意識障害の原因|AIUEOTIPSと代表疾患を解説

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意識障害は、脳そのものの異常だけでなく、代謝・循環・中毒など全身のさまざまな原因で起こります。

原因が多岐にわたるため、見落としを防ぐ語呂として「AIUEOTIPS(アイウエオチップス)」が広く使われます。

AIUEOTIPS(アイウエオチップス)とは

AIUEOTIPSは、意識障害の原因を頭文字で並べた語呂合わせです。

1文字ずつ原因のカテゴリに対応しており、順に確認することで幅広い原因を想起できます。

文字 英語(意味) 主な原因・代表疾患
AAlcohol(アルコール)急性アルコール中毒、ウェルニッケ脳症、アルコール離脱症候群
IInsulin(血糖異常)低血糖、糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)、高浸透圧高血糖状態(HHS)
UUremia(尿毒症)尿毒症、急性・慢性腎不全
EEncephalopathy / Endocrinopathy / Electrolytes(脳症・内分泌・電解質)肝性脳症、高血圧性脳症、甲状腺クリーゼ、粘液水腫性昏睡、副腎不全、低・高ナトリウム血症、高カルシウム血症
OOxygen / Overdose(低酸素・薬物過量)低酸素血症、CO2ナルコーシス、一酸化炭素中毒、薬物過量
TTrauma / Temperature(外傷・体温異常)頭部外傷(急性硬膜下血腫・硬膜外血腫)、熱中症、偶発性低体温症
IInfection(感染)髄膜炎、脳炎、敗血症、肺炎などの重症感染症
PPsychiatric / Porphyria(精神疾患・ポルフィリア)心因性反応、緊張病、急性ポルフィリア
SStroke / Shock(脳卒中・ショック)脳梗塞、脳出血、くも膜下出血、ショック(循環不全)
SSeizure(けいれん)てんかん発作後の意識障害(postictal)、非けいれん性てんかん重積(NCSE)

語呂の並びは成書によって「AEIOU-TIPS」などの表記ゆれがあり、各文字に当てる語も文献で分かれます。

使用する施設やマニュアルの表記に合わせて覚えておくとよいでしょう。

ポイント

意識障害をみたら、まず血糖測定が基本です。低血糖は緊急かつ治療で速やかに改善する原因であり、AIUEOTIPSの「I(Insulin)」として早期に確認します。

とくに見逃せない緊急性の高い原因

AIUEOTIPSのなかでも、対応が遅れると生命に関わるものがあります。これらは優先的に除外・確認します。

注意

意識障害では、原因検索と並行してバイタルサインと気道・呼吸・循環(ABC)の確保を優先します。原因の特定より先に、生命の安定化が必要な場合があります。

意識障害をみたときの基本的な流れ

原因を鑑別する前に、まず全身状態を評価し、緊急性を判断します。

  1. 意識レベルを評価する(JCS・GCSなど共通の指標で記録する)
  2. 気道・呼吸・循環(ABC)を確認し、必要な安定化を行う
  3. 血糖を測定する(低血糖を最優先で除外する)
  4. 随伴症状を観察する(瞳孔所見、麻痺、けいれん、体温、皮膚)
  5. 服薬歴・既往歴・発症様式(突然か緩徐か)を確認する
  6. AIUEOTIPSに沿って原因を系統的に想起し、鑑別を絞り込む

意識レベルの評価にはJCS(Japan Coma Scale)やGCS(Glasgow Coma Scale)が用いられます。

経時的な変化を追えるよう、同じ指標で繰り返し記録することが大切です。

印刷して活用しよう

AIUEOTIPSの各文字と代表疾患を1枚にまとめた資料をご用意しました。

ナースステーションや救急外来に掲示したり、ポケットに入れて持ち歩いたりと、必要なときにすぐ確認できる形で活用してください。

意識障害

意識障害

意識障害の原因を想起するための語呂「AIUEOTIPS」を1枚に整理した資料です。各文字が示す原因と代表疾患、初期対応で優先すべきポイントがひと目で確認できます。

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原因 確認のポイント
低血糖まず血糖測定。治療で速やかに改善するため最優先で確認する
低酸素・CO2ナルコーシスSpO2・呼吸数・呼吸パターンを確認し、必要に応じて血液ガスと酸素投与
脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)突然発症、片麻痺、共同偏視、瞳孔不同、突然の激しい頭痛。緊急の画像検査へ
重症感染症(髄膜炎・脳炎・敗血症)発熱、項部硬直、バイタルの異常。感染源の検索を並行する
中毒・薬物過量服薬歴、内服薬の残数、空の薬袋。縮瞳・呼吸抑制はオピオイドを疑う
ショック・循環不全血圧、脈拍、末梢冷感、皮膚所見。循環の安定化を優先する