皮膚科看護師の仕事内容は?よく行われる処置や1日のスケジュール例・一般皮膚科と美容皮膚科の違いについて解説
皮膚科看護師の仕事内容は、外来での診察介助や外用薬の説明にとどまりません。液体窒素治療や紫外線療法、パッチテストなど、皮膚科ならではの処置・検査が多く、求人を見て初めてその幅広さに気づく人も多いです。
この記事では、処置ごとの仕事内容、勤務先による違い、一般皮膚科と美容皮膚科の比較、1日のスケジュール例、必要な知識とスキルまでまとめます。
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皮膚科看護師の仕事内容

皮膚科看護師の仕事は、医師の診察をスムーズに進めるための介助と、患者さんが自宅で治療を続けられるようにする説明・指導の2つが柱です。
外来では1日に多くの患者さんが来院するため、診察室と処置室を行き来しながら複数の業務を同時に進めます。
- 1待合・問診スペース問診経過・使用中の薬や化粧品を聞く
- 2診察室診察介助患部の露出・照明・写真撮影
- 3処置室処置・検査物品準備・介助・採血
- 4診察室・処置室説明・指導塗り方の実演・次回予約の案内
- 5処置室・滅菌室片付け器具の洗浄・ベッドの消毒
問診と診察の介助
診察前の問診では、症状が出た時期や経過、かゆみや痛みの有無、使っている薬や化粧品、アレルギー歴などを聞き取ります。 皮膚の症状は「いつから・どこに・何に触れたあとか」が診断の手がかりになるため、患者さんの話から生活の中のきっかけを拾う聞き方が大切です。
診察中は、患部を出しやすいように衣類の調整を手伝ったり、照明や体位を整えたりします。 経過を比べるための患部の写真撮影や、医師の所見を電子カルテに入力する補助を任される職場もあります。
外用薬と内服薬の説明
皮膚科の治療は塗り薬が中心で、薬を正しく使えるかどうかが治療の効果を左右します。 看護師は、医師の指示に沿って塗る量・回数・塗る部位・複数の薬を使うときの順番を説明します。
- 軟膏やクリームを塗る量と範囲
- 1日に塗る回数とタイミング(入浴後など)
- 部位ごとに薬を使い分ける場合の区別
- かゆみ止めや抗菌薬などの内服薬の飲み方
処方の確認や薬の効き方の説明は薬剤師も担いますが、皮膚科外来では診察直後に看護師が実際の塗り方を見せながら説明する場面が多くあります。
処置の介助
皮膚科の処置には、軟膏処置やガーゼ交換、創部の洗浄、液体窒素による凍結療法、皮膚生検、小手術などがあります。 看護師は、物品の準備、患者さんの体位の保持、処置中の声かけ、処置後の片付けと説明を担当します。
処置ごとに使う物品や手順が違うため、慣れるまでは「この処置には何を準備するか」を覚えることが最初の仕事になります。 処置ごとの看護師の関わり方は、次の章で1つずつ紹介します。
検査と採血
皮膚科では、アレルギーの原因を調べる血液検査や、水虫(白癬)などを調べる真菌検査、パッチテストなどの検査があります。 看護師は医師の指示のもとで採血を行い、真菌検査では検体を採る準備や介助をします。
内服薬や注射薬の中には、副作用を確認するために定期的な血液検査が必要なものもあります。 次回の採血日を伝えたり、検査結果の説明に向けて準備したりするのも看護師の役割です。
看護師の求人を探すスキンケアと生活指導
アトピー性皮膚炎や手湿疹などは、薬だけでなく日常生活の過ごし方で症状が変わります。 看護師は、入浴や洗い方、保湿のタイミング、衣類や寝具の選び方など、患者さんの生活に合わせたスキンケアの方法を伝えます。
小さな子どもの場合は、保護者が薬を塗ることになります。保護者が仕事や家事の合間に続けられる方法を一緒に考えると、治療が続きやすくなります。
器具の洗浄・滅菌と環境整備
小手術や生検で使った鑷子(ピンセット)や剪刀(ハサミ)などの器具は、洗浄して滅菌し、次の処置に備えます。 クリニックでは看護師が洗浄から滅菌器の操作、滅菌期限の管理まで担当することも多いです。
診察台のシーツ交換や処置室の清掃、物品の在庫確認と発注も日々の業務に含まれます。 感染症の患者さんが使ったあとの消毒など、次の患者さんにうつさないための環境整備も欠かせない仕事です。
処置の準備や片付けまで、思っていたより幅広いんだね
皮膚科で多く行われる処置と看護師の役割

皮膚科には、ほかの診療科ではあまり経験しない処置が多くあります。
処置そのものは医師が判断して行い、看護師は準備・介助・患者さんへの説明を受け持つのが基本です。 どこまでを看護師が担当するかは、医師の指示と施設の方針で決まります。
- 液体窒素と専用容器
- 綿棒またはスプレー
- 処置用の手袋
- 保護めがね
- 照射しない部位を覆う布
- 照射量の記録用紙
- 局所麻酔薬・注射器
- 生検用の器具・縫合セット
- 検体容器とラベル
- 試薬とテスト用ユニット
- 貼付位置の印をつけるペン
- 判定日の予約表
- 滅菌済みの手術セット
- 電気メス・吸引
- ガーゼ・被覆材
- 薬剤(保管温度を確認)
- アルコール綿
- 針の廃棄容器
液体窒素による凍結療法
液体窒素による凍結療法は、マイナス196℃の液体窒素で患部を凍らせる治療で、いぼ(尋常性疣贅)の治療で広く使われています。 綿棒に液体窒素を含ませて当てる方法と、専用のスプレーで吹きつける方法があります。
看護師は、液体窒素の補充や容器の管理、施術中に患者さんの手足を支える介助を担当します。 施術後は、水ぶくれや痛みが出ることがあると伝え、自宅での過ごし方や次回の来院時期を説明します。 数回通院して治療を続けることが多いため、通院が途切れないような声かけも大切です。
紫外線療法
紫外線療法は、特定の波長の紫外線を皮膚に当てて症状をおさえる治療で、乾癬やアトピー性皮膚炎などに使われます。 アトピー性皮膚炎では、ほかの治療で十分に良くならない場合などに検討される治療法と位置づけられています。
看護師は、照射前に保護めがねを渡したり、照射しない部位を覆ったりして準備を整えます。 照射量や照射後の赤み・ほてりの有無を記録し、次回の照射に向けて医師に報告するのも大切な役割です。
皮膚生検とパッチテスト
皮膚生検は、皮膚の一部を採って顕微鏡で調べる検査です。 看護師は、同意書の確認、局所麻酔や器具の準備、止血や縫合の介助を行い、採った検体を容器に入れてラベルを確認します。 検体の取り違えは診断の誤りにつながるため、患者さんの名前と採取部位を医師と一緒に確認します。
パッチテストは、かぶれ(接触皮膚炎)の原因を調べる検査です。 原因と疑われる物質をしみこませたシールを背中などに貼り、決められた時間がたってから皮膚の反応を判定します。
- 0時間上背部に貼付
- 48時間後はがして判定
- 72か96時間後2回目の判定
- 1週間後最終の判定
貼っている間は入浴や汗をかく運動を控える必要があるため、看護師が生活上の注意を説明し、判定日の来院予約を調整します。
粉瘤やほくろの小手術の介助
皮膚科クリニックでも、粉瘤(皮膚の下にできる袋状のできもの)やほくろの切除などの小手術を行うことがあります。 看護師は、清潔野の準備、器械出し、電気メスなどの機器の準備、術中のバイタルや患者さんの様子の観察を担当します。
術後は、ガーゼの交換方法、シャワーや入浴の再開時期、抜糸の予定などを説明します。 手術室での経験がなくても、清潔・不潔の区別と器械の名前を覚えれば、少しずつ対応できるようになります。
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生物学的製剤の注射
生物学的製剤は、病気に関わる特定の物質のはたらきをおさえる注射薬で、乾癬やアトピー性皮膚炎などの治療に使われています。 看護師は、医師の指示のもとで皮下注射を行い、注射後の体調や注射部位の反応を観察します。
自宅で患者さん自身が注射する「自己注射」に切り替える場合もあり、その前には十分な教育と指導が必要とされています。 看護師は、薬の保管方法、清潔な操作、注射の手技、使い終わった注射器の捨て方などを、患者さんが一人でできるようになるまで指導します。
新しく覚える処置が多いけど、準備と説明が看護師の腕の見せどころだよ
参考:公益社団法人日本皮膚科学会「接触皮膚炎診療ガイドライン2020」 / 公益社団法人日本皮膚科学会「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2024」
勤務先別に見た皮膚科看護師の仕事内容

同じ皮膚科でも、クリニック・病院の外来・病棟・美容皮膚科では、患者さんの層も看護師の仕事の比重も変わります。 転職先を選ぶときは、自分がどの働き方をしたいかを先に考えておくと、求人を絞りやすくなります。
| 皮膚科クリニック | 病院の皮膚科外来 | 皮膚科病棟 | 美容皮膚科 | |
|---|---|---|---|---|
| 主な患者さん | 身近な皮膚トラブルで来院する幅広い年代 | 紹介患者さん・重症や難治の皮膚疾患 | 入院治療が必要な患者さん | 見た目の悩みを改善したい人 |
| 仕事の比重 | 介助・処置・説明・滅菌を一人で幅広く | 専門治療の介助と他部門との調整 | 全身の観察・軟膏処置・点滴・手術前後の看護 | カウンセリング同席・施術・前後のケア |
| 夜勤 | なし | 原則なし | あり | 基本的になし |
| 診療の種類 | 保険診療が中心 | 保険診療 | 保険診療 | 自由診療 |
皮膚科クリニック
皮膚科クリニックは、湿疹やにきび、水虫、いぼ、じんましんなど、身近な皮膚トラブルで来院する患者さんが中心です。 子どもから高齢の方まで幅広い年代が来院し、季節によって患者数が大きく変わる職場もあります。
看護師の人数が少ないため、診察介助・処置・採血・説明に加えて、器具の滅菌や物品管理まで一人で幅広く担当します。 夜勤がなく、診療時間に合わせて働けるのが特徴です。
クリニックで働くメリットや向いている人の特徴は、以下の記事で詳しく紹介しています。
病院の皮膚科外来
病院の皮膚科外来には、クリニックからの紹介で来院する患者さんや、重症・難治の皮膚疾患の患者さんが多く通院します。 生物学的製剤の導入、皮膚がんの検査や手術、ほかの診療科で治療中の患者さんの皮膚トラブルへの対応など、専門性の高い診療に関わります。
看護師は、手術や検査の予約調整、入院が必要な患者さんの病棟への引き継ぎなど、他部門との連携も担当します。 外来は日勤のみの勤務が多いものの、病院の方針によっては病棟との兼務になる場合もあります。
看護師の求人を探す皮膚科病棟
皮膚科病棟には、重い薬疹や広い範囲の帯状疱疹、蜂窩織炎(皮膚の深い部分の細菌感染)、皮膚がんの手術後など、入院治療が必要な患者さんが入院します。 病院によっては、皮膚科単独ではなく他科との混合病棟で皮膚科の患者さんを受け持つこともあります。
病棟では、全身の皮膚の観察や軟膏処置、包帯交換、点滴管理、手術前後の看護を担当します。 広い範囲に軟膏を塗る処置は時間と体力が必要で、患者さんの痛みやかゆみに配慮しながら進めます。
美容皮膚科
美容皮膚科は、しみやにきび跡、たるみ、脱毛など、見た目の悩みを改善したい人が来院する診療科です。 看護師は、カウンセリングの同席、医師の指示による施術、施術前後のケアや説明、予約や物品の管理などを担当します。
一般皮膚科とは目的や費用の仕組みが大きく異なるため、違いは次の章で詳しく紹介します。 美容皮膚科で働く魅力やよくある疑問は、以下の記事も参考になります。
同じ皮膚科でも、職場によって毎日の過ごし方がこんなに違うんだね
一般皮膚科と美容皮膚科の仕事の違い

皮膚科の求人を探していると、一般皮膚科と美容皮膚科の両方が出てきます。 どちらも皮膚を扱う点は同じですが、目的・費用・看護師の関わり方・接遇の4つで仕事の中身が変わります。
治療と施術という目的の違い
一般皮膚科の目的は、湿疹やかぶれ、感染症、皮膚がんなどの病気を治療することです。 看護師は、患者さんが治療を続けられるように、薬の使い方や生活上の注意を伝えることが仕事の中心になります。
美容皮膚科の目的は、しみやしわ、毛の悩みなど、見た目を改善したいという希望に応えることです。 病気の治療ではないため、患者さんが施術を受けるかどうかを自分で選ぶ点が大きな違いです。
保険診療と自由診療の違い

一般皮膚科の診療は、健康保険が使える保険診療が中心です。 診察や検査、薬の種類と費用は国が定めたルールに沿って決まり、患者さんは費用の一部を窓口で支払います。
美容皮膚科の施術は、美容を目的とするため健康保険が使えない自由診療です。 費用は全額が患者さんの自己負担で、料金は医療機関ごとに決められています。 看護師が料金や施術内容の説明、同意書の確認に関わることも多く、費用の説明でトラブルにならないよう丁寧な対応が大切です。
一般皮膚科でも、保険が使えない一部の薬や施術を自費で扱うクリニックがあります。 求人を見るときは、保険診療と自由診療のどちらが中心かを確認しておきましょう。
看護師が直接行う施術の範囲の違い
一般皮膚科では、処置や検査は医師が行い、看護師は準備や介助、説明を担当する場面が中心です。 美容皮膚科では、医療レーザー脱毛や光治療、ピーリングなどの施術を、医師の指示のもとで看護師が担当する施設もあります。
ただし、看護師がどの施術まで担当するかは、医師の指示の出し方と施設の方針によって異なります。 レーザー脱毛やアートメイク、HIFU(高密度焦点式超音波)などは医行為(医師の判断と技術がなければ体に危害を及ぼすおそれのある行為)とされています。 看護師が医行為を行う場合は、医師の指示のもとで行う「診療の補助」であることが前提です。
- 医師の指示なく、脱毛・アートメイク・HIFUなどを行う
- 医学的判断を伴う診察を行う
- 治療方法を選んで患者さんに提案・決定する
2025年8月には、厚生労働省が美容医療の違法な事例を整理した通知を出しました。 この中で、看護師が医師の指示なく脱毛などの施術を行うことや、看護師が治療方法を選んで患者さんに提案・決定することは、法律に違反するとされています。
美容皮膚科では、カウンセリングで患者さんの希望を聞く場面がありますが、どの治療にするかの判断は医師が行います。
美容皮膚科でも「治療を決めるのは医師」ってことは覚えておこう
接遇に求められる水準の違い
一般皮膚科では、短い時間で多くの患者さんに対応しながら、分かりやすく説明する力が求められます。 美容皮膚科では、自費で施術を受ける患者さんが多く、予約時間の管理や身だしなみ、言葉づかいなど、接客業に近い接遇が重視されます。
施術の効果やダウンタイム(施術後に赤みや腫れが続く期間)を正確に伝え、期待とのずれが起きないようにすることも大切です。 費用や施術内容をめぐるトラブルを防ぐため、説明した内容をカルテや同意書に残しておくことも大切です。
- 施術ごとに医師がどう指示・確認するか
- 担当する施術の範囲と研修の進め方
- 販売目標やインセンティブの有無
参考:厚生労働省「美容医療に関する取扱いについて」 / e-Gov法令検索「保健師助産師看護師法」
皮膚科看護師の1日の流れ

皮膚科看護師の1日は、外来か病棟かで大きく変わります。 ここでは、皮膚科クリニックの外来と皮膚科病棟の日勤のスケジュールを一例として紹介します。 診療時間や処置の時間帯は施設によって異なります。
クリニックの外来の場合
クリニックの外来では、診療開始前の準備と、午前・午後の診療、昼休みの間の手術や予約処置が1日の流れになります。
- 8:30出勤・診療準備液体窒素の補充、処置室と器具の準備
- 9:00午前の診療問診・診察介助・凍結療法・採血・塗り方の説明
- 12:30片付け・休憩
- 14:00予約処置・小手術粉瘤の切除の介助、パッチテストの貼付
- 15:00午後の診療学校や仕事帰りの患者さんが増える時間帯
- 18:30片付け・器具の洗浄と滅菌物品の補充、翌日の予約処置の確認
- 19:00退勤
午前中は予約外の患者さんも多く、診察介助と処置、説明を並行して進めます。 昼休みの時間帯に小手術や時間のかかる処置を入れているクリニックもあり、休憩時間は日によって前後することがあります。
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皮膚科病棟の場合
皮膚科病棟の日勤では、申し送りのあとに全身の皮膚の観察と軟膏処置、点滴の管理などを進めます。
軟膏処置は入浴やシャワーで皮膚を清潔にしたあとに行うこともあり、入浴の時間帯に合わせて処置の予定を組みます。
病棟では夜勤もあり、夜間はかゆみで眠れない患者さんへの対応や、点滴・状態の観察が中心になります。
1日の流れがイメージできると、働く姿を想像しやすいね
皮膚科看護師に必要な知識とスキル

皮膚科で働き始めるときに、すべての皮膚疾患を知っている必要はありません。 外用薬の基本と塗り方の指導、感染症への対応、患者さんへの配慮の4つを押さえておくと、日々の業務に対応しやすくなります。
皮膚疾患と外用薬の分類
皮膚科の外用薬は、目的によって保湿剤、炎症をおさえる薬、抗真菌薬、抗菌薬、抗ウイルス薬などに分かれます。 炎症をおさえる薬の代表がステロイド外用薬で、日本では強さによって5段階に分類されています。
同じ患者さんでも、顔と体で強さの違う薬が処方されることがあります。 看護師がランクを知っておくと、患者さんから「この薬は強いの?」と聞かれたときに、医師の方針に沿って落ち着いて説明できます。
剤型(薬の形)にも、軟膏・クリーム・ローション・テープ剤などがあります。 乾燥した皮膚には軟膏、頭皮にはローションというように、症状や部位で使い分けられます。
外用薬の知識は、働きながら少しずつ身につけていけば大丈夫!
軟膏の塗布量と塗り方の指導
塗り薬は、少なすぎると効果が出にくく、治療が長引く原因になります。 塗る量の目安として広く使われているのが、FTU(フィンガーチップユニット)です。
1FTUは、大人の人差し指の先から第1関節まで、口径5mmのチューブから出した量(約0.5g)です。 この量で、大人の手のひら2枚分(体表面積のおよそ2%)の範囲に塗るのが適量とされています。
| 部位 | FTU | 軟膏の量 |
|---|---|---|
| 顔と首 | 2.5 | 1.25g |
| 片腕(腕と手) | 4腕3+手1 | 2g |
| 片脚(太ももから足) | 8脚6+足2 | 4g |
| 体の前面(胸・おなか) | 7 | 3.5g |
| 体の背面(背中・おしり) | 7 | 3.5g |
塗ったあとは、皮膚がしっとりする程度が目安です。 「指のどこまで薬を出すか」「その量でどの範囲に塗るか」を、患者さんが自宅で再現できるように実際に見せながら説明しましょう。
薬の吸収されやすさは、部位によって大きく違います。
顔や首、陰部は吸収されやすいため、弱めの薬が処方されることがあります。 患者さんが「体に処方された薬を顔にも塗っている」ことがないよう、部位ごとの使い分けを確認しておきましょう。
感染症への対応
皮膚科では、帯状疱疹、とびひ(伝染性膿痂疹)、疥癬、水虫など、人にうつる可能性のある皮膚疾患の患者さんも来院します。 看護師は、手指衛生や手袋の着用、使った器具やベッドの消毒など、ほかの患者さんやスタッフにうつさない対策を徹底します。
帯状疱疹は、水ぼうそう(水痘)と同じウイルスが原因で、免疫のない人には水痘としてうつる可能性があります。 発疹の広がり方によって必要な対策が変わります。
- 露出部の発疹はしっかり覆うよう指導
- 水痘ワクチン未接種の乳幼児との密な接触を控える
- 空気感染のリスクもゼロではない
- 水痘と同じ対策で対応
- 免疫が低下した患者さんに起こることがある
待合室での感染を防ぐため、感染が疑われる患者さんを別室に案内するなど、受付の段階から対応を考えておくことも大切です。
患者の羞恥心への配慮
皮膚科の診察では、全身の皮膚を見せたり、陰部やおしりの症状を診てもらったりする場面があります。 皮膚の見た目の変化そのものを、人に見られたくないと感じる患者さんも少なくありません。
- 診察に必要な部位だけを出し、ほかはタオルで覆う
- カーテンや扉を閉め、ほかの人の目に触れないようにする
- 写真撮影の前に目的を説明し、同意を得る
- 同性のスタッフの同席を希望されたら、できる範囲で調整する
患者さんが恥ずかしさから症状を隠すと、診断や治療に影響することがあります。 話しやすい雰囲気をつくること自体が、皮膚科看護師の大切なスキルです。
参考:公益社団法人日本皮膚科学会「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2024」 / 公益社団法人日本皮膚科学会「帯状疱疹診療ガイドライン2025」
まとめ
皮膚科看護師の仕事内容は、診察介助や外用薬の説明に加えて、凍結療法や紫外線療法、パッチテスト、小手術など皮膚科ならではの処置の準備・介助が中心です。
勤務先や一般皮膚科・美容皮膚科の違いによって、仕事の比重や求められる接遇も変わります。
この記事のポイント
- 看護師は診察介助と薬の説明・生活指導が二本柱
- 処置は医師の指示のもとで準備・介助・説明を担う
- クリニック・外来・病棟・美容で仕事の比重が違う
- 美容皮膚科は自由診療で、施術の判断は医師が行う
- FTUを使った塗布量の指導が業務の中核になる
皮膚科への転職を考えているなら、まずは自分がクリニックの外来で幅広く働きたいのか、病院で専門的な治療に関わりたいのか、美容皮膚科で施術に携わりたいのかを整理してみましょう。
職場ごとの処置の範囲や教育体制は求人票だけでは分かりにくいため、転職エージェントに相談すると、見学や面接の前に確認したいことを一緒に整理できます。


