看護師の資格手当の相場はいくら?資格別の金額と支給の実態をチェック
看護師として働くなかで、「資格を取れば手当はどのくらい増えるのか」「同僚と資格手当に差があるのはなぜか」と気になる方は多いのではないでしょうか。
資格手当は基本給とは別に支給される手当で、看護師免許そのものに付く場合と、専門看護師・認定看護師といった上位資格に付く場合があります。ただし金額や支給の有無は勤務先によって大きく異なり、思ったほど収入に反映されないこともあります。
この記事では、看護師の資格手当の相場を資格別に整理し、金額を左右する要因や、資格手当が支給されない職場の実態、資格手当以外で収入を上げる方法までわかりやすく解説します。これから資格取得や転職を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
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看護師の資格手当とは?

資格手当とは、特定の資格を持っていることに対して、基本給とは別に毎月支給される加算金のことです。
看護師の場合、大きく分けて2つの種類があります。ひとつは看護師免許そのものに対する手当で、「資格手当」「免許手当」「看護師手当」などの名称で支給されます。
もうひとつは専門看護師や認定看護師といった上位資格に対する手当で、免許への手当に上乗せされる形で支給されます。
資格手当の2種類
資格手当は毎月の給与に上乗せされるのが一般的ですが、手当という独立した形ではなく、基本給そのものに資格分を組み込んでいる職場もあります。そのため、給与明細に「資格手当」という項目がなくても、資格が評価されていないとは限りません。
また、同じ資格でも勤務先によって金額や支給の有無が変わるため、相場はあくまで目安として捉えることが大切です。この記事では、まず免許への手当、次に上位資格への手当という順番で、それぞれの相場を見ていきます。
資格手当は「毎月の給与に上乗せされる固定的な手当」が基本ですが、賞与(ボーナス)や昇給の査定に反映される形で還元される職場もあります。
今のあなたの状況は?
看護師免許への資格手当の相場

まずは、看護師免許そのものに対する資格手当の相場を確認します。看護師免許への資格手当は、金額を定めた公的な統計はなく、勤務先ごとに設定が大きく異なるのが実情です。「資格手当」として独立して支給する職場もあれば、基本給に組み込んでいる職場もあります。
そこで、ここでは金額の目安をつかむために、医療キャリアナビに掲載されている求人の月給データもあわせて紹介します。正看護師と准看護師では、免許の違いによって給与水準にも差が出る傾向があります。
- 正看護師は訪問看護の月給が高め(平均 約32万2,000円)
- 病院は約29万6,000円、クリニックは約28万7,000円(正看護師の平均月給)
- 准看護師も訪問看護が高水準(平均 約32万1,000円)
正看護師の相場
正看護師は、国家資格である看護師免許を持つ職種です。求人を見ると、看護師免許への資格手当を独立した項目として設けている職場と、基本給に含めている職場の両方があります。
医療キャリアナビ掲載の求人データ(2026年時点)では、正看護師の月給は中央値で約29万2,000円、平均で約29万5,000円となっています。この月給には基本給に加えて各種手当が含まれており、看護師免許への資格手当もこの一部として反映されているケースが多く見られます。
資格手当を独立して支給する場合、その金額は数千円から2万円程度まで職場によって幅があります。金額だけでなく、手当として明示されているか基本給に組み込まれているかという点も、給与を比較する際に確認しておきたいポイントです。
准看護師の相場
准看護師は、都道府県知事が交付する免許を持つ職種で、国家資格である正看護師とは免許の種類が異なります。一般的に、准看護師の資格手当は正看護師よりも低めに設定される傾向があります。
医療キャリアナビ掲載の求人データ(2026年時点)では、准看護師の月給は中央値で約28万7,000円、平均で約29万円となっています。正看護師と比べると月給で数千円程度の差が見られ、この差には免許の種類による評価の違いも影響していると考えられます。
ただし、訪問看護やクリニックなど、施設の種類によって給与水準は変わります。准看護師として収入アップを目指す場合は、正看護師資格の取得を検討するほか、手当が手厚い職場を選ぶという方法もあります。
看護師の求人を探す専門資格別の資格手当の相場

看護師免許への手当に加えて、専門看護師・認定看護師・特定行為研修修了者といった上位資格には、別途資格手当が支給されることがあります。これらは高度な知識や技術を証明する資格であり、免許への手当よりも金額が高く設定される傾向があります。
ここでは、日本看護協会の調査をもとに、専門看護師と認定看護師の資格手当の平均額を見ていきます。あわせて、近年注目されている特定行為研修修了者についても解説します。
専門看護師
専門看護師は、特定の専門看護分野において水準の高い看護を実践できると認められた看護師です。資格取得には大学院修士課程の修了が必要で、看護師のキャリアのなかでも高度な資格に位置づけられます。
日本看護協会の調査によると、専門看護師に対する資格手当の平均額は月額1万1,279円です。後述する認定看護師よりも高く設定されており、取得までの負担が大きいぶん、手当にも反映されやすい資格といえます。
専門看護師になるための流れや費用については、以下の記事で詳しく解説しています。
認定看護師
認定看護師は、特定の看護分野において熟練した看護技術と知識を持つと認められた看護師です。専門看護師と並ぶキャリアアップの選択肢で、現場での実践力を高めたい看護師に選ばれています。
日本看護協会の調査では、認定看護師に対する資格手当の平均額は月額8,530円となっています。専門看護師よりはやや低い金額ですが、毎月の給与に上乗せされることを考えると、長期的には収入に与える影響は小さくありません。
特定行為研修修了者
特定行為研修修了者とは、医師の手順書に基づいて一定の医療行為(特定行為)を実施できるよう、所定の研修を修了した看護師です。厚生労働省の特定行為に係る看護師の研修制度では、38の特定行為が21の区分に整理されています。
特定行為研修修了者に対する資格手当は、制度として全国一律に定められているわけではなく、勤務先が独自に設定しています。手当という形ではなく、役割の拡大や評価・昇進という形で処遇に反映される場合もあります。
今後、地域医療を支える人材として需要が高まると見込まれており、待遇面での評価も広がっていくと考えられます。
参考:公益社団法人日本看護協会「2022年度 専門看護師・認定看護師に対する評価・処遇に関する調査結果」 / 厚生労働省「特定行為に係る看護師の研修制度」
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資格手当の金額を左右する要因

ここでは、金額を左右する代表的な3つの要因を解説します。転職や職場選びの際に、どこを確認すればよいかの参考にしてください。
勤務先の規模
一般的に、大学病院や総合病院など規模の大きい施設ほど、手当の体系が整備されている傾向があります。資格ごとの手当が就業規則や給与規程に明記されており、専門看護師・認定看護師への手当が設けられているケースも多く見られます。
一方、クリニックや小規模の施設では、資格手当の項目自体がなかったり、基本給に含めて支給されたりすることもあります。規模が小さいから不利とは限りませんが、手当の有無や金額は事前に確認しておくと安心です。
地域
資格手当そのものではありませんが、勤務地によって地域手当が加算されることがあり、結果として手取りに差が出ます。
都市部では物価や人件費の水準に合わせて給与が高めに設定される一方、地方では基本給や手当がやや抑えられる傾向があります。
ただし、地方でも人材確保のために手当を手厚くしている職場もあります。地域だけで判断せず、個別の求人で給与の内訳を比較することが大切です。
施設の給与体系
資格手当の扱い方は、施設の給与体系によって大きく変わります。
資格手当を独立した項目として支給する「手当型」と、資格分を基本給に組み込む「基本給組込み型」があり、どちらを採用しているかで給与明細の見え方が変わります。
給与体系の2タイプ比較
| 比較軸 | 手当型 | 基本給組込み型 |
|---|---|---|
| 特徴 | 明示 資格手当を給与明細に独立した項目として記載・支給する |
組込み 資格評価を基本給の水準に上乗せする形で反映する |
| メリット | 手当額が可視化されており、取得した資格の評価が数字で確認できる | 基本給が高いほど賞与の算定基礎も上がるため、年収ベースで有利になりやすい |
| 注意点 | 賞与は基本給連動の場合が多く、手当額は賞与算定に含まれないことがある | 給与明細上に資格手当の項目が出ないため、資格が評価されているか外から見えにくい |
| 求人票での確認方法 | 「資格手当○○円」と内訳が明記されていれば手当型 | 基本給の幅が広い・「経験・資格考慮」と記載されている場合は組込み型の可能性大 |
| 総額比較のポイント | 月給の内訳より「基本給+手当の合計」「賞与月数と算定基礎」をセットで比べることが重要 | |
※賞与への影響は施設の規定によって異なる。内定前に賞与算定基礎の内訳を確認するとよい。
給与を比較する際は、手当の金額だけでなく、基本給と手当を合わせた総額で見ることが重要です。
手当が少なく見えても、基本給に資格分が含まれていれば、賞与への反映を通じて年収では有利になることもあります。
資格手当は支給されない職場も多い

ここまで資格別の相場を紹介してきましたが、注意したいのは、資格手当がすべての職場で支給されるわけではないという点です。資格を取れば自動的に手当が増えると考えていると、期待とのギャップを感じることがあります。
日本看護協会の調査によると、資格手当を支給している施設は専門看護師で3〜4割程度、認定看護師で約4割にとどまっています。つまり、高度な資格を取得しても、勤務先によっては手当という形で支給されないことも珍しくありません。
ただし、手当がないからといって資格が評価されていないわけではありません。基本給への組み込み、昇進・昇格、賞与査定への反映など、手当以外の形で還元される場合もあります。資格取得を検討する際は、手当の金額だけでなく、キャリア全体への影響という視点で考えることが大切です。
上位資格手当の支給施設割合
資格手当を支給している施設の割合
資格を持っていても、手当を支給していない施設が半数以上を占めます。
参考:公益社団法人日本看護協会「2022年度 専門看護師・認定看護師に対する評価・処遇に関する調査結果」
転職活動するなら?
資格手当以外で収入を上げる方法

資格手当は収入を増やす手段のひとつですが、金額には限りがあり、職場によっては支給されないこともあります。
資格手当だけに頼らず、ほかの方法もあわせて検討することで、収入アップにつなげやすくなります。ここでは代表的な3つの方法を紹介します。
資格手当以外の収入アップ手段(3つ)
夜勤・オンコールなどの勤務手当
看護師の収入を大きく左右するのが、夜勤手当やオンコール手当といった勤務に伴う手当です。これらは資格に関係なく支給され、回数によっては資格手当を上回る金額になることもあります。
夜勤の回数や1回あたりの手当額は、収入を考えるうえで見逃せないポイントです。夜勤手当の相場や仕組みについては、以下の記事で詳しく解説しています。
役職への昇進
主任や看護師長などの役職に就くと、役職手当が支給されます。役職手当は資格手当よりも金額が大きいことが多く、収入アップの効果が期待できます。経験を積み、マネジメントの役割を担うことは、長期的な収入の底上げにつながります。
役職への昇進には、現場での実績やリーダーシップに加えて、専門看護師・認定看護師などの資格が評価されることもあります。資格取得とキャリアアップを組み合わせて考えると、収入面でもプラスに働きやすくなります。
手当が充実した職場への転職
現在の職場で資格手当が支給されていない、あるいは金額が低いと感じる場合は、手当が充実した職場への転職も選択肢のひとつです。同じ資格でも、職場によって手当の有無や金額、給与体系は大きく異なります。
転職を検討する際は、基本給と各種手当を合わせた総額や、賞与・昇給の仕組みまで含めて比較することが大切です。求人情報だけでは判断しにくい点は、転職エージェントなどを活用して確認するとよいでしょう。
参考:公益社団法人日本看護協会「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査」
看護師の求人を探す看護師の資格手当に関するよくある質問

最後に、看護師の資格手当についてよく寄せられる質問にお答えします。資格取得や転職を考える際の参考にしてください。
資格手当は基本給に含まれることもある?
含まれることがあります。資格手当を独立した項目として支給せず、資格分を基本給に組み込んでいる職場もあります。この場合、給与明細に「資格手当」という項目はありませんが、基本給に反映されているため、賞与や昇給の算定基礎に含まれやすいというメリットもあります。
給与を比較するときは、手当の有無だけでなく、基本給と手当を合わせた総額で確認することが大切です。
資格を取れば必ず手当はもらえる?
必ずもらえるとは限りません。日本看護協会の調査でも、専門看護師・認定看護師に資格手当を支給している施設は3〜4割程度にとどまっています。
資格手当の有無は勤務先の方針によって異なるため、資格取得を検討する際は、手当だけでなく昇進や賞与への反映など、処遇全体で評価される仕組みも確認しておくと安心です。
資格手当はボーナスに影響する?
職場の給与体系によって変わります。資格分が基本給に組み込まれている場合は、ボーナスが基本給をもとに計算されるため、賞与にも反映されやすくなります。一方、独立した資格手当として支給されている場合は、賞与の算定に含まれないこともあります。
ボーナスへの影響を知りたい場合は、賞与の計算方法を確認するとよいでしょう。看護師のボーナスの仕組みについては、以下の記事もあわせてご覧ください。
まとめ
看護師の資格手当には、看護師免許そのものへの手当と、専門看護師・認定看護師などの上位資格への手当があります。日本看護協会の調査では、資格手当の平均額は専門看護師で月額1万1,279円、認定看護師で月額8,530円となっており、上位資格ほど手当が高い傾向があります。
一方で、資格手当を支給している施設は専門看護師・認定看護師ともに3〜4割程度にとどまり、資格を取れば必ず手当が増えるとは限りません。手当がなくても、基本給への組み込みや昇進・賞与への反映という形で還元される場合もあるため、手当の金額だけで判断しないことが大切です。
収入を上げたい場合は、資格手当に加えて、夜勤手当や役職手当、手当が充実した職場への転職もあわせて検討するとよいでしょう。自分のキャリアプランに合った選択をするために、まずは求人の給与内訳を比較するところから始めてみてください。





