INE看護師とは?受験資格と取得までの流れ・合格率・資格を活かせる職場

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カテーテル室や血管造影室に配属されて、「INEって取ったほうがいいのかな?」と気になっている看護師は多いのではないでしょうか?

INE看護師(インターベンションエキスパートナース)は、日本IVR学会と日本心血管インターベンション治療学会(CVIT)が合同で認定する、カテーテル治療の看護に特化した資格です。

この記事では、INE看護師の役割と働く場所、受験資格と症例経験の数え方、試験の形式・費用・更新、合格率の考え方、あわせて検討したい循環器領域の資格まで紹介します。

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以下からひな形と見本をダウンロードできます。

    INE看護師の役割と働く場所

    エックス線検査室の撮影装置と検査台

    INE看護師は、IVR(画像下治療)や心血管インターベンション(カテーテル治療)の専門知識と看護技術を持つ看護師として、両学会の合同委員会から認定を受けた看護師です。

    もとは日本IVR学会の「認定IVR看護師」でしたが、2012年からCVITとの合同認定制度となり、現在の名称に変わりました。

    おもな職場は、血管造影室(アンギオ室)や心臓カテーテル室がある急性期病院です。 循環器内科や放射線科などで、カテーテル治療に携わる看護師が対象の資格です。

    血管造影室やカテーテル室での役割

    カテーテル室の看護師は、治療の前から後まで患者さんのそばで安全と安楽を支えます。

    1. 治療前|既往歴・アレルギー・腎機能・内服薬などの情報収集と、患者さんへの説明・不安への配慮
    2. 治療中|バイタルサインと表情の観察、医師の指示による薬剤の準備、急変時の初期対応
    3. 治療後|穿刺部の止血確認、安静中の観察、合併症の早期発見と病棟への申し送り

    X線透視の下で働くため、自分自身と患者さんの放射線被ばくを管理する知識も欠かせません。 管理区域で放射線業務に従事する看護師の被ばく線量には、電離放射線障害防止規則で上限が決められています。

    電離放射線障害防止規則第4条〜第6条(被ばく限度)
    実効線量
    5年で100mSv かつ 1年で50mSv
    女性の実効線量妊娠の可能性がないと診断された人を除く
    3か月で5mSv
    眼の水晶体(等価線量)
    5年で100mSv かつ 1年で50mSv
    皮膚(等価線量)
    1年で500mSv
    妊娠中の女性妊娠と診断されてから出産まで
    腹部表面2mSv・内部被ばく1mSv

    線量計は、男性と妊娠の可能性がない女性は胸部、それ以外の女性は腹部に着けるのが基本です。 頭頸部など、より多く被ばくするおそれのある部位があれば、その部位にも追加で着けます。

    対象となる治療領域

    INEの対象は、放射線科などが担う「IVR」と、循環器内科が担う「心血管インターベンション」の2つの領域です。

    IVR(画像下治療)
    おもに放射線科が担う治療
    肝動脈化学塞栓術(TACE) 外傷・出血の塞栓術 胆道・膿瘍ドレナージ CVポート留置 ラジオ波凝固療法 IVCフィルター
    心血管インターベンション
    おもに循環器内科が担う治療
    経皮的冠動脈インターベンション(PCI) 急性心筋梗塞の緊急PCI IVUS・OCTによる血管内の評価 構造的心疾患の経カテーテル治療

    どちらか一方の領域だけで働いていても受験できます。 ただし試験はIVRと心血管の両方から出題されるため、普段関わらない領域の学習が必要です。

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    他職種との分担

    カテーテル室は、医師・看護師・診療放射線技師・臨床工学技士などが同じ空間で働くチーム医療の現場です。

    • 医師
      治療方針の決定と手技、看護師への指示
    • 診療放射線技師
      血管撮影装置の操作と画像の管理、被ばく線量の管理
    • 臨床工学技士
      ポリグラフや補助循環装置など医療機器の操作・管理
    • 看護師
      患者さんの観察と介助、薬剤の準備、急変時対応、記録

    診療放射線技師にはJAPIR、臨床工学技士と臨床検査技師にはITEという専門資格があり、INEはその看護師版にあたります。 看護師に期待されるのは、専門知識をもとに患者さんの異常に早く気づき、チームに伝える役割です。

    職種ごとに専門資格があって、INEは看護師向けなんだね

    循環器内科での看護師の働き方は、以下の記事で紹介しています。

    参考:日本心血管インターベンション治療学会「認定制度ITE・INE・JAPIR」 / e-Gov法令検索「電離放射線障害防止規則」

    INE看護師の受験資格

    研修でメモを取る看護師

    INE試験の受験資格は、看護師免許・実務経験・症例経験・講習会の受講の4つです。 2027年3月実施の第14回試験の条件は次のとおりです。

    免許
    看護師免許
    正・准は問わない
    実務経験
    満3年以上
    2026年12月14日時点
    症例経験
    100例以上
    IVR・CVIT専門医の下
    必須講習会
    2年で1回
    INE講習会を受講

    日本IVR学会・CVITの会員である必要はありません。 いちばんのハードルは、専門医の下での症例経験です。

    必要な臨床経験

    第14回試験では、2026年12月14日の時点で看護師としての実務経験が満3年以上必要です。 申請のときは、看護師職務経歴書を作成し、看護師長や看護部長などの上司に「看護師職務経験証明書」を書いてもらう必要があります。

    必要な症例経験

    症例経験は、IVR専門医またはCVIT専門医の下で100例以上です。 第14回試験の対象期間は、2021年12月1日〜2026年12月14日の約5年間です。

    この症例は100例に数えられる?
    12021年12月1日〜2026年12月14日の症例
    いいえ → 対象期間外
    はい
    2IVR専門医またはCVIT専門医の下での症例
    いいえ → 認定医の下は対象外
    はい
    3その医師が専門医を取得した日以降の症例
    いいえ → 取得日前は対象外
    はい
    4主な介助者として携わった治療
    いいえ → 検査・除外症例は対象外
    はい
    1例としてカウントできる

    IVR専門医とCVIT専門医の下での症例を合計して100例でもよく、どちらか一方だけで100例でもかまいません。 専門医は常勤・非常勤を問いません。

    IVRでは造影検査・血管造影・リザーバーからの造影・留置済みドレナージチューブからの再造影は対象外です。CVITでは冠動脈造影(CAGなどの検査)・カテーテルアブレーション・ペースメーカーは対象外です。

    専門医の下で100例って、今の職場で数えられるかな?

    つまり、検査が中心のカテ室や、専門医が在籍していない施設では、5年かけても100例に届かないことがあります。 今の職場で要件を満たせるかは、自分が介助した治療の件数と、担当医が専門医かどうかを確認すると判断できます。

    編集部アドバイス
    • 介助した症例はその日のうちに記録
    • 証明書は専門医・上司に早めに依頼
    • 除外症例が混ざっていないか事前に確認
    キャリアパートナー

    症例の証明には、専門医に「症例看護経験証明書」を書いてもらいます。 証明を受けるときに使う症例一覧表は、事務局への提出は不要です。

    受講が必要な講習

    受験には、INE講習会を2年間に1回以上受講している必要があります。 第14回試験では、2025年の第21回または2026年の第22回講習会が対象です。

    第22回講習会はオンデマンド配信で、配信期間は2026年10月16日〜12月14日です。 申し込みは、会員管理システム「My IVR」からします。 最後まで視聴しないと未受講の扱いになるので、受講証を必ず保存しておきましょう。

    看護師の求人を探す

    参考:日本IVR学会・CVIT合同認定INE「試験のご案内」 / 日本IVR学会・CVIT合同認定INE「講習会のご案内」

    INE看護師の試験と取得までの流れ

    参考書を指さしながら試験勉強をする手元

    INE試験は年1回、3月に東京会場と大阪会場で実施されます。 受験申請から試験まではおよそ4か月で、講習会の受講から数えると約5か月かかります。

    試験の形式

    第13回試験(2026年3月)は、選択式問題50題と記述式問題1題の構成で、試験時間は13時30分〜15時の90分でした。

    公開されている第12回の試験問題では、選択式は5つの選択肢から1つまたは2つを選ぶマークシート形式、記述式は4問から1問を選んで答える形式でした。

    出題範囲

    試験問題は、INE講習会テキストの内容に準拠しています。 第13回試験は「インターベンションエキスパートナース講習会テキスト<第9版>」に準拠すると案内されていました。

    第12回INE試験(2025年3月)選択式50問の内訳
    40問
    10問
    IVR・共通領域
    40問
    塞栓術・ドレナージ・CVポート・合併症・造影剤・放射線防護・穿刺部の看護・感染対策・解剖
    心血管インターベンション
    10問
    PCI・IVUS・OCT・FFR・冠攣縮性狭心症・心房細動のアブレーション・使用薬剤
    記述式 誘導画像・CVポート・緊急PCI・構造的心疾患の4問から1問を選択

    循環器内科のカテ室で働いている人は、IVR領域の比重が大きい点を意識して準備しましょう。

    合格率の目安

    INE試験の合格率は、公式には公表されていません(2026年10月21日時点)。 試験後は合格者の受験番号が公式サイトに掲載されますが、受験者数に対する割合は示されていません。 認定者の総数も公式サイトには掲載されていません。

    対策としては、公式サイトで公開されている第1回〜第12回の過去問題が役立ちます。 過去問題の解答解説集も販売されているので、選択肢ごとに根拠を確認しながら解くのがおすすめです。

    申請から認定までの流れ

    第14回試験のスケジュールは次のとおりです。

    2026年10月16日〜12月14日
    第22回INE講習会(オンデマンド配信)第21回を受講済みなら不要
    2026年11月2日〜12月14日
    My IVRから受験申請・受験料の支払い専門医・上司の証明書は事前に依頼
    2027年2月下旬
    書類審査の結果・受験票の返送
    2027年3月6日(土)
    第14回INE試験(東京会場・大阪会場)

    第14回からは郵送ではなく、会員管理システム「My IVR」から受験申請する方式に変わりました。 申請書類は次のとおりです。

    • 看護師免許のコピー
    • 顔写真
    • 看護経験症例数報告書(IVR専門医・CVIT専門医の下での症例数)
    • 看護師職務経歴書
    • 専門医による症例看護経験証明書
    • 上司による看護師職務経験証明書
    • 必須講習会の受講証のコピー

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    受験料と認定料

    INE看護師の取得にかかるおもな費用は、講習会の受講料と受験料です。

    受験前
    INE講習会の受講料
    5,500円
    受験申請時
    受験料
    6,050円(税込)
    更新時
    更新手数料
    5,500円

    受験料は書類審査で不合格になった場合やキャンセルした場合も返金されません。 試験案内には認定料(登録料)の記載はありません。

    合格後の手続きで費用がかかるかどうかは、日本IVR学会事務局に確認しましょう。

    更新の期間と費用

    INEの資格は、更新年ごとに案内される対象期間内に50単位を取得して更新申請する必要があります。 2026年の更新申請は、1月20日〜2月28日に受け付けられました。

    更新に必要な単位50単位
    20単位日本IVR学会総会・CVIT学術集会・INE講習会・INEステップアップセミナー
    10単位IVR学会総会関連地方研究会・CVIT地方会
    10単位インターベンション治療関連の論文・書籍分担執筆
    5単位上記以外の学術集会・研究会・セミナー(企業主催は対象外)

    妊娠・出産・育児・長期療養などの事情があれば、猶予申請で有効期間を1年ずつ、最長3年まで延ばせます。 理由なく更新しないと資格は失効します。

    講習会やセミナーに参加すると、更新単位も貯まるんだね

    参考:日本IVR学会・CVIT合同認定INE「第13回インターベンションエキスパートナース(INE)試験について」 / 日本IVR学会・CVIT合同認定INE「認定看護師更新者への案内」

    INE看護師の資格を取得するメリット

    医師と並んで遠くを見る看護師

    INEは、カテーテル治療の看護を体系的に学んだことの証明になる資格です。 資格を取って変わるのは、できる業務ではなく、知識の裏づけと周囲からの評価です。

    変わらないこと
    • 看護師として行える業務の範囲
    • 医師の指示のもとで動くこと
    変わること
    • 講習会テキストで知識を体系的に整理できる
    • 更新のため学会やセミナーで学び続ける
    • カテ室での経験を資格名で客観的に示せる

    カテーテル室への配属や異動で評価される

    INEの受験には、専門医の下での100例以上の症例経験が必要です。 そのため資格を持っていることが、カテーテル治療の現場で一定の経験を積んできた証明になります。

    カテ室の求人や院内の異動希望では、経験年数だけでは伝わりにくい専門性を具体的に示せます。

    未経験からカテ室を目指す場合は、まず症例数を積める職場を選ぶことが取得への近道です。

    資格手当が付く場合がある

    INEに資格手当を設けている病院もありますが、手当の有無や金額は施設ごとに異なります。 手当の対象にならなくても、昇格や院内の役割(カテ室のリーダー・教育担当など)の評価材料になることがあります。

    転職先で資格がどう扱われるかは、面接や求人票の手当欄で確認しましょう。

    看護師の求人を探す

    資格手当の相場や支給の実態は、以下の記事が参考になります。

    緊急カテーテルの対応に備えられる

    第12回INE試験では、急性心筋梗塞の緊急PCI、アナフィラキシーショック、迷走神経反射、造影剤のリスク管理などが出題されました。 夜間や休日の緊急カテーテルで起こりやすい急変を、事前に知識として整理できるのが大きなメリットです。

    オンコール体制のある病院では、少人数で緊急カテーテルに対応する場面もあります。 落ち着いて観察と報告ができる看護師がいることは、チーム全体の安全につながります。

    勉強したことが、緊急のときの落ち着きにつながるよ!

    あわせて検討したい関連資格

    スクラブや白衣を着た医療職の勉強会の様子

    循環器領域には、INE以外にも看護師が取れる資格があります。 認定元・取得までの期間・負担の大きさがそれぞれ異なるので、今のキャリアの段階に合わせて選びましょう。

    資格認定元取得方法おもな条件取り組みやすい時期
    心電図検定日本不整脈心電学会年1回の検定試験受検の制限なし1循環器に配属された直後から
    循環器専門ナース臨床心臓病学教育研究会8日間の研修+Web認定試験研修の受講(年2回)2循環器の基礎を固めたい時期
    INE日本IVR学会・CVIT講習会の受講+認定試験実務3年以上・専門医の下で100例以上3カテ室で症例を積んだ後
    心不全看護認定看護師日本看護協会教育機関の修了+認定審査実務通算5年以上(うち分野3年以上)4心不全ケアを専門にしたい時

    循環器専門ナース

    循環器専門ナースは、臨床心臓病学教育研究会(ジェックス)が認定する資格です。 全8日間の研修を受け、講義終了後のWeb認定試験に合格すると認定されます。 研修は年2回(夏季・冬季)で、2026年度冬季コースから受講者の決め方が抽選から先着順に変わりました。

    認定期間は5年で、更新には認定更新試験の受験とジェックス会員の継続が必要です。 心臓の解剖生理や身体所見の取り方から学べるので、循環器に配属されたばかりの時期に取り組みやすい資格です。

    慢性心不全看護認定看護師

    慢性心不全看護認定看護師は、日本看護協会が認定する認定看護師のうち、A課程の分野です。 制度の再編により、現在は特定行為研修を組み込んだB課程の「心不全看護」分野に引き継がれています。

    A課程の認定審査は2029年度で終了する予定なので、これから目指すなら心不全看護認定看護師(B課程)が中心になります。

    受験には、看護師免許取得後の実務研修が通算5年以上(うち3年以上は認定看護分野)あり、認定看護師教育機関を修了する必要があります。

    INEや循環器専門ナースに比べると取得までの期間と費用の負担が大きく、心不全患者さんのケアを長く専門にしたい人向けです。

    心電図検定

    心電図検定は、日本不整脈心電学会が年1回実施する検定です。 4級から1級まで難易度別に分かれていて、心電図に興味があれば誰でも受検できます。

    カテ室では不整脈の早期発見が欠かせないため、INEの勉強と並行して取り組みやすい資格です。

    どれから取ればいいか迷っちゃうね

    心電図検定を受けるメリットや検定の詳細は、以下の記事で紹介しています。

    参考:臨床心臓病学教育研究会「認定試験・認定更新試験について」 / 日本看護協会「認定看護師」

    まとめ

    INE看護師は、IVRと心血管インターベンションの看護の専門性を示せる、日本IVR学会とCVITの合同認定資格です。 取得のいちばんのハードルは、専門医の下での100例以上の症例経験です。

    この記事のポイント


    • INEはIVR学会とCVITの合同認定で、業務範囲は変わらない
    • 受験には実務3年以上・専門医の下で100例以上・講習会の受講が必要
    • 試験は年1回3月で、第14回は2027年3月6日に実施
    • 合格率は公式には公表されていない
    • 更新は対象期間内に50単位を取得して申請する

    まずは今の職場で、専門医の下で介助した治療の件数を数えてみましょう。 5年以内に100例に届きそうにない場合は、症例数の多いカテ室がある病院への異動や転職も選択肢の一つです。

    カテーテル治療に力を入れている病院を探したいときは、転職エージェントに相談すると、症例数や専門医の在籍状況まで確認してもらえます。

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