機能訓練指導員のマッサージは違法行為にあたる?資格別の範囲と求められたときの対応

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デイサービスで機能訓練指導員として働いていると、利用者さんから「マッサージをしてほしい」もしくはそれと似たようなことを頼まれる場面があります。

応じてよいのか、それとも違法になるのか。判断の基準がはっきりしないまま、なんとなく続けている人も少なくありません。

機能訓練指導員のマッサージが違法行為にあたるかどうかは、「機能訓練指導員だから」では決まりません。持っている免許が何かによって、法律上の取り扱いが変わります。

この記事では、あはき法をはじめとする条文をもとに、資格ごとの範囲、機能訓練とマッサージの線引きの考え方、利用者さんから求められたときの対応を整理します。

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以下からひな形と見本をダウンロードできます。

    まずは機能訓練指導員の前提を確認

    デイサービスでストレッチをする高齢者と機能訓練指導員

    機能訓練指導員は職種の名称

    機能訓練指導員は、介護保険の指定基準に定められた配置上の職種です。

    機能訓練指導員は、国家資格の名称ではなく、有資格者が就く配置上のポジションです。機能訓練指導員という免許や試験は存在しません。

    資格名はどこに書かれているか

    指定基準(省令)
    第93条第1項第4号・第5項
    「機能訓練指導員 一以上」「機能の減退を防止するための訓練を行う能力を有する者」
    資格名の記載なし
    解釈通知
    老企第25号が資格名を列挙
    通知が挙げる6資格
    理学療法士
    作業療法士
    言語聴覚士
    看護職員
    柔道整復師
    あん摩マッサージ指圧師
    平成30年度介護報酬改定で追加
    追加された資格
    はり師・きゅう師
    機能訓練指導員を配置している事業所での実務経験6か月以上が条件

    行える行為は元の免許で決まる

    機能訓練指導員として配置されたからといって、行える行為が増えるわけではありません。配置基準は「その事業所に誰を置くか」を定めた規定であって、業務独占資格の範囲を広げるものではないためです。

    そのため、あん摩マッサージ指圧師が機能訓練指導員を務める場合と、柔道整復師が務める場合とでは、同じ肩書きでも法律上できることが一致しません。判断の起点は「機能訓練指導員かどうか」ではなく「どの免許を持っているか」です。

    参考:e-Gov法令検索「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」 / 厚生労働省「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準について」

    マッサージを業として行うには免許が必要

    あん摩マッサージ指圧師が腰をマッサージする手元

    マッサージは、誰でも自由に業として行える行為ではありません。根拠となる条文を確認します。

    法律の定め

    あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(あはき法)の第1条は、「医師以外の者で、あん摩、マツサージ若しくは指圧、はり又はきゆうを業としようとする者は、それぞれ、あん摩マツサージ指圧師免許、はり師免許又はきゆう師免許(以下免許という。)を受けなければならない」と定めています。

    押さえておきたいのは、免許が行為ごとに分かれているという構造です。あん摩マッサージ指圧を業として行うには、あん摩マッサージ指圧師免許そのものが必要になります。

    さらに第12条は「何人も、第一条に掲げるものを除く外、医業類似行為を業としてはならない」と定め、ただし書きで、柔道整復を業とする場合については柔道整復師法の定めるところによるとしています。

    罰則

    あはき法第13条の7第1号は、第1条の規定に違反してあん摩・マッサージ・指圧・はり・きゅうを業とした者を、50万円以下の罰金に処すると定めています。

    条文が対象として置いているのは「業とした者」、つまり行為を行った本人です。事業所の方針だから、上司にそう言われたから、という事情は条文上の要件になっていません。

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    「業として」とは何を指すか

    厚生省が昭和24年10月17日衛発第1048号で示した解釈では、法律上ある行為を業としてするという場合、その本来の意味は「その行為を反覆継続して行うということである」とされています。あわせて、相手方が不特定多数であることや対価を受けることは、本来の「業」の概念上必要ではないとも示されました。

    この通知は公衆浴場法・興行場法・旅館業法について出されたもので、あはき法の「業として」を直接説明したものではありません。

    それでも、「無料でやっているから業ではない」「決まった利用者さんにだけだから業ではない」ということにはなりません。

    「業として」の判断要素と通達解釈上の要否

    判断要素とされがちなもの本来の意味として必要か
    不特定多数を相手にすること✕
    反復継続の意思・実施◯
    対価を得ること✕

    必須要素として残るのは反復継続のみ

    介護保険サービスとして提供する場合

    介護保険サービスは、事業として継続的に提供されるものです。そのなかで同じ行為を繰り返し行っているのであれば、対価を別途もらっていないことや、相手が特定の利用者さんであることは、免許の要否を左右する事情になりにくいと考えられます。

    もう一つ混同しやすいのが、介護報酬の対象かどうかという軸です。加算を算定していない、サービス費に含まれる範囲でやっている、というのは報酬上の話であって、免許を要する行為かどうかとは別の問題です。

    介護報酬の対象か、免許を要する行為か

    別々の基準 介護報酬の対象か (加算算定の有無) 加算を算定しているか サービス費に含まれるか 介護保険の枠内か 免許を要する行為か (あはき法上の評価) あはき法の業に当たるか 免許の種類に含まれるか 反復継続して行っているか
    • 無償だから問題ない、加算を取っていないから問題ない、という整理にはなりません
    • 報酬上の取り扱いと、免許を要する行為かどうかは別の軸で判断されます

    参考:e-Gov法令検索「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」 / 厚生労働省「公衆浴場法等の営業関係法律中の業としての解釈について」

    資格ごとの取り扱い

    丸とバツの札を持って可否を示すスクラブ姿の女性

    機能訓練指導員になれるのは、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師です。マッサージに関する取り扱いは、このなかでも免許ごとにかなり違います。

    機能訓練指導員になれる8資格とあん摩マッサージ指圧の可否

    資格可否根拠条文
    理学療法士 条件付き 理学療法士及び作業療法士法第15条第2項。病院・診療所で行う、または医師の具体的な指示を受けて行う理学療法としてのマッサージはあはき法第1条の規定を適用しない。デイサービスでこの適用除外がどう扱われるかは条文だけでは定まらない
    作業療法士 不可 理学療法士及び作業療法士法上、作業療法の定義にマッサージは含まれず、同法第15条第2項の適用除外も理学療法士のみが対象
    言語聴覚士 不可 あはき法第1条が定める免許を保有せず、適用除外にあたる規定もない
    看護職員 断定不可 保助看法第5条・第6条。療養上の世話として行う手技とあはき法第1条の関係は条文だけでは読み取れない
    柔道整復師 不可 柔道整復師法第15条の免許は柔道整復についてのものであり、あん摩マッサージ指圧の免許とは別。あはき法第12条ただし書きも柔道整復を柔道整復師法に委ねているだけ
    あん摩マッサージ指圧師 可 あはき法第1条が定める免許そのものを保有。機能訓練指導員の配置にあたって実務経験の要件もない
    はり師 不可 あはき法の免許は行為ごとに分かれており、はり師免許ははりについての免許にとどまる
    きゅう師 不可 あはき法の免許は行為ごとに分かれており、きゅう師免許はきゅうについての免許にとどまる

    条文だけでは定まらない箇所は「条件付き」「断定不可」として区別

    あん摩マッサージ指圧師

    あん摩マッサージ指圧師は、あはき法第1条が定める免許そのものを持つ立場です。あん摩・マッサージ・指圧を業として行える資格であり、機能訓練指導員として配置されるにあたって実務経験の要件も付いていません。

    ただし、施術所を開いて行う業と、介護保険サービスのなかで行う機能訓練は、別の枠組みで動いています。事業所での提供内容をどう位置づけるかは、免許があるかどうかとは別に整理しておくと安心です。

    理学療法士・作業療法士

    理学療法士及び作業療法士法第2条第1項は、理学療法を「身体に障害のある者に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行なわせ、及び電気刺激、マツサージ、温熱その他の物理的手段を加えること」と定義しています。理学療法の定義そのものにマッサージが含まれている点が、他の資格と大きく異なります。

    そのうえで同法第15条第2項は、「理学療法士が、病院若しくは診療所において、又は医師の具体的な指示を受けて、理学療法として行なうマツサージについては、あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律第一条の規定は、適用しない」と定めています。適用除外には病院・診療所で行う、または医師の具体的な指示を受けて行うという条件が付いている形です。

    デイサービスは病院でも診療所でもありません。また介護保険の機能訓練は、配置基準の上で医師の指示を要件としていない場合があります。この状況で第15条第2項をどう考えるかは、条文の文言だけでは定まりません。ここは断定を避け、保険者や都道府県の担当課に確認するのが確実です。

    作業療法士については、作業療法の定義(同条第2項)にマッサージは含まれておらず、第15条第2項も理学療法士だけを対象としています。理学療法士と同じ整理にはならない点に注意が必要です。

    マッサージにあはき法の適用除外は成立するか(理学療法士及び作業療法士法第15条第2項)
    前提
    理学療法の定義にはマッサージが含まれる(同法第2条第1項)
    判断ポイント
    病院・診療所で行う、または医師の具体的な指示を受けて行うか(同法第15条第2項)
    該当するあはき法第1条の適用除外が成立し、理学療法として行うマッサージに同条は適用されない
    該当しないデイサービス(病院・診療所でない)かつ医師の指示を要件としない介護保険の機能訓練という状況は、条文だけでは判定できず要確認
    作業療法士の場合
    同法第15条第2項は理学療法士のみを対象とする規定であり、作業療法士は適用除外の対象外

    柔道整復師

    柔道整復師法第15条は「医師である場合を除き、柔道整復師でなければ、業として柔道整復を行なつてはならない」と定めています。柔道整復師の免許は柔道整復という業務についてのものであり、あん摩マッサージ指圧の免許とは別です。

    あはき法第12条のただし書きも、柔道整復を業とする場合を柔道整復師法に委ねているだけで、あん摩マッサージ指圧を行えるようにする規定ではありません。両方を行う立場になるには、あん摩マッサージ指圧師免許を別に取得することになります。

    はり師・きゅう師

    あはき法の免許は行為ごとに分かれているため、はり師免許・きゅう師免許は、はり・きゅうについての免許にとどまります。あん摩マッサージ指圧を業として行える根拠にはなりません。

    同じ養成校で学び、あん摩マッサージ指圧師免許も併せて取得している人もいます。自分がどの免許を持っているかは、免許証の記載で確認できます。

    看護職員

    保健師助産師看護師法第5条は、看護師を「傷病者若しくはじよく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者」と定めています。准看護師は同法第6条により、医師・歯科医師・看護師の指示を受けてこれを行う立場です。

    一方で、あはき法第1条について、理学療法士に置かれているような適用除外の規定は、看護職員には設けられていません。療養上の世話として行う手技があはき法との関係でどう扱われるかは、条文だけでは読み取れない部分が残ります。ここも断定せず、確認先に相談する場面です。

    参考:e-Gov法令検索「理学療法士及び作業療法士法」 / e-Gov法令検索「保健師助産師看護師法」

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    機能訓練とマッサージの線引き

    手すりやベッドが並ぶ機能訓練を行うリハビリ室

    現場で最も判断に迷うのは、目の前の行為が機能訓練なのかマッサージなのかという点です。法令の文言だけで割り切れるものではありませんが、判断の手がかりになる観点はあります。

    目的による区別の考え方

    機能の維持・向上を目的とした訓練として行っているのか、慰安を目的として行っているのか、という観点があります。同じように身体に触れていても、目的が違えば位置づけも変わってくるという見方です。

    ただし、目的は本人の頭の中にあるだけでは外から分かりません。何を目的にしているのかを、あとから説明できる形で残しているかどうかが実際には効いてきます。

    行為の内容による判断

    関節可動域を保つための運動、姿勢の調整、徒手による介助といった行為がどう扱われるかは、行為の内容と実施の状況によって判断される部分があります。

    この記事では、個別の行為を取り上げて「これは問題ない」「これは違法」と評価することはしません。同じ手技でも、誰が、どの目的で、どういう状況で行ったかによって評価が変わり得るためです。一律の線引きを期待して読み進めると、かえって誤った断定につながります。

    計画に位置づけられているか

    個別機能訓練計画に目的と内容が記載され、評価が行われているかどうかは、機能訓練として実施していることを説明する材料になり得ます。

    個別機能訓練加算では、多職種が共同して計画を作成し、利用者さんや家族へ説明して同意を得たうえで、おおむね3か月ごとに1回以上、進捗を確認して見直すことが求められています。通所介護の個別機能訓練加算は、(Ⅰ)がイ56単位/日・ロ76単位/日、(Ⅱ)が20単位/月です。

    もっとも、計画に書いてあれば何でも機能訓練として扱われる、というものではありません。計画は説明の材料の一つであって、それ自体が免許の要否を決めるわけではない点は分けて考えておきたいところです。

    個別機能訓練加算の単位数と運用サイクル
    (Ⅰ)イ
    56単位/日
    (Ⅰ)ロ
    76単位/日
    (Ⅱ)
    20単位/月
    単位数の算定に伴う運用サイクル
    1
    多職種が共同で計画を作成
    →
    2
    利用者・家族へ説明し同意を得る
    →
    3
    おおむね3か月ごとに見直し

    断定できない領域があること

    ここまで見てきたとおり、法令の文言だけでは判断が定まらない部分が確かにあります。理学療法士の適用除外を介護現場でどう考えるか、看護職員の療養上の世話とあはき法の関係をどう整理するか、といった論点です。

    インターネット上には言い切った説明も見かけますが、根拠となる条文や通知まで示されていないものは、そのまま自分の判断材料にしないほうが無難です。曖昧なところを曖昧なまま把握しておくほうが、結果的に誤った断定を避けられます。

    確認先

    自分の行為について迷ったときは、次の窓口に確認する方法があります。公的な窓口から順に当たるのが基本です。

    • 保険者(市区町村の介護保険担当課)
      介護保険サービスとしての提供内容について
    • 都道府県の担当課
      あはき法・柔道整復師法や、指定基準の解釈について
    • 保健所(保健福祉事務所等)
      施術所の届出や広告の取り扱いについて
    • 所属する職能団体
      同じ資格の立場からの実務的な相談

    参考:厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準」 / 厚生労働省「令和6年度介護報酬改定について」

    利用者から求められたときはどう対応する?

    高齢者の手をそっと握って話を聞く場面

    「揉んでほしい」と言われる場面は日常的に起こります。法的な可否を知っていても、その場でどう応じるかは別のスキルです。

    断り方ではなく説明の仕方として考える

    「できません」だけで終えると、利用者さんは断られた理由が分からないまま、気まずさだけが残ります。提供できる内容と、その理由をセットで伝える形にすると、会話が続きます。

    伝える順番としては、自分の資格で行える範囲、この時間に取り組んでいる訓練の目的、と進めると分かりやすいです。利用者さんの希望そのものを否定しないことが出発点になります。

    利用者さんへ伝える順番
    1
    自分の資格で行える範囲を伝える
    今の免許でできること・できないことを説明する
    できること・できないことを先に示す
    →
    ↓
    2
    今の時間に取り組んでいる訓練の目的を伝える
    この時間が何のためのものかを合わせて説明する
    希望そのものは否定しない

    目的に沿った代替を提案する

    「揉んでほしい」という訴えの背景には、痛みやこわばり、動かしにくさといった困りごとがあることが少なくありません。訴えをそのまま断って終わらせず、背景に合わせた対応につなげると、機能訓練の中身も良くなります。

    • 訴えのある部位に合わせて、機能訓練の内容を見直す
    • 看護職員やケアマネジャー、家族へ情報を共有する
    • 痛みが続く場合は受診を勧める
    • 姿勢や車いすの調整など、環境面からの対応を検討する

    職員間で対応をそろえる

    職員によって答えが違うと、利用者さんは混乱します。「あの人はやってくれた」という話が広がると、断った職員が悪者になってしまう構図も生まれます。

    事業所として方針を決め、誰が対応しても同じ説明になる状態をつくっておくのが現実的です。方針は口頭で共有するだけでなく、文書にして新しく入った職員にも渡せるようにしておくと続きます。

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    事業所として確認すること

    チェックリストと書かれた紙とペン

    個人の判断だけに委ねると、職員ごとに対応が割れます。事業所側で整理しておきたい点をまとめます。

    提供内容の表示

    パンフレットや掲示、ウェブサイトで「マッサージ」と表示することには、確認しておきたい論点があります。表示を見た利用者さんや家族は、その行為を提供しているものとして受け取るためです。

    あはき法第7条は、あん摩業・マッサージ業・指圧業・はり業・きゅう業やこれらの施術所に関して広告できる事項を限定しています。デイサービスの案内がこの規定に直接かかるかどうかは形態によって異なりますが、表示と実際の提供内容が食い違っていないかは、いずれにしても確認しておきたい点です。広告の取り扱いについては、あはき・柔整広告ガイドライン(令和7年2月18日付医政発0218第1号)が示されています。

    「マッサージ」表示に関わる規制の構造
    根拠条文
    あはき法 第7条
    あん摩業・マッサージ業・指圧業・はり業・きゅう業、およびこれらの施術所に関して、広告できる事項を限定している。定められた事項以外を広告することはできない。
    ↓
    運用指針
    あはき・柔整広告ガイドライン(令和7年2月18日付 医政発0218第1号)
    あはき法第7条の広告規制の取扱いを示す指針。広告できる事項の判断はこの指針で確認する。
    ↓
    要確認
    デイサービスの案内がこの規定に直接かかるかは形態により異なる。「マッサージ」と表示する場合は、表示と実際の提供内容が食い違っていないかの確認が要る。

    記録の残し方

    提供した内容を記録に残し、個別機能訓練計画との対応を確認できるようにしておくと、あとから説明が必要になったときに困りません。

    記録が「マッサージ実施」とだけ書かれている状態は、実際の中身が機能訓練であっても説明しづらくなります。何を目的に、どの部位へ、どのように行ったかが分かる書き方にそろえておきましょう。

    記録の書き方による違い

    説明しづらい記録
    マッサージ実施
    目的の記載
    部位の記載
    方法の記載
    個別機能訓練計画との対応を確認しづらい
    対応を確認できる記録
    右肩関節の可動域維持を目的に、右肩へ他動運動を実施
    目的の記載
    部位の記載
    方法の記載
    個別機能訓練計画との対応を確認できる

    介護保険の対象外として提供する場合

    自費のサービスとして別枠で提供する形を検討する事業所もあります。この場合も、免許を要する行為であるかどうかの判断は変わりません。介護保険の枠を外れたからといって、あはき法の適用がなくなるわけではないためです。

    保険外サービスとして組み立てるのであれば、誰がどの免許で提供するのか、どこで提供するのかを含めて、事前に所管の窓口へ確認しておくのが安全です。

    今のあなたの状況は?

    職員への周知

    資格ごとに行える範囲が違うため、事業所として整理して共有する必要があります。機能訓練指導員が一人配置の事業所では、本人が誰にも相談できないまま判断しているケースもあります。

    採用時や配置換えのタイミングで、免許の種類と行える範囲を確認し、迷ったときの相談先を決めておくと、個人が抱え込まずに済みます。

    採用時・配置換え時に確認すること
    免許の種類の確認
    本人がどの免許を持っているかを確認する。機能訓練指導員という配置上の職種名からは、行える行為はわからない。
    行える範囲の整理・共有
    その免許で行える行為の範囲を整理し、本人だけでなく他の職員にも共有しておく。
    迷ったときの相談先の決定
    判断に迷う場面が出たとき、誰に相談するかをあらかじめ決めておく。

    参考:厚生労働省「無資格者によるあん摩マッサージ指圧業等の防止について」 / 神奈川県「あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう、柔道整復について」

    まとめ

    機能訓練指導員のマッサージが違法行為にあたるかどうかは、機能訓練指導員という立場では決まりません。あはき法は免許を行為ごとに分けており、あん摩マッサージ指圧を業として行えるのは、あん摩マッサージ指圧師免許を持つ人です。柔道整復師やはり師・きゅう師の免許は、その根拠にはなりません。

    理学療法士には、理学療法として行うマッサージについての適用除外が置かれていますが、病院・診療所で行う場合か、医師の具体的な指示を受けて行う場合という条件が付いています。介護保険の機能訓練でこれをどう考えるかは条文だけでは定まらず、作業療法士や看護職員についても断定できない部分が残ります。

    現場でできるのは、行為の目的と内容を個別機能訓練計画に位置づけ、記録として残し、事業所として説明を一本化しておくことです。

    そのうえで、判断に迷う部分は保険者や都道府県の担当課、保健所、職能団体に確認する。この手順を踏んでおけば、不安を抱えたまま働き続ける状態からは抜け出せます。

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