整骨院は休みがない?柔道整復師の休日の実態と有給が取れないときの対処法

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整骨院で働いていると、「土日も出勤で友人と予定が合わない」「有給を申請できる雰囲気ではない」と感じる場面が多いのではないでしょうか。整骨院は休みがないという声は、柔道整復師の間で長く言われ続けてきました。

ただ、休みが取りにくい状況のすべてが「仕方のないこと」というわけではありません。労働基準法には、休日・休憩・年次有給休暇について最低限守るべきルールが定められています。そのルールを知らないまま働き続けると、本来受け取れるはずの休みを手放すことになります。

この記事では、整骨院で休みが取りにくくなる構造的な理由、休日の実態、法律で決まっている休みのルール、そして今の職場で休みが取れないときにできる具体的な行動を整理します。転職を考える前に確認しておきたい内容から順に解説します。

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整骨院で休みが取りにくくなる理由

施術ベッドが並ぶ整骨院で複数の柔道整復師が施術している様子

整骨院の休みの取りにくさは、院長個人の考え方だけで決まっているわけではありません。患者さんが来院できる時間帯に営業するという業態の特性、そして少人数で運営されている施設が多いという構造が背景にあります。

厚生労働省の令和6年衛生行政報告例によると、全国の柔道整復の施術所は50,924か所あります。この数は前回調査からほぼ横ばいですが、資格者数は増え続けており、1施設あたりの規模が大きくならないまま数だけが並んでいる状態です。この小さな施設が数多くあるという構造が、休日の取りにくさに直結しています。

ここでは、休みが取りにくくなる代表的な理由を5つに分けて見ていきます。

土日祝日も営業している院が多いため

整骨院に通う患者さんの多くは、平日に仕事や学校がある方です。そのため、患者さんが来院しやすい土曜・日曜・祝日に営業する院が多くなります。会社員の生活リズムに合わせて営業時間を組むと、働く側の休日は平日に回らざるを得ません。

医療キャリアナビ掲載求人データ(2026年時点)で柔道整復師の求人3,737件を見ると、土日祝休みの条件が付いた求人は74件(全体の2%)にとどまります。日・祝休みまで広げても926件(25%)です。つまり、土日ともに休める整骨院は例外的で、日曜と祝日が休みであれば恵まれている部類に入ります。

平日休みそのものが悪いわけではありません。ただ、家族や友人と予定が合わない、役所や銀行の用事は済ませやすいといった生活面の違いは、入職前に理解しておく必要があります。

年中無休で運営している院があるため

商業施設に入っている院や、複数店舗を展開する法人の一部には、年中無休で営業しているところがあります。年末年始やお盆も通常営業とする方針の院では、スタッフはシフトで交代しながら休みを取ることになります。

年中無休の院では院が休む日が存在しないため、休日は必ずシフトの調整によって生み出されます。誰かが休めば別の誰かが出勤する仕組みであり、希望した日に休めるかどうかはシフトを組む人の裁量とスタッフの人数に左右されます。

求人データでは、勤務形態にシフト制が付いた柔道整復師の求人は1,479件(40%)です。休日が固定されていない職場が約4割あることがうかがえます。

中休みを挟む二部制で拘束時間が長くなるため

整骨院の多くは、午前診療と午後診療の間に2〜3時間程度の中休みを挟む二部制を取っています。午前9時に始業し午後8時に終業する場合、間に3時間の中休みがあっても、朝から夜まで職場に縛られる形になります。

この二部制は、1日の実働時間そのものは法定労働時間に収まっていても、拘束時間が11時間前後に及ぶという特徴があります。休日日数が同じでも、平日の自由時間が短くなるため、休みがないという実感につながりやすい働き方です。

二部制勤務モデルの1日の流れ
9:00
始業・開院準備
清掃や機材の準備を行い、朝からすでに拘束が始まる。
9:30
午前診療
来院患者の施術にあたる時間帯。
12:30
中休み(約3時間)
診療はないが、帰宅せず院内で待機・準備に充てるケースもある。
15:30
午後診療
夕方以降に来院が増えやすい時間帯。
20:00
終業
ここでようやく職場から離れられる。
※営業時間の一例。実際の時刻・中休みの長さは院により異なる
拘束時間
11時間
実働時間
8時間
中休み
3時間

なお、この中休みが労働基準法上の休憩時間にあたるかどうかは、過ごし方によって判断が変わります。詳しくは後の章で解説します。

少人数体制で代わりが立てられないため

施術は資格を持つ人にしかできない業務が多く、受付や事務のように誰かが代行できるものではありません。柔道整復師が2〜3人という体制の院では、1人が休むと施術枠をそのまま減らすか、残ったスタッフの負担を増やすかの二択になります。

この構造があるため、有給休暇を申請しようとしても、その日は自分しかいないと感じ、言い出せないまま消化できずに終わるケースが生まれます。人員に余裕がない職場ほど、制度としての休みと実際に取れる休みの差が開きます。

1人が有給を取った日の状況

柔整師2人の院
残る人数
1
1人の負担
2.0
取りうる対応
施術枠を減らして予約を絞る
残った1人がすべての施術を引き受ける
柔整師5人の院
残る人数
4
1人の負担
1.25
取りうる対応
施術枠はほぼ維持できる
4人で分担して穴を埋める

求人票の休日表記と実態が異なる場合があるため

入職してから聞いていた休みと違うと感じる原因の多くは、求人票の表記の読み違いにあります。とくに週休2日制と完全週休2日制は文字が似ているにもかかわらず、意味がまったく異なります。

また、年間休日日数が記載されていない求人では、休日の総量を入職前に把握できません。表記の意味と確認方法については、後の章で具体的に解説します。

参考:厚生労働省「令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」

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整骨院の休日の実態

休日を確認するためのカレンダーと赤鉛筆

整骨院で働く柔道整復師の休日について、業界に特化した公的統計は公表されていません。そのため、柔道整復師の平均年間休日は何日といった数値を示すことはできません。

ここでは、医療キャリアナビに掲載されている求人条件の傾向と、厚生労働省が全産業を対象に実施している就労条件総合調査の数値を並べて、整骨院の休日がどの位置にあるのかを見ていきます。なお就労条件総合調査は常用労働者30人以上を雇用する民営企業が対象のため、スタッフ数名で運営する整骨院の多くは調査対象に含まれていない点に留意が必要です。

週休の形態

厚生労働省の令和7年就労条件総合調査によると、全産業で何らかの週休2日制を採用している企業は92.6%、そのうち完全週休2日制は65.5%でした。週休1日制または週休1日半制の企業は5.6%にとどまります。

一方、医療キャリアナビ掲載求人データ(2026年時点)で柔道整復師の求人を見ると、完全週休2日の条件が付く求人は720件で、全体の19%です。週休2.5日以上は171件(5%)でした。

求人条件と全産業の企業割合は集計の単位が異なるため単純比較はできませんが、完全週休2日が標準になりつつある社会全体の流れに対し、整骨院を含む柔道整復師の求人ではまだ少数派である様子が見て取れます。

休日・勤務条件が付く割合

01020304050%
シフト制
40%1,479件
日・祝休み
25%926件
完全週休2日
19%720件
残業ほぼなし
10%361件
年間休日120日以上
6%222件
週休2.5日以上
5%171件
土日祝休み
2%74件

年間休日日数の傾向

同じ令和7年就労条件総合調査では、1企業平均の年間休日総数は112.4日、労働者1人平均では116.6日でした。企業ごとのばらつきは大きく、120日台に山がある一方で、100日を下回る企業も一定数あります。

年間休日日数の企業分布(全産業・階級別)
平均112.4日
1.1%
1.8%
3.0%
5.2%
27.9%
21.4%
37.3%
2.0%
69日以下 70〜79 80〜89 90〜99 100〜109 110〜119 120〜129 130日以上

年間休日90日台以下の企業も合計11.1%存在する

※常用労働者30人以上の民営企業が対象

これに対し、求人データで年間休日120日以上の条件が付いた柔道整復師の求人は222件で、全体の6%でした。年間休日が多い求人が存在しないわけではありませんが、割合としては限られます。

年間休日日数は、週の休日に加えて夏季休暇・年末年始休暇・祝日の扱いをすべて合算した数字です。週休2日と書かれていても、祝日が出勤なら年間休日は105日前後にとどまります。

求人を比較するときは、週休の形態よりも年間休日日数のほうが実態を把握しやすい指標です。

長期休暇の扱い

年末年始やお盆に数日間の休院日を設ける院は多くありますが、その日数や有給扱いかどうかは院によって異なります。休院日が就業規則で所定休日と定められていれば通常の休日ですが、休院するので各自の年次有給休暇を充てるという運用をしている院もあります。

後者の場合、実質的に自分の有給休暇が長期休暇に消えていくことになります。なお、労使協定を結んだうえで年次有給休暇のうち5日を超える部分について取得時季を計画的に決める仕組み(計画的付与)は法律で認められています。

ただし、計画的付与に充てられるのは5日を超える日数の部分に限られ、残り5日は労働者が自由に時季を選べる分として残しておかなければなりません。

自分の職場の長期休暇がどの扱いになっているかは、就業規則や労働条件通知書で確認できます。

有給休暇の取得状況

令和7年就労条件総合調査では、労働者1人平均の年次有給休暇の付与日数は18.1日、取得日数は12.1日で、取得率は66.9%でした。産業別に見ると医療,福祉は付与17.7日・取得12.1日で取得率68.4%と、全産業平均をやや上回っています。

産業別 年次有給休暇取得率の比較
0%20%40%60%80%
平均66.9%
電気・ガス・熱供給・水道業
75.2%
鉱業,採石業,砂利採取業
74.3%
金融業,保険業
72.8%
医療,福祉
68.4%
情報通信業
66.9%
運輸業,郵便業
65.3%
教育,学習支援業
60.5%
生活関連サービス業,娯楽業
59.6%
宿泊業,飲食サービス業
50.7%

ただし、前述のとおりこの調査の対象は常用労働者30人以上の企業です。小規模な整骨院の実態がそのまま反映された数字ではない点は差し引いて読む必要があります。

現場では申請しづらい、人が足りないから言い出せないという声が多く聞かれます。しかし、年次有給休暇の取得には、労働者側の申請しやすさとは別に、使用者側に課された法律上の義務があります。次の章で詳しく見ていきます。

参考:厚生労働省「令和7(2025)年就労条件総合調査 結果の概況」

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法律で決まっている休みのルール

雇用契約書を手に持って内容を確認するスーツ姿の男性

休みが少ないのは業界的に仕方ないと考えている方も多いかもしれません。しかし、休日・労働時間・休憩・年次有給休暇には、労働基準法で定められた最低ラインがあります。整骨院で働く柔道整復師も、雇用されている労働者である以上、この保護の対象です。

ここで示す内容は、e-Gov法令検索の労働基準法と、厚生労働省の解説資料で2026年8月時点の内容を確認したものです。自分の職場の条件が最低ラインを下回っていないかを確かめる基準として使ってください。

法定休日の考え方

労働基準法第35条では、使用者は労働者に対して毎週少なくとも1回、または4週間を通じて4日以上の休日を与えなければならないと定められています。これを法定休日といいます。

関連法令
労働基準法 第35条(休日)
  • 使用者は、労働者に対して、毎週少なくとも1回の休日を与えなければならない
  • 4週間を通じて4日以上の休日を与える方式でもよい(変形休日制)
4週間で最低4日=月あたりに直すとおよそ4〜5日が法律上のボーダーライン

法定休日には、覚えておきたい条件が3つあります。

  • 何曜日を休日にしてもよく、週によって休日の曜日が変わっても労働基準法上は問題ない
  • 休日は原則として午前0時から午後12時までの継続24時間の暦日で与える
  • 1日のうち一部でも働かせれば、たとえ1時間でもその日は休日を与えたことにならない

3つ目は、シフト制の職場で見落とされやすい点です。休日とされていた日に1時間だけ来てほしいと呼び出された場合、その日は休日ではなく休日労働をさせたことになります。

シフト制であっても、この週1日または4週4日という原則は変わりません。シフトの組み方が自由だからといって、法定休日を下回ってよいわけではありません。

法定労働時間と休憩時間

労働時間の上限は、原則として1日8時間・1週40時間です。これを超えて働かせる場合や、法定休日に働かせる場合には、労使で36協定を締結し、労働基準監督署長に届け出る必要があります。

休憩については、労働基準法第34条で次のように定められています。

  • 1日の労働時間が6時間を超える場合は少なくとも45分
  • 1日の労働時間が8時間を超える場合は少なくとも60分
  • 休憩は勤務時間の途中で与える
  • 一部の業種を除き、すべての労働者に一斉に与え、自由に利用できるようにする

ここで重要なのが自由に利用できるようにするという部分です。時間だけ確保されていても、その間に自由がなければ休憩として認められない場合があります。

この点は整骨院の中休みを考えるうえで欠かせない視点になるため、次の章で改めて扱います。

年次有給休暇が付与される条件と日数

年次有給休暇は、次の2つの要件を満たした労働者に付与されます。

  1. 雇入れの日から6か月間継続して勤務していること
  2. 全労働日の8割以上出勤していること

この要件を満たすと、最低10日の年次有給休暇が付与されます。その後は勤続年数が増えるごとに日数が加算され、6年6か月以降は年20日が上限です。

勤続年数別 有給付与日数と繰り越し後の最大保有日数

勤続年数その年の付与日数繰り越し込み最大保有日数
6か月10日10日
1年6か月11日21日
2年6か月12日23日
3年6か月14日26日
4年6か月16日30日
5年6か月18日34日
6年6か月以上20日38日

最大保有日数は前年分(時効2年)を繰り越した場合の単純合計

アルバイトやパートで働いている場合も対象外ではありません。週の所定労働日数が5日以上、または週の所定労働時間が30時間以上であれば、正社員と同じ日数が付与されます。週4日以下かつ週30時間未満の場合でも、所定労働日数に応じた日数が比例付与されます。

なお、年次有給休暇の権利には2年の消滅時効があり、使わなかった分は翌年に繰り越せます。ただし2年を過ぎた分は消滅します。

年5日の取得義務

2019年4月以降、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者については、使用者が時季を指定して年5日を取得させることが義務づけられました(労働基準法第39条第7項)。対象にはパート労働者や管理監督者も含まれます。

ここで押さえておきたいのは、これが労働者側の申請のしやすさとは無関係に成立する義務だという点です。労働者から請求がなかったという理由で年5日を取得させなかった場合、使用者は義務を果たしていないことになります。違反した場合には30万円以下の罰金という罰則規定も設けられています。

つまり、言い出しづらいから有給を使えていないという状態は、労働者の遠慮の問題ではなく、使用者が対応すべき事柄として法律上位置づけられています。この事実を知っているかどうかで、院長や本部に相談するときの立ち位置は大きく変わります。

年5日取得義務の数字

10日以上
対象になる年休の付与日数
5
使用者が時季指定して取得させる日数
30万円以下
違反した場合の罰金
義務を負うのは労働者ではなく使用者側
パート労働者や管理監督者も対象に含まれる

なお、この年5日から差し引けるのは、労働者が自分で請求して取得した日数と、計画的付与によって取得した日数です。会社が独自に設けた特別休暇であっても、取得理由や時期があらかじめ限定されているものは差し引けません。

休みについて法律が定めている最低ライン


  • 休日は毎週1回、または4週間で4日以上
  • 労働時間は原則1日8時間・1週40時間まで
  • 休憩は6時間超で45分、8時間超で60分を勤務時間の途中に
  • 休憩は自由に利用できる状態でなければならない
  • 年10日以上の年次有給休暇がある人には、使用者が年5日取得させる義務がある

参考:e-Gov法令検索「労働基準法」厚生労働省「しっかり学ぼう!働くときの基礎知識」厚生労働省「しっかり学ぼう!働くときの基礎知識」

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整骨院の中休みは休憩時間なのか

時計とメモを前にこめかみに手を当てて悩む人

整骨院で働く柔道整復師にとって、拘束時間の長さは休日日数と並ぶ悩みです。その原因の中心にあるのが、午前診療と午後診療の間に入る中休みです。

休憩が長いだけだから労働時間は短いと説明されて納得している方も多いのではないでしょうか。しかし、その時間の過ごし方によっては、休憩ではなく労働時間として扱うべき場合があります。ここでは判断の材料を整理します。

なお、中休みが労働時間にあたるかどうかは個別の実態によって判断が分かれるため、この記事であなたの中休みは労働時間ですと断定することはできません。判断の分かれ目となる要素を示すことが目的です。

休憩時間と認められる条件

前述のとおり、労働基準法は休憩時間を自由に利用できるようにしなければならないと定めています。休憩とは、単に施術の予約が入っていない時間のことではなく、労働から離れることが保障されている時間を指します。

判断の軸になるのが、労働時間の定義です。厚生労働省の労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドラインでは、労働時間を使用者の指揮命令下に置かれている時間と定義しています。使用者の明示または黙示の指示によって業務に従事している時間は、労働時間にあたります。

この定義に照らすと、中休み中に何らかの指示のもとで業務に関わっているのであれば、その時間は休憩ではないという整理になります。

手待ち時間との違い

業務が発生していなくても、いつ発生するか分からず待機している時間は手待ち時間と呼ばれます。手待ち時間は自由に利用できる状態にないため、休憩とは区別して考える必要があります。

厚生労働省の解説では、休憩中でも電話や来客の対応をするよう指示していれば、それは休憩時間ではなく労働時間とみなされると明記されています。判断の分かれ目になるのは、指示があるかどうか、その場を離れられるかどうか、院の指示による作業が入っているかどうかの3点です。

休憩か労働時間かの見分け方

確認1
電話・来客・急患への対応をその場で指示されているか
確認2
院を離れて自由に過ごせる状態か
確認3
朝礼・勉強会・清掃など院の指示による作業が組み込まれているか
いずれかに該当労働時間として扱うべき可能性がある
どれにも該当しない休憩時間にあたる可能性が高い

最終的な判断は実態を総合して行われるため、公的な相談窓口を利用するのが確実です。

当てはまる項目があるからといって、ただちに違法と決まるわけではありません。指示の頻度や、その時間に実際どこまで自由だったかといった実態を総合して判断されます。断定は避けつつ、記録を残したうえで公的窓口に相談するのが現実的な進め方です。

確認しておきたい記録

自分の中休みの位置づけを検討するときも、労働時間について相談するときも、材料になるのは記録です。労働時間の適正な把握について、厚生労働省のガイドラインは使用者に対し、労働日ごとの始業・終業時刻を確認して記録することを求めています。原則として使用者自身が現認するか、タイムカードやICカード、パソコンの使用時間といった客観的な記録に基づく方法とされています。

とはいえ、記録が適切に取られていない職場もあります。その場合は、自分で残しておくことが有効です。シフト上の時刻ではなく、実際に院に入った時刻と出た時刻を書き残すのがポイントになります。

自分でつける勤務記録の記入例

項目記入例
日付◯月◯日(火)
始業時刻(実際に院に入った時刻)8時50分(開錠・朝礼)
終業時刻20時15分(戸締り確認後に退院)
中休みの時間帯12時30分〜15時30分
中休み中に行った業務電話対応2件・カルテ整理20分
休日出勤・呼び出しなし
備考中休み中に急患対応で13時〜13時20分呼び出し

手帳やスマートフォンのメモで構いません。日付ごとに書き残しておくと、相談の場で具体的に説明できます。

参考:厚生労働省「しっかり学ぼう!働くときの基礎知識」

整骨院で休みが取れないときにできること

机の上に置かれた有給休暇届の用紙とペン

休みが取れない状況が続くと、転職しか道がないように感じられます。ただ、今の職場で確認できること、相談できることを試さずに辞めると、次の職場でも同じことが起きたときに打つ手が増えません。

ここでは、退職を決める前に踏める4つの段階を紹介します。順番に進めることで、状況が改善する場合もあれば、改善が難しいと判断する材料が得られる場合もあります。

労働条件通知書と就業規則を確認する

最初に確認するのは、自分の労働条件がどう定められているかです。労働契約を結ぶ際、使用者は労働条件を明示しなければならず、そのなかには始業・終業の時刻、休憩時間、休日、休暇に関する事項が必ず明示すべき項目として含まれています。

確認したいのは次の点です。

  • 所定労働時間と始業・終業時刻がどう書かれているか
  • 休憩時間が何分と定められているか
  • 休日が週何日、どの曜日、または何をもって決まると書かれているか
  • 年間休日日数の記載があるか
  • 年次有給休暇の付与日(基準日)がいつか

書面が交付されていない場合、労働条件が明示されていないことになります。その状態自体が労働基準法上の問題であると同時に、休日や休憩について後から食い違いが起きたときに、自分の側の根拠が残らないという実務上の不利益もあります。

就業規則についても、常時10人以上の労働者を使用する事業場では作成と労働基準監督署への届出、そして労働者への周知が義務づけられています。どこに置かれているか分からない場合は、閲覧したい旨を伝えて確認してみてください。

勤務時間の記録を残す

前述のとおり、実際の始業・終業時刻と中休み中の業務内容を自分で記録しておくことが、相談時の材料になります。院のタイムカードが実態と違う時刻で打刻されている場合はとくに、自分の手元の記録が意味を持ちます。

記録は2〜3か月分あると、たまたまその日が忙しかったのか、恒常的な状態なのかを示せます。相談の前に慌てて作るのではなく、日々の習慣として残しておくのが現実的です。

院長や本部に相談する

年次有給休暇の取得は労働者の権利であり、取得理由を説明する義務はありません。私用のためで足ります。この点は前提として押さえておいてください。

一方で、業務の調整として時期を相談するのは現実的な進め方です。少人数の院では、誰がいつ休むかを共有しないと現場が回らないためです。権利として主張することと、調整として相談することは両立します。

伝え方としては、次のような形が使いやすいでしょう。

  • ◯月◯日に有給を取りたいのですが、予約状況を見て調整できる日はありますかと日程に幅を持たせて相談する
  • 年5日の取得義務があると聞いたので、いつ頃取れそうか一度相談させてくださいと制度を前提に切り出す
  • 中休みに電話番が入っている日が続いているので、扱いを確認させてくださいと事実ベースで伝える

感情ではなく、日付と事実で伝えるほうが話が進みやすくなります。院長個人ではなく本部や運営会社がある法人なら、そちらに相談窓口が設けられている場合もあります。

公的な相談窓口を利用する

院内での相談が難しい場合や、相談しても状況が変わらない場合は、外部の公的窓口を利用できます。いずれも無料で相談できます。用件によって使い分けると、たらい回しにならずに済みます。

公的な相談窓口の使い分け

窓口こんなときに使う設置場所・連絡手段費用
労働基準監督署休日や休憩など労働基準法違反そのものを申告・相談したいとき全国の労働基準監督署(所在地は厚生労働省サイトに掲載)無料
総合労働相談コーナー違反かどうかはっきりしないが、まず職場のことをまとめて相談したいとき各都道府県労働局・労働基準監督署内などに設置無料
労働条件相談ほっとライン日中は連絡できず、夜間や土日に電話で相談したいとき電話(夜間・土日も対応)無料

相談に行くときは、手元の資料を持参すると話が早く進みます。労働条件通知書または雇用契約書、就業規則の写し、給与明細、自分で付けた勤務時間の記録、シフト表があれば十分です。

参考:厚生労働省「しっかり学ぼう!働くときの基礎知識」厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」確かめよう労働条件「相談機関のご紹介」

転職活動するなら?

求人票で整骨院の休日条件を見極める方法

求人票の内容をペンを持って確認している様子

転職して同じ失敗を繰り返さないために、求人票の休日欄をどう読むかを整理します。入職後の聞いていた休みと違うという食い違いは、多くの場合、表記の意味を取り違えたことから生まれます。

週休2日制と完全週休2日制の違い

この2つは「完全」の2文字が付くかどうかの違いですが、意味はまったく異なります。

  • 完全週休2日制
    毎週必ず2日の休みがある。曜日は固定でも変動でもよい
  • 週休2日制
    月に1回以上、2日休みの週があればよい。他の週は1日休みでも表記できる

つまり、週休2日制と書かれた求人で、実際には第2土曜だけが休みで他の土曜は出勤、というケースが成立します。同じ表記でも、1か月で見ると休日数に差が出ます。

週ごとの休日数で比較する1か月の内訳
完全週休2日制
第1週2日
第2週2日
第3週2日
第4週2日
8日/月
週休2日制(一例)
第1週1日
第2週2日
第3週1日
第4週1日
5日/月
求人により週ごとの休日配分は異なる一例
同じ「週休2日制」表記でも1か月の休日数は3日変わりうる

厚生労働省の就労条件総合調査でも、この2つは完全週休2日制と、完全週休2日制より休日数が実質的に少ない制度として区別して集計されています。前述のとおり令和7年調査では、何らかの週休2日制を採用する企業92.6%のうち、完全週休2日制は65.5%、実質的に休日数が少ない制度は27.1%でした。

年間休日日数の確認

週休の形態よりも実態を映しやすいのが年間休日日数です。祝日・夏季休暇・年末年始休暇まで含めた1年間の休日の総量が分かるためです。

年間休日日数が記載されていない求人では、休日の総量を入職前に把握できません。記載がない場合は、面接や問い合わせの段階で確認するのが確実です。目安として、完全週休2日で祝日が休みなら120日前後、完全週休2日でも祝日が出勤なら105日前後になります。求人票に年間休日105日とあれば、祝日は営業していると読み取れます。

シフトの組み方

シフト制の求人では、休日日数そのものよりも誰がどう決めるかが働きやすさを左右します。確認しておきたい観点は次のとおりです。

  • 希望休は月に何日まで出せるか
  • 希望休の提出期限と、シフトが確定する時期はいつか
  • シフトは院長が決めるのか、スタッフ間で調整するのか
  • 連休は取れるのか、取れる場合は何日までか
  • 土日のどちらかは必ず出勤という決まりがあるか

とくに希望休の日数は、実際の生活への影響が大きい項目です。月2日まで出せるのか、月1日なのかで予定の立てやすさが変わります。

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面接での確認の仕方

休日について質問すると印象が悪くなるのではと不安に感じる方もいます。ただ、休日は労働条件明示の対象に含まれる基本的な労働条件です。確認すること自体は当然の行為であり、聞き方を整えれば問題になりません。

待遇を要求する形ではなく、働き方を具体的にイメージするための確認として尋ねるのがポイントです。

  • 入職後の1週間の流れをイメージしたいのですが、休日はどのように決まりますか
  • 年間休日は何日になりますか。夏季休暇や年末年始の扱いもあわせて教えてください
  • 希望休は月に何日ほど出せますか。提出のタイミングも知りたいです
  • 有給休暇は皆さんどのくらい取得されていますか

回答が曖昧だったり、みんな取れているよといった具体性のない答えしか返ってこない場合は、その点自体が判断材料になります。逆に、年間休日日数や希望休の運用を即答できる職場は、労務管理が整っている可能性が高いといえます。

休日の質問は聞くタイミングで印象が変わります
  • 面接の終盤、逆質問を求められた場面で出すといちばん自然です
  • 「求人票の内容を確認させてください」と前置きすると角が立ちません
  • 見学ができるなら、来院が集中する夕方の時間帯を希望してみましょう
キャリアパートナー

参考:厚生労働省「令和7(2025)年就労条件総合調査 結果の概況」

休みを確保しやすい職場の選び方

施術ベッドの前に並んで笑顔を見せる3人の柔道整復師

同じ柔道整復師の資格でも、勤務先の規模や業態によって休日の条件は変わります。ここでは、休みという観点から職場を選ぶときの視点を整理します。

スタッフ数に余裕のある院を選ぶ

休みの取りやすさに最も直結するのは、施術を担当できるスタッフが何人いるかです。柔道整復師が2人の院では、1人が休むと施術体制が半分になります。5人いる院なら、1人が休んでも残り4人で回せます。

見学や面接の際には、在籍している柔道整復師の人数、そのうち常勤が何人か、1日の来院患者数はどのくらいかを確認してみてください。人数だけでなく、患者数に対して人員が足りているかという比率が重要です。

複数店舗を展開する法人を選ぶ

複数の店舗を持つ法人には、他店舗から応援勤務のスタッフを回す仕組みがある場合があります。この仕組みがあると、1人が休んでも別の店舗から人員を補えるため、有給休暇や連休を取りやすくなります。就業規則や労務管理の体制が整備されていることも多く、年5日の取得義務への対応が進んでいる傾向もあります。

ただし、裏返しの側面もあります。応援勤務がある職場では、自分が他店舗へ応援に行く側になる可能性もあります。通勤時間が延びる日が発生したり、転居を伴う異動の対象になったりするケースも考えられます。求人票の勤務地欄に、就業場所の変更の範囲がどう書かれているかを確認しておくと安心です。

規模が大きい職場が一律に働きやすいわけではありません。休みの取りやすさと勤務地の安定性は、どちらを優先するかという選択になります。

整骨院以外の勤務先も検討する

柔道整復師の資格は、整骨院以外でも活かせます。医療キャリアナビ掲載求人データ(2026年時点)で柔道整復師の求人3,737件の内訳を見ると、整・接骨院が最も多いものの、介護施設や訪問マッサージ、クリニックにも一定数の求人があります。

勤務先別 求人数と月給中央値
求人数 月給中央値
整・接骨院
2,075件
27万1,500円
デイケア・デイサービス
759件
25万円
特別養護老人ホーム
266件
24万9,400円
訪問マッサージ
227件
29万円
クリニック
189件
25万円
有料老人ホーム
67件
25万円
鍼灸院
41件
28万円
介護老人保健施設
25件
25万5,000円

介護施設では、柔道整復師は機能訓練指導員として働けます。介護施設は日中の営業が中心で、土日祝が休みまたはシフトで休める職場もあり、夜間まで診療する整骨院とは勤務形態が変わります。

ただし、勤務先が変わると仕事の内容も収入も変わります。求人データの月給中央値では、整・接骨院より介護施設のほうが低い水準です。休日条件が整う代わりに、施術の機会が減ったり、収入が下がったりする場合があることは踏まえておく必要があります。

どの働き方が合うかは、施術を続けたいのか、生活のリズムを整えたいのかによって変わります。休みだけを基準に選ぶのではなく、5年後にどう働いていたいかとあわせて考えるのがおすすめです。

参考:厚生労働省「平成30年度介護報酬改定について」

まとめ

整骨院で休みが取りにくい背景には、土日祝日の営業、二部制による長い拘束時間、少人数体制という業態の構造があります。医療キャリアナビ掲載求人データ(2026年時点)でも、土日祝休みの柔道整復師求人は全体の2%、年間休日120日以上は6%にとどまり、実感は数字にも表れています。

一方で、休日・休憩・年次有給休暇には労働基準法の最低ラインがあります。休日は毎週1回または4週4日、休憩は勤務時間の途中に自由に利用できる形で、そして年10日以上の年次有給休暇がある人には使用者が年5日を取得させる義務があります。この義務は、労働者が申請しづらいかどうかとは無関係に成立するものです。

中休みについても、電話や来客の対応を指示されている時間は休憩ではなく労働時間とみなされます。まずは実際の始業・終業時刻と中休み中の業務内容を記録に残し、労働条件通知書や就業規則と照らし合わせてみてください。院内で相談が難しければ、労働基準監督署や総合労働相談コーナーという無料の窓口があります。

そのうえで職場を変えるなら、求人票の週休表記と年間休日日数を読み分け、希望休の運用まで面接で確認することが次の失敗を防ぎます。整骨院以外の勤務先も含めて選択肢を広げれば、施術を続けながら休日の条件を変える道も見えてきます。今の職場でできることを一つずつ確かめることから始めてみてください。

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この記事を書いた人
医療キャリアナビ編集部

医療キャリアナビ編集部

記事の執筆・編集は、医療業界に精通した編集スタッフが担当しています。日々の転職支援業務で得た現場のリアルな情報と、厚生労働省をはじめとする公的機関のデータに基づき、信頼性の高いコンテンツをお届けしています。

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