履歴書と職務経歴書の違いは?記載項目の比較と重複項目の書き分け方を解説
応募したい求人を見つけて書類を用意しはじめたものの、履歴書と職務経歴書の違いがはっきりせず、何を書けばいいか分からず手が止まっていませんか?
二つの書類は目的も様式も別物で、職歴や志望動機のように両方に登場する項目でも、書く内容を変えるのが基本です。
この記事では履歴書と職務経歴書の違いを役割・様式・粒度の3点から整理し、記載項目を項目別に比較します。医療機関への応募で両方必要になるのかの判断基準と、重複しやすい4項目の書き分け方もまとめました。
お申し込みを受け付けました
以下からひな形と見本をダウンロードできます。
履歴書と職務経歴書の違い

履歴書は応募者がどんな人かを伝える書類、職務経歴書は何ができる人かを伝える書類です。この役割の差が、様式の自由度と書く内容の細かさにそのまま表れます。
書類の役割の違い
履歴書は、氏名や学歴、免許・資格といった応募者の基本情報を決まった枠に収めて伝える書類です。単なる申込書ではなく、採用・不採用の判断に使われる審査書類として扱われます。
職務経歴書の目的は、これまでの実務能力を採用担当者にアピールすることです。どの職場で何を担当し、どんな経験を積んだのかを具体的に示します。
採用担当者が先に目を通すのは履歴書のほうです。書類選考で履歴書の段階で落ちてしまうと、職務経歴書は読んでもらえません。職務経歴書に力を入れるあまり履歴書が雑になると、その手前でつまずきます。
書式とフォーマットの違い
履歴書は様式が決まっています。市販のものには幅広く使えるタイプのほか、学卒者用・転職者用・パート用があり、自分がアピールしたい内容を書きやすいものを選びます。厚生労働省も履歴書様式例を公表していて、A4版とA3版がダウンロードできます。応募先から様式の指定があるときは、そちらに従いましょう。
一方の職務経歴書には決まった様式がありません。A4縦の白無地1〜2枚程度に、パソコンで横書きで作るのが一般的です。黒のボールペンや万年筆による手書きでも問題ありません。
| 項目 | 履歴書 | 職務経歴書 |
|---|---|---|
| 様式 | 決まった様式がある(市販品・厚生労働省公表の様式例など) | 決まった様式がない(自由形式) |
| 用紙・タイプ | 市販は幅広く使えるタイプのほか学卒者用・転職者用・パート用がある。厚生労働省の様式例はA4版とA3版 | A4縦の白無地1〜2枚程度 |
| 作成方法 | 市販の様式や応募先指定の様式に沿って記入する | パソコンで横書きが一般的。黒のボールペンや万年筆による手書きも可 |
| 記載項目 | 様式で定められた項目に記入する | 必須は「標題」「氏名」「日付」「職務経歴」の4つのみ。資格やスキル、自己PR、志望動機などは自分でアピールしたいものを選んで追加する |
どの項目を足すかも自由です。取得資格やパソコンスキル、活かせる能力、自己PR、志望動機などから、応募先にアピールしたいものを選びます。
様式が自由ということは、レイアウトや文字の大きさの見やすさ自体が評価の対象になるということでもあります。
記載する内容の粒度の違い
履歴書の職歴欄は1行で書くことを前提にした枠なので、入職と退職の事実だけを簡潔に並べます。
職務経歴書には枠の制約がないぶん、配属先の病棟や診療科、受け持ち人数、使用していた機器やシステム、担当した役割まで踏み込んで書けます。同じ1回の転職でも、履歴書では1行、職務経歴書では10行以上になることもあります。
書く量が違うんじゃなくて、書く深さが違うんだね!
履歴書は事実の記録、職務経歴書は経験の説明と考えると、どちらにどこまで書くか迷いにくくなります。
条件にあった求人を探してもらう参考:ハローワークインターネットサービス「履歴書・職務経歴書の書き方」
【項目別】履歴書と職務経歴書の記載項目の比較

両方に書く項目、履歴書だけの項目、職務経歴書だけの項目に分けると、どちらに何を書けばいいかが整理できます。
両方に書く項目
日付はどちらも作成日ではなく提出日を書きます。郵送なら投函日、持参なら持参日です。二つの書類で日付が違っていると不自然なので、揃えておきましょう。
職歴・免許・資格・志望動機・自己PRは、同じ項目でも書く内容を変えます。ここが重複を避ける上で一番つまずきやすいところです。
履歴書だけに書く項目
履歴書にしかない欄は、応募者の基本情報にあたる部分です。
-
写真概ね6か月以内に撮影した、無帽・無背景の正面上半身
-
生年月日和暦か西暦のどちらかに統一
-
現住所・連絡先都道府県名や部屋番号も省略しない
-
学歴入学・卒業を正式な学校名で
-
本人希望記入欄勤務時間や配属先の希望があれば記入
厚生労働省の履歴書様式例では、性別欄は任意記載になっています。男女の選択式ではなく、書きたい内容を書ける欄で、未記載でも構いません。
また同じ様式例では、「通勤時間」「扶養家族数(配偶者を除く)」「配偶者」「配偶者の扶養義務」の4項目は欄そのものが設けられていません。応募者のプライバシーに関わる情報だという理由からです。手元の履歴書用紙にこれらの欄がある場合でも、記入しないことで不利に扱われる筋合いのものではありません。
| 任意記載になった欄 | 性別 |
|---|---|
| 欄そのものを設けていない項目 | 通勤時間/扶養家族数(配偶者を除く)/配偶者/配偶者の扶養義務 |
項目ごとの具体的な書き方は、別の記事で見本とテンプレートを用意しています。
職務経歴書だけに書く項目
職務経歴書にしかない項目は、実務能力を具体的に示すためのものです。
-
職務要約経歴全体を3〜5行にまとめた冒頭のダイジェスト
-
職務経歴の詳細勤務先ごとの施設概要・配属先・担当業務・実績
-
活かせる経験・スキル応募先で再現できる能力を抜き出したもの
-
パソコンスキル電子カルテやレセコンの使用経験など
職種ごとの書き方や自己PRの例文は、それぞれの職種別の記事にまとめています。
職務経歴や資格が少なく実務能力に自信がない場合でも、書ける切り口はあります。
30秒でかんたん登録!
無料で応募書類テンプレをプレゼント
医療機関への応募で履歴書と職務経歴書は両方必要?

一般の転職情報では「両方の提出が基本」と説明されることが多いのですが、医療機関や治療院、介護施設の求人では履歴書だけを指定しているものも珍しくありません。判断のよりどころになるのは求人票です。
ハローワークの求人申込書には「応募書類等」という欄があり、事業主がハローワーク紹介状・履歴書・職務経歴書・ジョブ・カード・その他から必要なものを選んで指定します。つまり職務経歴書が要るかどうかは、応募先が求人票の段階で答えを出しています。
両方の提出を求められるケース
職務経歴書が指定されるのは、経験の中身で選考したい求人です。
- 急性期病棟や手術室など、特定の経験年数・分野を条件にしている求人
- 主任・管理者・管理薬剤師など役職での採用
- 訪問看護・訪問リハビリなど、単独で判断する場面が多い職場
- 複数の職歴があり、履歴書の1行では経歴を説明しきれない場合
分院展開している法人や病床数の多い病院のように、採用を人事部門がまとめて担当している組織も、書類選考を挟むため職務経歴書を求める傾向があります。
履歴書のみで足りるケース
求人票の応募書類欄に「履歴書」としか書かれていなければ、職務経歴書は不要です。指定されていない書類を足しても加点にはならず、かえって読む枠を超えてしまうこともあります。
- 個人経営のクリニック・整骨院・鍼灸院・薬局で、院長や管理者が直接面接する求人
- パート・アルバイトや非常勤の求人
- 新卒・第二新卒で、説明すべき職歴がまだない場合
面接で経歴を直接聞き取る前提の職場では、書類選考そのものがないことも多く、履歴書1枚で選考が進みます。
求人票に指定がない場合の判断
求人票に応募書類の記載がない、あるいは求人サイト経由で応募書類の指定が読み取れないときは、応募先に直接確認するのが確実です。電話やメールで「応募書類は履歴書のみでよろしいでしょうか。職務経歴書もご用意しましょうか」と聞けば済みます。
確認できないまま提出するなら、職務経歴書を添えておくほうが無難です。求められていない書類を出して不利になることはほとんどありませんが、求められた書類が足りないと選考が止まります。
- 必要な書類は求人票の「応募書類等」欄で確認
- 指定がなければ応募先に電話かメールで確認
- 確認できないときは職務経歴書を添える
ハローワーク経由で応募する場合は、紹介状も同封します。送付状・紹介状・履歴書・職務経歴書の順に重ねて封入しましょう。
条件にあった求人を探してもらう参考:ハローワークインターネットサービス「求人申込み手続きの流れ」 / ハローワークインターネットサービス「求人申込書」
重複する項目の書き分け方

両方の書類に同じ内容をそのままコピーすると、職務経歴書を出す意味がなくなります。書き分けの原則は履歴書には事実を、職務経歴書にはその中身をです。
職歴の書き分け
履歴書の職歴欄は、入職と退職を年月順に1行ずつ並べます。医療機関では「入社・退社」ではなく「入職・退職」を使い、施設名は医療法人や社会福祉法人などの法人格を省かずに正式名称で書きます。
-
履歴書令和○年4月 医療法人社団○○会 ○○病院 入職
-
職務経歴書病床数○○床の急性期病院。整形外科病棟(○床)に配属され、周術期の看護を担当。プリセプターとして新人2名を指導
繰り返し記号の「〃」や「同上」「同社」といった省略は、どちらの書類でも使いません。
資格・免許の書き分け
履歴書には、取得年月と資格の正式名称を取得順に並べます。「日商簿記2級」ではなく「日本商工会議所主催 簿記検定2級」のように、略さず正式な表示で書きましょう。免許名のあとには「取得」を添えます。
職務経歴書では並べ方の順番を変えて構いません。応募先で活かせる資格を上に持ってきて、その資格を実務でどう使っていたかを一言添えます。
認定看護師や専門薬剤師のように更新制の資格は、取得年だけでなく現在も有効であることが伝わる書き方にしておくと親切です。
| 項目 | 履歴書 | 職務経歴書 |
|---|---|---|
| 並べる順番 | 取得年月順に並べる | 応募先で活かせる資格を上に持ってくる |
| 資格名の書き方 | 略さず正式名称で書く | 正式名称に加え、実務でどう使ったかを一言添える |
| 更新制の資格 | 取得年月と資格名を書く | 現在も有効だと伝わる書き方にする |
| 勉強中の資格 | 記載できない | 「活かせる経験・スキル」に受験予定として書ける |
志望動機の書き分け
履歴書の志望動機欄は5行前後しかないので、応募先を選んだ理由を結論から1つに絞ります。複数の理由を詰め込むと、どれも浅く見えてしまいます。
職務経歴書の志望動機では、これまでの経験と応募先の求めていることを結びつけて書きます。同じ理由を扱っても、履歴書が「なぜここを選んだか」、職務経歴書が「入職後に何ができるか」と軸をずらすと、二度読んでも重く感じません。
-
履歴書回復期リハビリに専従できる環境を求めて応募した、という選んだ理由
-
職務経歴書急性期で培った早期離床の経験を、回復期の在宅復帰支援に活かせるという貢献の根拠
30秒でかんたん登録!
無料で応募書類テンプレをプレゼント
自己PRの書き分け
履歴書に自己PR欄がある様式では、自分の強みを1つだけ書きます。性格や仕事への姿勢を短く言い切る形で構いません。
職務経歴書の自己PRは、その強みを裏づけるエピソードと結果をセットにします。「協調性があります」で終わらせず、多職種カンファレンスで何をした結果どうなったかまで書くと、実務能力の説明になります。
数字で示せる実績がない場合でも、担当した患者さんの層、対応していた件数の目安、継続して任されていた役割などに置き換えれば具体性は出せます。抽象的な言葉だけの自己PRや、どの職場にも当てはまる使い回しの文章は、職務経歴書ではほとんど評価されません。
まとめ
履歴書と職務経歴書は、役割も様式も違う書類です。履歴書は決まった枠に基本情報と事実を収める審査書類で、職務経歴書は様式が自由なぶん、実務能力を自分の言葉で説明する書類になります。
- 先に読まれるのは履歴書。職務経歴書に力を入れる前に履歴書を整える
- 職務経歴書の必須項目は標題・氏名・日付・職務経歴の4つだけ
- 両方必要かは求人票の応募書類欄で決まる。指定がなければ応募先に確認する
- 重複する4項目は「履歴書に事実、職務経歴書にその中身」で書き分ける
まずは応募したい求人票の応募書類欄を確認して、必要な書類をはっきりさせるところから始めましょう。そのうえで履歴書を仕上げ、職務経歴書が必要ならそこに書ききれなかった経験を足していくと、二度手間になりません。


