理学療法士はやめとけと言われる理由|公的データと照らし合わせて検証
「理学療法士」と検索すると、”やめとけ”というサジェストが表示されます。
有資格者が増えすぎている、体力的にきついといったことが理由でこのような検索が一定数存在すると考えられます。
この記事では、「やめとけ」の理由として挙げられる内容を一度整理したうえで、厚生労働省の国家試験合格発表資料・需給推計・賃金構造基本統計調査といった一次情報を確認してみます。
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「理学療法士はやめとけ」と言われる理由

繰り返し挙がる理由は、大きく5つに整理できます。
給与が上がりにくい
初任給の水準そのものより、年齢を重ねても給与の伸びが小さいという指摘が中心です。
リハビリの収入は診療報酬や介護報酬という公定価格の枠内で決まるため、個人の成果が給与に反映されにくいという説明が添えられることもあります。管理職のポストが限られ、昇進による収入増を見込みにくいという話もあります。
有資格者が増えている
養成校が急増した時期があり、毎年1万人規模で新しい有資格者が生まれている、という指摘です。
「飽和している」「そのうち就職できなくなる」という表現とセットで語られることが多く、「2040年には供給が需要の1.5倍になる」という数字が、出どころを示さないまま引用されるケースも見られます。
身体的な負担が大きい
移乗や歩行の介助では、患者さんの体重を支える場面が繰り返し発生します。中腰や前傾姿勢が続く時間も長く、腰痛を抱えながら働く人が少なくないと言われます。
担当する単位数が多い職場では、その負担が一日を通して積み重なります。
勉強を続ける必要がある
免許を取れば終わりではなく、臨床に出てからも学び続ける前提の職種だという指摘です。研修会や学会への参加が自費・休日扱いになる職場もあり、時間と費用の負担が個人に寄りやすい点が理由として挙がります。
職場・患者との人間関係が大変
リハビリは患者さんと1対1で向き合う時間が続く仕事です。回復が思うように進まない場面や、意欲が落ちている方への関わりでは、精神的な消耗を感じることがあります。
医師・看護師・介護職との連携が前提になるため、チーム内の調整に神経を使うという声もあります。
理学療法士の公的データ

「やめとけ」の根拠として挙がる数字には、公的な統計で確認できるものと、前提つきの推計にすぎないものが混在しています。
有資格者数の推移
日本理学療法士協会の統計情報によると、国家試験合格者の累計は247,546人です(令和8年度時点)。年度ごとの合格者数は平成7年度が1,422人、平成17年度が4,843人、平成22年度が9,112人と推移し、令和2年度以降は毎年1万人台で推移しています。
養成校の入学定員は平成7年度の2,640人(80校)から拡大を続け、令和6年度に14,954人(279校)でピークを迎えましたが、令和7年度14,589人(278校)、令和8年度14,142人(274校)と2年連続で減少しています。
ピークからは812人分の定員が縮小した計算です。
養成校 入学定員の推移
国が示している需給の見通し
「2040年には供給が需要の1.5倍になる」という数字の出どころは、厚生労働省の医療従事者の需給に関する検討会・理学療法士・作業療法士需給分科会です。
平成31年(2019年)4月5日の第3回分科会に提出された資料に、「PT・OTの供給数は、現時点においては、需要数を上回っており、2040年頃には供給数が需要数の約1.5倍となる結果となった」と記載されています。
- 資料の冒頭に「一定の仮定・前提の下に厚生労働省が計算した推計結果を、たたき台として議論のために供するもの」と明記されている
- 供給側は、今後の養成定員が2011〜2017年の中央値(理学療法士13,629人・作業療法士7,285人)で維持されると仮定して算出している
- 需要側は、精神科入院受療率・外来リハビリ実施率・時間外労働時間に幅を持たせた3つのケースで推計している
同分科会は第1回(2016年4月22日)、第2回(2016年8月5日)、第3回(2019年4月5日)の3回のみで、2026年9月時点でその後の開催はありません。「1.5倍」は7年前に議論のたたき台として示された条件つきの試算であって、確定した将来予測ではない、という位置づけになります。
需給分科会 開催実績のタイムライン
「2040年に1.5倍」は推計であり、公表年と前提条件を添えずに事実として引用すると意味が変わります
賃金の水準と推移
賃金構造基本統計調査では、「理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,視能訓練士」が1つの職種区分にまとめられており、理学療法士単独の数値ではありません。
この点を踏まえたうえで見ると、令和7年調査(企業規模10人以上)のこの区分は平均年齢36.2歳・勤続8.4年で、所定内給与298,200円、時間外手当などを含めた月額が309,900円、年間賞与717,200円でした。
月額に賞与を加えた推計年収は約443.6万円です。
20〜24歳の所定内給与は246,100円で、全産業平均の242,800円をわずかに上回っています。スタート時点では差がついていません。ところが55〜59歳では350,600円に対し全産業は396,200円となり、差は45,600円まで開きます。
統計から読み取れるのは「初任給が低い」ではなく「その後の伸びが緩やか」という傾向です。
年齢階級別の所定内給与
データから読み取れること・読み取れないこと
ここまでで確認できたのは、有資格者が増えてきたこと、養成定員は直近2年で減っていること、賃金の伸びが全産業平均より緩やかであることの3点です。
全国の集計から、個人が就職できるかどうかは導けません。協会の都道府県別会員数を人口で割ると、人口10万人あたりの理学療法士数は全国平均117.0人に対し、高知県251.8人、徳島県203.4人と地方で多く、神奈川県79.9人、東京都81.2人と都市部で少なくなります。その差は約3.1倍です(協会の都道府県別会員数と総務省統計局の人口推計から算出)。
賃金も同じです。同じ職種区分の推計年収を都道府県別に見ると、山口県512.7万円から福島県375.0万円まで137.7万円の幅があります。
ただし年収が高い県ほど平均年齢と勤続年数が長い傾向があり、地域そのものの差なのか年齢構成の差なのかは、この統計だけでは切り分けられません。
今のあなたの状況は?
参考:日本理学療法士協会「統計情報」 / 厚生労働省「理学療法士・作業療法士需給分科会」 / 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」
誰が誰に言っているかで妥当性は変わる

同じ「やめとけ」でも、進学前の高校生に向けられた言葉と、10年目の理学療法士が自分に向ける言葉では、意味も対処も別物です。自分がどの段階にいるかで、確認すべきことが変わります。
進学を検討している段階の人
この段階の「やめとけ」は、養成校に投じる年数と学費に見合うかという話に集約されます。発言者が現役の理学療法士なら、自分の給与水準を基準に語っている可能性が高く、養成校や転職サービスが発信元なら、結論が「言い過ぎ」に寄りやすくなります。
判断材料になるのは、学費・在学年数・卒業後の初任給・奨学金の返還額といった具体的な金額です。需給推計は国全体の政策を考えるための資料であり、個人が就職できるかどうかを保証も否定もしません。
養成校に在学中の人
すでに学費と時間を投じている段階なので、「やめとけ」は事実上、いつ撤退するかの話になります。ここで効いてくるのが国家試験の合格率です。
令和8年の第61回試験は、新卒の合格率が94.9%(受験11,366人・合格10,782人)だったのに対し、受験者全体から新卒を差し引いた既卒の合格率は約35.0%(受験1,070人・合格374人)にとどまります。
第61回国家試験 新卒・既卒の合格率
在学中に迷いが出たときは、辞めるかどうかより先に、在学のまま条件を変えられないかを確認する余地があります。
就職先を選ぶ段階の人
この段階の「やめとけ」は、職種ではなく職場の条件を指していることがほとんどです。同じ理学療法士の求人でも、施設の種類によって月給の中央値は5万円近く違います(後述)。「理学療法士は給料が安い」と言われたとき、それがどの職場を前提にした話なのかで妥当性は変わります。
すでに働いている人
不満の原因が職種そのものにあるのか、いまの職場の条件にあるのかで、取るべき行動が分かれます。切り分けの手がかりは3つです。
- 同じ資格で条件の違う職場が現に存在するか(存在するなら職場の問題である可能性が高い)
- 不満の中身が、業務内容そのものか、給与・労働時間・人間関係といった条件か
- その不満は、異動や勤務形態の変更で解消しうるか
3つとも「職場の問題」に寄るなら、資格を手放す前に検討できる選択肢が残っています。
理学療法士の求人を探す参考:厚生労働省「第61回理学療法士国家試験及び第61回作業療法士国家試験の合格発表について」
進学を検討している場合に確認したいこと

理学療法士になるには、理学療法士及び作業療法士法で定められた養成課程を3年以上修めて、国家試験に合格する必要があります。年数が決まっている以上、判断材料は「その間にいくらかかり、卒業後にいくら入るか」に絞られます。
学費と在学期間
修業年限は大学が4年、専門学校が3年制と4年制の両方あります。短大・専門職大学も含め、令和8年度の養成校274校の内訳は四年制125校・短期大学5校・専門職大学6校・専門学校138校です。
学費の目安は、文部科学省の調査で確認できます。令和7年度の私立大学の初年度納付金は、理学療法士の養成課程が含まれる「その他学部」で授業料990,190円・入学料247,208円・施設設備費235,657円の合計1,473,056円でした。2年目以降は入学料がかからないため、4年間の総額はおよそ515万円と試算できます。
国立大学は標準額で授業料535,800円・入学料282,000円のため、4年間でおよそ243万円です。
専門学校は全国統一の公的な学費調査がありません。東京都専修学校各種学校協会の調査では、令和6年度の私立専門学校(昼間部)の初年度納入金の平均は約130万円でしたが、これは全分野の平均で、同協会も分野や学科によって開きがあると説明しています。
初任給と昇給の見通し
前述の賃金構造基本統計調査で、20〜24歳の所定内給与は246,100円でした。この区分は理学療法士単独ではありませんが、スタート地点の目安になります。ここに時間外手当や賞与が加わるかどうかは職場によって異なります。
学費と並べて考えるときに効いてくるのは、その後の上がり方です。同じ統計の年齢階級別では、25〜29歳268,900円、30〜34歳288,200円、35〜39歳305,800円と推移します。10年強で月6万円ほど上がる計算で、この間に奨学金の返還が重なる人が多くなります。
奨学金を利用する場合の返還
日本学生支援機構が公表している大学の返還例を、初任給の水準と並べてみると負担の大きさがつかめます。
貸与パターン別 返還シミュレーション
| 貸与月額 | 貸与総額 | 返還月額 | 返還回数(年数) |
|---|---|---|---|
| 私立・自宅外 64,000円 | 3,072,000円 | 14,222円 | 216回(18年) |
| 私立・自宅 54,000円 | 2,592,000円 | 14,400円 | 180回(15年) |
| 貸与月額 | 貸与総額 | 返還月額 | 返還回数(年数) |
|---|---|---|---|
| 50,000円×48か月 | 2,400,000円 | 14,428円 | 180回(15年) |
| 80,000円×48か月 | 3,840,000円 | 17,737円 | 240回(20年) |
月14,000〜18,000円の返還が15〜20年続くという前提を、20代の給与水準に重ねて考えることになります。第二種は利率によって返還総額が変わり、年利3%なら月80,000円の貸与で返還総額は5,167,586円です。
返還の負担を抑える制度としては、日本学生支援機構の給付奨学金と、文部科学省の高等教育の修学支援新制度があります。自治体や病院が独自に設けている修学資金には、一定年数その地域や法人で勤務すると返還が免除されるものもありますが、免除の条件として勤務先や勤務年数が指定されているため、就職先の選択肢が狭まる可能性まで含めて確認しておきましょう。
- 学費の総額と、卒業後の月給・奨学金の返還額は同じ紙に並べて比べる
- 返還免除のある修学資金は、条件まで読んでから申し込む
- 募集要項では初年度だけでなく、2年目以降と実習費も確認しておく
参考:文部科学省「私立大学等の入学者に係る学生納付金等調査結果について」 / 日本学生支援機構「大学 ・ 返還例」 / 東京都専修学校各種学校協会「学費と生活費」
働く場所によって条件は大きく変わる

「理学療法士の給料」として語られる一つの数字の裏には、かなりの幅があります。同じ資格でも、働く場所によって給与も働き方も別物になります。
施設種別による違い
日本理学療法士協会の会員の分布から1施設あたりの人数を計算すると、職場の規模差がはっきりします。回復期リハビリテーション病棟は19,102人が1,322施設に所属していて1施設あたり約14.4人、急性期は約8.0人です。一方、訪問リハビリテーションは1,142人が747事業所で約1.5人、通所リハビリテーションは約1.4人にとどまります。
そして求人の月給は、この人数と逆向きに動きます。当サイト掲載の求人データ(2026年時点)では、正社員の月給中央値は訪問リハビリが300,000円、病院が251,425円で、その差は月48,575円です。クリニック285,000円、デイケア・デイサービス262,750円、老健260,000円が中間に並びます。
どちらが良いかは経験年数と希望で変わります。新人のうちは指導体制のある職場を選び、経験を積んでから単価の高い分野に移るという順序を取る人もいます。
- 理学療法士の求人6,409件/正社員の月給中央値272,500円
- 賞与・ボーナスありは68%、社会保険完備は95%
- 残業ほぼなしは18%、土日祝休みは15%
法人の規模・設置主体による違い
賃金構造基本統計調査を企業規模別に見ると、単純な「大きい職場ほど高い」にはなっていません。推計年収は1,000人以上461.0万円、10〜99人442.3万円、100〜999人436.2万円の順です。
内訳を見ると理由が分かります。月給は10〜99人規模が319,400円で最も高い一方、年間賞与は590,600円と3区分で最も低く、1,000人以上の829,600円と24万円近い差があります。月給の高さと年収の高さが一致しないため、求人票の月給だけで比べると判断を誤ります。
※バーの長さは月給(年換算)と年間賞与の合計
確認しておきたい求人票の項目
求人に書かれた労働条件のうち、職業安定法第5条の3で明示が義務づけられている項目があります。厚生労働省の「確かめよう労働条件」では、業務内容とその変更の範囲、就業場所とその変更の範囲、労働契約の期間、試用期間、始業・終業時刻、所定時間外労働の有無、休憩時間と休日、賃金、社会保険の適用などが挙げられています。
求人票の内容と実際の労働条件が異なる場合は、ハローワークの求人ホットラインに申し出ることができます。
これに加えて、理学療法士の働き方を左右する項目があります。求人票に書かれていないことも多いため、面接や見学の場で確認する形になります。
面接・見学で確認したいチェック項目
参考:厚生労働省「労働条件の明示|しっかり学ぼう!働くときの基礎知識|確かめよう労働条件」
それでも選ばれている理由

やりがいを情緒的に並べても判断材料にはなりません。制度や統計で確認できる利点に絞ります。
担当する人の変化に関われる
理学療法士及び作業療法士法第2条は、理学療法士を「厚生労働大臣の免許を受けて、理学療法士の名称を用いて、医師の指示の下に、理学療法を行なうことを業とする者」と定めています。
同じ患者さんに継続して関わり、動作の変化を自分の手で確認できる点は、他職種にはない構造です。令和8年度の診療報酬改定では、回復期リハビリテーション病棟入院料の実績指数の基準が入院料1で40から42へ引き上げられ、新たに回復期リハビリテーション強化体制加算(1日80点)が設けられました。
提供した量ではなく、患者さんがどれだけ改善したかを評価する方向に制度が動いています。
国家資格として続けやすい
理学療法士及び作業療法士法には、免許の有効期間や更新に関する規定が置かれていません。一度取得すれば全国どこでも有効で、ブランクがあっても再試験は不要です。
活動できる領域が広がっている
協会の会員の分布を見ると、所属先は医療機関だけではありません。訪問看護ステーションに4,996人(2,961事業所)、介護老人保健施設に5,380人、通所リハビリテーションに1,629人が所属しています。
障害児通所支援では児童発達支援138事業所・放課後等デイサービス185事業所に会員が在籍し、一般企業には505社に725人、市区町村の行政機関には216自治体に273人が所属しています。
医療機関以外の主な所属先6分野の内訳
プロスポーツチームと契約するトレーナーは29施設35人と限られた人数で、この領域だけを目標にするのは現実的ではありません。一方で、介護・地域包括ケア・産業保健・教育といった領域は事業所数そのものが増えており、選択肢としての厚みがあります。
お探しの求人は?
参考:e-Gov法令検索「理学療法士及び作業療法士法」 / 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」
「やめとけ」が当てはまりやすい場合

条件によっては、「やめとけ」が的を射ている場合もあります。読者を否定するためではなく、先に知っておけば別の選択ができるという意味で挙げます。
収入の伸びを最優先する場合
前述のとおり、20〜24歳を100としたときの55〜59歳の水準は、この職種区分が142.5で全産業の163.2を下回ります。加えて、役職による収入増も見込みにくい構造があります。
協会の統計では、理学療法士が1人だけの施設が12,441あり、自宅・海外を除いた26,613施設のうち約46.7%を占めます。5人以下の施設まで広げると約80.5%です。
理学療法士の配置人数別 施設分布(全26,613施設)
部署の人数が少なければ、管理職のポスト自体が存在しません。収入の伸びを最優先するなら、資格の中で昇進を目指すより、単価の高い分野への移動や、開業・複数事業所での勤務といった形を早い段階から検討する必要が出てきます。
身体的な負担が続けにくい場合
腰痛や関節の不調を抱えている場合、無理を続けると働ける期間そのものが短くなります。ここで知っておきたいのが、厚生労働省の職場における腰痛予防対策指針の内容です。
指針は福祉・医療分野の介護・看護作業について、全介助が必要な対象者にはリフト等を積極的に使用し、原則として人力による人の抱上げは行わせないこととしています。
- 1全介助が必要な対象者には、リフト等を積極的に使用する
- 2原則として、人力による人の抱上げは行わせない
- 3人力で抱え上げる場合は、身長差の少ない2名以上で作業する
- 4ベッドの高さ調節や向きの変更で、前屈やひねりの姿勢を避ける
つまり、抱え上げが常態化している職場は指針の考え方から外れた状態にあります。「体力的にきつい」を職種の宿命と受け取る前に、福祉用具が配備されているか、ベッドの高さ調節ができるかといった環境面を確認する余地があります。
学び続けることが負担になる場合
免許の更新は法律上ありませんが、職能団体の制度は別に動いています。日本理学療法士協会の生涯学習制度では、前期研修(最短2年)と後期研修(最短3年)を修了すると登録理学療法士となり、その後は5年ごとの更新が必要です。さらに認定理学療法士・専門理学療法士へ進む道も用意されています。
学び続けること自体に負担を感じるなら、研修が勤務時間内に組み込まれている職場を選ぶ、あるいは学習量の求められ方が異なる分野を検討するという形で、環境側を調整する選択肢があります。
参考:厚生労働省「職場における腰痛予防の取組を!」 / 日本理学療法士協会「生涯学習制度について」
まとめ
公的データで確認できたのは、有資格者が累計247,546人まで増えてきたこと、その入口である養成校の入学定員は令和6年度をピークに2年連続で減っていること、そして賃金は初任給ではなくその後の伸びが全産業平均より緩やかであることの3点です。
一方で、「2040年に供給が需要の1.5倍」は2019年の分科会にたたき台として示された条件つきの推計であり、確定した予測ではありません。人口10万人あたりの理学療法士数は都道府県で約3.1倍の差があり、推計年収の幅も137.7万円あります。全国を合計した数字から、自分が就職できるか、いくら稼げるかは導けません。
判断を進めるなら、次の順序が現実的です。
- 自分がどの段階(進学前・在学中・就職前・就業中)にいるかを確認する
- 段階に対応する具体的な数字(学費と返還額、または施設種別ごとの給与と労働条件)を並べる
- 不満や不安の原因が職種そのものか、いまの職場の条件かを切り分ける
「やめとけ」という言葉には、それを言う人の立場と、聞く人の状況が必ず含まれています。数字を前提ごと確認してから、自分の条件に当てはめて判断していきましょう。


