褥瘡の好発部位|体位別にできやすい場所と観察のポイント
褥瘡(じょくそう)は、体の一部が長時間圧迫されて血流が滞り、皮膚や皮下組織が損傷した状態です。
できやすい場所には明確な傾向があり、体位によって圧のかかる部位が変わります。
褥瘡ができやすい部位の特徴
褥瘡は、皮膚のすぐ下に骨がある「骨突出部」にできやすいのが特徴です。
- 骨突出が目立ち、皮下脂肪や筋肉のクッションが少ない(やせ型)
- 高齢で皮膚が菲薄化している、低栄養状態にある
- 寝たきり・鎮静中などで、自力で体位を変えられない
- 知覚障害や麻痺があり、圧迫による痛みや違和感を訴えられない
- 失禁・発汗が多く、皮膚が湿潤しやすい
- ギャッチアップや移乗の際に「ずれ」が生じやすい
圧迫だけでなく、ベッドギャッチアップ時などに生じる「ずれ」や、失禁・発汗による「湿潤」が加わると、より短時間で損傷が進みます。次のような条件が重なる患者さんは、とくにリスクが高いと考えて観察します。
褥瘡は「骨が出っ張り、皮膚と骨の間にクッション(筋肉・脂肪)が少ない場所」にできやすくなります。やせている人や高齢者は骨突出が目立ち、リスクが高まります。
体位別の好発部位

仰臥位で最も注意したいのは仙骨部です。
褥瘡が最もできやすい部位の一つで、圧迫に加えてずれや湿潤も加わりやすいため、重点的に観察します。
座位でも骨盤が後傾すると仙骨部に圧が移るため、車椅子上の姿勢にも注意が必要です。
とくに注意したい部位
好発部位のなかでも、発生頻度が高く、ケアの重点になる部位があります。
| 部位 | 注意点 |
|---|---|
| 仙骨部 | 仰臥位で最も好発。排泄物による湿潤・汚染に注意 |
| 踵骨部(かかと) | 接地面が狭く圧が集中。クッションで浮かせる |
| 大転子部 | 側臥位で好発。真横より30度側臥位で圧を分散 |
| 坐骨結節部 | 座位で好発。長時間の座りっぱなしに注意 |
医療機器(酸素マスク、チューブ、弾性ストッキング、点滴ルートなど)が皮膚を圧迫して生じる「医療関連機器圧迫創傷(MDRPU)」もあります。骨突出部以外にも、機器が当たる部位の観察が必要です。
機器が当たる部位は衣類や固定具に隠れて見えにくく、発見が遅れがちです。装着部位を定期的に外して観察する、固定位置をずらす、クッション材を挟むといった対策を取り入れましょう。
褥瘡を防ぐための観察・ケアのポイント
- 好発部位の皮膚の発赤・色調・熱感・硬さを観察する
- 発赤を押して白くなるか確認する(消退しない発赤は褥瘡の初期サイン)
- 定期的に体位変換を行い、同じ部位への圧迫を避ける
- 側臥位は30度を目安にし、大転子への直接の圧を減らす
- 踵は浮かせて圧を逃がす
- 皮膚の湿潤(汗・排泄物)を避け、清潔・乾燥を保つ
- 体圧分散マットレスやクッションを活用する
印刷して活用しよう
体位別の好発部位、重点的に観察したい部位、予防ケアのチェックリストを1枚にまとめた資料を用意しました。
ナースステーションやベッドサイドに掲示したり、新人指導の資料として配布したりと、すぐに確認できる形で活用できます。
褥瘡の好発部位
仰臥位・側臥位・座位・腹臥位の体位別好発部位と、仙骨部・踵骨部など重点観察部位をまとめた1枚資料です。予防ケアのチェックリスト付きで、ベッドサイドや新人指導にそのまま使えます。