学校薬剤師の給料はいくら?報酬相場・仕事内容・なり方を解説
学校薬剤師という仕事に興味はあるものの、「実際どのくらいの給料がもらえるのか」「本業と両立できるのか」が分からず、申し込むのを躊躇する方は多いのではないでしょうか。
学校薬剤師の報酬は、一般的な薬剤師の求人のように月給で示されるものではなく、自治体ごとに年額で定められています。そのため、調べても金額の全体像がつかみにくいということがあります。
この記事では、学校薬剤師の給料(報酬)の相場を実際の自治体の規定をもとに整理し、報酬が低めに設定されている理由、法律で定められた仕事内容、そして学校薬剤師になるための具体的な方法までをまとめて解説します。
本業と両立するうえでの注意点や確定申告の考え方にも触れますので、副業として学校薬剤師を検討している方はぜひ参考にしてください。
お申し込みを受け付けました
以下からひな形と見本をダウンロードできます。
学校薬剤師の給料(報酬)の相場

はじめに押さえておきたいのは、学校薬剤師は独立した常勤の職業ではないという点です。薬局や病院に勤務する薬剤師などが本業を持ちながら兼任する非常勤・委嘱の職であり、報酬は月給ではなく年額で支払われるのが基本です。
公立学校の学校薬剤師は、教育委員会が任命・委嘱する特別職の非常勤職員にあたります。報酬額は各自治体の条例や規則で定められているため、全国一律の金額はありません。実際の規定を見ると、年額でおおむね5万円から16万円程度の範囲に収まる例が多くなっています。
自治体ごとに定められた報酬額の実例
具体的にどのような金額が定められているのか、公開されている条例・規則から3つの自治体の例を見てみましょう。
同じ学校薬剤師でも、自治体によって3倍前後の開きがあることが分かります。福岡市のように学級数に応じて加算する方式を取る自治体もあり、担当する学校の規模によっても受け取る額は変わります。また、湧水町のように複数校を担当することで報酬が上がる仕組みを設けている自治体もあります。
なお、同じ自治体でも学校医・学校歯科医の報酬は別に定められており、学校薬剤師より高く設定されているのが一般的です。たとえば青森市の規則では、学校医は年額224,000円と定められています。
報酬額を確認するときの注意点
学校薬剤師の報酬を調べる際は、必ず自分が委嘱を受ける自治体の条例・規則を確認してください。ここで紹介した金額はあくまで一時点の規定に基づく目安だからです。
また、金額そのもの以外にも、事前に確かめておきたい点がいくつかあります。委嘱を受ける前に、教育委員会や地域の薬剤師会に次の3点を確認しておくと安心です。
特に検査費用の負担については、後から認識のずれが分かると気まずくなりやすい部分です。引き受ける前の段階で、率直に聞いておくことをおすすめします。
30秒でかんたん登録!
無料で応募書類テンプレをプレゼント
参考:青森市「青森市立学校学校医、学校歯科医及び学校薬剤師に関する規則」 / 福岡市「福岡市教育委員会の任命に係る特別職職員の報酬の額を定める規則」 / 湧水町「湧水町学校医,学校歯科医及び学校薬剤師の設置並びに報酬の支給に関する条例」
学校薬剤師の給料が低いのはなぜ

年額5万円から16万円程度という金額を見て、「思ったより少ない」と感じた方も多いはずです。ただ、この水準は学校薬剤師という職の性質を踏まえると、必ずしも不当に低いわけではありません。理由を順に見ていきます。
勤務日数が年に数回程度と少ないため
最大の理由は、実際に学校へ出向く回数が非常に少ないことです。学校薬剤師の中心的な業務である環境衛生検査は、検査項目ごとに「毎学年1回」「毎学年2回」といった頻度で実施が定められています。プールの水質検査のように使用期間に集中する項目もありますが、年間を通してならすと、多い方でも月1回程度、少なければ年に数回の訪問で職務が完結します。
つまり学校薬剤師の報酬は、常勤職の給料ではなく、年間の職務量に対して支払われる委嘱料と考えるのが実態に近いといえます。1回あたりの訪問に換算すれば、極端に安い設定とは限りません。
本業を持つ薬剤師が担う前提の制度だから
学校保健安全法では、学校薬剤師は薬剤師のうちから任命または委嘱すると定められています。制度そのものが、すでに薬局や病院などで働いている薬剤師が兼任することを前提に設計されています。
そのため、学校薬剤師の報酬だけで生計を立てることは想定されていません。実際、本業の薬剤師として働く場合の給与水準とは、桁が大きく異なります。医療キャリアナビ掲載求人データ(2026年時点)では、薬剤師の正社員求人の月給中央値は350,000円でした。学校薬剤師の年額報酬は、この1か月分にも満たない金額です。
金銭より社会貢献の側面が大きい職
報酬面だけを見れば、学校薬剤師は収入源として大きな期待をかけられる仕事ではありません。それでも多くの薬剤師が引き受けているのは、地域の子どもたちの健康と学習環境を守る役割にやりがいを感じているからです。
学校薬剤師の報酬は「収入を増やすための副業」ではなく、地域貢献に対する委嘱料と捉えるのが実情に合っています
報酬額だけで判断せず、子どもの健康教育に関われることや、地域とのつながりが広がることを含めて検討するのがおすすめです
参考:e-Gov法令検索「学校保健安全法」 / 文部科学省「学校環境衛生」
学校薬剤師とは

ここからは、学校薬剤師という職そのものについて整理します。給料の話だけでは見えてこない、この職の位置づけを押さえておきましょう。
学校薬剤師は、学校保健安全法によって配置が義務づけられた専門職です。同法第23条第2項では「大学以外の学校には、学校歯科医及び学校薬剤師を置くものとする」と定められています。つまり、幼稚園・小学校・中学校・義務教育学校・高等学校・中等教育学校・特別支援学校・高等専門学校といった、大学を除くすべての学校が対象です。
同条第3項では、学校薬剤師は薬剤師のうちから任命し、または委嘱すると定められています。学校医(医師)・学校歯科医(歯科医師)とあわせて「学校三師」と呼ばれ、それぞれの専門性を生かして子どもの健康と学習環境を支えるのが役割です。
学校ごとに薬剤師を配置するこの制度は、日本独自の仕組みとして知られています。海外では学校の環境衛生を医療専門職が定期的にチェックする制度は一般的ではなく、薬剤師が地域の学校に関わる日本の体制は特徴的な取り組みだといえます。
学校三師のなかでも、学校薬剤師の役割は少し性質が異なります。学校医や学校歯科医が主に「人」の健康を診るのに対し、学校薬剤師は教室の空気や飲料水、プールの水質といった「環境」を科学的に検査するのが中心です。
子どもが健康に学べる環境そのものを整えるという、薬学の知識を生かした独自のポジションを担っています。
参考:e-Gov法令検索「学校保健安全法」 / 日本薬剤師会「学校薬剤師活動」
学校薬剤師の仕事内容

学校薬剤師の職務は、学校保健安全法施行規則第24条で具体的に定められています。ここに挙げられた内容は、調剤や服薬指導といった薬局業務とは大きく異なるのが特徴です。法令で定められた7つの職務は次のとおりです。
学校薬剤師の職務(学校保健安全法施行規則第24条)
さらに、これらの職務に従事したときは、その状況の概要を学校薬剤師執務記録簿に記入して校長に提出することも同条第2項で定められています。実際の活動の中心となる4つの業務について、順に見ていきましょう。
学校環境衛生検査
学校薬剤師の業務のなかで、最も時間を割くのがこの環境衛生検査です。文部科学省が定める学校環境衛生基準に基づき、教室や施設の環境が子どもの健康に適した状態にあるかを、実際に測定して確認します。
検査の対象は幅広く、教室の空気環境(換気・温度・湿度・照度)、飲料水の水質、給食施設の衛生状態、水泳プールの水質など多岐にわたります。たとえば教室等の環境については、換気の基準として二酸化炭素は1500ppm以下、温度は18℃以上28℃以下、相対湿度は30%以上80%以下であることが望ましいとされています。
| 検査項目 | 基準(望ましいとされる値) | なぜ必要か |
|---|---|---|
| 二酸化炭素 | 1500ppm以下 | 教室の換気が足りているかの目安になる |
| 温度 | 18℃以上28℃以下 | 暑さ・寒さによる体調不良を防ぐ |
| 相対湿度 | 30%以上80%以下 | 乾燥や過湿によるのどの不調を防ぐ |
検査は感覚ではなく機器を用いた測定で行い、基準を満たさない結果が出た場合には、学校に対して改善のための指導・助言を行います。検査そのものを外部の検査機関に委託するケースもありますが、その場合も結果を評価し、学校にどう対応すべきかを助言するのは学校薬剤師の役割です。
医薬品・毒物劇物の管理
学校には、保健室の常備薬や消毒薬のほか、理科室に多くの薬品が保管されています。これらが適切に管理されているかを点検し、必要な指導・助言を行うのも学校薬剤師の職務です。
点検で確認するのは、主に次のような点です。
- 毒物・劇物が施錠できる場所に保管されているか
- 使用期限が切れた薬品が残っていないか
- 在庫や使用量の記録が正しくつけられているか
- 薬品の容器や表示が適切な状態を保てているか
理科の実験で使う試薬は、扱い方を誤れば事故につながるものもあります。薬品の性質を専門的に理解している薬剤師だからこそ、リスクの高い保管状態に気づけるといえます。
施行規則では、必要に応じてこれらの薬品について試験・検査・鑑定を行うことも職務に含まれています。単に見て回るだけでなく、疑わしい薬品があれば専門的に調べる立場にあるということです。
くすり教育・薬物乱用防止教育
子どもたちに直接関わる業務が、くすり教育と薬物乱用防止教育です。中学校の学習指導要領では、保健分野の内容として「医薬品は、正しく使用すること」が位置づけられており、薬の正しい使い方を学ぶ授業が行われています。この授業に学校薬剤師が講師として関わることが多くなっています。
日常的に薬を扱う専門職として、子どもにも伝わる言葉で説明することが求められます。あわせて、喫煙・飲酒・薬物乱用の害を伝える薬物乱用防止教室の講師を務めることもあります。学習指導要領でも「喫煙、飲酒、薬物乱用などの行為は、心身に様々な影響を与え、健康を損なう原因となること」が扱う内容として示されており、専門職の立場から具体的に語れることが強みになります。
授業で扱うテーマは、大きく次の2つに分かれます。
学校保健計画への参与
施行規則第24条の第1号には、学校保健計画および学校安全計画の立案に参与することが挙げられています。これは、学校がその年度にどのような保健活動を行うかを決める計画づくりに、専門職として意見を述べる業務です。
具体的には、学校保健委員会に出席し、環境衛生検査の結果を踏まえた改善提案を行ったり、その年に重点を置くべき健康課題について助言したりします。検査で見つかった課題を、翌年度の計画に反映させていく橋渡し役ともいえます。
現場で測定した結果をそのままにせず、学校の運営に組み込んでいくところまでが職務に含まれている点は、学校薬剤師の役割を理解するうえで重要なポイントです。
30秒でかんたん登録!
無料で応募書類テンプレをプレゼント
参考:e-Gov法令検索「学校保健安全法施行規則」 / 文部科学省「学校環境衛生」 / 文部科学省「第2章 各教科 第7節 保健体育」
学校薬剤師になる方法

学校薬剤師に興味を持っても、求人サイトを探して見つかることはまずありません。学校薬剤師の募集が一般の求人媒体に出ることはほとんどないためです。ここでは、実際に委嘱を受けるまでの流れと、そこにたどり着くための現実的な方法を整理します。
教育委員会と薬剤師会を通じて委嘱される流れ
公立学校の場合、学校薬剤師は教育委員会が任命または委嘱します。ただし、教育委員会が個別に薬剤師を探すわけではありません。学校薬剤師に欠員が生じると、教育委員会が地域の薬剤師会に相談し、薬剤師会が適任者を推薦するという流れが一般的です。
つまり、学校薬剤師のポストは公募ではなく、地域の薬剤師のネットワークのなかで引き継がれていくことが多いということです。前任者の退任や転居、担当校の増加といったタイミングで話が回ってくるため、順番待ちになる地域もあります。
地域の薬剤師会に入っておく
以上の流れから分かるとおり、学校薬剤師になるための最も現実的な近道は、勤務先の地域の薬剤師会に加入しておくことです。推薦を出すのは薬剤師会であるため、会員でなければ候補者として名前が挙がりにくくなります。
薬剤師会に加入すると、学校薬剤師部会の研修会や情報提供を受けられることもあります。環境衛生検査には専用の機器や測定の知識が必要になるため、こうした研修に参加しておくことは、実際に委嘱を受けたあとにも役立ちます。
学校薬剤師を担う薬剤師が在籍する薬局に勤める
もう一つの方法が、すでに学校薬剤師を務めている薬剤師が在籍する薬局に勤めることです。地域に根ざした個人薬局には、代々学校薬剤師を引き受けてきたところがあります。
こうした薬局では、学校薬剤師の職務に理解があるため、平日日中に学校へ出向く時間を確保しやすいという利点もあります。担当校が増えたときに勤務先の薬剤師へ話が来ることもあり、機会に恵まれやすい環境だといえます。
- 地域の薬剤師会に加入し、学校薬剤師部会の活動や研修に参加する
- 学校薬剤師の活動に理解のある薬局・職場を選ぶ
- 欠員が出た際に薬剤師会から推薦を受け、教育委員会が任命・委嘱する
参考:e-Gov法令検索「学校保健安全法」 / 日本薬剤師会「学校薬剤師活動」
学校薬剤師として働く際の注意点

学校薬剤師は本業を持ちながら担う職であるため、始める前に確認しておきたい点がいくつかあります。特に重要なのが、勤務先との両立と、税務上の取り扱いです。
本業と両立できる職場が必要
学校薬剤師の環境衛生検査は、児童生徒が実際に活動している状態で測定する必要があるため、平日の日中に学校へ出向くことが基本になります。授業が行われている時間帯の教室で二酸化炭素濃度や照度を測る、給食の時間に調理場を確認するといった具合です。
そのため、シフトが固定されていて日中に抜けられない職場では、両立が難しくなります。個人薬局やパート勤務など、時間の融通がきく働き方を選んでいる薬剤師が学校薬剤師を務めているケースが多いのはこのためです。
なお、副業を明示的に認めている求人はまだ多くありません。医療キャリアナビ掲載求人データ(2026年時点)では、薬剤師求人のうち「副業・WワークOK」の条件が付いているものは全体の1%にとどまりました。求人票の条件だけで判断せず、面接や相談の段階で学校薬剤師の活動について伝えておくことが大切です。
- 薬剤師求人のうちパート・アルバイトは518件。勤務形態から時間をつくる方法もあり
- 「17時退社」は14%、「時短勤務OK」は10%。日中に動ける条件で絞り込めます
- 「車・バイク通勤可」は42%。検査機器を運ぶ移動手段も確認しておきたいところ
管理薬剤師として働いている方は、もう一段の確認が必要です。医薬品医療機器等法第7条第4項では、薬局の管理者はその薬局以外の場所で業として薬事に関する実務に従事してはならないと定められています。ただし同項のただし書きにより、薬局の所在地の都道府県知事の許可を受けたときは、この限りでないとされています。
実務上も、薬剤師である管理者が学校薬剤師を兼ねようとする場合には、管理者兼務許可の申請対象になるとして手続きを案内している自治体があります。管理薬剤師の立場で学校薬剤師を引き受ける際は、事前に都道府県の薬務担当課へ確認し、必要な許可を得ておくことが欠かせません。
報酬額によっては確定申告が必要
学校薬剤師の報酬は、本業の給与とは別に支払われます。そのため、金額によっては確定申告が必要になります。
国税庁の案内では、1か所から給与の支払いを受けている給与所得者のうち、給与所得および退職所得以外の所得金額の合計額が20万円を超える人は確定申告が必要とされています。
学校薬剤師の報酬は年額5万円から16万円程度の例が多いため、これだけであれば20万円以下に収まる場合がほとんどです。ただし注意したいのは、判定は学校薬剤師の報酬単体ではなく、給与以外の所得の合計で行うという点です。委嘱の受け方によって、要否の見通しは次のように変わります。
委嘱の形態で変わる確定申告の要否
| 報酬の目安 | 年額5万〜16万円程度 |
|---|---|
| 20万円ラインとの関係 | 単体で20万円以下に収まることが多い |
| 確定申告 | 不要となるケースが多い |
| 報酬の目安 | 各校・各自治体の報酬を合算 |
|---|---|
| 20万円ラインとの関係 | 合計額が20万円を超える可能性 |
| 確定申告 | 必要になる可能性がある |
つまり、他に副業収入や原稿料などがある場合は、それらもあわせて判断することになります。所得税の申告が不要な場合でも、住民税の申告は別途必要になることがある点も見落としがちです。
なお、確定申告が不要となるかどうかには例外的な取り扱いもあります。給与収入から所得控除を差し引いた金額が一定額以下の場合などは扱いが異なるため、判断に迷う場合は居住地の税務署や税理士に確認するのが確実です。
30秒でかんたん登録!
無料で応募書類テンプレをプレゼント
参考:e-Gov法令検索「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」 / 岡山県「管理者兼務許可申請」 / 国税庁「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」
学校薬剤師の給料・仕事に関するよくある質問

最後に、学校薬剤師について特に多い疑問をまとめます。
学校薬剤師だけで生活できる?
学校薬剤師の報酬だけで生活することは、現実的ではありません。報酬は自治体の条例・規則で年額5万円から16万円程度に定められている例が多く、月額に換算すると1万円前後にとどまるためです。
これは学校薬剤師の待遇が不当という話ではなく、そもそも本業を持つ薬剤師が兼任する非常勤の委嘱職として制度が組み立てられているからです。年に数回から月1回程度の訪問で完結する職務量に見合った報酬設定になっていると理解しておきましょう。
学校薬剤師を目指す場合は、薬局や病院などの本業を確保したうえで、そこに地域貢献として加える形を前提に考えるのが現実的です。
公務員や管理薬剤師でも学校薬剤師になれる?
いずれの立場でも、所定の手続きを踏めば学校薬剤師を務められる場合があります。ただし、それぞれ確認すべき点が異なります。
管理薬剤師の場合は、前章で触れたとおり医薬品医療機器等法第7条第4項ただし書きに基づく都道府県知事の許可が関わります。学校薬剤師を兼ねる場合を管理者兼務許可の対象として案内している自治体があるため、まずは都道府県の薬務担当課に相談してください。
公務員として勤務している薬剤師の場合は、地方公務員法や国家公務員法に基づく兼業のルールが関係します。任命権者の許可が必要になるのが原則で、許可の基準は自治体や機関によって定められています。自己判断で引き受けず、必ず所属先の人事担当に確認することが必要です。
学校薬剤師にやりがいはある?
報酬面では大きな期待をかけにくい職ですが、やりがいを感じる場面は少なくありません。
学校薬剤師の職務は、環境衛生検査から医薬品管理、くすり教育、学校保健計画への参与まで幅広く、調剤室では得られない経験が積めるのが特徴です。子どもたちの前で薬の正しい使い方を伝える機会は、日常の服薬指導とはまた違う手応えがあるといわれます。
また、学校や教育委員会、学校医・学校歯科医といった他職種と関わることで、地域のなかでの人脈が広がります。地域医療に関わりたい、専門性を子どもの健康に生かしたいと考える薬剤師にとっては、意義のある活動だといえます。
参考:e-Gov法令検索「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」 / e-Gov法令検索「学校保健安全法施行規則」
まとめ
学校薬剤師の給料は、月給ではなく自治体の条例・規則で定められた年額で支払われ、おおむね5万円から16万円程度の例が多く見られます。金額に幅があるのは、報酬額の決め方が自治体ごとに異なり、学級数に応じた加算や複数校担当による増額を設けているところもあるためです。
報酬が本業の給与に比べて低く見えるのは、学校薬剤師が年に数回から月1回程度の訪問で職務が完結する非常勤の委嘱職であり、本業を持つ薬剤師が兼任する前提で制度が設計されているからです。学校保健安全法により大学以外のすべての学校への配置が義務づけられた専門職であり、環境衛生検査や医薬品管理、くすり教育を通じて子どもの学習環境を守る役割を担っています。
学校薬剤師になるには、地域の薬剤師会に加入し、欠員が出た際に推薦を受けるのが基本的な流れです。始める前には、平日日中に学校へ出向ける職場かどうか、管理薬剤師や公務員として必要な許可があるかどうかを確認しておきましょう。
収入を大きく増やす手段ではありませんが、薬剤師としての専門性を地域の子どもたちに生かせる仕事です。本業と両立できる働き方を整えることが、学校薬剤師になるための最初の条件になります。


