あん摩マッサージ指圧師は通信で取れる?資格取得の方法を解説
働きながら資格を取りたい、学校に通う時間もお金もかけずに手に職をつけたい。そう考えて「あん摩マッサージ指圧師 通信」と検索した方も多いのではないでしょうか?
結論からお伝えすると、あん摩マッサージ指圧師は通信教育や独学では取得できません。国家資格である以上、法律で受験資格が細かく定められているためです。
ただし、そこで終わってしまうと次の一歩が見えません。この記事では、なぜ通信では取れないのかという根拠を法律と厚生労働省の資料から示したうえで、資格取得までの実際の流れ、あん摩マッサージ指圧師の養成施設が限られている事情、通信で取れる民間資格との決定的な違い、そして働きながら目指す方法や学費の支援制度までをまとめて解説します。
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あん摩マッサージ指圧師は通信では取得できない

あん摩マッサージ指圧師は、あん摩・マッサージ・指圧を仕事として行うために必要な国家資格です。あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(あはき法)第1条では、医師以外の人がこれらの施術を業として行うには免許が必要と定められています。
この免許を受けるには国家試験に合格する必要がありますが、その受験資格そのものが法律で限定されています。通信講座の修了や独学での学習は、受験資格として一切認められていません。まずはその根拠を確認しておきましょう。
受験資格には通学が必要
あはき法第2条は、あん摩マッサージ指圧師免許を与える相手を次のように定めています。
- 大学に入学することのできる者であること
- 文部科学大臣が認定した学校、または厚生労働大臣が認定した養成施設において学ぶこと
- 解剖学・生理学・病理学・衛生学などの必要な知識と技能を3年以上かけて修得すること
- 厚生労働大臣が行う国家試験に合格すること
ポイントは、学ぶ場所が「認定を受けた学校または養成施設」に限定されていることです。認定を受けているのは実際に校舎と実習室を持つ専門学校・大学・視覚特別支援学校などであり、通信制の課程は認定の対象になっていません。つまり、どれだけ熱心に自宅で学んでも、それは法律上の「修得」として扱われないのです。
また、修業年限は3年以上と決まっています。あん摩マツサージ指圧師、はり師及びきゆう師に係る学校養成施設認定規則でも、認定の基準として「修業年限は三年以上であること」が明記されています。短期間で駆け抜けるルートは用意されていません。
実技と臨床実習が必須になる
通信で完結できない最大の理由は、カリキュラムの中身にあります。認定規則の別表第一では、あん摩マッサージ指圧師の養成課程で修めるべき教育内容が合計85単位と定められています。その内訳には、実習10単位と臨床実習4単位が含まれます。
臨床実習は、実際に患者さんの身体に触れて施術を行う訓練です。認定規則では、臨床実習のうち3単位以上を学校・養成施設に附属する実習施設か、あん摩マッサージ指圧・はり・きゅうを行う施術所で実施することとされています。画面越しでは成立しない学びです。
施設側の基準も厳格です。認定規則は、養成施設が実習室を備えること、その実習室の面積が生徒1人につき2.1平方メートル以上であることを求めています。1学級の定員は30人以下、専任教員は6人以上という条件もあります。手技を身につける職種だからこそ、場所と人と時間が要件として組み込まれているわけです。
- 施術の力加減や身体の触り方は、指導者が横で確認しないと身につかない
- 臨床実習は患者さんに触れて行うため、実習施設が必須
- 養成施設には実習室の面積・定員・教員数まで基準がある
▼ 専門分野44単位の内訳
※実習10単位・臨床実習4単位は専門分野44単位の内数
※臨床実習4単位のうち3単位以上は附属実習施設か施術所で実施
独学でも受験できない
「通信講座がだめなら、独学で勉強して試験だけ受ければよいのでは」と考える方もいます。しかし、これも認められません。国家試験の受験には修業証明書または卒業証明書の提出が必要で、認定を受けた学校・養成施設で3年以上学んだ事実を書類で証明できなければ、そもそも出願が受理されないためです。
厚生労働省が公表する国家試験の施行要領でも、受験に関する書類として修業証明書・修業見込証明書・卒業証明書・卒業見込証明書のいずれかを提出することが定められています。見込みで出願した場合も、指定された期日までに正式な証明書を提出しなければ受験は無効となります。
独学で得た知識は現場で役立つ場面もありますが、受験資格の代わりにはなりません。学費を抑えたい場合は、独学ではなく夜間部の活用や支援制度の利用を検討する方が現実的です。
参考:e-Gov法令検索「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」 / 厚生労働省「あん摩マツサージ指圧師、はり師及びきゆう師に係る学校養成施設認定規則」 / 厚生労働省「あん摩マッサージ指圧師国家試験の施行」
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あん摩マッサージ指圧師になるまでの流れ

通信では取れないと分かったところで、では実際にどのような道のりになるのかを整理します。あん摩マッサージ指圧師になるまでは、養成施設での修学、国家試験の合格、免許登録という3つの段階を踏みます。最短でも3年、免許証が手元に届くまではさらに数か月かかる計算です。
それぞれの段階で必要な期間と費用の目安を把握しておくと、入学前に立てる計画の精度が上がります。
養成施設で3年以上学ぶ
出発点は、文部科学大臣が認定した学校または厚生労働大臣が認定した養成施設への入学です。入学資格は原則として大学に入学できる者、つまり高校卒業またはこれと同等以上の学力が認められる方となります。
在学中は85単位分の科目を積み上げていきます。科学的思考の基盤や人間と生活を扱う基礎分野から、人体の構造と機能や疾病の成り立ちといった医学の基礎、そしてあん摩マッサージ指圧の理論と実技までを段階的に学ぶ構成です。
なお、著しい視覚障害のある方には別のルートがあります。あはき法附則第18条の2により、高等学校に入学することのできる者であれば、認定を受けた学校・養成施設で3年以上学ぶことで受験資格が得られます。あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師の3資格を目指す場合は5年以上です。
※著しい視覚障害がある場合の特例。程度は文部科学省令・厚生労働省令で定められる
国家試験に合格する
修業を終える見込みが立つと、国家試験に出願できます。第34回試験の場合、出願期間は令和7年12月1日から12月19日まで、試験日は令和8年2月21日、合格発表は令和8年3月26日という日程で実施されました。受験手数料は19,500円です。
試験は筆記試験のみで行われます。出題科目は医療概論、衛生学・公衆衛生学、関係法規、解剖学、生理学、病理学概論、臨床医学総論、臨床医学各論、リハビリテーション医学、東洋医学概論・経絡経穴概論、あん摩マッサージ指圧理論、東洋医学臨床論の12科目です。
試験地は、晴眼者の場合は宮城県・東京都・愛知県・大阪府・香川県・鹿児島県の6か所に限られます。視覚障害のある受験者については各都道府県で実施され、点字や拡大文字、音声読み上げなどによる受験も認められています。晴眼者は受験のために遠方へ移動する前提で日程と交通手段を組む必要があります。
第34回国家試験の実施要項
| 出願期間 | 令和7年12月1日〜19日 |
|---|---|
| 試験日 | 令和8年2月21日 |
| 合格発表 | 令和8年3月26日 |
| 受験手数料 | 19,500円 |
|---|---|
| 試験方法 | 筆記試験のみ |
| 試験科目数 | 12科目 |
| 試験地(晴眼者) | 宮城・東京・愛知・大阪・香川・鹿児島 |
| 試験地(視覚障害者) | 各都道府県 |
※晴眼者の試験地は6か所
免許登録を行う
合格しただけでは施術を行えません。あん摩マッサージ指圧師名簿への登録を申請し、免許証の交付を受けて初めて有資格者として働けます。
申請は指定登録機関である公益財団法人東洋療法研修試験財団に対して行い、費用は1免許あたり登録免許税9,000円と申請手数料5,600円の合計14,600円です。申請には6か月以内に発行された戸籍関係の書類と、1か月以内の医師の診断書などが必要になります。
書類を提出してから登録済証明書が届くまでが約2週間、免許証そのものが簡易書留で届くまでが約1か月半という案内が出ています。就職日に免許証が間に合わないケースもあるため、卒業後すぐ働く予定の方は早めの申請がおすすめです。
参考:厚生労働省「あん摩マッサージ指圧師国家試験の施行」 / e-Gov法令検索「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」 / 東洋療法研修試験財団「新規免許申請の方」
あん摩マッサージ指圧師の求人を探す養成施設が限られている理由

通学が必要と分かった次に立ちはだかるのが、「そもそも通える学校があるのか」という現実的な問題です。あん摩マッサージ指圧師は、はり師・きゅう師と比べて学べる場所が明らかに少ない資格です。
これは偶然ではなく、法律上の仕組みによるものです。この事情を知らないまま学校探しを始めると、想定していた通学圏に候補が1校もないという事態も起こり得ます。
法律で養成施設の新設が制限されている
あはき法の附則第19条には、あん摩マッサージ指圧師の養成施設に関する特別な規定が置かれています。文部科学大臣または厚生労働大臣は、視覚障害のあるあん摩マッサージ指圧師の生計の維持が著しく困難とならないようにするため必要があると認めるときは、視覚障害者以外の人を教育・養成する学校や養成施設についての認定や、生徒の定員を増やす承認をしないことができると定めているのです。
あん摩マッサージ指圧は、歴史的に視覚障害のある方の重要な職域として位置づけられてきました。この職域を守るため、晴眼者を対象とする養成施設の新設と定員増に歯止めをかける規定が設けられています。認定や承認をしない処分をするときは、あらかじめ医道審議会の意見を聴くこととされています。
はり師・きゅう師にはこうした規定がありません。同じあはき法の中の資格でありながら、あん摩マッサージ指圧師だけが養成の入り口を法律で絞られているという点は、進路を考えるうえで押さえておきたい前提です。
学校数と定員の状況
養成施設の数を示す最新の全国一覧は公表資料からは確認しにくいため、ここでは断定を避けます。ただし、規模感は国家試験の受験者数から読み取れます。
令和7年度に実施された第34回国家試験の受験者数は、はり師が3,920人、きゅう師が3,858人だったのに対し、あん摩マッサージ指圧師は1,070人でした。はり師・きゅう師のおよそ4分の1という水準です。同じ養成施設で複数資格を目指す学生が多いことを踏まえると、あん摩マッサージ指圧師の課程を持つ学校がいかに限られているかが分かります。
定員側にも上限があります。認定規則は1学級の生徒定員を30人以下と定めており、1校あたりが受け入れられる人数は構造的に多くありません。住んでいる地域によっては、通学圏内に選択肢が1〜2校しかない場合もあります。
第34回国家試験 受験者数の比較
※1学級の定員は30人以下
入学を検討するときに確認したいこと
学校の選択肢が限られるからこそ、1校ずつ丁寧に条件を確かめる必要があります。募集要項やオープンキャンパスで確認しておきたい項目を挙げます。
- あん摩マッサージ指圧師の受験資格が取れる課程かどうか
- 昼間部・夜間部の別と、授業が行われる時間帯
- 臨床実習を行う施設がどこにあるか、通える距離か
- 1学年の定員と、直近の入学倍率
- 初年度納入金と2年目以降の学費、実習費・教材費の扱い
- 専門実践教育訓練給付金の指定講座になっているか
特に注意したいのは、はり師・きゅう師の課程だけを設けている学校が少なくないことです。校名やパンフレットの雰囲気だけで判断せず、取得できる受験資格の種類を必ず学科単位で確認してください。
参考:e-Gov法令検索「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」 / 厚生労働省「あん摩マツサージ指圧師、はり師及びきゆう師に係る学校養成施設認定規則」 / 東洋療法研修試験財団「過去の受験者数・合格者数」
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通信で取れる民間資格との違い

「あん摩マッサージ指圧師 通信」と検索すると、通信講座で取得できるリンパケアやリラクゼーション系の民間資格が代替として紹介されていることがあります。しかし、この2つは名前が似ていても、できる仕事も保険の扱いもまったく異なります。
代替として受け取ったまま進路を決めてしまうと、あとから軌道修正が必要になりかねません。何がどう違うのかを、施術範囲・療養費・名称の3点で整理します。
行える施術の範囲が違う
あはき法第1条は、医師以外の人があん摩・マッサージ・指圧・はり・きゅうを業として行う場合、それぞれの免許が必要と定めています。無免許でこれらを業として行った場合は、50万円以下の罰金が科されます。
さらに同法第12条は、「何人も、第1条に掲げるものを除く外、医業類似行為を業としてはならない」と定めています。ただし柔道整復については柔道整復師法の定めによる、という例外があります。
民間資格の講座は、リラクゼーションや癒しを目的としたサービスとして提供されることが一般的です。国家資格のように医療の一部として身体の不調に働きかける施術を行う立場にはありません。民間資格を取れば「マッサージ師として働ける」わけではないという点が、まず押さえるべき違いです。
あん摩・マッサージ・指圧を業として行えるのは誰か
| 区分 | 業として行えるか | 根拠・罰則 |
|---|---|---|
| 医師 | ◯行える | 第1条は「医師以外の者」に免許を求めている |
| あん摩マッサージ指圧師 | ◯行える | 第1条の業務独占 |
| はり師・きゅう師・柔道整復師(あん摩マッサージ指圧師の免許なし) | ✕行えない | それぞれの免許では、あん摩・マッサージ・指圧は業として行えない |
| 無資格者・民間資格の保持者 | ✕行えない | 50万円以下の罰金(第13条の7) |
※第12条により、あはき・柔道整復以外の医業類似行為も業として行えない
療養費の対象になるかが違う
もう1つの大きな違いは、健康保険の療養費が使えるかどうかです。あん摩マッサージ指圧の施術は、医師の同意書または診断書があれば、健康保険から療養費が支給される対象になります。
厚生労働省の通知では、療養費の支給対象となる適応症について、一律に診断名によることなく、筋麻痺・関節拘縮などであって医療上マッサージを必要とする症例とされています。寝たきりの方や脳血管疾患の後遺症がある方への施術が代表的です。
同意の有効期間にも決まりがあります。初療または医師による再同意日から起算して6か月が上限で、再同意日が月の15日以前なら当該月の5か月後の月末まで、16日以降なら6か月後の月末までが支給できる期間です。変形徒手矯正術については1か月とされています。引き続き施術を行う場合は、改めて医師の同意が必要になります。
こうした保険の枠組みに関われるのは国家資格者だけです。民間資格で行うリラクゼーションは全額自費であり、医師の同意書という仕組みそのものが適用されません。
名称の使用に関する決まりが違う
3つ目は、看板やホームページでの見せ方に関する決まりです。あはき法第7条は、あん摩業・マッサージ業・指圧業・はり業・きゅう業やその施術所について、法律に列挙された事項以外を広告してはならないと定めています。
広告できる項目は法律で細かく限定されており、効果効能をうたう表現が自由に使えないのは、この条文があるためです。
一方で、無資格の施術者と有資格者の区別がつきにくいことは行政も課題として認識しています。厚生労働省は、有資格者と無資格者の判別に関する案内を公表するとともに、厚生労働大臣免許保有証(有効期間5年)の仕組みを紹介しています。
国家資格を取ることは、こうした信頼の裏づけを持って働けることも意味します。
参考:e-Gov法令検索「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」 / 厚生労働省「はり、きゅう及びあん摩マッサージ指圧の同意書の取扱い(保険医療機関及び保険医の皆様へ)」 / 厚生労働省「あん摩マッサージ指圧師、はり師及びきゅう師と無資格者との判別について」
- 民間資格の講座を「国家資格の代わり」と紹介する情報には注意
- 迷ったら「保険が使えるか」「看板に何を書けるか」で見分けられます
- 将来独立したいなら、遠回りに見えても国家資格ルートが近道
働きながら資格を目指す方法

通信という選択肢がない以上、社会人が資格を目指すなら「働き方を通学に合わせる」しかありません。現実的なパターンは、夜間部に通うか、昼間部に通って空き時間に働くかの2つです。
どちらにも向き不向きがあります。収入をどこまで維持したいのか、生活費をどう確保するのかによって選ぶべき道は変わります。
夜間部に通う
夜間部は、平日の夕方から夜にかけて授業が行われる課程です。日中はフルタイムで働き、退勤後に学校へ向かう生活になります。収入を落とさずに学べることが最大の利点で、社会人が多く在籍するため生活リズムの近い仲間ができやすいという面もあります。
一方で、臨床実習は日中に組まれることがあるため、勤務先の理解と柔軟なシフトが欠かせません。実習期間だけ勤務時間を減らせるか、有給休暇を充てられるかを入学前に確認しておくと安心です。
なお、夜間部でも修業年限は3年以上という基準は変わりません。授業時間が短い分、自宅での予習復習に充てる時間が必要になる点も見込んでおきましょう。
昼間部に通いながら働く
昼間部は日中に授業があるため、働けるのは夕方以降や土日が中心になります。アルバイト・パートで生活費を賄うかたちが一般的です。
授業と実習に集中できるため学習効率は高く、国家試験対策の時間も確保しやすくなります。ただし収入は大きく下がるため、貯蓄や家族の支援、後述する給付制度をどう組み合わせるかが鍵になります。
働く先として、施術所や整骨院、デイサービスなどで資格取得前から助手として働き、現場感覚を養う方もいます。ただし、資格を持たない状態であん摩・マッサージ・指圧を業として行うことはできません。任される業務の範囲は必ず事前に確認してください。
仕事と学業を両立するときの注意点
3年間という期間は決して短くありません。途中で息切れしないために、入学前に押さえておきたい点を整理します。
-
学費の総額と支払い時期初年度にまとまった額が必要になるため、納入スケジュールを確認する
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実習期間の勤務調整臨床実習は日中に集中しやすい。勤務先に早めに相談する
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通学時間3年間毎日往復する距離になる。片道の所要時間は現実的な範囲か
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国家試験前の学習時間直前期は勤務を減らす前提で家計を組む
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体調管理授業と実技のある生活は体力を使う。睡眠時間を削る計画にしない
学校側も社会人の受け入れに慣れているところが多く、欠席時のフォロー体制や補講の有無を説明してくれます。見学時に「働きながら通っている学生の割合」と「3年間での退学・留年の状況」を聞いておくと、無理のない選択がしやすくなります。
夜間部 と 昼間部 の比較
| 比較項目 | 夜間部 | 昼間部 |
|---|---|---|
| 授業時間帯 | 平日の夕方から夜 | 日中 |
| 働ける時間 | 日中はフルタイムで働ける | 夕方以降や土日が中心(アルバイト・パートが一般的) |
| 収入 | 維持しやすい。社会人の在籍が多い | 大きく下がるため、貯蓄・家族の支援・給付制度の組み合わせが必要 |
| 学習時間の確保 | 授業時間が短い分、自宅での予習復習の時間が必要 | 授業と実習に集中でき学習効率は高く、国家試験対策の時間を確保しやすい |
| 注意点 | 臨床実習が日中に組まれることがあり、勤務先の理解とシフト調整が必要 | 収入減に備えた資金計画が前提になる |
| 修業年限 | 3年以上 | 3年以上 |
※どちらを選んでも、資格を持たない状態であん摩・マッサージ・指圧を業として行うことはできない
参考:厚生労働省「あん摩マツサージ指圧師、はり師及びきゆう師に係る学校養成施設認定規則」 / e-Gov法令検索「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」
あん摩マッサージ指圧師の求人を探すはり師・きゅう師との同時取得

時間と費用を抑えたいという動機で通信を探していた方にとって、複数資格を同時に目指せるかどうかは重要な判断材料です。あん摩マッサージ指圧師の養成施設の中には、はり師・きゅう師の受験資格も同時に得られる課程を設けている学校があります。
3資格を同時に取ると在学期間は変わらないまま、卒業後の働き方の幅が大きく広がります。ただし単位数も費用も増えるため、メリットと負担の両面を見ておく必要があります。
3つの資格を目指せる養成施設がある
認定規則の別表第一は、課程の組み合わせごとに必要な単位数を定めています。あん摩マッサージ指圧師のみなら85単位ですが、はり師・きゅう師を加えた3資格の課程では100単位です。
注目したいのは、あん摩マッサージ指圧師単独と3資格の差が15単位しかないことです。単純に3倍の勉強量になるわけではなく、解剖学や生理学といった基礎は共通して学ぶためです。
課程の組み合わせ別 必要単位数(認定規則 別表第一)
1資格のみ取得する課程
2資格を同時に目指す課程
3資格を同時に目指す課程
あん摩マッサージ指圧師単独(85単位)と3資格同時取得(100単位)の差は15単位。基礎科目が共通のため、単純な足し算にはならない
在学期間と費用の考え方
修業年限は、あん摩マッサージ指圧師単独でも3資格の課程でも3年以上で変わりません。在学期間を延ばさずに受験資格を3つ得られる点が、同時取得の最大の利点です。
一方で費用は積み上がります。国家試験の受験手数料は1試験につき19,500円のため、3資格を受験すると58,500円になります。免許登録も1免許あたり登録免許税9,000円と申請手数料5,600円がかかり、3免許では43,800円です。学費自体も、3資格の課程は単独課程より高く設定されているのが一般的です。
なお、著しい視覚障害のある方があん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師の3資格を目指す場合は、あはき法附則第18条の2により5年以上の修学が受験資格の要件となります。
受験手数料と免許登録費用は資格数がそのまま金額に積み上がる(学費は含まない)
※学費は学校ごとに異なるため含まない。修業年限は1資格・3資格のいずれも3年以上で同じ
取得後に広がる働き方
複数資格を持つと、対応できる施術の幅が広がり、就職先の選択肢も増えます。医療キャリアナビ掲載求人データ(2026年時点)では、あん摩マッサージ指圧師の求人は2,706件あり、施設の種類ごとに給与水準に差が見られます。
鍼灸院で働くにははり師・きゅう師の資格が必要になるため、同時取得は選べる職場そのものを増やすことにつながります。
また、令和6年衛生行政報告例によると、就業しているあん摩マッサージ指圧師は119,703人、あん摩マッサージ指圧を行う施術所は17,531か所です。小規模な施術所が多い業界であり、複数資格を持つ人材は現場で重宝されやすい環境だといえます。
参考:厚生労働省「あん摩マツサージ指圧師、はり師及びきゆう師に係る学校養成施設認定規則」 / 厚生労働省「あん摩マッサージ指圧師国家試験の施行」 / 東洋療法研修試験財団「新規免許申請の方」 / 厚生労働省「令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」
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学費と使える支援制度

3年間の通学が必要となると、気になるのは費用です。学費そのものは学校ごとに幅がありますが、公的な支援制度を組み合わせることで負担を減らせる場合があります。
ここでは学費の目安と、社会人・学生それぞれが使える代表的な制度を紹介します。制度は要件が細かく決まっているため、必ず最新の情報を確認してください。
学費の目安
あん摩マッサージ指圧師の養成施設の学費について、全国統一の公的な調査は公表されていません。そのため個別の金額を断定することはできませんが、専門学校全体の相場は参考になります。
公益社団法人東京都専修学校各種学校協会の調査では、令和6年度の私立専門学校について、入学金を含めた初年度納入金の平均総額は約130万円とされています。ただしこれは全分野の平均であり、医療系は実習設備や教材の関係で上振れする傾向があります。
学費を比較するときは、初年度納入金だけでなく次の点も合わせて確認しましょう。
- 2年目以降の学費が初年度とどのくらい違うか
- 実習費・教材費・白衣代などが学費に含まれるか別途か
- 国家試験対策講座が正規の授業か、追加費用か
- 分割納入や延納の制度があるか
専門実践教育訓練給付金
雇用保険の被保険者期間などの要件を満たす方は、専門実践教育訓練給付金を利用できる場合があります。あん摩マッサージ指圧師の養成課程は、この制度の指定講座になっている学校が複数あります。
この制度の特徴は、同じ講座でも条件を満たすほど給付率が段階的に上がる点にあります。受講中の支給から始まり、資格取得と就職、さらに賃金の上昇という条件をクリアするごとに、戻ってくる金額が増える仕組みです。
利用前に必ず確認したいこと
- 志望校の課程が指定講座になっているか
- 自分が支給要件を満たしているか
- 受講開始前にハローワークで手続きが必要な点
対象講座かどうかは、厚生労働省の教育訓練講座検索システムで調べられます。同じ学校でも学科・課程によって指定の有無が異なるため、学科名まで含めて検索してください。手続きは受講開始前に行う必要があるので、出願前の段階で居住地のハローワークに相談しておくと確実です。
奨学金や学校独自の支援制度
高校卒業後すぐに進学する方や、住民税非課税世帯・それに準ずる世帯の方は、高等教育の修学支援新制度を利用できる可能性があります。授業料・入学金の減免と、返還不要の給付型奨学金がセットになった制度です。専門学校も対象機関に含まれています。
日本学生支援機構の奨学金には、返還が不要な給付奨学金のほか、無利子の第一種奨学金、有利子の第二種奨学金があります。貸与型は卒業後に返還義務が生じるため、想定される初任給と返還額のバランスを事前に試算しておくことが大切です。
このほか、学校ごとに独自の特待生制度、成績優秀者への学費減免、系列の施術所での勤務を前提とした支援制度などが用意されている場合があります。募集要項に記載がないこともあるため、学校説明会で直接尋ねてみることをおすすめします。
参考:厚生労働省「教育訓練給付金」 / 厚生労働省「教育訓練給付金 検索システム」 / 文部科学省「学びたい気持ちを応援します 高等教育の修学支援新制度」 / 日本学生支援機構「奨学金」 / 公益社団法人東京都専修学校各種学校協会「学費と生活費」
まとめ
あん摩マッサージ指圧師は、通信教育でも独学でも取得できません。あはき法第2条が受験資格を「認定を受けた学校または養成施設で3年以上学んだ者」に限定しており、カリキュラムには実習10単位と臨床実習4単位が組み込まれているためです。実習室の面積や定員まで基準が定められている点からも、通学を前提とした資格であることが分かります。
さらにあん摩マッサージ指圧師には、あはき法附則第19条により晴眼者向け養成施設の新設と定員増が制限されるという事情があります。国家試験の受験者数がはり師・きゅう師のおよそ4分の1にとどまる背景はここにあり、学校選びは早めに動く方が有利です。
通信で取れる民間資格は代替にはなりません。施術範囲、療養費の対象、広告できる内容のいずれも国家資格とは別の枠組みにあります。時間や費用を抑えたい場合は、通信を探すのではなく、夜間部の活用、はり師・きゅう師との同時取得、専門実践教育訓練給付金や奨学金の利用といった現実的な手段を組み合わせるのがおすすめです。
まずは通学圏内にあん摩マッサージ指圧師の受験資格を取れる学校があるかを調べ、募集要項で学費と指定講座の有無を確認するところから始めてみてください。





