終末期ケア専門士になるためには?資格取得方法やメリットを解説

終末期の患者さんやその家族の一番身近でケアする看護師にとって心強い資格となる「終末期ケア専門士」。
今回はこちらの資格について、資格取得方法やメリットについて解説していきます。
終末期ケア専門士とは

一般社団法人日本終末期ケア協会(JTCA)が認定する民間資格で、終末期患者とその家族に対して、エビデンスに基づいた終末期ケアの実践を目指す資格です。
2020年に制度がスタートした新しい資格で、看護師の他、介護士や理学療法士などの医療・福祉資格を持つ方が受験できます。
資格取得を検討している方はホスピスや終末期病院に属している必要はなく、一般病院や施設、在宅などで終末期ケア・高齢者ケアの実務経験がある方も対象となるため、看護師にとっては受験間口の広い資格と言えます。
参考:一般社団法人日本終末期ケア協会(JTCA) 終末期ケア専門士について
終末期ケア専門士の資格取得方法・受験費用・合格率

資格取得方法について
終末期ケア専門士の資格取得までの流れは以下になります。
※実務経験が2年以上を満たしている
申し込み期間:3月下旬~9月中旬
テキストや講習等で試験勉強
・全国300拠点で行われるパソコンによる試験
・出題範囲:終末期ケア専門士協会認定テキスト及び時事問題
・出題形式:90問 択一または択多
・郵送またはオンラインにて結果確認
(専用アプリ内にて申し込み)
毎年3月頃から受験申し込み開始、10月頃に試験が開始されるため、受験を希望する方は早めに準備を始めると良いでしょう。
全国300拠点での受験が可能であり、地方在住の方は交通費や滞在費の負担が少なく受験することが可能です。
試験はパソコンですが、選択肢のボタンをマウスでクリックする試験のため、パソコン操作が苦手な方でも受験することができます。
受験費用について
受験料 | 11,000円(税込12,100円)※1 |
---|---|
登録料 | 11,000円(税込12,100円)※1 |
終末期ケア専門士公式テキスト | 4,980円(税込5,478円) |
試験対策WEB講習会 | 19,800円(税込21,600円) |
※1 配送料・各種手数料が別途発生します。
おおよそかかる費用は、約52,000円となります。
試験対策Web講習会は必須ではありませんが、公式テキストを基に、イラストや図表を使って分かりやすく動画で解説されているため、受験対策につながります。
受験者数・合格率について
開催年 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率(%) |
---|---|---|---|
第1回 (2020年) | 2,310 | 1,516 | 65.6 |
第2回 (2021年) | 3,775 | 2,623 | 69.5 |
第3回 (2022年) | 4,013 | 2,689 | 67.0 |
第4回 (2023年) | 4,451 | 2,720 | 61.1 |
第5回 (2024年) | 5,353 | 3,512 | 65.6 |
比較的新しい資格ということもあり、受験者数は毎年増えています。
終末期ケア専門士の全体合格率は60%台を推移しています。
出題範囲が広いため、難易度もやや高くなっています。公式テキストや講習会を受講するなどしっかり受験対策をすることが必要です。
参考:一般社団法人日本終末期ケア協会(JTCA) 終末期ケア専門士 受験資格・概要について
終末期ケア専門士のメリット

エビデンスを基にした終末期ケアができる
個別性を尊重し、その時々によって事情が異なるため正解がない終末期ケア。
「これであっていたのか」と戸惑いや葛藤を抱えたりする場合があるかと思います。
終末期ケア専門士試験の内容は、終末期ケアに必要な視点を詰め込んであるため、学習そのものが自分自身が持つ価値観や倫理観を振り返る機会となります。
エビデンスを学ぶことで、自身の振り返りや臨床現場での実践の自信につながります。
同じ認定資格を持つ方や多職種とのつながりができる
資格取得後に利用できる専用アプリにて勉強やイベントへの参加申し込み、SNSでの交流などが可能となっており、悩みの解決の糸口がみつかったり、新しい視点が得られたりします。
また、臨床現場では学びを通して多職種と連携を図ることができ、患者さんにとってより良い終末期ケアの実践につながります。
資格取得後も勉強し続けられる環境が魅力といえるでしょう。
キャリアアップやスキルアップにつながる
終末期ケア専門士の上位資格として終末期ケア上級専門士の資格があります。
終末期ケア専門士取得後1年以上経過している方が取得できる資格で、管理的、社会的な視点も学ぶことができます。
自施設で勉強会を実施する際、終末期ケア専門士の公式テキストを基にした講義システムを利用できるようになります。
自身のスキルアップだけでなく、指導者として施設への貢献ができるようになります。
LINEでの登録も可能です🔻