健康運動指導士の合格率は?区分別データと試験の難易度を解説
健康運動指導士の受験を控えて、もしくはこれから受験を検討していて合格率がどのくらいなのか気になっている方は多いのではないでしょうか?検索すると「約70%」という数字がよく出てきますが、それだけだと自分がどのくらいの難易度で挑むことになるのかは分かりません。
健康運動指導士認定試験は、受験区分ごとの合格率が公表されている試験です。実際のデータを見ると、区分によって40%台から100%まで大きな開きがあります。つまり、全体の合格率と自分の合格率は別物だといえます。
この記事では、公益財団法人健康・体力づくり事業財団が公表している認定試験結果をもとに、直近の合格率と区分別の内訳、そこから読み取れる試験の難易度、合格率を踏まえた対策までを解説します。
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健康運動指導士認定試験の合格率

健康運動指導士認定試験は、公益財団法人健康・体力づくり事業財団が実施する認定試験です。試験結果は回ごとに公表されており、受験者数・合格者数・合格率を確認できます。
まずは直近の試験結果と、確認できる範囲での推移を見ていきます。
直近の試験の合格率
直近に結果が公表されているのは、令和8年2月13日から3月31日にかけてCBT方式で実施された第161回認定試験です。受験者465人に対し合格者は332人で、合格率は71.4%でした。
この465人は、性質の異なる2つのグループで構成されています。養成講習会または養成校を修了して初めて受験する387人(合格299人・77.3%)と、過去に受験して合格していない再受験者78人(合格33人・42.3%)です。同じ試験でありながら、この2グループだけでも35ポイント近い差があります。
合格率の推移
財団の公式サイトは最新回の結果のみを掲載しており、過去回の一覧は公開されていません。そのため、ここでは各回の公表当時のデータが確認できた回だけを並べます。
第154回(令和5年10月27日〜12月8日実施)は受験者310人・合格者224人で72.3%、第158回(令和7年2月14日〜3月31日実施)は441人・296人で67.1%、第160回(令和7年10月24日〜12月9日実施)は242人・176人で72.7%、そして第161回が71.4%です。
合格率の推移(公表が確認できた4回)
※公表が確認できた回のみ抜粋。連続する回次ではない
いずれの回もおおむね7割前後で推移しており、極端に難化・易化した回は確認できません。ただし受験者数は回によって242人から465人まで変動しており、合格率の数ポイントの上下は母集団の構成によっても動きます。
参考:公益財団法人健康・体力づくり事業財団「第161回健康運動指導士認定試験結果」 / 公益財団法人健康・体力づくり事業財団「第160回健康運動指導士認定試験結果」 / 公益財団法人健康・体力づくり事業財団「第158回健康運動指導士認定試験結果」 / 公益財団法人健康・体力づくり事業財団「第154回健康運動指導士認定試験結果」
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【区分別】合格率の違い

財団は、全体の合格率だけでなく受験区分ごとの内訳も公表しています。ここが、この試験の難易度を測るうえで最も重要な部分です。
区分は大きく分けて、養成講習会の履修単位数別(104単位・70単位・51単位・40単位)、養成校修了者、再受験者の3系統です。以下は第161回の内訳です。
養成講習会の履修単位数別の合格率
履修単位数別に見ると、104単位コースは17人中17人で100%、70単位コースは41人中41人で100%、51単位コースは42人中32人で76.2%、40単位コースは170人中141人で82.9%でした。
注目したいのは、単位数が多いほど合格率が高いという単純な関係にはなっていない点です。履修単位数が少ない40単位コース(82.9%)が、より多く履修する51単位コース(76.2%)を上回っています。
また、100%となっている104単位・70単位コースは受験者がそれぞれ17人・41人と少なく、数人の合否で数字が大きく動きます。受験者170人の40単位コースとは、そもそも数字の安定度が異なります。合格率だけを取り出して「このコースは簡単」と判断するのは避けたほうがよいでしょう。
養成校修了者の合格率
健康運動指導士養成校の修了者は、117人中68人が合格して58.1%でした。全体の71.4%を13.3ポイント下回っています。
この区分は受験者数が多いことも押さえておきたい点です。117人は、その回の講習会・養成校修了者387人のおよそ3割にあたります。区分の中では40単位コースに次ぐ規模で、全体の合格率を押し下げる方向に働いています。
過去回を見ると、第160回は108人中79人で73.1%、第158回は106人中61人で57.5%と、回による振れ幅が大きいのもこの区分の特徴です。養成校修了者に該当する方は、全体平均ではなく直近数回の幅で見ておくほうが実態に近いといえます。
再受験者の合格率
再受験者は78人中33人が合格し、合格率42.3%と全区分で最も低い数字でした。
これは第161回に限った傾向ではありません。第154回48.9%、第158回40.7%、第160回37.8%、第161回42.3%と、確認できた4回すべてで全体の合格率を大きく下回っています。
この数字が示しているのは、一度不合格になった後、同じ準備のまま受け直しても合格率は上がりにくいということです。再受験を考えている方ほど、勉強の進め方を見直す必要があります。
- 調べるべきは全体の合格率ではなく、自分が受験する区分の合格率です
- 受験者数が少ない区分は、数人の合否で合格率が大きく動きます
- 初回で決めきる準備ができているかを、申し込み前に見直しておきましょう
参考:公益財団法人健康・体力づくり事業財団「第161回健康運動指導士認定試験結果」
合格率から見た試験の難易度

合格率が7割前後という数字は、資格試験としては比較的高い水準です。ただし難易度は、出題形式や合格基準、受験者の母集団によっても変わります。ここでは数字の背景にある条件を整理します。
合格基準と出題形式
出題形式は四肢択一式75問、試験時間120分で、CBT(Computer Based Testing)方式で実施されます。全国の試験センターから会場と日時を選んで予約する形式です。
一方で、合格基準(何点で合格になるか)は公表されていません。令和8年度の認定試験のご案内にも養成講習会開催要領にも、得点による合格ラインの記載はありません。「7割正解で合格」といった説明を見かけることがありますが、財団が示している情報ではないため、鵜呑みにしないほうがよいでしょう。
出題形式や試験方式は年度によって変わることがあります。受験する年度の要項で必ず確認してください。
他の運動指導系資格と比べた位置づけ
同じ財団が養成している資格に、健康運動実践指導者があります。健康運動指導士が運動プログラムの作成と個別指導を担うのに対し、健康運動実践指導者は自ら見本を示す実技能力と集団への指導技術に重点が置かれた資格です。
試験の仕組みも異なります。健康運動実践指導者の認定試験は、養成講習会の第III期に組み込まれており、2日目の指導実技試験と3日目の筆記試験の両方に合格する必要があります。財団は健康運動実践指導者の合格率を公表していないため、健康運動指導士との合格率の直接比較はできません。
健康運動指導士 と 健康運動実践指導者 の試験の仕組み
※登録者数は令和8年8月1日現在
なお、登録者数は令和8年8月1日現在で健康運動指導士17,530人、健康運動実践指導者16,158人と、規模はほぼ同じです。試験の形式も受験者の母集団も違う以上、どちらが難しいかを数字だけで決めることはできません。
難易度を左右する要因
区分によって合格率が異なる理由を、財団は公表していません。ただし、公開されている試験の条件からいくつかの要因が読み取れます。
1つ目は出題範囲です。財団は認定試験について「講習会カリキュラムの内容(104単位分)に沿った認定試験を年3回行います」と明記しています。つまりどのコースで受講しても、試験範囲は104単位分で共通です。40単位コースであればA・Bの2カテゴリー、51単位コースならA・B・Fの3カテゴリーを履修して受験することになり、講習で扱わなかった範囲は各自で補う前提になります。
コース別 履修単位の内訳
帯の全長=試験範囲104単位(全コース共通)
2つ目は講習の修了から受験までの期間です。認定試験は実施期間が約6週間あり、その中から受験日を選びます。修了直後に受けるか、期間の終盤に受けるかで、知識の定着度合いは変わります。
3つ目は範囲の広さです。カリキュラムは健康管理概論から運動生理学、機能解剖、運動プログラムの実際、救急処置、栄養摂取まで15分野にわたります。特定の分野を深く問うというより、広い範囲から満遍なく出題される構成です。
いずれも合格率の差を説明する仮説であり、財団が理由として示しているものではない点にはご注意ください。
参考:公益財団法人健康・体力づくり事業財団「令和8年度健康運動指導士認定試験のご案内」 / 公益財団法人健康・体力づくり事業財団「令和8年度健康運動指導士養成講習会開催要領」 / 公益財団法人健康・体力づくり事業財団「健康運動実践指導者養成講習会開催要領・申込」 / 公益財団法人健康・体力づくり事業財団「健康運動指導士・健康運動実践指導者登録状況」
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健康運動指導士認定試験の概要

ここまでの合格率を自分に当てはめるには、どの区分で受験することになるのかを知っておく必要があります。受験資格から日程までを確認しておきましょう。
受験資格と受験ルート
受験資格は、養成講習会を修了した方、過去に認定試験を受験したことがある方、資格を失効した方のいずれかです。加えて、養成校の課程を修了するルートがあります。
養成講習会は保有資格や学歴によって受講できるコースが分かれ、履修する単位数と受講料が変わります。
養成講習会 4コースの比較
| 項目 | 104単位コース | 70単位コース | 51単位コース | 40単位コース |
|---|---|---|---|---|
| 受講資格 | 歯科医師・看護師・准看護師・助産師・薬剤師・栄養士・あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師・理学療法士・作業療法士・臨床検査技師のいずれかの国家資格を有し、かつ修業年限4年以上の大学を卒業した方 | 医師・保健師・管理栄養士のいずれかの資格を有する方 | 4年制体育系大学(教育学部体育学系を含む)の卒業者(卒業見込みを含む) | 健康運動実践指導者、日本スポーツ協会公認資格(スポーツプログラマー・アスレティックトレーナー・フィットネストレーナー)、日本フィットネス協会公認資格(GFIエグザミナー・GFIディレクター)のいずれかを有する方 |
| 履修カテゴリー | A・B・C・D・E・F | A・C・D・E | A・B・F | A・B |
| 受講料(教材込み) | 291,500円 | 220,000円 | 165,000円 | 137,500円 |
医療系の国家資格を持つ方は104単位コースか70単位コース、運動指導系の資格を持つ方は40単位コースが対象です。同じ医療職でも、医師・保健師・管理栄養士だけは70単位コースに分かれる点に注意してください。104単位コースは国家資格に加えて4年制大学の卒業が条件になるため、専門学校卒の方は該当しない場合があります。
なお、申し込んだコースの全課程を修了していない場合、認定試験は受験できません。欠席した科目がある場合は、1単位2,750円の補講を受けて修了する必要があります。
試験科目と出題形式
試験は養成講習会のカリキュラムに沿って出題されます。カリキュラムは6つのカテゴリー(A〜F)に分かれ、健康管理概論から運動生理学、救急処置、栄養摂取と運動まで15分野を扱います。
体力測定や運動負荷試験のように講習会では実習で学ぶ内容も、認定試験ではすべて四肢択一の筆記で問われます。手順を実際に体験しているかどうかではなく、言葉で正確に説明できるかが問われる形式です。
カテゴリー別の科目と対象コース
試験方式と日程
認定試験はCBT方式で、年3回実施されます。令和8年度は第162回が令和8年7月27日〜9月9日、第163回が令和8年10月26日〜12月9日、第164回が令和9年2月15日〜3月31日の実施です。それぞれ約6週間の実施期間が設けられ、この期間内で受験できるのは1回のみです。
申し込み後にバウチャー番号がメールで通知され、試験センターの会場と日時を自分で予約します。予約は試験日の60日前から、最短で試験日の3営業日前まで可能です(試験日が土日の場合は4営業日前まで)。会場の予約は先着順で、希望日時が埋まることもあるため早めの手続きがおすすめです。
費用は受験料13,619円(税込)、合格後の新規登録料が25,300円(税込)です。登録は5年間有効で、更新には22,000円(税込)がかかります。合否通知は各回の実施期間最終日のおよそ1か月後に、受験日にかかわらず全受験者へ一斉に郵送されます。
条件にあった求人を探してもらう参考:公益財団法人健康・体力づくり事業財団「令和8年度健康運動指導士養成講習会開催要領」 / 公益財団法人健康・体力づくり事業財団「令和8年度健康運動指導士認定試験のご案内」
合格率を踏まえた試験対策

区分別のデータからは、対策の優先順位が見えてきます。試験範囲が104単位分で共通であること、養成校修了者と再受験者の合格率が低いこと、この2点を踏まえた進め方を紹介します。
講習会の受講中から復習を進める
養成講習会は1日5講義(1講義90分)、9時から18時15分までという密度で進みます。全課程を修了してから復習を始めると、最初に受けた科目は数か月前の内容になっています。
認定試験は修了後すぐの回に申し込むことになるため、復習を後回しにすると、講習と試験の間に十分な時間が取れません。カテゴリーを1つ終えるごとに要点を整理しておくと、直前の負担が大きく減ります。
令和8年度 養成講習会〈前期〉から第162回試験までの日程
eラーニングで実施されるCカテゴリー(運動生理学・機能解剖とバイオメカニクス・健康づくり運動の理論)は視聴可能期間内であればいつでも見られるため、理解が浅い講義を繰り返し確認する使い方ができます。
出題範囲の広い科目から着手する
対策の起点になるのは、自分が受講していないカテゴリーがどこかを最初に把握することです。講習で扱われた範囲はテキストと講義の記憶が残っていますが、扱われなかった範囲はゼロから独学することになります。
特にCカテゴリーは25単位と6つのカテゴリーの中で最も大きく、運動生理学をはじめとする基礎理論がまとまっています。51単位コースと40単位コースはこのCカテゴリーを履修しないため、ここが最大の空白になります。
正答率の低い分野を優先して潰す
四肢択一75問という形式では、得意分野を完璧にするよりも、取りこぼしている分野をなくすほうが得点は伸びやすいです。1問あたりの配点が均等な択一式では、苦手分野をまとめて落とすことが最も大きな失点につながります。
テキストの章ごとに自己採点を行い、正答率が低い分野を可視化してから時間を配分するとよいでしょう。運動負荷試験や救急処置のように実習中心の科目は、手順を言葉で説明できるレベルまで整理しておくと、筆記形式でも答えやすくなります。
参考:公益財団法人健康・体力づくり事業財団「令和8年度健康運動指導士養成講習会開催要領」 / 公益財団法人健康・体力づくり事業財団「令和8年度健康運動指導士認定試験のご案内」 / 公益財団法人健康・体力づくり事業財団「資格取得・更新に関するよくあるご質問」
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不合格だった場合の再受験

再受験者の合格率が42.3%と低いことは前述のとおりです。ここでは、不合格だった場合の具体的な手続きと、次に向けて見直したい点を整理します。
再受験の申し込み方法
不合格になった場合、次回以降の認定試験に申し込むことができます。第162回で不合格なら第163回以降が対象です。受験回数・受験年数に制限はありません。
ただし、講習会修了時のように案内が自動で届くわけではありません。再受験を希望する方は財団の指導者養成部(TEL:03-6430-9113)へ連絡し、受験資格の確認と申込書の取得が必要です。
再受験の手続きの流れ
指導者養成部へ連絡
財団の指導者養成部(TEL:03-6430-9113)へ連絡し、受験資格の確認と受験申込書の取得を行う
受験料の払込
指定の払込用紙で、郵便局の窓口から受験料13,619円(税込)を払い込む(払込手数料は自己負担)
払込受付証明書を貼付
手元に残る払込受付証明書の原本を受験申込書の所定欄に貼り付ける(コピーは不可)
申込書を郵送
申込期間内に受験申込書を郵送する。手続き完了後、試験予約用のバウチャー番号がメールで届く
予約して受験
バウチャー番号で試験会場と日時を予約し、顔写真付き本人確認書類を持参して受験する(集合時刻は試験開始15分前)
再受験にあたっては、改めて受験料13,619円の払い込みと受験申込書の提出が求められます。納入した受験料は申し込んだ回のみ有効で、予約を取り消した場合や受験しなかった場合の返還はありません。登録を失効して再受験する場合も、指導者養成部への連絡から手続きが始まります。
再受験までに見直すこと
同じ勉強法のまま次の回に申し込んでも、結果が変わりにくいことは4回分の数字が示しています。試験まで期間が空くほど講習内容の記憶は薄れるため、間隔を空けずに、範囲を絞って立て直すのが現実的です。
見直しの手がかりとして活用したいのが聴講制度です。財団は認定試験の不合格者も聴講できるとしています。手応えのなかったカテゴリーだけを選んで聴き直せるため、テキストだけで独学するより確実です。
聴講の主な条件は次のとおりです。
- 聴講料は1単位2,750円(税込)
- 健康産業施設等現場研修は対象外
- 申込締切は受講日の3週間前
- 定員を超える会場では受け付けられない場合がある
参考:公益財団法人健康・体力づくり事業財団「令和8年度健康運動指導士養成講習会開催要領」 / 公益財団法人健康・体力づくり事業財団「令和8年度健康運動指導士認定試験のご案内」 / 公益財団法人健康・体力づくり事業財団「資格取得・更新に関するよくあるご質問」
まとめ
健康運動指導士認定試験の合格率は、第161回で71.4%でした。確認できた過去4回もおおむね7割前後で推移しており、資格試験としては合格しやすい部類に入ります。
ただし区分別に見ると景色が変わります。養成講習会修了者は77.3%、養成校修了者は58.1%、再受験者は42.3%と、同じ試験でも30ポイント以上の開きがあります。自分がどの区分で受験するのかによって、実際の難易度は大きく異なるといえます。
試験範囲はどのコースで受講しても104単位分のカリキュラム全体で共通です。履修単位数が少ないコースほど、講習で扱われない範囲を自分で埋める必要があります。まずは自分が受講しないカテゴリーを確認し、そこから対策を組み立てるのがおすすめです。
そして、再受験者の合格率が最も低いという事実は、初回受験の準備をどこまで詰められるかがそのまま結果に表れることを示しています。合格基準は公表されていないため、確実に得点するには苦手分野を残さないことが近道です。受験する年度の要項を財団の公式サイトで確認したうえで、計画的に準備を進めていきましょう。



