ドラッグストア薬剤師の仕事内容|業態別の違いと1日の流れ
ドラッグストアへの転職を考えたとき、仕事内容が調剤薬局とどう違うのかが見えにくいと感じる薬剤師の方は多いのではないでしょうか。求人票に「OTC相談」「調剤業務」と並んでいても、実際にどこまでが薬剤師の担当なのかは書かれていないことがほとんどです。
ドラッグストア薬剤師の仕事内容は、店舗の業態によって大きく変わります。調剤を併設する店舗とOTC医薬品を中心とする店舗では、1日の使い方も求められる知識も別のものになります。
この記事では、医薬品医療機器等法(薬機法)の区分をもとに薬剤師にしかできない業務を整理したうえで、業態別の仕事内容の違いと1日の流れを解説します。応募先を絞るときの判断材料としてお役立てください。
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ドラッグストアで働く薬剤師の役割

ドラッグストアは食品や日用品も扱う小売店ですが、そのなかで薬剤師は医薬品の販売と情報提供を担う専門職として配置されています。まずは店舗全体のなかでの位置づけと、調剤薬局との違いから整理していきます。
店舗のなかでの位置づけ
ドラッグストアの売上は、医薬品だけで成り立っているわけではありません。経済産業省の商業動態統計によると、2025年度のドラッグストア販売額は9兆5,294億円にのぼりますが、調剤医薬品とOTC医薬品を合わせた医薬品が売上に占める割合はおよそ2割にとどまります。最も大きいのは食品で、全体のおよそ3分の1を占めています。
つまり店舗への来店動機の多くは、医薬品以外の買い物にあります。そのなかで薬剤師は、医薬品を販売するために必要な専門職として店舗に置かれています。レジ応援や品出しに関わる場面もありますが、薬剤師がいなければ販売できない医薬品があるという点が、店舗における役割の中心です。
また、店舗の医薬品管理を統括する立場として、店舗管理者を薬剤師が務めることもあります。この場合は、医薬品の管理体制づくりや従業員への指導までが責任範囲に含まれます。
調剤薬局との違い
調剤薬局とドラッグストアでは、業務の起点が異なります。調剤薬局の業務は処方箋にもとづく調剤と服薬指導が中心ですが、ドラッグストアでは処方箋を持たない来店者への対応が大きな比重を占めます。
来店者は「症状はあるが受診はしていない」という状態で相談に来ます。そのため、症状を聞き取ったうえで市販薬で対応できるかを見極める判断が必要になります。処方箋という前提がない分、聞き取る範囲は広くなります。
営業時間の違いも大きな点です。調剤薬局は近隣の医療機関の診療時間に合わせて営業しますが、ドラッグストアは夜間や休日も営業する店舗が少なくありません。勤務がシフト制になりやすいのはこのためです。
- 処方箋を持たない来店者の相談対応
- 要指導医薬品・第1類医薬品の販売
- 発注・在庫管理・売場づくり
- 登録販売者との役割分担
- 夜間・休日を含むシフト勤務
- 処方箋にもとづく調剤と服薬指導(調剤を併設する店舗の場合)
- 医薬品の管理と法令遵守
- 使用者への情報提供と薬学的知見にもとづく指導
- 処方箋の応需が業務の起点
- 近隣医療機関の診療時間に連動した営業
- 在宅訪問(居宅・施設)
ただし、ひとくちにドラッグストアといっても中身は同じではありません。統計の分類上も、性質の異なる店舗が同じ枠にまとめられています。求人を比べるときは、この点を踏まえて店舗ごとに見ていく必要があります。
商業動態統計では、医薬品・化粧品小売業のうち、一般用医薬品を扱いセルフサービス方式で販売する店舗をドラッグストアとして集計しています
調剤の有無は分類の条件になっていないため、調剤併設店もOTC専門店も同じ区分に含まれます
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薬剤師にしかできない業務

ドラッグストアの業務のうち、どこからが薬剤師でなければ担えないのかは、医薬品医療機器等法(薬機法)で定められています。医薬品は区分ごとに販売できる者と情報提供の義務が決まっており、この線引きが店舗での役割分担の土台になります。
なお、令和7年の薬機法改正のうち医薬品の販売制度に関する部分は2026年5月1日から施行されています。本記事は同日以降の内容にもとづいて解説していますが、制度は今後も改正される可能性があるため、実務では最新の条文を確認してください。
| 区分 | 販売できる者 | 情報提供の義務 |
|---|---|---|
| 調剤(処方箋にもとづく) | 薬剤師のみ | 情報提供と薬学的知見にもとづく指導が義務(薬剤師法25条の2) |
| 要指導医薬品 | 薬剤師のみ | 書面等での情報提供と指導が義務。対面等で行う(36条の6第1項) |
| 特定要指導医薬品 | 薬剤師のみ | 対面での販売が必要(36条の5第3項) |
| 第1類医薬品 | 薬剤師のみ | 書面等での情報提供が義務。申し出があれば省略可(36条の10第1項・第6項) |
| 第2類医薬品 | 薬剤師・登録販売者 | 情報提供は努力義務(36条の10第3項) |
| 第3類医薬品 | 薬剤師・登録販売者 | 規定なし。相談があれば義務(36条の10第5項) |
| 指定濫用防止医薬品 | 薬剤師・登録販売者 | 書面等での情報提供が義務。数量と年齢の制限あり(36条の11) |
※2026年5月1日施行の制度にもとづく。
要指導医薬品の販売と情報提供
要指導医薬品は、医療用医薬品から市販薬に切り替わって間もない医薬品などが指定される区分です。薬機法第36条の5第1項により、要指導医薬品は薬剤師が販売する必要があります。登録販売者は扱えません。
販売するときは、薬剤師が書面などを用いて必要な情報を提供し、薬学的知見にもとづく指導を行うことが義務づけられています(同法第36条の6第1項)。
あわせて、使用する方の年齢や他の薬剤の使用状況などを事前に確認する必要があります。情報提供や指導ができないときは、販売してはならないと定められています。
2026年5月1日施行の改正では、この情報提供と指導の方法が「対面」から「対面等」に変わり、薬剤師の判断でビデオ通話などによる対応も可能になりました。
一方で特定要指導医薬品という区分が新たに設けられ、こちらは薬剤師が対面で販売することが求められます(同法第36条の5第3項)。
第1類医薬品の販売と情報提供
第1類医薬品も、販売できるのは薬剤師だけです(薬機法第36条の9第1号)。副作用のリスクに特に注意が必要とされる医薬品や、市販薬になってから一定期間を経ていない医薬品が該当します。
販売時には、薬剤師が書面などを用いて必要な情報を提供することが義務です(同法第36条の10第1項)。要指導医薬品と違い、薬学的知見にもとづく「指導」までは求められていません。また、購入する方から説明が不要である旨の意思表示があり、適正に使用されると認められる場合には情報提供を省くことができます(同条第6項)。
陳列にも決まりがあり、第1類医薬品は購入者が自由に手に取れる場所には置けません(薬機法施行規則第218条の4第1号)。店頭で「お求めの際はスタッフにお声がけください」という掲示を見かけるのは、この規定によるものです。
調剤業務
調剤を併設する店舗では、処方箋にもとづく調剤も薬剤師の業務です。薬剤師法第19条により、薬剤師でない者は販売や授与の目的で調剤できませんと定められています。
処方箋の内容に疑わしい点があれば、交付した医師などに問い合わせて確認してから調剤する義務があります(同法第24条)。調剤した薬剤を渡す際には、患者さんまたは看護に当たっている方へ必要な情報を提供し、薬学的知見にもとづく指導を行います(同法第25条の2)。
ここは調剤薬局と共通する業務です。ただしドラッグストアでは、調剤を進めている途中で売場のOTC相談に呼ばれる場面があり、業務の切り替えが頻繁に発生する点が働き方の違いとして表れます。
登録販売者が対応できる範囲
第2類医薬品と第3類医薬品は、薬剤師のほか登録販売者も販売できます(薬機法第36条の9第2号)。かぜ薬や解熱鎮痛薬の多くは第2類にあたるため、売場に並ぶ医薬品の大部分は登録販売者が対応できる計算になります。
情報提供の義務の強さも区分によって異なります。第1類は「提供させなければならない」という義務ですが、第2類は「提供させるよう努めなければならない」という努力義務です(同法第36条の10第3項)。ただし、購入者から相談があった場合は、区分を問わず情報提供が義務になります(同条第5項)。
2026年5月1日からは、濫用のおそれのある医薬品について指定濫用防止医薬品の制度が始まりました。この区分では、薬剤師または登録販売者が書面などを用いて情報を提供することが義務となり、努力義務ではありません(同法第36条の11第1項)。あわせて、厚生労働大臣が定める数量を超える販売と、18歳未満の方への販売が原則として禁止されています(同条第3項、薬機法施行規則第159条の18の6)。
18歳未満の方が定められた数量の範囲内で購入する場合は、薬剤師または登録販売者が対面等で情報提供を行えば販売できます。売場では、こうした確認を誰がどの手順で行うのかを定めた手順書の作成も求められています(同規則第159条の18の7)。
18歳未満かどうかを確認します。18歳未満の場合は氏名の確認も必要です。
他の薬剤や医薬品の使用状況、同じ医薬品の購入・譲受けの状況を確認します。
厚生労働大臣が定める数量を超えていないかを確認します。超える場合は理由を確認します。
薬剤師または登録販売者が書面等を用いて情報提供を行います。18歳未満の方へは対面等で行います。
適正な使用を確保できないと認められるときは販売しません。
※これらの手順は指定濫用防止医薬品販売等手順書にもとづいて行う
売場で登録販売者から呼ばれる場面が、自分の判断で予測できるようになります
「なぜ自分でなければならないのか」を説明できると、来店者への案内もスムーズになります
参考:e-Gov法令検索「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」 / e-Gov法令検索「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則」 / e-Gov法令検索「薬剤師法」 / 厚生労働省「令和7年の医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)等の一部改正について」 / 厚生労働省「医薬品の販売制度」
【業態別】仕事内容の違い

「ドラッグストア」と一括りにされがちですが、店舗によって取得している許可が異なり、それに応じて薬剤師の仕事内容も変わります。応募先を絞る段階では、まずその店舗が薬局なのか、店舗販売業なのかを確認すると判断しやすくなります。
調剤を行うには薬局の開設許可が必要で、OTC医薬品だけを扱う店舗は店舗販売業の許可で営業しています。許可が違えば、調剤の可否も、管理者になれる人も変わります。この違いが業態ごとの仕事内容の差につながっています。
許可区分で見る違い
調剤を併設する店舗
薬局の開設許可を取得し、店内に調剤室と調剤の窓口を設けている店舗です。薬剤師の業務は調剤と服薬指導が中心となり、そこに売場でのOTC相談が加わります。
この業態は近年伸びています。商業動態統計によると、ドラッグストアの調剤医薬品販売額は2025年度に1兆円を超え、前年度比12.6%増と商品区分のなかで最も高い伸びを示しました。同じ年度にOTC医薬品はわずかに減っており、店舗の売上の伸びしろが調剤へ移っていることが読み取れます。
薬剤師が複数配置される店舗が多く、調剤担当と売場担当で分担する運用も見られます。処方箋の応需枚数が多い店舗では、調剤薬局に近い働き方になります。
OTC医薬品を中心とする店舗
店舗販売業の許可で営業し、調剤は行わない店舗です。薬剤師の業務は、要指導医薬品と第1類医薬品の販売、来店者からの相談対応、医薬品の管理が中心になります。
調剤がない分、売場に立つ時間が長くなります。品出しや在庫管理、レジ応援など、店舗運営に関わる業務の比重も高くなりやすい業態です。
薬剤師が1名配置の店舗もあり、その場合は要指導医薬品と第1類医薬品を販売できる時間帯が薬剤師の勤務時間に限られます。応募前に、店舗の薬剤師人数とシフトの組み方を確認しておくと、入職後のギャップを減らせます。
調剤の受付コーナーを設けている店舗
売場の一角に処方箋の受付窓口を置き、調剤も行う店舗です。調剤を行う以上は薬局の開設許可が必要ですが、調剤室の規模は小さく、処方箋の応需枚数も限られる傾向があります。
薬剤師が1名で調剤と売場の両方を担当することが多く、処方箋の受付とOTC相談が同時に発生したときの優先順位づけが実務上の課題になります。調剤の経験を保ちながらOTCにも関わりたい方に向いた業態といえます。
3つの業態の仕事内容の違い
| 項目 | 調剤併設型 | OTC中心型 | 調剤の受付コーナー型 |
|---|---|---|---|
| 必要な許可 | 薬局の開設許可 | 店舗販売業の許可 | 薬局の開設許可 |
| 調剤 | あり | なし | あり(規模は小さめ) |
| 薬剤師の主な業務 | 調剤と服薬指導が中心。売場のOTC相談が加わる | 要指導医薬品・第1類の販売、相談対応、医薬品の管理 | 調剤と売場対応の両方を担当 |
| 売場に立つ時間の目安 | 短め | 長い | 中程度 |
| 向いている人 | 調剤の経験を伸ばしたい方 | OTCの相談に軸足を置きたい方 | 調剤を保ちつつOTCにも関わりたい方 |
※許可区分と調剤の可否は法令上の区分。それ以外は一般的な傾向の目安
求人票から業態を見分けるポイント
- 処方箋の応需枚数が書かれているか(記載があれば調剤を行う店舗)
- 「調剤併設」「調剤室あり」の表記があるか
- 募集職種に登録販売者が併記されているか(売場中心の可能性)
- 店舗の薬剤師人数と、薬剤師1名体制の時間帯があるか
参考:e-Gov法令検索「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」 / 経済産業省「確報|商業動態統計」
薬剤師の求人を探すドラッグストア薬剤師の1日の流れ

ドラッグストアの営業時間は店舗によって大きく異なり、9時開店の店舗もあれば24時間営業の店舗もあります。ここでは10時開店・21時閉店の調剤併設店舗を例に、1日の流れを紹介します。あくまで目安であり、業態や店舗規模によって内容は変わります。
開店前
出勤後は、調剤室と売場の準備から始まります。前日からの引き継ぎ事項の確認、レセプトコンピュータや調剤機器の立ち上げ、当日の予約分や定期処方の準備などです。
売場では、前日に入荷した商品の検品と補充を行います。医薬品は区分ごとに陳列場所が決まっているため、補充のときに区分を混在させないよう確認する必要があります。朝礼で当日の重点商品や共有事項を確認し、開店を迎えます。
日中
開店後は処方箋の受付が始まります。近隣の医療機関の診療時間に合わせて、午前中と夕方に受付が集中する店舗が多く見られます。
処方箋の受付が落ち着いている時間帯は、売場での相談対応にあたります。要指導医薬品や第1類医薬品の販売は薬剤師しか対応できないため、登録販売者から呼ばれて売場に出る場面も日常的に発生します。
昼の時間帯は交代で休憩を取ります。薬剤師が1名配置の店舗では、休憩中は第1類医薬品を販売できないため、対応できない時間帯を掲示して案内する運用が取られます。
夕方から閉店まで
夕方は仕事帰りの来店が増え、処方箋の持ち込みと市販薬の相談が重なりやすい時間帯です。診療所の診療終了に合わせて、まとまった枚数の処方箋が入ることもあります。
閉店前には、レジ締め、翌日の発注、調剤録や販売記録の整理を行います。医薬品に関する記録は法令で保存が求められるものがあるため、当日中に処理する店舗が多いです。
閉店後の作業として、棚替えやセールの値札交換が入る日もあります。シフト制のため、早番と遅番のどちらに入るかで1日の中身は大きく変わります。
日々の業務以外に発生する仕事

医薬品の販売と調剤のほかにも、ドラッグストアの薬剤師には店舗運営に関わる業務があります。求人票では「その他店舗業務」とまとめられることが多く、入職後に想像と違ったと感じやすい部分です。
発注と在庫の管理
医薬品の発注と在庫管理は、薬剤師が担当することの多い業務です。調剤併設店舗では医療用医薬品の在庫、OTC中心の店舗では季節性の高い市販薬の在庫が主な対象になります。
- 販売実績と季節要因を踏まえた発注数の調整
- 使用期限が近い商品の把握と先入れ先出しの徹底
- 欠品と過剰在庫の両方を抑える在庫水準の管理
- 期限切れ商品の廃棄処理と記録
花粉症の時期の抗アレルギー薬、冬場のかぜ薬など、需要の波が大きい商品は発注の精度が問われます。欠品も過剰在庫も店舗の数字に響くため、販売実績を見ながら調整していく仕事です。
棚替えや売場づくり
季節の変わり目や新商品の発売に合わせて、売場のレイアウトを組み替える作業があります。ドラッグストアは商品の入れ替わりが早く、棚替えは定期的に発生します。
医薬品の陳列は自由に決められるわけではなく、法令上のルールがあります。第1類医薬品、指定第2類医薬品、指定濫用防止医薬品にはそれぞれ陳列方法が定められており、売場を動かすときは法令に適合しているかの確認が必要です。
※指定濫用防止医薬品の陳列規定は第2類・第3類に該当するものが対象
このルールに沿って判断できるのは薬剤師と登録販売者に限られるため、棚替えの計画段階から関わることになります。
健康相談やイベントへの対応
店舗によっては、血圧測定や体組成測定などの健康チェック、地域向けの健康相談会を実施しています。こうした企画の運営に薬剤師が関わることがあります。
市町村の健康づくり事業やお薬相談会に、店舗として参加する例もあります。医薬品の販売とは別に、地域の健康相談の窓口としての役割を担う場面です。
スタッフの教育
登録販売者やパート従業員への教育も、薬剤師の業務に含まれることがあります。医薬品の基礎知識、接客時の聞き取り方、法令上の注意点などが対象です。
なかでも登録販売者の育成は、店舗運営に直結します。
登録販売者が店舗管理者になるには実務経験や研修に関する要件を満たす必要があり、いずれの要件にも当てはまらない登録販売者は「研修中の登録販売者」として扱われます。
研修中の登録販売者は、薬剤師または研修中でない登録販売者の管理と指導のもとで業務にあたることになり、店舗管理者の代行者になることもできません。名札にも研修中である旨の表記が必要です。
そのため、シフトを組むうえでも、誰がどの要件を満たしているのかを把握しておくことが求められます。
参考:e-Gov法令検索「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則」 / 厚生労働省「登録販売者制度の取扱い等について」
転職活動するなら?
求められる知識とスキル

ドラッグストアで求められる力は、調剤薬局と重なる部分もありますが、比重が異なります。処方箋という前提がない相談に応じるため、自分で判断する場面が増えるのが特徴です。
OTC医薬品の知識
市販薬は同じ効能でも成分の組み合わせが異なる商品が並びます。来店者の症状や年齢、併用薬に応じて選べるよう、商品名ではなく成分で理解しておくことが実務では役立ちます。
医療用医薬品からスイッチされた成分は、特に相談が集中します。眠気の出やすさ、妊娠中や授乳中の可否、持病がある方への注意点など、聞かれる内容は具体的です。
商品の入れ替わりが早いため、知識のアップデートも継続的に必要になります。新商品が入るたびに添付文書を確認する習慣が求められます。
- OTCの勉強は、商品名より先に「成分」から入ると応用が利きます
- 新商品が入ったら添付文書に目を通す習慣をつけておくと安心です
- 面接では、実際に相談が多い症状を聞いてみると店舗の色が見えます
受診をすすめる判断
ドラッグストアの相談で難しいのは、市販薬で様子を見てよい状態か、受診をすすめるべき状態かの見極めです。処方箋がない分、この判断が薬剤師に委ねられます。
症状が続いている期間、痛みや発熱の程度、既往歴や併用薬の有無などを聞き取り、市販薬で対応できる範囲を超えていると判断した場合は受診をすすめます。販売しないという選択も業務のうちです。
薬機法でも、要指導医薬品について適正な使用を確保できないと認められるときは販売してはならないと定められています。売上よりも安全を優先する判断が、制度上も前提になっているといえます。
相談を受けてから販売・受診勧奨までの判断の流れ
※判断の流れの一例です
接客と提案の力
ドラッグストアは小売業でもあるため、接客の姿勢が業務の質に直結します。相談しやすい雰囲気をつくれるかどうかで、聞き取れる情報の量が変わります。
症状に合う商品を提案する場面では、価格や剤形の希望も踏まえた説明が求められます。専門用語をそのまま使わず、生活のなかでどう使うかに置き換えて伝える力が必要です。
レジや品出しに入る店舗もあるため、店舗スタッフとの連携も欠かせません。薬剤師だけで完結する業務は多くなく、チームで売場を回す意識が働きやすさにつながります。
こうした接客の経験は、数値では測りにくいものの、店舗での評価に直結する部分です。前職で培った服薬指導の姿勢は、そのまま強みとして活かせます。
参考:e-Gov法令検索「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」
薬剤師の求人を探すドラッグストアで積める経験

ドラッグストアでの経験は、調剤薬局や病院とは異なる強みになります。ここでは、この業態でしか積みにくい経験を3つの視点から整理します。
セルフメディケーションへの関わり
ドラッグストアは、受診の前段階で相談を受ける窓口です。店舗数は年々増えており、生活圏に密着した相談先として広がっています。
処方箋を持たない方の症状を聞き取り、市販薬で対応するか受診をすすめるかを判断する経験は、調剤中心の職場では積みにくい経験です。医療にかかる前の段階を支える役割ともいえます。
数字で見るドラッグストア業界の規模(2025年度)
※2025年度。店舗数は年度末時点
店舗運営の視点
発注、在庫、売場づくり、スタッフ教育といった業務を通じて、店舗を運営する視点が身につきます。数字を見て打ち手を考える経験は、調剤室のなかだけでは得にくいものです。
店舗管理者や店長を目指す道もあり、その場合は人員配置や労務管理まで担当範囲が広がります。医薬品の専門性とマネジメントを両方経験できる点は、この業態の特徴です。
その後のキャリアの広がり
調剤を併設する店舗で経験を積めば、調剤薬局への転職でも実務経験として評価されます。OTCの相談で培った聞き取りの力は、在宅医療や地域連携の場面でも活かせます。
次の職場の選択肢としては、主に以下のような方向があります。
- 調剤薬局や病院など、調剤を中心とする職場への転職
- 在宅医療や地域連携に関わるポジション
- 店舗管理者・店長など店舗運営を担う立場
- 本部の商品部やスーパーバイザーなど店舗を離れた職種
店舗での経験がそのまま次の選択肢の土台になるため、入職時にどの業態を選ぶかは後のキャリアにも影響します。
まとめ
ドラッグストア薬剤師の仕事内容は、作業の列挙で捉えると全体像がつかみにくくなります。薬機法の区分に沿って整理すると、要指導医薬品と第1類医薬品の販売、そして調剤が薬剤師にしか担えない業務であり、これが店舗における存在意義になっていることが分かります。
そのうえで、仕事内容は業態によって変わります。調剤を併設する店舗では調剤と服薬指導が中心となり、OTC医薬品を中心とする店舗では売場での相談対応と医薬品の管理が業務の軸になります。調剤の受付コーナーを設けている店舗では、その両方を1人で担う場面が多くなります。
求人票を見るときは、その店舗が薬局の許可で営業しているのか、店舗販売業の許可なのかを確認すると、入職後の働き方を具体的に想像しやすくなります。あわせて、薬剤師の配置人数と1名体制の時間帯があるかも確かめておくと安心です。
2026年5月1日には指定濫用防止医薬品の制度も始まり、売場での確認事項は増えています。制度の変化を押さえながら、自分がどの業態で経験を積みたいのかを整理して、応募先を選んでいきましょう。





