失業手当の受給期間はいつまで?所定給付日数との違いと延長できる条件
失業手当の受給期間は、原則として離職日の翌日から1年です。 「退職したら少し休んでから手続きしよう」と考えていると、もらえるはずの日数が残っているのに期限切れになることがあります。
この記事では、失業手当の受給期間と所定給付日数の違い、退職理由別の給付日数、病気や出産で受給期間を延長できる条件を紹介します。
お申し込みを受け付けました
以下からひな形と見本をダウンロードできます。
失業手当の受給期間は原則1年

失業手当(雇用保険の基本手当)を受け取れる期間を「受給期間」といい、原則として離職日の翌日から1年間です。 この1年の間に、失業している日について所定の日数分を受け取る仕組みです。
受給期間の数え方
受給期間は、ハローワークで手続きをした日ではなく、離職日の翌日から数え始めます。 退職後すぐに手続きをしても、半年後に手続きをしても、期限の日は変わりません。
ただし、所定給付日数が長い一部の人は、受給期間が1年より少し長く設定されています。
| 対象 | 受給期間 |
|---|---|
| 下記以外の人 | 1年 |
| 特定受給資格者で45歳以上60歳未満・加入20年以上(所定給付日数330日) | 1年+30日 |
| 就職困難者で45歳以上65歳未満・加入1年以上(所定給付日数360日) | 1年+60日 |
公務員は扱いが異なります。 国や自治体に雇われている職員(保健所や自治体が運営する公立病院の職員など)は、退職手当などの内容が失業手当を上回る場合、雇用保険の対象外です。
公立病院でも運営形態によって扱いが変わるため、給与明細で雇用保険料が引かれているかを確認しておきましょう。
受給期間を過ぎるとどうなる?
受給期間が終わると、所定給付日数が残っていても、残りの日数分は受け取れません。 手続きが遅れた日数分を後から取り戻す仕組みはないため、退職後に再就職を考えているなら、早めにハローワークで求職の申込みをするのが無難です。
離職票の受け取りなど、退職時に必要な手続き全般は以下の記事で紹介しています。
体調不良や出産などですぐに働けない場合は、期限を後ろにずらす「受給期間の延長」が使えます(後述の「受給期間を延長できる条件」で紹介します)。
手続きした日からじゃなくて、辞めた次の日から1年なんだ!
参考:ハローワークインターネットサービス「よくあるご質問(雇用保険について)」 / e-Gov法令検索「雇用保険法」
受給期間と所定給付日数の違い

「失業手当はいつまで、何日もらえるか」には、受給期間と所定給付日数という2つの決まりが関わります。 名前が似ていますが、意味はまったく別物です。
受給期間は受け取れる期限
受給期間は、失業手当を受け取れる「期限」です。 離職日の翌日から1年という枠で、この枠を過ぎた日の分は支給されません。
所定給付日数は受け取れる日数
所定給付日数は、1回の離職で受け取れる「日数の上限」です。 退職理由・離職時の年齢・雇用保険に入っていた期間によって、90日〜360日の間で決まります。
たとえば、雇用保険に入っていた期間が15年で自己都合退職した場合、所定給付日数は120日です。
30秒でかんたん登録!
無料で応募書類テンプレをプレゼント
両方を満たさないと受け取れない理由
失業手当は「受給期間(1年)の中にある、失業している日」について、所定給付日数を上限に支給されます。 つまり、1年の枠の中に、待期期間・給付制限・所定給付日数がすべて収まっていないと、はみ出した分は受け取れません。
所定給付日数が120日あっても、受給期間が残り2か月しかなければ受け取れるのは最大でも2か月分です。日数よりも先に期限を確認しておきましょう。
「何日もらえるか」と「いつまでもらえるか」は別ってことだね
参考:ハローワークインターネットサービス「よくあるご質問(雇用保険について)」
退職理由と年齢・加入期間別の所定給付日数

所定給付日数は、退職理由によって4つの区分に分かれます。 同じ勤続年数でも、自己都合か会社都合かで日数が大きく変わります。
自己都合退職(一般の離職者)の場合
転職やキャリアアップのために自分から辞めた場合は「一般の離職者」として扱われます。 年齢に関係なく、雇用保険に入っていた期間だけで日数が決まります。
会社都合退職(特定受給資格者)の場合
倒産や解雇など、会社側の事情で離職した人は「特定受給資格者」です。 次のような離職も特定受給資格者に当たります。
- 勤務先の倒産・事業所の廃止(閉院など)
- 解雇(本人の重大な責任による解雇を除く)
- 退職勧奨(退職するよう勧められた)
- 離職前6か月のうちに、連続3か月で月45時間を超える時間外労働があった
- 上司・同僚からのいじめや嫌がらせ
- 賃金が予見できない形で85%未満に下がった
特定受給資格者は、年齢と加入期間の組み合わせで90日〜330日と、一般の離職者より日数が長くなります。
| 年齢\加入期間 | 1年未満 | 1年以上5年未満 | 5年以上10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 |
|---|---|---|---|---|---|
| 30歳未満 | 90 | 90 | 120 | 180 | ― |
| 30歳以上35歳未満 | 90 | 120 | 180 | 210 | 240 |
| 35歳以上45歳未満 | 90 | 150 | 180 | 240 | 270 |
| 45歳以上60歳未満 | 90 | 180 | 240 | 270 | 330 |
| 60歳以上65歳未満 | 90 | 150 | 180 | 210 | 240 |
特定理由離職者の場合
「特定理由離職者」は、自己都合ではあるものの、やむを得ない事情がある人です。 大きく2つのタイプがあり、所定給付日数の扱いが違います。
-
契約更新を希望したのに更新されなかった人(雇止め)離職日が2027年3月31日までなら、特定受給資格者と同じ日数
-
正当な理由のある自己都合で辞めた人一般の離職者と同じ日数(給付制限はなし)
正当な理由には、病気やけがで働けなくなった、家族の介護が必要になった、結婚に伴う転居や配偶者の転勤で通勤できなくなった、などが当てはまります。 特定理由離職者は、離職前1年間に雇用保険の加入期間が6か月以上あれば受給資格を得られます。
条件にあった求人を探してもらう就職困難者の場合
障害のある人など、就職が特に難しいと認められた人は「就職困難者」として、日数が最も長く設定されています。
-
加入期間1年未満150日(年齢を問わない)
-
加入期間1年以上・45歳未満300日
-
加入期間1年以上・45歳以上65歳未満360日
退職理由は離職票に書かれるから、受け取ったら内容を確認してね
参考:ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」 / ハローワークインターネットサービス「よくあるご質問(雇用保険について)」
受給が始まるまでの期間

ハローワークで手続きをしても、すぐに失業手当が振り込まれるわけではありません。 受給期間の1年には、支給が始まるまでの期間も含まれます。
7日間の待期期間
離職票の提出と求職の申込みをした日(受給資格決定日)から通算7日間は「待期期間」で、失業手当は支給されません。 待期期間は退職理由に関係なく、全員にあります。
自己都合退職の給付制限
正当な理由のない自己都合で辞めた場合は、待期期間のあとにさらに支給されない期間(給付制限)があります。
2025年4月1日以降に離職した人は、給付制限が原則1か月に短くなりました。 さらに、2025年4月1日以降に受講を始めた教育訓練給付の対象講座や公共職業訓練などを、離職日前1年以内に受けた人、または離職日以後に受ける人は、給付制限が解除されます。
初回の振込時期
給付制限がない人の場合、初めて失業手当が振り込まれるのは、求職の申込みから約1か月後(初回の失業認定日の約1週間後)です。
給付制限1か月の自己都合退職では、給付制限が明けたあとの認定日を経て振り込まれるため、手続きからおよそ2か月後が目安になります。
30秒でかんたん登録!
無料で応募書類テンプレをプレゼント
退職後しばらく収入がない期間ができるため、生活費の準備もあわせて考えておきましょう。
最初の振込まで意外と時間がかかるんだね…
参考:ハローワークインターネットサービス「よくあるご質問(雇用保険について)」 / 厚生労働省「雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ」
受給期間を延長できる条件

受給期間の延長は、所定給付日数を増やす制度ではなく、1年の期限を後ろにずらす制度です。 病気・出産・介護などで引き続き30日以上働けない場合、働けない日数分を受給期間に足すことができ、最長で4年(本来の1年+3年)まで延ばせます。
| 延長の理由 | 延ばせる期間 | 申請の期限 |
|---|---|---|
| 病気・けが | 最長3年 | 延長後の受給期間の最後の日まで30日続いた翌日以降、早めが原則 |
| 妊娠・出産・育児 | 最長3年育児は子が3歳未満の間 | |
| 親族の介護など | 最長3年 | |
| 60歳以上の定年など | 最長1年 | 離職日の翌日から2か月以内 |
延長の申請は、働けない状態が30日続いた日の翌日以降、早めにするのが原則です。 延長後の受給期間の最後の日までなら申請できますが、申請が遅いと所定給付日数をすべて受け取れない可能性があります。
申請はハローワークへの来所のほか、郵送や代理人でもできます。
病気やけがで働けない場合
体調を崩して退職した場合は、まず治療に専念し、受給期間を延長しておく流れが一般的です。 失業手当は「いつでも働ける状態」であることが条件なので、健康保険の傷病手当金と失業手当は同時に受け取れません。
- 退職後は傷病手当金(健康保険)で療養する
- 働けない状態が30日続いたら、ハローワークで受給期間の延長を申請する
- 働けるようになったら求職の申込みをして、失業手当に切り替える
傷病手当金を受けている期間も、受給期間延長の対象です。 休職中や退職後の傷病手当金の条件は、以下の記事で紹介しています。
妊娠・出産・育児の場合
妊娠・出産・育児ですぐに働けない場合も延長できます。 育児を理由にする場合は、子どもが3歳未満の期間が対象です。
妊娠・出産・育児で離職して受給期間の延長を受けた人は、特定理由離職者として扱われるため、給付制限はかかりません。
- 延長申請は30日働けない状態が続いたら早めに
- 離職票は延長申請にも使うので手元に保管
- 郵送・代理人でも申請できるので体調優先で
家族の介護の場合
親族の介護などのために退職し、すぐに働けない場合も延長の対象です。 申請時には、延長理由を確認できる書類が必要になるため、事前に管轄のハローワークで確認しておくとスムーズです。
60歳以上の定年退職の場合
60歳以上で定年などにより退職し、しばらく休んでから仕事を探したい場合は、最長1年受給期間を延ばせます。 病気や出産による延長とは期限が異なり、離職日の翌日から2か月以内に申請しなければなりません。 この期間を過ぎた申請は原則として認められないため、定年前から準備しておきましょう。
条件にあった求人を探してもらう参考:兵庫労働局「受給期間の延長手続き」 / ハローワークインターネットサービス「よくあるご質問(雇用保険について)」
受給期間が残り少ないときの注意点

退職から時間がたってから手続きをする場合や、受給中に認定日を逃した場合は、期限との兼ね合いで受け取れる日数が減ることがあります。
手続きが遅れると受け取れない日数が出る
求職の申込みが大幅に遅れると、待期期間・給付制限を過ぎた時点で受給期間が少ししか残っていないことがあります。 自己都合退職で所定給付日数120日の人が、離職から9か月後に手続きした場合を試算すると、次のようになります。
この例では、120日のうち半分以下の日数分しか受け取れません。 受給期間の満了日は、受給資格者証で確認できます。 退職からすでに時間がたっている人は、残りの期間を確認したうえで、できるだけ早くハローワークに行きましょう。
失業認定日に行けない場合
失業手当は、原則4週間に1回の失業認定日にハローワークで認定を受けた日数分が支給されます。 やむを得ない理由がなく認定日に行かなかった場合、前回の認定日から今回の認定日までの期間は認定されず、その期間の失業手当は支給されません。
認定されなかった日数は所定給付日数から差し引かれず、受給期間内であれば後で受け取れます。 ただし受給期間の終わりが近いと、持ち越した日数を受け取りきれないまま期限を迎えることがあります。
受給中にアルバイトや副業をした日も、認定日に申告が必要です。
認定日を1回逃しただけで支給が遅れるのは痛いなあ
参考:ハローワークインターネットサービス「よくあるご質問(雇用保険について)」 / 大阪労働局 ハローワーク大阪東「雇用保険(失業等給付)受給に関するQ&A」
まとめ
失業手当の受給期間は、原則として離職日の翌日から1年です。 所定給付日数は「何日分もらえるか」、受給期間は「いつまでにもらうか」で、両方の枠の中でしか受け取れません。
- 受給期間は手続き日ではなく離職日の翌日から数える
- 所定給付日数は退職理由・年齢・加入期間で90日〜360日
- 自己都合退職の給付制限は2025年4月以降の離職で原則1か月
- 病気・出産・介護で30日以上働けないときは受給期間を最長4年まで延長できる
- 60歳以上の定年退職による延長は離職日の翌日から2か月以内に申請
退職したら、まず離職票を受け取り、すぐに働けるならハローワークで早めに求職の申込みをしましょう。 療養や出産で休む予定なら、受給期間の延長を申請しておくと、働けるようになってから失業手当を受け取れます。


