デイサービスの1日の流れ|職種別のスケジュールと事業所ごとの違い
デイサービス(通所介護)への転職を考えたとき、「1日の流れが何となくしか知らない」と感じる方は多いのではないでしょうか?検索して出てくるスケジュール表の多くは、利用者さんやご家族に向けた「過ごし方」の紹介です。
送迎に出ている間の準備、入浴と並行して進める記録、利用者さんが帰った後の申し送りといった職員側の動きは、そこにはほとんど書かれていません。
この記事では、デイサービスの1日の流れを利用者さんの視点と職員の視点の両方から整理します。そのうえで、介護職員・看護職員・機能訓練指導員・生活相談員・管理者という職種ごとに1日の使い方がどう変わるのかを解説します。
さらに、一般型・リハビリ特化型・認知症対応型・療養通所介護という事業所のタイプによるスケジュールの違いや、介護報酬で決まっているサービス提供時間の仕組みまで確認します。
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デイサービスの1日の流れ

デイサービス(通所介護)は、利用者さんが自宅で自立した生活を続けられるよう、日中に施設へ通ってもらい、食事や入浴などの日常生活上の支援と機能訓練を提供するサービスです。厚生労働省の介護サービス情報公表システムでは、利用定員19人以上の施設に通うサービスと説明されており、要支援1・2の認定を受けた方は利用できません。
まずは、標準的な1日を利用者さんの過ごし方に沿って見ていきます。以下の時刻は7時間以上8時間未満のサービスを提供する一般的な事業所を想定した目安であり、事業所ごとに前後します。
朝の送迎と受け入れ
デイサービスの1日は、朝8時30分ごろの送迎から始まります。事業所の送迎車が利用者さんの自宅を順に回り、施設まで送り届けます。利用者さんの人数や送迎範囲の広さによっては、複数の便に分けて回ることもあります。
送迎は、原則として利用者さんの自宅の玄関までを起点・終点とする「ドアtoドア」で行います。玄関先での見守り、靴の履き替えの介助、施錠の確認まで含めて送迎業務です。車両への乗降では、手すりやステップを使った移乗介助、車いす利用者さんのリフト操作なども発生します。
到着した利用者さんは、上着を預かってもらい、席へ案内されます。この受け入れの時間帯は、送迎から戻る職員と施設内で迎える職員が同時に動くため、1日のなかでも人手が分散しやすい場面です。
健康チェック
到着後は、看護職員による健康チェックが行われます。体温・血圧・脈拍の測定に加え、顔色や表情、食欲、睡眠の様子、痛みの有無などを確認します。1人あたりの所要時間は短くても、利用定員が大きい事業所では全員分を終えるまでにまとまった時間がかかります。
ここで数値が基準を外れた場合、その日の入浴や機能訓練を見合わせる判断が必要になります。入浴の可否を決めるのは看護職員であり、その判断が入浴の順番や介護職員の動きにそのまま影響します。血圧が高めの方を後半に回す、当日の体調によって浴槽ではなくシャワー浴に変えるといった調整が朝のうちに行われます。
家族への連絡が必要な場合や、主治医への相談が必要な場合もこのタイミングで動きます。健康チェックは単なる測定ではなく、その日1日のスケジュールを組み替える起点になっています。
入浴と機能訓練
午前中は、入浴と機能訓練が並行して進みます。全員を一斉に入浴させることはできないため、順番に浴室へ案内し、待っている利用者さんには機能訓練やお茶の時間を過ごしてもらう形が一般的です。
入浴介助は、脱衣・洗身・洗髪・浴槽への出入り・着衣・整容までの一連の流れを介助します。個浴・大浴槽・機械浴など設備は事業所によって異なり、1人あたりにかかる時間も設備と利用者さんの状態によって大きく変わります。
介護報酬では入浴介助に対する加算が2つの区分で設けられており、(Ⅱ)は利用者さんの自宅での入浴を想定した個別の計画に基づく区分です。
入浴介助加算 単位数の比較
1日あたりの差は15単位
機能訓練は、機能訓練指導員が中心となって行います。個別機能訓練加算を算定している事業所では、利用者さんごとに作成した個別機能訓練計画に沿って、歩行練習や関節可動域の訓練、日常生活動作の練習などを実施します。
集団での体操やレクリエーションを通じた訓練は、生活相談員や介護職員が兼務して行っても差し支えないとされています。
昼食と休憩
12時前後から昼食です。配膳の前に、嚥下機能に応じた食事形態(常食・軟菜・きざみ・ミキサーなど)の確認、エプロンの装着、姿勢の調整を行います。食事介助が必要な方には職員が付き、むせ込みや誤嚥の兆候に注意しながら進めます。
食後は口腔ケアです。義歯の洗浄や歯みがきの介助を行い、その後に服薬の介助へ移ります。与薬は誤りが重大な事故につながる場面のため、氏名と薬包の照合を複数人で行う事業所もあります。
13時ごろからは休憩の時間です。横になれるスペースで休む方、テレビや新聞を見る方、談話する方など過ごし方はさまざまです。
職員にとっては、この時間帯にトイレ誘導や記録の入力を進めることが多く、必ずしも手が空くわけではありません。
レクリエーション
午後は、集団または小グループでのレクリエーションが中心です。体操、脳トレ、歌、書道、手工芸、季節の行事など、事業所の方針や利用者さんの状態によって内容は変わります。
レクリエーションは楽しみの提供であると同時に、身体機能や認知機能の維持を目的とした活動でもあります。座位が不安定な方には転倒しないよう位置取りを工夫し、認知症のある方には理解しやすい説明に置き換えるなど、参加できる形に調整する配慮が必要です。
進行役は介護職員が担うことが多いものの、事業所によっては職員が持ち回りで企画を担当します。企画・準備・片づけの時間は、その日の日課には現れませんが、実務としては確実に発生します。
おやつと帰りの送迎
15時ごろにおやつと水分補給の時間を設けます。糖尿病や嚥下障害のある方には内容を変えるなど、個別の対応が必要です。
その後、帰りの支度に入ります。荷物の確認、上着の着用、トイレ誘導、連絡帳への記入を済ませ、16時前後から順に送迎車へ案内します。連絡帳には、その日のバイタル、食事量、入浴の有無、機能訓練の内容、体調の変化などを記載し、ご家族への申し送りとします。
利用者さんを自宅へ送り届けたら、玄関先で家族への口頭申し送りを行う場合もあります。送迎から戻った後は、車両の清掃、フロアや浴室の片づけ、記録の仕上げ、翌日の準備が残っています。
参考:厚生労働省「どんなサービスがあるの? – 通所介護(デイサービス)」 / 厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準」 / 厚生労働省「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準について」
- 朝の受け入れ:送迎に出ている間、フロアに何人残るか
- 入浴が終わる前後:浴室とフロアの人の配分
- 夕方の送迎後:申し送りと記録にどれだけ時間があるか
利用者さんの1日と職員の1日は違う

デイサービスのタイムスケジュールとして紹介されているものは、ほとんどが利用者さんの過ごし方です。9時到着、10時入浴、12時昼食、15時おやつ、16時帰宅という並びは、利用者さんの視点で書かれています。
働く側から見ると、1日はもっと早く始まり、もっと遅く終わります。そして日中も、表に書かれていない業務が常に並行して動いています。ここでは、スケジュール表に現れにくい職員側の動きを整理します。
送迎の前後に準備と片づけがある
朝は、送迎に出る前の準備から始まります。当日の利用予定者の確認、欠席連絡の反映、送迎ルートと座席の割り振り、車両の点検、フロアの温度調整、浴室の湯張り、機能訓練用具の準備などです。
送迎に出る職員と施設に残る職員は分かれるため、送迎に出ている間は施設内の人手が減ります。この時間帯に到着した利用者さんの見守りや受け入れをどう回すかは、事業所ごとの工夫が必要な部分です。
夕方も同様です。利用者さんを送り届けた後、車両の清掃と消毒、フロアと浴室の清掃、汚れ物の処理、翌日の物品補充が残ります。送迎が終わった時点で1日が終わるわけではありません。
利用者さんが来る前と帰った後の業務
記録は業務と並行して進む
デイサービスでは、利用者さん1人ごとにその日の状態と提供したサービスを記録します。バイタル、食事量、水分量、排泄、入浴の実施状況、機能訓練の内容、様子の変化などが対象です。
記録は業務が終わってからまとめて書くものと思われがちですが、実際には介助と並行して少しずつ入力していく事業所が多くなっています。入浴の待ち時間、休憩の時間、レクリエーションの合間といった細切れの時間を使い、その場で入力していく形です。
タブレットやノートパソコンで入力する事業所と、紙の記録用紙に手書きする事業所では、必要な時間が変わります。個別機能訓練加算やLIFEへのデータ提出を行っている事業所では、日々の記録に加えて計画書の作成や見直しの作業も発生します。
利用者さんが帰った後に申し送りと翌日準備がある
利用者さんが帰った後の時間帯は、職員にとって重要な業務時間です。その日の様子で気になった点を職種間で共有し、翌日以降の対応を決めます。
体調の変化があった方について看護職員から情報を出し、翌日の入浴可否や見守りの強化を確認する。機能訓練指導員から訓練の反応を共有し、計画の見直しが必要かを検討する。生活相談員が家族やケアマネジャーへの連絡事項を整理する。こうしたやり取りが、短時間のミーティングや申し送りノートで行われます。
その後、翌日の利用予定と送迎ルートの確認、必要な物品の準備、記録の仕上げを済ませて終業となります。求人票に書かれている勤務時間の後半部分は、こうした「利用者さんがいない時間の業務」で構成されています。
参考:厚生労働省「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準について」 / 江東区「【事業所の方へ】通所サービスにおける送迎について」
今のあなたの状況は?
【職種別】1日の動き

デイサービスには複数の職種が配置されます。同じ事業所で同じ時間帯に働いていても、職種によって1日の使い方はまったく違います。
通所介護の人員基準は、指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準で定められています。生活相談員・看護職員・介護職員・機能訓練指導員の4区分に、管理者を加えた構成が基本です。ここでは、それぞれの1日を追っていきます。
介護職員
介護職員は、送迎から受け入れ、入浴介助、食事介助、トイレ誘導、レクリエーション、帰りの支度まで、利用者さんと接する場面のほぼすべてに関わります。1日を通して最も動きの多い職種です。
配置基準では、利用者さんが15人までなら1以上、15人を超える場合は超える部分を5で割った数に1を加えた数以上を、サービス提供時間帯の平均で確保することとされています。
加えて、単位ごとに常時1人以上の介護職員が従事していなければなりません。
生活相談員または介護職員のうち1人以上は常勤である必要があります。パートを中心に組んでいる事業所でも、常勤者が最低1人は入る構成になります。
看護職員
看護職員は、朝の健康チェックから1日が始まります。バイタル測定と全身状態の観察を行い、その日の入浴や機能訓練の可否を判断します。
日中は、服薬管理、褥瘡や創傷の処置、インスリン注射や吸引などの医療的ケア、体調急変時の対応が中心です。医療的ケアが必要な利用者さんが多い事業所ほど、看護職員の時間はこれらに割かれます。反対に、比較的落ち着いた利用者さんが中心の事業所では、入浴介助やレクリエーションに入るなど介護業務を兼ねることもあります。
配置基準は単位ごとに専従の看護職員が1以上です。ただし利用定員10人以下の地域密着型通所介護では、看護職員と介護職員を合わせた員数で計算する取り扱いが認められています。
機能訓練指導員
機能訓練指導員は、個別機能訓練や集団体操を担当します。午前中に個別の訓練を組み、午後は集団プログラムに入るという配分が一般的です。
機能訓練指導員になれるのは、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・看護職員・柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師の資格を有する者とされています(はり師・きゅう師については、機能訓練指導員を配置した事業所での6か月以上の実務経験など一定の要件があります)。
配置は事業所ごとに1人以上で、当該事業所の他の職務との兼務が認められています。
| 資格 | 配置 | 追加で必要な要件 |
|---|---|---|
| 理学療法士 | ◯ | なし |
| 作業療法士 | ◯ | なし |
| 言語聴覚士 | ◯ | なし |
| 看護職員 | ◯ | なし |
| 柔道整復師 | ◯ | なし |
| あん摩マッサージ指圧師 | ◯ | なし |
| はり師・きゅう師 | △ | 機能訓練指導員を配置した事業所での6か月以上の実務経験など |
介護報酬では、個別機能訓練加算(Ⅰ)イが1日56単位、ロが1日76単位、(Ⅱ)が1月20単位と設定されています。加算を算定している事業所では、計画の作成・説明・同意・見直しといった書類業務も1日のなかに組み込まれます。
生活相談員
生活相談員は、利用者さんの相談対応、ケアマネジャーや家族との連絡調整、利用申し込みの受付、見学の対応、契約手続き、担当者会議への出席などを担当します。フロアにいる時間と、電話・書類・外部対応に充てる時間が入り混じる働き方です。
配置基準は、サービス提供日ごとに、提供時間帯を通じて1以上が確保されるよう必要な数とされています。生活相談員の要件は特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準に定める生活相談員に準ずるものとされており、資格の扱いは自治体によって判断が分かれる部分があります。
現場に入りながら相談援助も担うケースが多く、レクリエーションの進行や送迎の運転を兼ねる事業所もあります。1日の予定が外部からの連絡で変わりやすい職種です。
管理者
管理者は、シフト作成、職員の指導、稼働率と収支の管理、行政への届出、事故やヒヤリハットへの対応、営業活動などを担います。事業所全体を見る立場のため、決まった時間割で動く職種ではありません。
基準上は事業所ごとに専らその職務に従事する常勤の管理者を置くこととされています。ただし、事業所の管理上支障がない場合は、同じ事業所の他の職務や、他の事業所・施設等の職務との兼務が認められています。小規模な事業所では、生活相談員や介護職員を兼ねながら管理者を務めるケースが少なくありません。
参考:e-Gov法令検索「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」 / e-Gov法令検索「指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準」 / 厚生労働省「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準について」 / 厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準」 / 厚生労働省「平成30年度介護報酬改定について」
事業所のタイプで変わるスケジュール

「デイサービス」と一言でいっても、制度上は複数のサービス区分に分かれています。区分が違えば利用定員も対象となる利用者さんも変わり、1日の流れも変わります。
介護サービス施設・事業所調査によると、令和6年10月1日時点の事業所数は通所介護が24,585、地域密着型通所介護が18,921、認知症対応型通所介護が3,370です。これらは別の区分であり、内数ではありません。
ここでは、働き方に直結する4つのタイプを見ていきます。
通所介護3区分の利用定員と事業所数
| 項目 | 通所介護 | 地域密着型通所介護 | 認知症対応型通所介護 |
|---|---|---|---|
| 利用定員 | 19人以上 | 18人以下 | 12人以下(単独型・併設型) |
| 指定を行う自治体 | 都道府県 | 市町村 | 市町村 |
※3つはそれぞれ別のサービス区分。事業所数は合算した数ではありません
一般型のデイサービス
利用定員19人以上の通所介護が、いわゆる一般型です。7時間以上8時間未満のサービスを提供する事業所が多く、送迎・入浴・食事・機能訓練・レクリエーションを一通り行います。
利用者さんの人数が多いため、入浴も食事もレクリエーションも順番と並行処理で回します。介護職員の人数は多くなりますが、その分1人が同時に見る人数も増えます。フロア全体を見渡す視野と、複数の業務を並行して進める段取りが求められます。
なお、利用定員18人以下の事業所は地域密着型通所介護という区分になり、市町村の指定を受けて運営されます。人員基準の構造は通所介護とほぼ同じですが、利用定員10人以下の場合は看護職員と介護職員を合算して計算できる点が異なります。
少人数のため、1人の利用者さんと関わる時間は長くなる傾向があります。
リハビリ特化型の半日タイプ
機能訓練に重点を置き、3時間以上4時間未満または4時間以上5時間未満の短時間で提供するタイプです。入浴や食事を行わず、機能訓練とその前後の対応に絞った運営をしている事業所もあります。
このタイプで大きく変わるのは、午前と午後で利用者さんを入れ替えるため、1日の流れが2回繰り返される点です。
午前の利用者さんを送り届けてから午後の利用者さんを迎えに行くため、送迎は1日4便になります。受け入れ・訓練・送り出しのサイクルを1日に2回こなすことになります。
入浴介助がない分の負担は軽くなりますが、機能訓練の密度は高くなります。1人あたりの滞在時間が短いため、限られた時間で評価・訓練・記録を終わらせる進行力が必要です。
理学療法士や柔道整復師など、機能訓練を担える資格を持つ職員の比重が高い職場でもあります。
認知症対応型のデイサービス
認知症のある利用者さんを対象に、専門的なケアを提供する地域密着型サービスです。単独型・併設型の場合、利用定員は12人以下と定められており、グループホームの共用スペースを使う共用型もあります。
少人数のため、1人ひとりに合わせた関わり方ができる一方で、対応の難易度は上がります。帰宅願望への対応、同じ質問の繰り返しへの応答、不穏時の環境調整など、時間割どおりに進まないことを前提にした動き方が必要です。要支援1・2の方も利用できる点も、通所介護との違いです。
配置基準では、生活相談員と、看護職員または介護職員、機能訓練指導員を置くこととされています。管理者については、別に厚生労働大臣が定める研修を修了していることが要件となっており、通所介護や地域密着型通所介護の管理者と異なる点です。
療養通所介護
常に看護師による観察を必要とする難病、認知症、脳血管疾患後遺症等の重度要介護者、またはがん末期の方を対象とするサービスです。医師や訪問看護ステーションと連携しながら提供されます。
人員基準は他のタイプと大きく異なり、利用者さん1.5人に対して従業者1以上、そのうち1人以上は専従の常勤看護師でなければなりません。医療的ケアの比重が高く、吸引、経管栄養、人工呼吸器の管理などが日常的に発生します。
1日の流れは、入浴と食事、機能訓練という枠組みは共通するものの、体調変化への対応が優先される場面が多くなります。看護師にとっては、病棟や訪問看護で培った観察力と判断力をそのまま活かせる職場といえます。
参考:厚生労働省「令和6(2024)年介護サービス施設・事業所調査の概況」 / 厚生労働省「どんなサービスがあるの? – 療養通所介護」 / 厚生労働省「どんなサービスがあるの? – 認知症対応型通所介護」 / e-Gov法令検索「指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準」
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サービス提供時間の決まり方

デイサービスの1日の長さは、事業所が自由に決めているわけではありません。介護報酬の仕組みによって、提供時間の区分ごとに単位数が定められています。この仕組みを知っておくと、求人票に書かれた勤務時間の意味が読み解けるようになります。
時間の区分が定められている
通所介護費は、事業所の規模の区分と所要時間の区分の組み合わせで決まります。所要時間の区分は、3時間以上4時間未満から8時間以上9時間未満まで、1時間刻みで6区分です。
事業所規模は、通常規模型・大規模型(Ⅰ)・大規模型(Ⅱ)に分かれます。通常規模型で所要時間7時間以上8時間未満の場合、要介護3の方で1回900単位です。同じ区分でも規模が大きくなるほど単位数は下がる設定になっています。
このほか、心身の状況などやむを得ない事情で長時間の利用が難しい利用者さんに対して所要時間2時間以上3時間未満のサービスを行う場合は、4時間以上5時間未満の所定単位数の100分の70で算定します。
事業所が「7時間以上8時間未満」で運営しているのか「3時間以上4時間未満」で運営しているのかによって、職員の1日の組み立ては大きく変わります。
送迎の時間は提供時間に含まれない
利用者さんの送迎は通所介護事業所が行うべきサービスとして基本報酬に含まれており、送迎の時間はサービス提供時間には含まれません。つまり、7時間以上8時間未満のサービスを提供する事業所であれば、送迎の時間はその前後に上乗せされることになります。
職員の勤務時間から見れば、送迎は当然「働いている時間」です。一方で、報酬上のサービス提供時間としてはカウントされません。求人票の勤務時間が「8時30分〜17時30分」となっていても、そのうち何時間がサービス提供時間で、何時間が送迎と準備・片づけなのかは、事業所によって配分が異なります。
なお、利用者さんの居宅と事業所の間の送迎を行わない場合は、片道につき47単位が減算されます。事業所と同一建物に居住している方などに対しては、1日につき94単位の減算が設定されています。送迎が報酬の前提として組み込まれていることが、ここからも読み取れます。
「サービス提供時間7時間以上8時間未満」と書かれていても、それは利用者さんが施設で過ごす時間の区分です。職員の勤務時間には、その前後の送迎・準備・片づけが加わります。勤務時間とサービス提供時間は別のものとして読み分けてください。
時間区分によって提供内容が変わる
所要時間の区分は、単に営業時間の長さを表すものではありません。その時間内に何を提供するかが変わります。
7時間以上8時間未満の一般型であれば、入浴・昼食・機能訓練・レクリエーションを一通り組み込めます。3時間以上4時間未満の短時間型では、昼食をまたがないため食事介助と口腔ケアがなく、入浴を行わない事業所も多くなります。その分、機能訓練の比重が高まります。
また、所要時間は実際にかかった時間ではなく、通所介護計画に位置付けられた内容を行うのに要する標準的な時間で算定することとされています。当日の利用者さんの状態などでやむを得ず短くなった場合でも、計画上の単位数で算定して差し支えないという取り扱いです。求人票の「サービス提供時間」は、計画上の標準時間を示していると理解しておくとよいでしょう。
参考:厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準」 / 江東区「【事業所の方へ】通所サービスにおける送迎について」 / 下関市「通所介護費等における所要時間の取扱いについて」
忙しくなりやすい時間帯

デイサービスの1日は、忙しさが均等に分散しているわけではありません。負荷が集中する時間帯があり、そこをどう回すかが働きやすさを左右します。転職前にイメージしておきたいポイントです。
負荷が重なる3つの場面
朝の受け入れ
朝は、送迎に出る職員と施設で受け入れる職員に分かれます。送迎車が出ている間、施設内の人手は減った状態です。そこへ第1便の利用者さんが到着し、上着を預かり、席へ案内し、健康チェックへ回すという流れが始まります。
同時に、看護職員は到着した順にバイタル測定を進めます。利用定員が大きい事業所ほど、全員のチェックが終わるまでの時間は長くなります。この間に、トイレ誘導の希望、体調不良の申し出、家族からの電話といった予定外の対応も入ります。
送迎車が複数便で回る事業所では、第2便・第3便の到着が重なることもあります。朝の時間帯は、人手が最も分散しながら業務量が最も集中する場面です。
入浴と昼食が重なる時間
午前中から昼にかけては、入浴の後半と昼食の準備が重なります。浴室では最後の数名の介助が続き、フロアでは配膳と食事形態の確認が始まるという状態です。
入浴介助は1人あたりの所要時間が読みにくい業務です。体調や動作能力によって時間は変わり、途中で体調不良が起きればそこで中断します。入浴が押せば、そのまま昼食の時間に食い込みます。
この時間帯は、浴室・フロア・厨房まわりの3か所に職員が分散するため、フロアの見守りが手薄になりやすい場面でもあります。転倒事故が起きやすい時間帯として、見守り体制をどう組んでいるかは見学時に確認したい点です。
帰りの送迎の前
15時のおやつが終わると、帰りの支度が一気に始まります。荷物の確認、上着の着用、トイレ誘導、連絡帳の記入を、利用者さん全員分について時間内に終わらせる必要があります。
連絡帳には、その日のバイタル、食事量、入浴の有無、機能訓練の内容、様子の変化などを記載します。この記入が終わらないと送迎に出られないため、日中に記録を進められているかどうかがそのまま夕方の忙しさに直結します。
送迎車の出発時刻は、利用者さんの帰宅時間として家族と約束しているものです。遅らせにくい性質の業務であり、ここに向けて逆算して動く必要があります。
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働く前に確認したいこと

デイサービスの1日の流れは、事業所によって想像以上に違います。ここでは、求人票や見学時にそのまま使える確認項目を3つ挙げます。同じ「デイサービス」でも、この3点が違えば1日の負担はまったく変わります。
送迎の担当範囲と運転の有無
送迎は基本報酬に含まれるサービスであり、行わない場合は片道47単位の減算対象となります。つまり、どの事業所でも送迎は必ず発生する業務です。問題は、それを誰が担うかです。
確認したいのは、送迎専任のドライバーがいるのか、介護職員が運転も兼ねるのかという点です。運転を兼ねる場合は、運転する車両の種類(普通車・ワゴン車・リフト付き車両)、1便あたりの所要時間、1日の便数も確認しておきます。半日タイプの事業所では1日4便になることもあります。
あわせて、運転業務が必須なのか、応相談なのかを求人票で確認してください。運転に不安がある場合、この1点で働きやすさが大きく変わります。
- 送迎専任のドライバーがいるか、介護職員が兼ねるか
- 運転する車両の種類(普通車・ワゴン車・リフト付き)
- 1便あたりの所要時間と1日の便数
- 運転業務が必須か、応相談か
記録にあてる時間の確保
記録は必ず発生する業務ですが、いつ書くかは事業所によって違います。日中の細切れの時間に入力していく事業所もあれば、利用者さんを送り出してからまとめて書く事業所もあります。
確認したいのは、記録の媒体、入力する場所、そして記録専用の時間が勤務時間内に確保されているかどうかの3点です。個別機能訓練加算やLIFEへのデータ提出を行っている事業所では、日々の記録に加えて計画書関連の業務も発生します。
記録の時間が確保されていない事業所では、その分が終業後にずれ込みます。見学の際に、夕方の時間帯に職員がどう動いているかを見ておくと実態がつかめます。
職員の配置人数
人員基準は最低ラインを定めたものであり、実際の配置は事業所の方針によって変わります。基準どおりのぎりぎりの人数で回している事業所と、余裕を持って配置している事業所では、1日の忙しさが大きく違います。
確認したいのは、利用定員に対する当日の出勤人数、入浴介助に何人入るのか、送迎中の施設内の人数、常勤と非常勤の比率です。生活相談員または介護職員のうち1人以上は常勤であることが基準ですが、常勤が1人だけの体制と複数いる体制では、急な欠勤への対応力が変わります。
管理者が他の職務と兼務しているかどうかも確認しておきたい点です。管理者が現場に入りながら管理業務も担っている場合、シフト調整や相談対応にかけられる時間は限られます。
- 利用定員に対する当日の出勤人数
- 入浴介助に入る職員の人数
- 送迎に出ている間に施設に残る人数
- 常勤と非常勤の比率、管理者の兼務の有無
参考:厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準」 / e-Gov法令検索「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」 / 江東区「【事業所の方へ】通所サービスにおける送迎について」
まとめ
デイサービスの1日の流れは、朝の送迎と受け入れから始まり、健康チェック、入浴と機能訓練、昼食、レクリエーション、おやつを経て、帰りの送迎で終わります。ただしこれは利用者さんの過ごし方であり、職員の1日はその前後に準備・片づけ・申し送りが加わります。
同じ事業所でも、職種によって1日の使い方は変わります。介護職員は利用者さんと接する場面のほぼすべてに関わり、看護職員は健康チェックと医療的ケアが中心です。機能訓練指導員は個別・集団の訓練と計画書の業務を担い、生活相談員は現場と外部対応を行き来します。管理者は事業所全体の運営を見る立場です。
さらに、一般型・リハビリ特化型の半日タイプ・認知症対応型・療養通所介護という区分によって、利用定員も対象となる利用者さんも人員基準も変わります。サービス提供時間は3時間以上4時間未満から8時間以上9時間未満まで6区分あり、送迎の時間はここに含まれません。
転職を検討する際は、送迎の担当範囲と運転の有無、記録にあてる時間、当日の配置人数という3点を確認してみてください。求人票の勤務時間だけでは分からない1日の実態が見えてきます。気になる事業所があれば、見学の機会に実際の動きを確かめてみることをおすすめします。



