トレンデレンブルグテスト|股関節外転筋機能の評価手順・注意点・判定基準
トレンデレンブルグテスト(Trendelenburg test)は、片脚立位を保持させて骨盤の水平性を観察する検査です。
支持脚の股関節外転筋がしっかり働けば、反対側の骨盤は水平に保たれます。外転筋の機能が低下していると骨盤を支えられず、遊脚側の骨盤が下がります。この骨盤の下降を「トレンデレンブルグ徴候陽性」と呼びます。
整形外科やリハビリテーションの現場で、歩行時の跛行の原因を探る手がかりとして広く用いられています。
実施手順
左右それぞれで実施し、両側を比較します。基本的な流れは次のとおりです。
- 立位の患者を後方から観察し、両側の腸骨稜・上後腸骨棘(骨盤の高さ)を確認する。
- 検査する側の脚で片脚立ちになり、反対側の脚を股関節・膝を軽く曲げて挙上する。
- 約30秒間その姿勢を保持させる。
- 挙上側(遊脚側)の骨盤の高さの変化を観察する。左右それぞれで実施し比較する。

注意点・鑑別のポイント
正確に評価するために、代償動作や偽陽性に注意が必要です。
- デュシェンヌ徴候と鑑別するため、体幹の傾きも合わせて観察する。
- 疼痛・バランス不良・恐怖心などでも陽性様の所見となることがあるため、偽陽性に注意する。
- 短時間の保持では軽度の機能不全を見逃すため、30秒程度保持して判定する。
- 陽性の場合は、中殿筋麻痺・筋力低下、変形性股関節症、股関節脱臼、上殿神経麻痺などを疑う。
陽性・陰性の判定基準
判定のポイントは「遊脚側の骨盤が下がるかどうか」です。骨盤が下がるのは挙げている脚の側ですが、機能不全があるのは支持脚側の外転筋である点に注意しましょう。
| 判定 | 所見 | 意味 |
|---|---|---|
| 陰性(正常) | 遊脚側の骨盤が水平を保つ、またはわずかに挙上する。 | 支持脚側の外転筋機能は保たれている。 |
| 陽性 | 遊脚側の骨盤が下降する(トレンデレンブルグ徴候陽性)。 | 支持脚側の中殿筋機能不全を示唆。 |
印刷して活用しよう
トレンデレンブルグテストを含む股関節周囲の整形外科的テストの実施手順・判定基準・注意点を1枚にまとめたPDF資料を用意しました。臨床実習や現場での確認用にダウンロードしてご活用ください。
下のフォームからPDFをお受け取りいただけます。
股関節周囲の整形外科的テスト
股関節周囲の整形外科的テストの手順・陽性基準・注意点を1枚にまとめたPDF資料です。臨床で確認する際や実習での学習用などにご活用ください。