訪問リハビリの仕事はしんどい?PT・OT・STが辛いと思う瞬間

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訪問リハビリは、患者さんが自宅で質の高いリハビリテーションを受けることができる貴重なサービスです。

一方で、その背後には訪問に伺うセラピストらリハビリ職の多くの苦労が隠されており、「訪問リハビリはしんどい」という声も少なくありません。

本記事では、実際に訪問リハビリを担当している理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)たちのリアルな体験談を通じて、彼らが直面する様々な辛さや困難について詳しく掘り下げていきます。

あわせて、しんどいと言われる背景を公的データで確認し、負担を軽くする対処法や、事業所選びで確認しておきたいポイントまでまとめました。

訪問リハビリを担当しているセラピストたちのリアルな声を聞くことで、これから訪問リハビリへの転職を考えている方の参考になればと嬉しいです。

それでは、訪問リハビリで辛いと感じる移動の負担、季節の変化への対応、スケジュール管理など、リアルな声をお届けします!

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    訪問リハビリで辛いと感じる瞬間

    訪問リハビリは、年収が高かったり、病院よりも時間の自由がきいて働きやすいイメージを持つ方が多いですが、実際には辛いこと、大変なこともたくさんあります。

    その中でも特に多く聞かれた「訪問リハビリで辛いと感じる瞬間」をいくつかご紹介します。

    急な状態変化への対応時

    「訪問リハビリをしていると、患者さんの急な状態変化に対応するのが本当に大変です。

    病院勤務なら医師や看護師がすぐそばにいるので心強いのですが、訪問先では一人で全て対応しなければなりません。

    私が過去に勤めていた訪問リハビリのステーションは医師が常駐しているところではなかったため、気になる症状があったときはステーションの看護師に連絡し、指示を仰ぐことが何度かありました。

    緊急を要する場面に遭遇したことはありませんが、初期対応のプレッシャーは相当なものでした。

    これが救急車を呼ばなければいけないときやその判断を迫られるときは、もっと心身ともに消耗するのではないかと思います。

    もちろん患者急変時のマニュアルがありますので、訪問リハビリを始めたての頃は、落ち着いて対応できるよう何度も確認してイメージしておくことが大事だと思います。」

    一人で訪問する以上、「様子を見る」「連絡する」「救急要請する」のどこで線を引くかを、事前に自分の中で決めておけるかどうかで心理的な負担は大きく変わります。

    多くの事業所では急変時のマニュアルが整備されていますので、入職後の早い段階で、次のような流れを具体的に確認しておくと安心です。

    訪問先で「いつもと違う」と感じたときの初動
    事業所ごとにルールは異なります。入職時に必ず自分の事業所の手順を確認してください
    1
    その場でバイタルと意識状態を確認する
    リハビリはいったん中止し、血圧・脈拍・SpO2・体温と、呼びかけへの反応を確認します。
    2
    ご家族に普段との違いを聞く
    「いつからか」「食事や睡眠はとれているか」を確認すると、急変か経過中の変化かを判断しやすくなります。
    3
    事業所の看護師・管理者に電話で報告する
    迷った時点で連絡するのが基本です。自分で判断しきってから連絡する必要はありません。
    4
    主治医・ケアマネジャーへの連絡と記録
    指示を受けて対応したあと、時系列で記録を残します。次回訪問時の申し送りにもつながります。
    意識障害・呼吸困難・胸痛など生命に関わる症状がある場合は、連絡より先に救急要請を優先します。

    移動時

    「訪問リハビリの最大の負担は移動です。

    社用車で移動しているのですが、1日の移動距離が数十キロになることもあります。

    東京近辺の移動なので交通量が多く、路駐している車が多くて運転しづらかったりするのがストレスになることもあります。

    交通渋滞や悪天候の日は、次の訪問先に遅れないようにと焦りが募り、精神衛生上よくないことも多いです。」

    移動の負担は、事業所が用意している移動手段によって性質が変わります。求人を見るときは「移動手段」と「担当エリアの広さ」をセットで確認しておくと、入職後のギャップを減らせます。

    移動手段別に見た負担の出やすいポイント
    社用車
    負担が出やすい点
    渋滞と駐車場探し。都市部では駐車スペースの確保に時間を取られます。
    確認しておきたいこと
    駐車場代の負担、事故時の取り扱い、車両の台数が人数に足りているか。
    電動自転車
    負担が出やすい点
    天候の影響を直接受けます。雨天や猛暑の日は体力の消耗が大きくなります。
    確認しておきたいこと
    雨具の支給、悪天候時の訪問ルール、坂道の多いエリアかどうか。
    自家用車・公共交通
    負担が出やすい点
    費用の持ち出しや、乗り継ぎ待ちによる移動時間の読みにくさ。
    確認しておきたいこと
    ガソリン代・交通費の支給基準、移動時間が労働時間に含まれるか。

    劣悪な住宅環境に伺う時

    「私が訪問リハビリで伺う患者さんは高齢者が多いので、ご自宅も古いところが多いです。

    その中でも物が散らかっている家、俗にいうゴミ屋敷のような家でリハビリをするのはとてもしんどいです。

    リハビリをしているときにゴ〇ブリが視界に入ってきたり、臭いがきつくて集中できなかったり、毎回替えの靴下を持っていかなければいけなかったり。

    リハビリをしに来ているけれど、明らかに環境整備の方が優先事項な気がして、PTとしてそこまで踏み込んだ介入ができないことにもどかしさを感じます。」

    住環境そのものを変えるには、ケアマネジャーや訪問介護、福祉用具の事業者との連携が欠かせません。リハビリ職が一人で抱え込む問題ではありませんので、気づいた点はカンファレンスや報告書で共有していきましょう。

    そのうえで、自分の身を守るための備えを訪問カバンに入れておくと、精神的な負担が少し軽くなります。

    訪問カバンに入れておくと安心なもの
    • 替えの靴下と、床に敷ける薄手のレジャーシート
    • 使い捨て手袋とアルコール手指消毒剤
    • 虫よけスプレーと携帯用の消臭スプレー
    • 汚れてもよい上着やエプロン
    • 手を洗えないときのためのウェットティッシュ
    • 髪をまとめるゴムとマスクの予備
    持ち込む物品は、事業所の感染対策ルールに沿って選びます。

    スケジュール・時間管理時

    「訪問リハビリは時間管理が非常に厳しいです。

    毎日複数の患者さんを訪問するためスケジュールを厳守しなければならないのですが、交通状況や患者さんの急な体調変化などで計画通りに進まないことが多いです。

    特に患者さんが体調不良を理由にリハビリを当日キャンセルすることはよくあります。

    キャンセルが続くと、月の訪問件数が減ってしまいインセンティブも減ってしまうのが辛いです。

    また、キャンセルされた時間をどのように有効活用するかも悩みどころです。」

    訪問リハビリの1日は、訪問と訪問のあいだに移動と記録が挟まる構成になっています。1件遅れると後ろがすべてずれ込むため、時間の使い方が読めることが働きやすさに直結します。

    訪問リハビリの1日の流れ(例)
    事業所や担当エリアによって訪問件数・移動時間は大きく変わります
    8:45

    出勤・申し送りと当日の訪問予定の確認

    前日のキャンセルや体調の変化をここで共有します

    9:15

    1件目へ移動

    9:30

    1件目の訪問(リハビリと記録)

    ご家族への説明が入ると予定より延びやすい時間帯です

    10:30

    2件目へ移動

    10:45

    2件目・3件目の訪問

    12:30

    休憩

    事業所に戻らず、車内や外で取ることもあります

    13:30

    午後の訪問(3〜4件)

    17:00

    帰所・記録の仕上げと報告書の作成

    ケアマネジャーへの連絡や担当者会議の準備もここで行います

    18:00

    退勤

    当日キャンセルが出た場合は、記録の前倒しや別の利用者さんへの振り替えで調整します。
    理学療法士の求人を探す

    季節による影響を受ける時

    「訪問リハビリで何が辛いかって聞かれると、季節の変化による影響を受けるところかなと思います。

    夏は猛暑の中で移動しなければならず、汗だくの状態でご自宅にあがったりリハビリを開始しなければいけません。

    中には真夏日なのにクーラーをつけていないご自宅もあり、つけるよう説明してはいるけれど私が帰ったあとに止めてしまって熱中症になっていないかな?と心配して疲れてしまうこともあります。

    また昔働いていた訪問リハビリの事業所は電動自転車で移動していたので、梅雨の時期の移動は特に億劫でした。」

    季節による負担は避けられませんが、あらかじめ想定しておけば準備で軽くできる部分もあります。自分の消耗を減らす工夫と、利用者さんの体調管理は分けて考えておくと対策を立てやすくなります。

    季節ごとに起きやすいことと、備えておきたいこと
    時期起きやすいこと備えておきたいこと
    移動中の消耗と、冷房を使わないお宅での熱中症リスク保冷剤と着替えの用意。室温計を持参し、数字を見せながら冷房の使用をご家族と相談する
    梅雨自転車移動での雨具の着脱に時間がかかり、訪問が遅れがちになる着脱しやすい雨具と替えの靴下。雨天時の訪問順の組み替えルールを事業所で決めておく
    寒さによる血圧変動と、路面凍結による移動リスク訪問直後のバイタル確認を習慣づける。積雪地域では移動時間を多めに見積もる
    感染症の流行期利用者さんとスタッフ双方の体調不良で訪問予定が崩れやすい手指衛生とマスクの徹底。訪問順を体調の安定した方から組む
    対応の可否は事業所のルールによります。判断に迷う場合は管理者に相談してください。

    外出中にトイレがしたくなった時

    「訪問あるあるだと思いますが、外出中や移動中にトイレがしたくなったときのトイレ問題は意外と辛いことかもしれません。

    事業所に近いところへの訪問であれば戻ったときに用を済ませばいいのですが、遠くへの訪問のときは、コンビニやスーパーを見つけないとトイレができません。

    スケジュールが押して急いでいるときはトイレを我慢することもあります。

    リハビリ職に限らず、まわりの訪問看護師の方々も患者さん宅のトイレは基本的に使わないと言っているので、私も患者さんの家でトイレを借りたことはないです。」

    担当エリアのコンビニや公共施設を最初のうちに把握しておくと、こうした場面で慌てずに済みます。訪問件数が詰まっている日ほど水分を控えてしまいがちですが、体調を崩す原因にもなりますので、休憩の取り方は先輩に聞いておくと安心です。

    孤独を感じる時

    「訪問リハビリは一人で行うことが多く、同僚とのコミュニケーションが少ないため、孤立感を感じやすいかなと思います。

    特に、困難なケースに直面したときや、患者さんの状態が思わしくないときなど、誰かに相談したくてもすぐにはできない状況が多いです。

    人数が多い訪問ステーションであれば、症例検討の時間があったり他スタッフに相談できるかもしれませんが、今の私の職場はリハ職が少なく、OTが私一人のため作業療法に関する治療の相談はできる人がいないです。

    これからステーションが大きくなっていく期待がある一方で、孤独を感じる中での仕事は、時々辛く感じます。」

    この孤独感は、性格の問題ではなく訪問の職場が構造的に少人数であることが背景にあります。厚生労働省の調査から1事業所あたりのリハビリ職の人数を計算すると、施設で働く場合との差がはっきり見えてきます。

    1事業所あたりのリハビリ職の人数(PT・OT・ST合計)
    令和6年10月1日現在の従事者数を事業所数で割った概算値です
    訪問看護ステーション
    2〜3
    44,501人 ÷ 18,042事業所
    介護老人保健施設
    6〜7
    27,240人 ÷ 4,214施設

    日本理学療法士協会の統計でも、会員が在籍する訪問リハビリテーション事業所は747か所に対して会員数は1,142人で、1か所あたり1〜2人という規模感です。同じ職種の相談相手が職場にいないことは、訪問では珍しくありません。

    従事者数は調査した職種分のみの集計で、従事者数が不詳の事業所は含まれていません。

    だからこそ、事業所を選ぶ段階で「リハビリ職が何人いるか」「症例検討や同行訪問の機会があるか」を確認しておくことが、長く続けるうえで大きな意味を持ちます。

    出典:厚生労働省「令和6(2024)年介護サービス施設・事業所調査の概況」公益社団法人日本理学療法士協会「統計情報」

    訪問リハビリが「しんどい」と言われる背景

    利用者さんの自宅を訪問してリハビリを行う作業療法士

    ここまでご紹介した体験談は、個人の感じ方だけの問題ではありません。訪問リハビリという働き方そのものに、しんどさが生まれやすい構造があります。

    ここでは、厚生労働省と職能団体の公的なデータから、訪問の現場で何が起きているのかを確認していきます。

    訪問の受け皿は5年でおよそ1.5倍に増えている

    リハビリ職の訪問は、事業所として指定を受けた訪問リハビリテーションのほかに、訪問看護ステーションから提供される形が広く使われています。

    その訪問看護ステーションは、令和2年の12,393事業所から令和6年には18,042事業所まで増えました。直近1年だけでも9.9%増えており、5年でおよそ1.5倍という伸び方です。

    訪問看護ステーション数の推移
    各年10月1日現在(単位:事業所)

    12,393

    13,554

    14,829

    16,423

    18,042

    令和2年
    令和3年
    令和4年
    令和5年
    令和6年

    同じ期間、通所リハビリテーションは8,349事業所から8,030事業所へと微減しています。通う場から訪ねる場へ、リハビリの提供の重心が動いていることが読み取れます。

    数値は基本票の事業所数です。複数のサービスを提供している事業所は各々に計上されています。

    事業所が増えるということは、求人が多いという意味では追い風です。一方で、経験の浅いうちから一人で訪問を任される場面が増えやすいという側面もあります。

    介護分野で働くリハビリ職の最大の職場は訪問看護ステーション

    介護保険サービスで働くリハビリ職の人数を見ると、訪問看護ステーションが最も多く、理学療法士28,666人、作業療法士12,308人、言語聴覚士3,527人が従事しています。

    介護老人保健施設や通所リハビリテーションを上回る規模で、介護分野におけるリハビリ職の主戦場は、すでに訪問に移っているといえます。

    介護サービス別に見たリハビリ職の従事者数
    令和6年10月1日現在(単位:人)
    理学療法士
    作業療法士
    言語聴覚士
    訪問看護ステーション
    44,501

    理学療法士 28,666/作業療法士 12,308/言語聴覚士 3,527

    介護老人保健施設
    27,240

    理学療法士 15,035/作業療法士 9,313/言語聴覚士 2,892

    通所リハビリテーション
    19,528

    理学療法士 11,525/作業療法士 6,276/言語聴覚士 1,727

    介護老人福祉施設
    4,513

    理学療法士 2,676/作業療法士 1,499/言語聴覚士 338

    介護医療院
    3,923

    理学療法士 2,207/作業療法士 1,131/言語聴覚士 585

    帯の長さは訪問看護ステーションの合計を100%としたときの比率です。訪問介護・訪問入浴介護はリハビリ職が調査対象外のため含みません。

    言語聴覚士に目を向けると、事情は少し異なります。日本言語聴覚士協会の集計では、有職の会員22,511人のうち勤務先が医療のみの方が60.70%を占め、介護のみは6.56%にとどまります。

    訪問の現場で言語聴覚士が一人職場になりやすいのは、こうした分布の偏りも関係しています。

    給与が高いといわれる仕組みが、そのまましんどさの理由にもなる

    訪問リハビリは給与が高いというイメージがありますが、その多くは訪問1件ごとの単価やインセンティブによって成り立っています。件数が伸びれば収入も伸びる一方で、当日キャンセルや悪天候がそのまま収入の変動につながるという性質があります。

    本記事の体験談にあった「キャンセルが続くとインセンティブも減る」という声は、この仕組みから生まれるものです。基本給の水準と歩合の比率がどうなっているかは、求人票の段階で必ず確認しておきたいポイントといえます。

    出典:厚生労働省「令和6(2024)年介護サービス施設・事業所調査の概況」一般社団法人日本言語聴覚士協会「言語聴覚士とは」

    今のあなたの状況は?

    訪問リハビリのしんどさを軽くする対処法

    屋上で同僚に相談して笑顔になるリハビリ職

    訪問リハビリのしんどさには、自分の工夫で減らせるものと、職場の仕組みを変えないと減らないものがあります。この2つを分けて考えると、次に何をすればよいかが見えてきます。

    ここでは、現場で実際に取り入れられている対処法を、優先順位の高い順にご紹介します。

    一人で抱えない仕組みを職場の中につくる

    訪問の負担で最も大きいのは、判断を一人で抱えることによる心理的な重さです。相談は「困ってから」ではなく「困る前に経路を決めておく」のが基本になります。

    次の3つは、事業所の規模にかかわらず整えやすい仕組みです。

    困る前につくっておきたい3つの仕組み

    1

    連絡してよい相手と時間を決めておく

    「迷った時点で誰に電話するか」を管理者と合意しておきます。訪問中でも連絡してよいと明言してもらえるだけで、判断の重さが変わります。

    2

    短くても定例の症例共有をつくる

    週1回15分でも、担当ケースを持ち寄る時間があると助けになります。同職種がいない場合は、看護師やケアマネジャーと一緒でも構いません。

    3

    職場の外に相談相手を持つ

    職能団体の研修会や地域の勉強会は、同じ悩みを持つ人と出会える場です。一人職場ほど、外とのつながりが支えになります。

    移動と時間の負担は準備で減らせる

    移動と時間管理のしんどさは、当日その場でリカバリーしようとすると消耗します。前日までの準備で吸収できる部分が意外と多いです。

    • 訪問順を地理でまとめ、戻りの移動が発生しないルートに組み替える
    • 訪問と訪問のあいだに、10分程度の緩衝時間を意図的に入れておく
    • 記録はその場でタブレットに入力し、事業所に持ち帰る作業を減らす
    • 当日キャンセルが出たときの代替行動をあらかじめ決めておく
    • 担当エリアのトイレ・駐車場・コンビニを最初の1か月で把握しておく

    なお、緩衝時間やルートの組み方は、一人で頑張るより管理者に相談したほうが早く変わります。訪問件数のノルマがある職場では、件数の設定そのものを見直してもらう必要がある場合もあります。

    工夫しても合わないときは環境を変える選択もある

    ここまでの対処法を試しても改善しない場合、しんどさの原因が自分ではなく事業所の運営にあることも少なくありません。移動距離が広すぎる、件数の設定が過大、相談体制がないといった問題は、個人の工夫では埋められない部分です。

    訪問リハビリという働き方自体は合っているのに事業所が合わない、というケースもあります。「訪問をやめる」のか「訪問の中で職場を変える」のかを切り分けて考えると、選択肢が広がります。

    睡眠がとれない、休日も仕事のことが頭から離れないなど心身の不調が出ている場合は、分析よりも休むことを優先してください。

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    それでも訪問リハビリを続ける理由|PT・OT・STが感じるやりがい

    車いすの高齢利用者さんに寄り添って笑顔を見せるリハビリ職

    しんどさがある一方で、訪問リハビリを長く続けているセラピストが多いのも事実です。病院や施設では得にくい手応えが、訪問にはあります。

    生活の場だからこそ、成果が目に見える

    病院のリハビリ室で歩けるようになっても、自宅の段差や廊下の幅で生活が止まってしまうことがあります。訪問リハビリでは、その生活の場に直接入って介入できます。

    手すりの位置を数センチ変える、家具の配置を見直す、調理の動作を一緒に確認する。こうした関わりは、「できるようになったこと」がそのまま生活の変化として現れるのが大きな魅力です。

    病院・施設のリハビリと訪問リハビリの違い
    観点病院・施設訪問リハビリ
    評価の場訓練室という整った環境実際に生活している自宅そのもの
    関わる期間入院期間に区切られる年単位で経過を追えることが多い
    介入の対象心身機能へのアプローチが中心住環境や家族の関わり方まで含む
    連携相手院内の多職種ケアマネジャーや地域のサービス事業者
    相談のしやすさその場で同職種に聞ける電話や記録を介することが多い
    職場の規模や方針によって実際の働き方は異なります。

    1対1でじっくり関われる

    訪問リハビリは、その時間をまるごと一人の利用者さんに使えます。ご家族と話す時間も取りやすく、生活全体を見ながらプログラムを組み立てられます。

    一人で判断する場面が多いことは負担でもありますが、裏を返せば裁量が大きいということでもあります。自分の評価と方針でリハビリを組み立てたい方にとっては、力を発揮しやすい環境です。

    キャリアパートナーからのアドバイス
    • やりがいと働きやすさは別物。両方を面接で確認しましょう
    • 訪問が合わないのか、事業所が合わないのかを切り分けて
    • 同行訪問の期間が長い事業所ほど、一人立ち後が楽になります
    キャリアパートナー

    訪問リハビリに向いている人・向いていない人

    〇と×の札を持って向き不向きを示す医療職の女性

    訪問リハビリは、求められる力が病院や施設とは少し異なります。技術の高さよりも、一人で段取りを組む力や、生活に合わせて方針を変える柔軟さが問われる場面が多くなります。

    ここで挙げる特徴は、あくまで傾向です。当てはまらないから訪問に向いていない、という話ではありませんので、自己確認の材料として読んでみてください。

    訪問リハビリに向いている人の特徴

    訪問の現場で長く働いている方に共通しているのは、整っていない環境の中で、その日できる最善を組み立てられることです。理想どおりの道具や広さがなくても、あるもので工夫することを楽しめる方は向いています。

    向いている人
    • 限られた道具や広さの中で工夫するのが好き
    • 自分で段取りを決めて動くほうが気楽に感じる
    • ご家族や他職種と話すことに抵抗がない
    • 生活そのものへの介入にやりがいを感じる
    • 移動や外出が気分転換になるタイプ
    慣れるまで苦労しやすい人
    • 判断に迷ったとき、その場で相談できないと不安が強い
    • 設備の整った環境で専門性を深めたい
    • 運転や自転車移動に苦手意識がある
    • 収入が月ごとに変動するのを避けたい
    • 決まった手順どおりに進めるほうが安心できる

    慣れるまで苦労しやすい人が取れる対策

    右側に多く当てはまった方でも、事業所の選び方でカバーできる部分は少なくありません。たとえば相談体制に不安があるなら、リハビリ職が複数名在籍する事業所を選ぶことで解消できます。

    収入の変動が気になる場合は、歩合の比率が低く基本給が中心の事業所を探すという方法もあります。向き不向きは、職場選びである程度まで調整できると考えておくとよいでしょう。

    お探しの求人は?

    後悔しない訪問リハ事業所の選び方チェックリスト

    チェックリストと書かれた紙とペン

    ここまで見てきたしんどさの多くは、事業所によって程度が大きく変わります。同じ訪問リハビリでも、担当エリアの広さや相談体制の有無で働きやすさはまったく違ってきます。

    入職後のギャップを防ぐために、応募前と面接時に確認しておきたい項目をまとめました。

    求人票で必ず確認したい項目

    求人票の情報だけで判断できることは限られますが、給与の内訳と移動の条件は、書面の段階で必ず押さえておきたいポイントです。

    応募前に求人票でチェックする5項目

    基本給と歩合・手当の内訳が分かれて書かれているか

    総額だけの表示は、件数が減ったときの下限が読めません

    1日の想定訪問件数とノルマの有無

    件数だけでなく、移動時間を含めた1日の拘束時間で見ます

    担当エリアの範囲と移動手段、費用の負担

    自家用車の使用が前提の場合、ガソリン代の支給基準を確認します

    リハビリ職の在籍人数と職種の内訳

    同職種が自分だけになるかどうかは、相談のしやすさを左右します

    オンコールや土日の対応があるか

    頻度と手当をあわせて確認しておくと安心です

    面接・見学で聞いておきたい質問

    求人票に書かれていない部分こそ、入職後の働きやすさを決めます。聞きにくいと感じる内容ほど、あとで大きな差になりますので、遠慮せず確認しておきましょう。

    • 一人で訪問を始めるまでに、同行訪問は何件くらい行いますか
    • 訪問中に判断に迷ったとき、誰にどう連絡する決まりですか
    • 当日キャンセルが出たとき、その時間はどう扱われますか
    • 記録はどこで、どのタイミングで行っていますか
    • 症例検討や勉強会の機会はどのくらいありますか
    • 直近1年で退職された方は何名で、どんな理由が多かったですか

    自分から聞きにくい場合は、転職エージェントを通して確認してもらう方法もあります。事業所の内部事情は求人票からは読み取れませんので、第三者から情報を得られると判断材料が増えます。

    訪問リハビリのしんどさに関するよくある質問

    よくある質問を表すクエスチョンマークのブロック

    訪問リハビリへの転職を考えている方から、実際によく寄せられる質問をまとめました。

    Q

    新人でも訪問リハビリで働けますか。

    A

    新卒や経験の浅い方を採用している事業所もあります。ただし一人で判断する場面が多いため、同行訪問の期間をしっかり設けている事業所を選ぶことが大切です。同行が数日で終わる職場は、慣れるまでの負担が大きくなりやすい傾向があります。

    Q

    訪問リハビリは本当に給料が高いのですか。

    A

    訪問1件ごとの単価やインセンティブが加わることで、結果として高くなる場合があります。一方で件数が減れば収入も下がるため、基本給の水準を確認しておくことが欠かせません。求人票では総額ではなく内訳を見るようにしましょう。

    Q

    一人で訪問するのが不安です。どのくらいで慣れますか。

    A

    個人差はありますが、担当する利用者さんの状態が把握できてくると気持ちは落ち着いてきます。不安が続く場合は、慣れの問題ではなく相談体制が整っていないことが原因の場合もありますので、管理者に連絡ルールを確認してみてください。

    Q

    言語聴覚士でも訪問の求人はありますか。

    A

    あります。訪問看護ステーションで働く言語聴覚士は3,527人で、理学療法士や作業療法士に比べると少数ですが、摂食嚥下や失語症への対応ができる方を求める事業所は増えています。同職種が自分だけになりやすい点は、事前に確認しておくと安心です。

    Q

    訪問リハビリから病院に戻ることはできますか。

    A

    できます。生活場面での評価や家族指導、多職種連携の経験は回復期や地域包括ケア病棟でも活きます。訪問で身につけた在宅の視点は、退院支援の場面で強みとして評価されることが多いです。

    最後に

    訪問リハビリに従事しているPT・OT・STならではの辛いこと、大変なことのエピソードはいかがでしたでしょうか?

    どんな環境で働いていても「辛いと感じる瞬間」はあると思います。

    そんなときは、周りにいる同僚や先輩に話を聞いてもらうだけでスッキリすることもあります。

    同じ経験をしてきている人だからこそのアドバイスももらえるかも知れないので、辛いときは無理せず周りに相談してみてください。

    そのうえで、しんどさの原因が働く環境そのものにあると感じたときは、事業所を変えるという選択も前向きな一手です。

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