薬剤師の手取りはいくら?年収別シミュレーション・職場別の目安・手取りを増やす方法を解説
「薬剤師として働いているけれど、思ったより手取りが少ない」「額面と手取りの差に驚いた」と感じている方は少なくありません。6年制大学を卒業して国家資格を取得したにもかかわらず、毎月の手取り額を見て不安を覚える方もいるのではないでしょうか。
この記事では、薬剤師の平均的な手取り額から、年収別のシミュレーション、職場ごとの手取りの目安までを網羅的に解説します。
さらに、手取りを増やすための具体的な方法や、求人票から手取りを正しく読み解くコツもお伝えします。ぜひ最後まで読んで、ご自身のキャリアプランにお役立てください。
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薬剤師の平均手取り額

薬剤師の手取りを知るには、まず額面給与の仕組みを理解することが大切です。
ここでは、平均的な月収の額面と手取りの目安、額面から差し引かれる項目、そして手取りの一般的な割合について順に解説します。
平均月収の額面と手取りの目安
厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、薬剤師の「きまって支給する現金給与額」は約43.1万円です。これは基本給に各種手当を加えた金額で、いわゆる「額面」にあたります。
ここから税金や社会保険料が差し引かれた結果、実際に手元に残る「手取り」は約30〜32万円が目安です。額面と手取りの間に約8〜10万円の差があると聞くと、新卒の薬剤師の中には驚く方もいるかもしれません。
しかし、この差は薬剤師に限った話ではなく、すべての給与所得者に共通する仕組みです。
額面から引かれるもの(所得税・住民税・社会保険料・雇用保険料)
額面給与から天引きされる主な項目は、以下の4つです。
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所得税:その月の課税対象額に応じて源泉徴収されます。扶養人数や各種控除によって金額が変わります
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住民税:前年の所得に基づいて計算され、翌年6月から天引きが始まります。新卒1年目は0円ですが、2年目から発生する点に注意が必要です
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社会保険料:健康保険料・厚生年金保険料・介護保険料(40歳以上)の3つで構成されます。会社と折半で負担しますが、それでも額面の約15%前後を占めます
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雇用保険料:失業時の給付や育児休業給付の財源となるもので、額面の0.6%程度です
社会保険料だけで額面の約15%を占めるため、天引きの中でもっとも大きな負担となります。
手取りは額面の約75〜80%が目安
一般的に、手取りは額面給与の約75〜80%になるといわれています。ただし、この割合は年収帯や扶養家族の有無によって変動します。
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年収400万円前後:手取りは額面の約80%
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年収500〜600万円:手取りは額面の約77〜78%
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年収700万円以上:手取りは額面の約75%前後
年収が高くなるほど所得税の税率が上がるため、手取りの割合はやや下がります。逆に、年収が低めの場合は税率が低いため、手取り率は80%に近づきます。自分の額面に0.75〜0.8を掛けることで、おおよその手取りを計算できます。
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年収別の手取りシミュレーション

ここからは、薬剤師によくある年収帯ごとに手取り額をシミュレーションします。条件は「独身・扶養なし・40歳未満・社会保険加入」で統一しています。実際の金額は個人の状況によって異なりますので、あくまで目安としてご覧ください。
| 年収 | 月額額面 | 月額天引き | 月額手取り | 年間手取り | 手取り率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 400万円 | 約25.0万円 | 約5.2万円 | 約19.8万円 | 約315万円 | 約79% |
| 500万円 | 約31.3万円 | 約7.1万円 | 約24.2万円 | 約390万円 | 約78% |
| 600万円 | 約37.5万円 | 約9.2万円 | 約28.3万円 | 約462万円 | 約77% |
| 700万円 | 約43.8万円 | 約11.9万円 | 約31.9万円 | 約525万円 | 約75% |
| 800万円 | 約50.0万円 | 約15.0万円 | 約35.0万円 | 約595万円 | 約74% |
年収400万円の場合の手取り
年収400万円の場合、月額の額面給与は約25万円(ボーナス年4ヶ月分として計算)です。
月々の天引き額の内訳はおよそ以下のとおりです。
-
健康保険料|約12,500円
-
厚生年金保険料|約23,000円
-
雇用保険料|約1,500円
-
所得税|約5,200円
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住民税|約10,000円
天引き合計は約52,200円となり、月の手取りは約19.8万円です。年間の手取りは約315万円となります。新卒〜経験の浅い薬剤師や、パートから正社員に転向したばかりの方がこの年収帯に該当することが多いです。
年収500万円の場合の手取り
年収500万円の場合、月額の額面給与は約31.3万円です。
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健康保険料|約15,600円
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厚生年金保険料|約28,800円
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雇用保険料|約1,900円
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所得税|約8,600円
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住民税|約16,000円
天引き合計は約70,900円で、月の手取りは約24.2万円です。年間手取りは約390万円になります。調剤薬局で数年の経験を積んだ薬剤師や、病院薬剤師の中堅クラスがこの年収帯にあたります。
年収600万円の場合の手取り
年収600万円になると、月額の額面給与は約37.5万円です。
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健康保険料|約18,700円
-
厚生年金保険料|約34,400円
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雇用保険料|約2,300円
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所得税|約14,000円
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住民税|約23,000円
天引き合計は約92,400円で、月の手取りは約28.3万円です。年間手取りは約462万円です。管理薬剤師や、ドラッグストアで店舗管理を任されている薬剤師に多い年収帯です。
年収700万円以上の場合の手取り
年収700万円の場合、月額の額面給与は約43.8万円です。
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健康保険料|約21,900円
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厚生年金保険料|約40,300円
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雇用保険料|約2,600円
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所得税|約24,000円
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住民税|約30,000円
天引き合計は約118,800円で、月の手取りは約31.9万円です。年間手取りは約525万円になります。
年収700万円を超える薬剤師は、大手ドラッグストアの管理職、製薬企業のMR経験者、または調剤薬局チェーンのエリアマネージャーなどに多い傾向があります。なお、年収800万円では年間手取りは約595万円、年収900万円では約660万円が目安です。
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職場別の手取りの目安

薬剤師の給与は、勤務先の業態によって大きく異なります。ここでは、代表的な4つの職場について、額面月収と手取りの目安を比較します。
| 職場 | 額面月収の目安 | 手取り月収の目安 | 年収の目安 |
|---|---|---|---|
| 調剤薬局 | 約30万円 | 約23〜25万円 | 約450〜550万円 |
| 病院 | 約28万円 | 約21〜23万円 | 約400〜500万円 |
| ドラッグストア | 約33万円 | 約25〜27万円 | 約500〜600万円 |
| 製薬企業・MR | 約35万円以上 | 約27〜30万円 | 約550〜700万円 |
調剤薬局(月収30万円前後→手取り約24万円)
調剤薬局は薬剤師のもっとも一般的な就職先です。医療キャリアナビ掲載求人データによると、調剤薬局で働く薬剤師の正社員月給の平均は約36.2万円、中央値は約36.5万円です。
ただし、この金額にはみなし残業代や薬剤師手当が含まれているケースもあるため、基本給ベースでは30万円前後が目安となります。手取りは約23〜25万円の範囲に収まることが多いです。
調剤薬局は大手チェーンと個人経営で待遇が異なり、大手チェーンでは福利厚生が充実している反面、個人薬局では基本給が高めに設定されていることもあります。
病院(月収28万円前後→手取り約22万円)
病院薬剤師は、調剤薬局と比べると給与水準がやや低い傾向にあります。医療キャリアナビ掲載求人データでは、病院薬剤師の正社員月給の平均は約31.1万円、中央値は約30.1万円です。
基本給ベースでは28万円前後が一般的で、手取りは約21〜23万円が目安です。ただし、夜勤手当や当直手当が加算される場合は、月数万円の上乗せが見込めます。
病院を選ぶメリットは、スキルアップの機会が多く、専門薬剤師やがん専門薬剤師などの資格取得がしやすい点にあります。短期的な手取りよりもキャリアの幅を広げたい方に向いている職場です。
ドラッグストア(月収33万円前後→手取り約26万円)
ドラッグストアは薬剤師の就職先の中でも比較的給与が高い傾向にあります。特に調剤併設型のドラッグストアでは、調剤業務に加えてOTC販売や店舗管理の業務も求められるため、その分月収が上乗せされています。
月額の額面給与は33万円前後が目安で、手取りは約25〜27万円になります。さらに、店長やエリアマネージャーに昇格すると役職手当が加算され、手取りが30万円を超えることも珍しくありません。
製薬企業・MR(月収35万円以上→手取り約28万円)
製薬企業で働く薬剤師やMR(医薬情報担当者)は、医療機関や薬局勤務と比べて給与水準が高い傾向があります。月額の額面は35万円以上が一般的で、手取りは約27〜30万円が目安です。
製薬企業では年間ボーナスが年4〜6ヶ月分支給されるケースもあり、年収ベースではさらに差が広がります。また、住宅手当や社宅制度、家族手当などの福利厚生が充実していることも多く、実質的な可処分所得はさらに高くなります。
ただし、製薬企業への転職は競争が激しく、調剤経験だけでは難しい場合もあります。研究開発やMR経験、英語力などのスキルが求められることが多い点には注意が必要です。
薬剤師の求人を探すボーナスの手取り額

薬剤師にとって、ボーナスは年間の手取りを大きく左右する重要な収入源です。しかし、ボーナスからも各種の税金や社会保険料が差し引かれるため、「思ったより少なかった」と感じることも少なくありません。
ボーナスも税金・社会保険料が引かれる
ボーナス(賞与)にも月給と同様に、所得税・社会保険料・雇用保険料が天引きされます。住民税だけはボーナスからは天引きされません(月給で均等に徴収されているため)。
ボーナスから引かれる項目は以下のとおりです。
- 健康保険料(ボーナス額面×約5%)
- 厚生年金保険料(ボーナス額面×約9.15%)
- 雇用保険料(ボーナス額面×0.6%)
- 所得税(前月の給与と扶養人数に応じた税率で計算)
これらを合計すると、ボーナスから引かれる金額はおおむね額面の20〜25%です。月給より住民税分がない分、天引き割合はやや低くなります。
額面50万円のボーナスで手取りはいくらになるか
薬剤師のボーナスが額面50万円の場合、手取り額をシミュレーションしてみましょう。
健康保険料が約25,000円、厚生年金保険料が約45,750円、雇用保険料が約3,000円で、社会保険料の合計は約73,750円です。所得税は前月の給与額にもよりますが、約30,000〜40,000円が目安です。
その結果、額面50万円のボーナスの手取りは約39〜40万円になります。額面から約10万円以上が引かれる計算です。年間のボーナスが額面100万円であれば、手取りは約78〜80万円が目安です。
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薬剤師の手取りが「少ない」と感じる理由

「国家資格を持っているのに、この手取りは妥当なのか」と疑問を感じる薬剤師は多いです。ここでは、薬剤師が手取りに不満を感じやすい主な理由を4つ解説します。
6年制大学の学費の回収に時間がかかるため
薬剤師になるためには、6年制の薬学部を卒業する必要があります。国公立大学でも6年間の学費は約350万円、私立大学では1,000万円を超えることも珍しくありません。
医師や歯科医師も同じく6年制ですが、これらの職種と比べると薬剤師の初任給は低めです。学費の投資回収に時間がかかることが、手取りを「少ない」と感じる一因です。
同年代の4年制大卒者が社会人経験を2年多く積んでいることも、相対的な不満につながりやすい要因です。
奨学金の返済で実質的な手取りがさらに減るため
6年間の学費を奨学金で賄った場合、卒業後は毎月の返済が発生します。日本学生支援機構の第二種奨学金(有利子)で月8万円を6年間借りた場合、借入総額は約576万円になります。
返済期間を20年とすると、月々の返済額は約2.5〜3万円です。手取りが24万円の場合、奨学金の返済後に使えるお金は21万円前後まで減ってしまいます。新卒〜若手の薬剤師が「手取りが少ない」と感じるもっとも大きな理由の一つです。
新卒2年目に住民税が始まり手取りが下がるため
新卒1年目は住民税が0円のため、手取り額が比較的高く感じられます。しかし、2年目の6月からは前年の所得に基づいた住民税の天引きが始まります。
月収25万円の場合、住民税は月額約1万円前後です。昇給があっても住民税の負担増と相殺されてしまい、「2年目なのに手取りが減った」と感じるケースは非常に多いです。
これは薬剤師に限らずすべての新社会人に共通する現象ですが、「6年間も勉強したのに」という思いがあると、よりストレスを感じやすくなります。
他の医療職(医師・歯科医師)と比較すると見劣りするため
同じ6年制課程を卒業する医師・歯科医師と比べると、薬剤師の年収は明らかに低い水準です。
| 職種 | 平均年収 | 月額手取り目安 |
|---|---|---|
| 医師 | 約1,436万円 | 約75〜85万円 |
| 歯科医師 | 約810万円 | 約42〜48万円 |
| 薬剤師 | 約580万円 | 約28〜32万円 |
| 看護師 | 約508万円 | 約25〜28万円 |
参考:厚生労働省 令和6年賃金構造基本統計調査
同じ医療国家資格を持つ仲間と比較してしまうと、どうしても「割に合わない」と感じやすくなります。ただし、勤務時間の安定性やワークライフバランスの面では、薬剤師が優位に立つ場面もあります。
手取りの絶対額だけでなく、労働時間あたりの対価として考えることも大切です。
手取りを増やす方法

手取りが少ないと感じている薬剤師でも、いくつかの方法で実質的な手取りを増やすことが可能です。ここでは、年収アップの方法と節税テクニックの両面からアプローチします。
年収そのものを上げる(管理薬剤師・転職・ダブルライセンス)
手取りを増やすもっとも直接的な方法は、年収自体を上げることです。
管理薬剤師になると、管理薬剤師手当として月2〜5万円の上乗せが見込めます。また、現在の職場の給与に不満がある場合は、転職によって年収50〜100万円アップを実現できるケースもあります。
さらに、ケアマネジャーや認定薬剤師・専門薬剤師などの資格を追加取得する「ダブルライセンス」も有効な手段です。転職のタイミングや職場選びを工夫するだけで、手取りが月3〜5万円増えることもあります。
ふるさと納税で実質的な手取りを増やす
ふるさと納税は、実質2,000円の自己負担で各地の返礼品を受け取れる制度です。寄付した金額は翌年の住民税から控除されるため、直接的に手取りが増えるわけではありませんが、返礼品の分だけ「実質的な可処分所得」が増えます。
年収500万円の独身薬剤師の場合、ふるさと納税の上限額は約6万円前後です。返礼品の還元率は寄付額の30%が上限とされているため、約1.8万円相当の食品や日用品を実質2,000円で入手できる計算になります。
ワンストップ特例制度を使えば確定申告は不要で、5自治体まで簡単に手続きできます。まだ活用していない方は、ぜひ検討してみてください。
iDeCo(個人型確定拠出年金)で所得控除を受ける
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、掛金の全額が所得控除の対象になる制度です。掛金分だけ課税所得が下がるため、所得税と住民税の両方が軽減されます。
企業年金のない会社に勤めている場合、月額の上限は23,000円(年間276,000円)です。年収500万円の薬剤師がiDeCoに月23,000円拠出すると、所得税と住民税の合計で年間約55,000円の節税効果が見込めます。
注意点として、原則60歳まで引き出せない点があります。しかし、老後資金の準備と節税を同時に実現できるため、長期的に手取りを増やしたい方にはおすすめです。
扶養控除・住宅ローン控除などの各種控除を活用する
税金の計算で使える控除は他にも数多くあります。
- 配偶者控除・配偶者特別控除(配偶者の年収に応じて適用)
- 扶養控除(16歳以上の家族を扶養している場合)
- 住宅ローン控除(住宅購入から最長13年間、ローン残高の0.7%を税額控除)
- 生命保険料控除(年間最大12万円の所得控除)
- 医療費控除(年間の医療費が10万円を超えた場合)
特に住宅ローン控除は効果が大きく、年収500万円の薬剤師が3,000万円のローンを組んだ場合、初年度は約21万円の税額控除が受けられます。これらの控除を適切に申告するだけで、年間の手取りが数万〜数十万円変わることもあります。
薬剤師の求人を探す求人票から手取りを読み解く方法

転職を検討する際に、求人票の給与情報を正しく理解することは極めて重要です。額面給与の内訳を把握しておかないと、「転職したのに手取りが下がった」という事態にもなりかねません。
「月給○万円」に含まれる手当の内訳を確認する
求人票に「月給35万円」と書かれていても、その内訳は企業によって大きく異なります。
- 基本給はいくらか
- 薬剤師手当は別途支給か、基本給に含まれているか
- 通勤手当は上限があるか
- 住宅手当や家族手当は支給されるか
基本給が低く、手当で月給を上乗せしている求人は要注意です。ボーナスは基本給をベースに計算されることが多いため、基本給が低いとボーナスも少なくなります。
月給が同じ35万円でも、基本給25万円+手当10万円の場合と、基本給30万円+手当5万円の場合では、年間のボーナス差は数十万円に及ぶこともあります。
みなし残業代(固定残業代)が含まれていないか注意する
近年、薬剤師の求人でも「固定残業代○時間分を含む」という表記を見かけることが増えています。たとえば「月給36万円(固定残業代20時間分5万円を含む)」という求人の場合、実質的な基本給は31万円です。
固定残業代が含まれている場合、想定される残業時間を超えなければ残業代は追加されません。つまり、残業が多くなるほど、時給換算した場合の月給は低くなるケースがあります。
一方で、残業せずに退勤可能であった場合は、残業をしていなくても固定残業分の賃金は支払われるため、お得に感じるかもしれません。
求人票を見る際は「月給○万円」の横に小さく記載されている固定残業代の有無と時間数を必ず確認しましょう。
社会保険完備かどうかで手取りが変わる
「社会保険完備」とは、健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険の4つすべてに加入している状態を指します。医療キャリアナビ掲載求人データによると、薬剤師求人の97%が社会保険完備です。
しかし、ごく一部の小規模薬局では社会保険に未加入のケースもあります。社会保険未加入の職場では、国民健康保険と国民年金に自分で加入する必要があり、負担額が増える可能性があります。
厚生年金は会社が保険料の半額を負担してくれるため、同じ額面でも厚生年金加入の方が実質的な手取りメリットは大きくなります。将来の年金受給額にも差が出るため、社会保険の加入状況は転職先を選ぶうえで必ず確認すべきポイントです。
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まとめ
薬剤師の手取りは、額面給与の約75〜80%が目安です。年収500万円であれば月の手取りは約24万円、年収600万円であれば約28万円が一般的な水準となります。
職場別に見ると、ドラッグストアや製薬企業は比較的手取りが高い一方、病院薬剤師はスキルアップの機会と引き換えに手取りがやや低くなる傾向があります。
手取りを増やすには、管理薬剤師への昇格や転職による年収アップに加えて、ふるさと納税やiDeCoなどの節税策を組み合わせることが効果的です。また、転職時には求人票の月給内訳や固定残業代の有無を必ず確認し、実際の手取りをシミュレーションしたうえで判断しましょう。
今の手取りに不満がある方は、まずは自分の給与明細を見直すところから始めてみてください。天引きの内訳を理解し、活用できる控除がないか確認するだけでも、手取りを改善できる可能性があります。
よくある質問
薬剤師の手取りは月いくらが平均ですか?
薬剤師の平均的な手取りは月約28〜32万円です。ただし、職場や経験年数、勤務地によって大きく異なります。調剤薬局で約23〜25万円、病院で約21〜23万円、ドラッグストアで約25〜27万円が目安です。
薬剤師の手取りが少ないと感じたらどうすればいいですか?
まず給与明細を確認し、天引きの内訳を把握しましょう。そのうえで、ふるさと納税やiDeCoなどの節税策を活用するのが手軽な方法です。根本的に手取りを増やしたい場合は、管理薬剤師への昇格や、より給与水準の高い職場への転職を検討するのがおすすめです。
薬剤師のボーナスの手取りはどれくらいですか?
ボーナスの手取りは額面の約75〜80%が目安です。額面50万円のボーナスの場合、社会保険料と所得税が差し引かれて手取りは約39〜40万円になります。住民税はボーナスからは天引きされません。
薬剤師の年収500万円だと手取りはいくらですか?
年収500万円(独身・扶養なし)の場合、月の手取りは約24万円前後、年間の手取りは約390万円が目安です。手取り率はおよそ78%になります。扶養家族がいる場合は控除が増えるため、手取り率はやや上がります。
求人票の月給から手取りを計算するにはどうすればいいですか?
求人票に記載されている月給に0.75〜0.8を掛けると、おおよその手取りが計算できます。ただし、固定残業代が含まれていないか、基本給と手当の内訳はどうなっているかを確認することが重要です。基本給が低い求人はボーナスも少なくなる傾向があります。





