だけで、生活上の行為が書かれていない
長期目標は、身体機能だけでなく、生活の中の行為や役割まで含めて書くことが求められています。 目標達成の目安となる期間もあわせて記載しましょう。
短期目標
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何を書く欄か長期目標を達成するために必要な行為を細かく分け、今後3か月で目指す状態
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記入の例機能:立ち上がりを手すりなしで5回続けてできる/活動:屋外を杖で100m休まずに歩ける
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避けたい書き方長期目標と同じ内容を繰り返す、3か月で達成を判断できない目標にする
様式例では、短期目標は計画の訓練実施期間内に達成を目指す項目だけを書けばよいとされています。
訓練項目とプログラムの内容
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何を書く欄かプログラム内容(何のために何をするか)、留意点、頻度、1回あたりの時間、主な実施者
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記入の例下の表を参照
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避けたい書き方「歩行訓練」「筋トレ」だけで、目的・頻度・時間・実施者が書かれていない
| プログラム内容 | 留意点 | 頻度 | 時間 | 主な実施者 |
|---|---|---|---|---|
| スーパーまで歩いて行くために杖を使って屋外の段差・坂道を歩く練習をする | 段差を降りるときは杖→患側→健側の順。息切れ時は休憩 | 週2回 | 20分 | 機能訓練指導員 |
| 買った物を持って帰るために2kg程度の袋を持って歩く練習をする | 袋は杖と反対の手で持つ | 週2回 | 10分 | 機能訓練指導員 |
| 店内で商品を選べるように立ったまま棚の物を取り、かごに入れる練習をする | 立位でのふらつきに注意し、そばで見守る | 週2回 | 10分 | 機能訓練指導員(介護職員が補助) |
訓練項目は、短期目標で設定した行為に対応するよう具体的に書くことが様式例に明記されています。 通所介護の場合、訓練はおおむね週1回以上が目安とされ、1回あたりの時間は訓練項目に必要な時間を考えて設定します。
特記事項
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何を書く欄か利用者さん本人や家族がサービス利用時間以外に行うこと、他の欄に書ききれない共有事項
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記入の例自宅での自主練習:朝食後に椅子からの立ち上がり10回(家族が見守り)/送迎時に玄関の段差昇降を確認
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避けたい書き方何も書かない、連絡事項だけを書く
通知では、自宅でもできる訓練項目をあわせて検討し、提示することが望ましいとされています。 自主練習の内容を書いておくと、次の評価で「家での取り組みがどうだったか」を確認しやすくなります。
- 記入例は文章でなく「書き方の型」として使う
- 本人の言葉と生活の場面を必ず1つは入れる
- 訓練項目がどの目標のためか1行で説明できるか確認
見直しの際は、様式例のⅢ「個別機能訓練実施後の対応」に、実施による変化と課題・要因を書き加えます。 初回作成時は、この欄は記載不要です。
参考:厚生労働省「リハビリテーション・個別機能訓練、栄養、口腔の実施及び一体的取組について(介護保険最新情報Vol.1217)」
目標の設定で気をつけること

目標の書き方は、評価や見直しのしやすさを左右します。 例文を探す前に、なぜその書き方が求められているのかを押さえておくと、どの利用者さんにも応用が利きます。
参加・活動・心身機能に分けて考える
厚生労働省の通知では、長期目標は「心身機能」「活動」「参加」をバランスよく含めて設定することが求められています。
考える順番は、参加(生活上の目的)→活動(必要な行為)→心身機能(訓練で高める力)です。 通知では、長期目標が「スーパーに食材を買いに行く」なら、リストを作る、店まで歩く、かごを持つ、支払いをする、袋を持って帰るといった行為に分け、それを短期目標として整理する例が示されています。
そのうえで、今の心身機能では難しい行為について、どの訓練で可能にするかを考えます。
達成したかどうかが判断できる書き方にする
「歩行能力の向上」のような目標は、3か月後に達成したかどうかを判断できません。 動作、距離、回数、場面といった要素を入れると、評価のときに誰が見ても判断がそろいます。
一方で、「孫とメールのやりとりを続ける」「趣味の囲碁教室に顔を出す」のように、数値にしにくい目標もあります。 数値化できない目標を無理に数字にする必要はありません。 「どんな場面で、どうなっていれば達成か」を書き添えるだけでも、評価しやすくなります。
期間を設定する
短期目標は、様式例で「今後3ヶ月」の目標として設定されています。 長期目標についても、目標達成の目安となる期間をあわせて記載するよう様式例に注記があります。
期間を書いておくと、評価のたびに「予定どおり進んでいるか」「期間内の達成が難しいか」を判断できます。 期間内に達成できなかった場合も、それ自体が問題になるわけではなく、理由を評価して目標や訓練を見直せば問題ありません。
条件にあった求人を探してもらう本人の希望と目標がずれないようにする
目標は、利用者さん本人や家族の意向、ケアマネジャーの意見を踏まえて設定します。 職員が「必要だ」と考える訓練目標だけを並べると、本人の意欲につながりにくくなります。
本人の言葉から目標を立てると、訓練にも前向きになってもらえるよ
作成後に、本人の希望の欄と長期目標の欄を並べて読み、つながりが説明できるかを確認しましょう。 つながらない場合は、希望の聞き取りが足りないか、目標が職員目線になっている可能性があります。
参考:厚生労働省「リハビリテーション・個別機能訓練、栄養、口腔の実施及び一体的取組について(介護保険最新情報Vol.1217)」
評価と見直しのサイクル

計画書は作成して終わりではなく、実施・評価・見直しを繰り返していく書類です。 評価の頻度や見直しのタイミングは、サービス種別ごとの通知で決まっています。
実施状況の記録
訓練を行ったら、利用者さんごとに記録を残します。 留意事項通知では、訓練の目標、訓練項目、訓練実施時間、実施者などの記録を利用者さんごとに保管し、個別機能訓練の従事者がいつでも閲覧できるようにしておくことが求められています。
予定していた訓練が利用者さんの都合で実施できなかった日は、通所介護では加算を算定できません。 実施しなかった日は、その理由も記録に残しておきましょう。
評価を行う頻度
評価の頻度は、サービス種別によって次のとおりです。
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通所介護・短期入所生活介護3月ごとに1回以上、居宅を訪問して生活状況を確認し、利用者さんまたは家族に進捗状況を説明する
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特定施設・介護老人福祉施設開始時とその後3月ごとに1回以上、利用者さんに計画の内容を説明し、記録する
通所介護では、評価結果をおおむね3月ごとにケアマネジャーにも報告・相談し、目標や訓練項目を見直すこととされています。 実施状況の説明は、居宅を訪問する日とは別の日に、ICTを活用して行っても差し支えないとされています。
計画書を作り直す場面
様式例には、目標の見直しや訓練項目の変更を行った場合は、計画書を再作成または更新すると注記されています。 ほかにも、次の場面では計画の内容を確認し直すのが無難です。
- 居宅サービス計画(ケアプラン)が変更・更新されたとき
- 入院や状態の急変などで、心身の状況が変わったとき
- 要介護度が変わったとき
- 担当する機能訓練指導員が交代したとき
ケアプランが変わった場合は、通所介護計画をケアプランに沿って見直す必要があり、個別機能訓練計画もあわせて整合を確認します。
要介護度の変更や担当者の交代で計画を作り直す必要があるかは、通知で一律に示されていない部分もあるため、判断に迷うときは保険者に確認しましょう。
転職活動するなら?
LIFEへの提出が求められる場合
LIFE(科学的介護情報システム)への情報提出が要件になっているのは、通所介護・特定施設・介護老人福祉施設の個別機能訓練加算(Ⅱ)など、一部の区分だけです。 すべての個別機能訓練加算で提出が必要なわけではありません。
(Ⅱ)を算定する場合は、利用者さんごとに次の月の翌月10日までに情報を提出します。
- 新しく個別機能訓練計画を作成した日の属する月
- 個別機能訓練計画を変更した日の属する月
- 上記のほか、少なくとも3月に1回
提出した情報とフィードバックを使って、計画の作成・実施・評価・見直しのPDCAサイクルを回すことも要件に含まれています。
提出月をカレンダーに入れておけば、うっかり忘れを防げるね!
参考:倉敷市「令和6年度集団指導資料(介護保険サービス事業者)」 / 厚生労働省「リハビリテーション・個別機能訓練、栄養、口腔の実施及び一体的取組について(介護保険最新情報Vol.1217)」
運営指導で指摘されやすい点

個別機能訓練計画書は、自治体の運営指導(旧:実地指導)で確認される書類のひとつです。 自治体が公表している集団指導資料には、過去に指摘された事例がまとめられており、書き方を見直すヒントになります。
作成日と算定開始日の前後関係
加算を算定するには、居宅訪問、計画の作成、説明と同意を済ませてから訓練を始める必要があります。
倉敷市の集団指導資料では、通所介護の報酬返還の対象になった事例として「居宅の訪問前や計画を作成する前に個別機能訓練を開始している」ことが挙げられています。
同じ資料では、居宅を訪問する前に計画を作成していた事例も不適切とされています。 書類の日付は、上の順番になっているかを算定開始前に見直しておきましょう。
同意と交付の記録
特定施設や介護老人福祉施設では、「利用者さんに定期的に計画の内容を説明・記録していない」ことが不適切事例として挙げられています。 説明したつもりでも、記録がなければ確認できません。
- 説明日と説明者が記録されている
- 同意を得た日が分かる
- 計画書を交付した記録がある(通所介護)
- 3月ごとの説明の記録が続いている
目標と訓練内容が対応しているか
利用者さん全員が同じ目標、同じ訓練項目になっていると、利用者さんごとの計画になっているかが確認できないと指摘される場合があります。 集団指導資料でも、特定施設や介護老人福祉施設で「計画が多職種共同で作成されていない」ことが不適切事例とされています。
目標と訓練の対応は、「この訓練は、どの短期目標のためのものか」を1行ずつ説明できるかで確認できます。 説明できない訓練項目があれば、目標から見直すか、項目を入れ替えましょう。
評価の記録が残っているか
評価に関しては、次のような事例が指摘されています。
- 計画に訓練の実施時間を位置付けていない
- 実施記録に、訓練を行った時間帯が記録されていない
- 3月ごとの居宅訪問が行われていない、または記録がない
- 記録に達成度や実施できなかった理由が書かれていない
特に、通所介護での3月ごとの居宅訪問の記録漏れは、報酬返還の対象になった事例として挙げられています。
要件を満たさない場合に生じること
運営指導で算定要件を満たしていないと判断された場合、その期間に算定した加算の返還を求められる場合があります。 LIFEへの提出が必要な区分で、提出すべき月に提出していなかった場合も、返還の対象として挙げられています。
日ごろから記録を残しておけば、必要以上に心配しなくて大丈夫だよ!
日ごろの確認は、この記事で紹介した日付の並び、説明と同意の記録、目標と訓練の対応、評価の記録の4点を押さえておけば十分です。 解釈に迷う点がある場合は、自己判断で進めず、指定権者や保険者に早めに相談しましょう。
参考:倉敷市「令和6年度集団指導資料(介護保険サービス事業者)」
まとめ
個別機能訓練計画書は、利用者さんの希望を出発点に、目標と訓練内容を決めて評価と見直しを重ねていくための書類です。 書き方の前に、自分の事業所のサービス種別で何が要件になっているかを確認することが、誤りを防ぐ近道です。
この記事のポイント
- サービス種別ごとに区分・居宅訪問・説明頻度・LIFEが違う
- 通所介護と短期入所は居宅訪問してから計画を作る
- 計画は多職種で作り、説明・同意の記録を残す
- 目標は参加・活動・心身機能の3視点で具体的に書く
- 評価と説明は3月ごと。日付の前後関係も確認する
令和6年度介護報酬改定の内容は、今後の改定で変わる可能性があります。 計画書の様式や手順を見直すときは、その時点の厚生労働省の通知と、指定権者が公表している資料をあわせて確認しましょう。
機能訓練指導員としての働き方や職場選びに迷ったときは、キャリアアドバイザーに相談して、自分に合う事業所を探してもらうのもひとつの方法です。


