看護師が住宅ローンを組むときに知っておきたいこと|審査で見られるポイント・年収別の借入額・注意点を解説
「マイホームを購入したいけれど、看護師でも住宅ローンは組めるの?」「パートナーが一般サラリーマンだけど、私がローンを組んだ方がいいのかな……」と考えたことはないでしょうか?
実は、看護師は住宅ローン審査において有利な職業の一つとされています。国家資格に基づく安定した収入や、景気に左右されにくい医療業界の特性が、金融機関から高く評価されるためです。
この記事では、看護師が住宅ローンを組む際に知っておきたい審査のポイントや、年収別の借入額の目安、注意すべき点について詳しく解説します。住宅購入を検討している看護師の方は、ぜひ参考にしてみてください。
気になることを
キャリアパートナーに相談できます
気になる内容をお選びください(複数選択可)
看護師が住宅ローン審査で有利になる理由

住宅ローン審査では、申込者の「返済能力」と「安定性」が重視されます。看護師はこの両面で高い評価を受けやすく、住宅ローン審査で有利なポジションにあるといえます。
厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、看護師の平均年収は約508万円です。全産業の平均と比べても高い水準にあり、金融機関からの信用も得やすい傾向があります。
看護師の雇用安定性データ
医療職は社会的信用度が高いから
看護師は国家資格を持つ医療専門職であり、社会的な信用度が非常に高い職業です。金融機関が住宅ローン審査を行う際は、職業の安定性や社会的信用度を重要な判断基準の一つとしています。
公務員や医師、弁護士などと並んで、看護師も「返済リスクが低い職業」として位置づけられることが多いです。特に大学病院や公立病院に勤務する看護師は、公務員に準じた待遇を受けられるケースもあり、さらに高い信用度が期待できます。
景気変動に左右されない安定収入があるから
医療業界は景気に左右されにくい業種です。不景気であっても医療のニーズがなくなることはなく、看護師の雇用や収入は安定しています。
看護師の有効求人倍率は常に2倍以上を維持しており、求人が常に供給を上回っている「売り手市場」が続いています。この安定した雇用環境が、住宅ローンの長期返済においてもプラスに評価されるのです。
女性でも長く働き続けられる職業だから
住宅ローンは最長35年という長期の返済を伴います。そのため、金融機関は「この先も継続して収入を得られるか」を重視します。
看護師は、産休・育休制度の整った職場が多く、復職率も高い職業です。時短勤務やパート勤務への切り替えが比較的しやすく、ライフステージの変化に応じた柔軟な働き方を選べます。女性が単身で住宅ローンを組む場合でも、看護師であれば審査で有利になりやすいといえるでしょう。
転職しても収入が落ちにくいから
一般的に、転職すると一時的に収入が下がることがあります。しかし看護師の場合、転職先でも同程度の給与水準が確保されやすいのが特徴です。
医療キャリアナビ掲載求人データによると、看護師の正社員求人の平均月給は約29.6万円であり、全国的に安定した水準が維持されています。看護師は全国どこでも需要がある職種のため、転職による収入の変動幅が比較的小さいのです。
この点は住宅ローンの長期返済において、金融機関にとっても安心材料となります。
看護師の転職、プロが伴走します
住宅ローン審査で見られるポイント

住宅ローンの審査では、年収だけでなくさまざまな項目がチェックされます。看護師であっても審査に通らないケースがあるため、事前にポイントを押さえておきましょう。
住宅ローン審査で見られる主なポイント
| 審査項目 | 重要度 | 看護師 有利度 |
備考 |
|---|---|---|---|
| 年収・返済比率 | ◯ | ◯ | 平均年収508万円で十分な水準 |
| 勤続年数 | ◯ | △ | 転職が多いと短くなりやすい |
| 雇用形態 | ◯ | ◯ | 正社員なら有利。派遣・パートは注意 |
| 他の借入 | ◯ | △ | 奨学金が残っている場合は影響あり |
| 健康状態(団信) | △ | △ | ストレスによる健康リスクに注意 |
| 職業の安定性 | ◯ | ◯ | 国家資格で社会的信用度が高い |
◯=有利・重要 / △=条件付き / ✕=不利
年収と返済比率
住宅ローン審査で最も重要視されるのが「返済比率(返済負担率)」です。返済比率とは、年収に占める年間のローン返済額の割合を指します。
住宅金融支援機構のフラット35では、年収400万円未満で返済比率30%以下、年収400万円以上で35%以下が審査基準です。ただし、無理なく返済を続けるためには20〜25%以内に収めるのが理想とされています。
看護師の平均年収約508万円の場合、返済比率25%に収めると月々の返済額は約10.6万円が目安です。この金額を基準に、自分に合った物件価格や借入額を検討するとよいでしょう。
参考:住宅金融支援機構「長期固定金利住宅ローン【フラット35】」
勤続年数と雇用形態
多くの金融機関では、勤続年数1年以上を審査の最低条件としています。勤続年数が長いほど「安定して働いている」と判断され、審査に通りやすくなります。
また、正社員(常勤)であることが基本的な条件です。派遣看護師やパート勤務の場合、収入の安定性が低いと判断され、審査が厳しくなる傾向があります。なお、フラット35では勤続年数の明確な要件がないため、転職直後の方にも選択肢となり得ます。
他のローンや借入の有無
車のローンや奨学金、カードローンなどの借入がある場合、その返済額も返済比率に加算されます。住宅ローンの返済額と合わせて返済比率の上限を超えると、審査に通りにくくなるのです。
特に看護学校の奨学金を返済中の方は注意が必要です。他の借入が多いほど住宅ローンで借りられる額が減るため、可能であれば住宅ローンの申し込み前に完済しておくのがおすすめです。
今のあなたの状況は?
健康状態と団体信用生命保険の加入可否
住宅ローンを組む際、多くの金融機関では「団体信用生命保険(団信)」への加入が必須条件です。団信は、ローン返済中に契約者が亡くなった場合や高度障害を負った場合に、残りのローンが保険で完済される仕組みです。
看護師は身体的・精神的な負荷が大きい仕事のため、健康上の問題を抱えている場合は団信の審査に通らないことがあります。持病がある場合は、通常の団信に代わる選択肢を事前に調べておくことが大切です。精神疾患や持病がある方は、引受基準が緩和された「ワイド団信」や、団信加入が任意の「フラット35」を検討してみてください。
・ワイド団信(引受基準緩和型):通常より保険料は上がるが、持病があっても加入しやすい
・フラット35:団信の加入が任意のため、健康状態に不安がある方でも利用可能
・配偶者名義でのローン申し込み:パートナーの健康状態に問題がなければ検討の余地あり
看護師の年収別に組める借入額の目安

住宅ローンで「いくら借りられるか」は、年収と返済比率から計算できます。ここでは、看護師の年収帯ごとに借入可能額の目安をご紹介します。なお、金利や返済期間によって異なるため、あくまで参考値としてご覧ください。
以下は、返済期間35年・金利1.5%を想定した場合の借入額の目安です。「無理のない範囲」は返済比率20〜25%で、「借入上限の目安」はフラット35の基準(返済比率35%)で計算しています。
年収400万円台の借入額の目安
年収400万円台の方は、返済比率25%に収めると月々の返済額は約8.3〜9.4万円が目安です。35年返済で計算した場合、無理のない借入額は約2,700〜3,000万円になります。
新人看護師や准看護師、日勤のみの勤務の方はこの年収帯に該当することが多いでしょう。フラット35の上限基準(返済比率35%)では約3,800万円まで借入可能ですが、生活費や将来の出費を考えると余裕を持った返済計画を立てることが大切です。
頭金を物件価格の20%用意できれば、借入額を抑えつつ審査にも通りやすくなります。ボーナスや夜勤手当を計画的に貯蓄して、頭金の準備を進めましょう。
年収500万円台の借入額の目安
看護師の平均年収は約508万円ですので、キャリア中盤の看護師の多くがこの年収帯に該当します。返済比率25%の場合、月々の返済額は約10.4〜11.5万円が目安です。
無理のない借入額は約3,400〜3,700万円で、都市部ではマンション購入、郊外では戸建て住宅も視野に入る金額帯です。ペアローンや収入合算を利用すれば、さらに借入額を増やすことも可能です。
年収600万円以上の借入額の目安
大学病院や管理職ポジション、夜勤が多い職場で働く看護師は年収600万円以上になることもあります。返済比率25%の場合、月々の返済額は約12.5万円以上となり、無理のない借入額は約4,100万円以上が目安です。
この年収帯では、都市部の好立地マンションや注文住宅も検討範囲に入ります。ただし、借りられる額と無理なく返せる額は異なるため、将来の転職やライフプランの変化も見据えた計画を立てましょう。
看護師の求人を探す看護師が住宅ローンを組むメリット

看護師が住宅ローンを組む場合、その職業特性を活かしたメリットがいくつかあります。ここでは代表的な3つのメリットを紹介します。
金融機関から優遇金利を受けられることがある
一部の金融機関では、医療従事者向けの住宅ローン優遇プランを設けています。通常よりも低い金利が適用されたり、保証料が優遇されたりするケースがあります。
医療従事者向けの優遇ローンは、地方銀行・信用金庫・ろうきん(労働金庫)で取り扱いが多い傾向にあります。メガバンクやネット銀行と比較検討してみるとよいでしょう。
医療従事者向け住宅ローンの主な優遇内容は以下のとおりです。
- 金利の引き下げ(年0.1〜0.3%程度)
- 保証料の優遇や免除
- 事務手数料の割引
- 団信の保障内容が充実
単身でも借入できる可能性が高い
女性の単身世帯が住宅を購入するケースは年々増えています。看護師は安定した収入があるため、単身でも住宅ローンの審査に通りやすい職業の一つです。
住宅ローンを返済しながら働くうえで、住宅補助や寮・社宅制度のある職場を選べば、住居費の負担を大幅に軽減できます。転職や就職先を検討する際は、福利厚生の中でも住宅関連の手当に注目してみましょう。
転職後も収入が安定しやすく返済が滞りにくい
住宅ローンは最長35年の長期返済です。その間に転職を経験する方も少なくありません。看護師は全国的に需要が高く、転職しても収入水準が大きく下がりにくいのが強みです。
万が一、現在の職場を離れることになっても、すぐに次の勤務先が見つかりやすい環境にあります。長期間にわたる住宅ローンの返済において、収入が途切れるリスクが低い点は大きなメリットといえます。
お探しの求人は?
看護師が住宅ローンを組むときに注意すべきこと

看護師は住宅ローン審査で有利な立場にある一方、注意すべきポイントもあります。事前に把握しておくことで、審査落ちや返済に苦しむリスクを減らせます。
住宅ローン申し込み前のチェックフロー
申し込み可能
雇用形態の制限なし
審査基準を満たす
1年以上待つのが安全
最大化される
申し込むのがベスト
夜勤手当を含めた年収は変動するため過信しない
看護師の給与には夜勤手当が含まれることが多く、夜勤の回数によって月々の手取りは変動します。住宅ローンの返済計画は、夜勤手当を除いた基本給ベースで組んでおくのが安全です。
産休・育休で夜勤ができなくなったり、日勤のみのクリニックに転職したりする可能性も考えられます。夜勤手当は「あれば余裕ができるもの」として、返済額の上乗せには含めないようにしましょう。
転職直後は勤続年数がリセットされて審査が厳しくなる
住宅ローンの申し込みでは勤続年数が重視されます。看護師は比較的転職が多い職種ですが、転職すると勤続年数はゼロにリセットされます。
住宅ローンの申し込みは、できれば転職前に済ませるのが理想です。やむを得ず転職後に申し込む場合は、最低でも1年、できれば3年以上の勤続期間を設けてから申し込むことをおすすめします。
派遣・パート勤務は審査が通りにくい
看護師であっても、派遣やパートなどの非正規雇用の場合は審査のハードルが上がります。金融機関は雇用の安定性を重視するため、正社員(常勤)と比べて収入の継続性が不確実と判断されるためです。
住宅購入を考えている方は、常勤として勤務している間に申し込みを済ませるのが理想です。なお、フラット35は雇用形態の制限がないため、非正規雇用の方でも申し込みが可能です。
ローンはどっちが組む?
奨学金が残っていると借入額が下がる
看護学校時代に奨学金を利用していた方は、返済中の借入額が住宅ローン審査に影響を及ぼします。奨学金の返済額が年間の返済比率に加算されるため、その分だけ住宅ローンの借入可能額が減るのです。
奨学金の残高が100万円以上ある場合、住宅ローンの借入可能額が数百万円単位で減少するケースもあります。完済が近い方は、住宅ローンの申し込み前に先に完済しておくのが有効な対策です。
団信に通らない健康状態だと借入できない
団体信用生命保険(団信)は、住宅ローン契約者に万が一のことがあった場合にローン残高を保険で完済する仕組みです。多くの金融機関では加入が必須となっています。
看護師はストレスの多い職場環境にいることも少なくなく、精神疾患や慢性的な体調不良を抱える方もいます。団信の審査に通らなくても、代替手段は複数あるため、以下の選択肢を検討してみてください。
- ワイド団信(引受基準緩和型)に切り替えて申し込む
- フラット35(団信加入が任意)を利用する
- 配偶者名義で住宅ローンを申し込む
看護師が住宅ローン審査に通りやすくするためにできること

住宅ローンの審査通過に向けて、事前に準備できることはいくつかあります。少しの工夫と計画で、審査通過の確率を高められます。
住宅ローン審査対策の4ステップ
物件価格の10〜20%を目標に貯蓄する
奨学金・カードローンなどを完済する
医療従事者向け優遇プランも含め複数比較
勤続年数を活かして審査に有利なタイミングで
頭金を増やして借入額を抑える
頭金を多く用意するほど借入額が減り、返済比率が下がります。頭金の目安は物件価格の10〜20%です。たとえば3,000万円の物件であれば、300〜600万円の頭金を準備できると審査で有利に働きます。
看護師は夜勤手当やボーナスなど、基本給以外の収入を貯蓄に回しやすい職業です。住宅購入を意識し始めたら、計画的に頭金を貯めていきましょう。
他の借入を完済してから申し込む
車のローン、カードローン、奨学金など他に借入がある場合は、可能な限り完済してから住宅ローンに申し込みましょう。他の借入を完済するだけで、住宅ローンの借入可能額が大幅に増えることがあります。
特にカードローンやリボ払いは、残高があるだけで返済能力に疑問を持たれる可能性があります。住宅ローン申し込み前に整理しておくことが大切です。
複数の金融機関を比較する
住宅ローンは金融機関によって金利や審査基準が大きく異なります。一つの金融機関に断られても、別の金融機関では審査に通ることも珍しくありません。
-
メガバンク(三菱UFJ・三井住友・みずほ)審査は厳しめだが金利は安定
-
地方銀行・信用金庫地域密着型で柔軟な対応。医療従事者向け優遇があることも
-
ネット銀行(住信SBI・auじぶん銀行等)低金利が魅力。手続きはオンライン中心
-
ろうきん(労働金庫)医療従事者への手厚い優遇プランがある場合も
-
フラット35勤続年数・雇用形態の制限なし。長期固定金利で返済額が変わらない安心感
転職活動するなら?
転職前に申し込みを済ませる
住宅購入を検討しているなら、転職前に住宅ローンの申し込みを完了させましょう。転職後は勤続年数がリセットされるため、審査が厳しくなる可能性があるためです。
特に、現在の職場での勤続年数が3年以上ある場合は、そのタイミングを活かすのがおすすめです。ローンの実行(融資の実行)後であれば、転職しても住宅ローンの契約には影響しません。
まとめ
看護師は国家資格に基づく安定した収入と高い社会的信用度から、住宅ローン審査において有利な立場にあります。平均年収約508万円という水準は、マイホーム購入に十分な借入額を確保できる年収帯です。
ただし、夜勤手当による年収の変動や、奨学金の残債、転職直後の勤続年数リセットなど、看護師ならではの注意点もあります。返済計画は基本給ベースで立て、頭金の準備や他の借入の完済といった事前対策を行うことが大切です。
複数の金融機関を比較検討し、医療従事者向けの優遇プランも含めて自分に合ったローンを探してみてください。計画的に準備を進めれば、看護師としてのキャリアを活かしながら、無理のないマイホーム購入が実現できるはずです。
よくある質問
看護師は住宅ローンの審査に通りやすいですか?
はい、看護師は住宅ローン審査で有利な職業の一つです。国家資格に基づく安定した収入と高い社会的信用度が評価されます。平均年収も約508万円と全産業平均より高く、金融機関からの信頼を得やすい傾向にあります。
看護師の年収で住宅ローンはいくらまで借りられますか?
年収500万円台の場合、無理のない返済比率(25%)で約3,400万円、フラット35の上限基準(35%)では約4,700万円まで借入可能です。ただし、金利や返済期間、他の借入状況により変動しますので、あくまで目安としてお考えください。
転職直後でも住宅ローンは組めますか?
多くの金融機関では勤続年数1年以上を条件としているため、転職直後は審査が厳しくなります。ただし、フラット35は勤続年数の明確な条件がないため、転職直後でも申し込み可能です。住宅購入を予定している場合は、転職前に申し込みを済ませるのがおすすめです。
奨学金の返済中でも住宅ローンは組めますか?
奨学金を返済中でも住宅ローンの申し込みは可能です。ただし、奨学金の返済額が返済比率に加算されるため、借入可能額は減少します。可能であれば、住宅ローン申し込み前に完済しておくと有利です。
夜勤手当は住宅ローンの年収に含められますか?
審査上は、源泉徴収票や確定申告書に記載された年収(夜勤手当を含む)がベースとなります。ただし、返済計画を立てる際は、夜勤手当を除いた基本給ベースで考えるのが安全です。夜勤ができなくなった場合にも余裕を持って返済できるようにしましょう。





