看護師はタトゥーがあっても働ける?タトゥーが問題になる場面と隠し方・職場選び
看護師はタトゥーがあっても働けるのか、就職や転職を前に不安を感じている人は少なくありません。
看護師のタトゥーは法律上の問題にはならず、免許の取得にも影響しません。 ただし、採用や勤務での扱いは職場ごとの就業規則や身だしなみ規定で決まります。
この記事では、タトゥーが問題になりやすい理由と発覚しやすい場面、隠して働く方法、比較的寛容な職場の選び方を紹介します。
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看護師はタトゥーがあっても働ける?

看護師がタトゥーがあっても働けるかどうかは、「免許」「看護学校」「職場」の3つに分けて考えると分かりやすくなります。
| 関門 | 決めるもの | タトゥーの扱い | 関係する人 |
|---|---|---|---|
| 1免許・国家試験 | 保健師助産師看護師法 | 影響しない | すべての人 |
| 2看護学校 | 学生募集要項・学則 | 学校ごとに異なる | 受験生・看護学生 |
| 3職場 | 就業規則・身だしなみ規定 | 職場ごとに異なる | 就職・転職する人、現役看護師 |
法律上は資格取得も就業も制限されない
看護師の免許について定めた保健師助産師看護師法には、タトゥーに関する規定はありません。 免許を与えないことがある条件(欠格事由)は第9条に4つ定められていますが、いずれも刑罰や業務上の不正、心身の状態に関するもので、外見や身体の装飾は含まれていません。
国家試験の受験資格も、指定された学校や養成所で必要な学科を修めたかどうかで決まります。 タトゥーがあることを理由に、受験や免許の登録、看護師として働くこと自体が法律で制限されることはありません。
職場の就業規則で制限されるのが実情
法律で制限がない一方、勤務先は就業規則や服務規程、身だしなみ規定で職員の服装や外見のルールを定めることができます。 常時10人以上が働く職場では就業規則の作成と届出が義務づけられているため、多くの病院や施設で用意されています。
タトゥーについての定め方は、職場によってさまざまです。
- 「入れ墨・タトゥーは不可」と明記している
- 「業務中に見えないようにする」と定めている
- 「華美な装飾は避ける」など、あいまいな表現にとどめている
- 特に定めがない
明記がない職場でも、「清潔感」「患者さんに不快感を与えない」といった一般的な規定をもとに判断されることがあります。 就業規則は職員がいつでも見られる状態にしておくルールなので、入職後は自分で内容を確認しておきましょう。
見える位置かどうかで扱いが変わる
同じ職場でも、タトゥーが勤務中に見える位置にあるかどうかで扱いは大きく変わります。 背中や太もも、上腕の上のほうなど、ユニフォームを着れば隠れる位置なら、業務上問題になる場面は限られます。
一方で、手首・前腕・首・くるぶし周りは、半袖のユニフォームや処置中の動きで見えやすい位置です。 見える位置にある場合は「勤務中は隠せば可」とする職場と、「隠す前提でも不可」とする職場に分かれます。
免許に影響しないって分かるだけでも、ちょっと安心だね
参考:e-Gov法令検索「保健師助産師看護師法」 / e-Gov法令検索「労働基準法」
タトゥーが採用で問題になる理由

タトゥーが採用で問題になるのは、看護師としての能力とは別に、医療機関が患者さんとの関係や組織の運営面を重視するためです。
患者や家族に与える印象
医療機関には、子どもから高齢者まで幅広い年代の患者さんや家族が訪れます。 タトゥーへの受け止め方は世代や価値観によって差があり、一部の患者さんが不安や威圧感を覚える可能性を職場は気にかけます。
看護師は体に触れるケアや、病状の説明など信頼関係が必要な場面が多い職種です。 採用側は「本人に問題がなくても、患者さんとの関係づくりに影響しないか」という視点で判断します。
施設のイメージへの影響
病院やクリニックは、地域の患者さんに選ばれてはじめて成り立つ組織です。 職員の外見は、施設の印象として口コミや評判につながりやすい要素の一つです。
高齢の患者さんが多い施設などでは、外見のルールを慎重に運用する職場もあります。 反対に、美容系や若い世代の利用が多い施設では、施設の雰囲気に合っていれば気にしないところもあります。
看護師の求人を探す身だしなみ規定の統一を求められるため
多くの職場では、職員全員に同じ身だしなみ規定を適用しています。 「この人だけタトゥーを認める」という個別の例外を作ると、他の職員への説明がつかなくなるため、一律に制限する職場があります。
ネイルや髪色と同じく、規定の背景には「清潔」「安全」「印象」の3つの観点があります。
入浴介助など肌が見える業務があるため
入浴介助や清拭、体位変換などは、看護師が腕まくりをしたり、防水エプロンや半袖で作業したりする業務です。 こうした業務が多い職場では、長袖やサポーターで隠し続けるのが難しく、業務内容そのものが採用判断に影響することがあります。
能力と関係ないところで判断されるのは、モヤモヤするよね
タトゥーが職場で発覚しやすい場面

タトゥーが職場で知られるのは、普段の業務よりも、肌を見せる機会が限られた特定の場面であることが多いです。 自分のタトゥーの位置と、応募先の業務を照らし合わせて確認しておきましょう。
健康診断
職場の健康診断は、事業者が実施しなければならないもので、看護師も毎年受診します。 夜勤のある看護師は「深夜業を含む業務」に当たるため、6か月以内ごとに1回の受診が必要です。
健診を自施設で実施する病院では、同じ職場の職員が検査を担当することもあります。 検査によっては胸元や腕、足首を出すため、ふだん隠れている位置のタトゥーも知られやすい場面です。
入浴介助中
療養病棟や介護施設では、看護師が入浴介助に入ることがあります。 浴室は湿度が高く、半袖や腕まくりで作業することが多いため、長袖インナーやテープでのカバーが難しくなります。
入浴介助が業務に含まれるかどうかは、病棟や施設によって大きく異なります。 求人票や面接で、入浴介助の頻度や看護師の関わり方を確認しておくと、入職後に困る場面を減らせます。
半袖ユニフォームでの勤務
病棟やクリニックでは、半袖のスクラブやユニフォームが主流です。 上腕の下のほうや前腕にあるタトゥーは、ふだんの勤務中から目に入りやすくなります。
また、採血や処置で腕を伸ばしたとき、かがんだときには、袖口や襟元からタトゥーが見えることがあります。 立っているときは隠れていても、動きのなかで見える位置かどうかを鏡で確認しておくと安心です。
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職員の更衣室
更衣室は職員同士が着替える場所なので、背中や脇腹など、勤務中は見えない位置のタトゥーも目に入ることがあります。 同僚に知られること自体は規定違反ではありませんが、うわさとして広まり、上司の耳に入るケースもあります。
着替えのタイミングをずらす、インナーを着たまま着替えるなど、気になる人は自分なりの工夫をしている人もいます。
| 位置 | 健康診断 | 入浴介助 | 半袖勤務 | 更衣室 |
|---|---|---|---|---|
| 手首・前腕 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
| 上腕 | ◯ | ◯ | △ | ◯ |
| 首・うなじ | △ | △ | △ | ◯ |
| 胸・背中・お腹 | ◯ | △ | ✕ | ◯ |
| 太もも | ✕ | △ | ✕ | ◯ |
| 足首 | ◯ | ◯ | △ | ◯ |
自分のタトゥーの位置だと、どの場面で見えそうかな?
タトゥーを隠して働く方法

タトゥーを隠して働く方法は、カバー用品を使う方法と、服装や位置で隠す方法に分かれます。 どの方法を使う場合も、医療現場では手指衛生や感染対策のルールが優先されるため、職場の規定に合うか確認してから取り入れましょう。
ファンデーションテープやカバーシール
ファンデーションテープは、肌色の薄いテープを貼ってタトゥーを覆うカバー用品です。 小さめのタトゥーなら1枚で隠れやすく、上から軽くパウダーをのせると肌になじみます。
一方で、汗や摩擦で端がはがれやすく、長時間貼るとかぶれることがあります。 初めて使うときは、休日に短時間貼って肌の様子を確かめておくと安心です。
傷の手当て用の絆創膏や創傷被覆材は、タトゥーを隠す目的で使わないようにしましょう。傷があると誤解されて処置や業務調整の対象になったり、必要な物品の使い方として不適切と受け取られたりすることがあります。手指や手首まわりに貼るものは手洗い・手指消毒の妨げにならないか、事前に職場へ確認すると安心です。
医療用コンシーラー
医療用コンシーラーは、あざや傷あとを目立たなくするために作られたカバー力の高い化粧品です。 テープを貼りにくい首元や、形が不規則なタトゥーにも使いやすいのが特徴です。
ただし、こすれるとユニフォームや寝具に色移りすることがあります。 患者さんの体に触れる業務が多い場合は、定着用のパウダーやスプレーを重ねる、使う範囲を見えやすい部分に絞るなどの工夫が必要です。
どの方法も、まずは職場のルールに合うかを確認しておこう!
長袖インナーやサポーター
腕のタトゥーは、ユニフォームの下に長袖インナーを着て隠す方法もあります。 手首までのタトゥーなら、肌色や黒のアームカバー、サポーターを使う人もいます。
ただし、長袖インナーを認めるかどうかは職場の感染対策の方針で決まります。 手首まで覆う袖は、手洗いのときに濡れたり汚れたりしやすく、手指衛生の妨げになりやすいためです。 着用を考えている場合は、入職前に上司や感染対策の担当者に相談しておきましょう。
ユニフォームで隠れる位置に入れる
これからタトゥーを入れる場合は、位置によって看護師としての働きやすさが変わります。 背中・胸・お腹・太ももなど、半袖のユニフォームでも隠れる位置なら、隠す工夫が必要になるのは健康診断や更衣室などの限られた場面です。
前腕や手首、首、足首など見えやすい位置は、職場選びの幅が狭まりやすくなります。 将来どんな職場で働きたいかを考えたうえで、位置を決めるのも一つの方法です。
看護師の求人を探すタトゥーに比較的寛容な職場

タトゥーに比較的寛容な職場の傾向はありますが、同じ種類の職場でも方針は施設ごとに異なります。 「この業態なら必ず大丈夫」とは言えないため、傾向をつかんだうえで応募先ごとに確認しましょう。
| 職場 | よくある服装 | 肌が出やすい業務 | ルールの決まり方 |
|---|---|---|---|
| 美容クリニック | クリニック指定のユニフォーム | 少なめ | クリニックの方針 |
| 訪問看護 | ポロシャツ・パンツ | 訪問先での清潔ケア・入浴介助 | 管理者の判断が多い |
| 介護施設 | ポロシャツ・ジャージ | 入浴介助(分担しだい) | 施設ごとの規定 |
| 治験コーディネーター | オフィスカジュアル・スーツ | ほぼなし | 企業の服装規定 |
美容クリニックなどの自由診療
美容クリニックは、外見への関心が高い患者さんが集まり、スタッフにもおしゃれを楽しむ人が多い職場です。 タトゥーへの抵抗感が比較的少なく、施設の雰囲気に合っていれば気にしないクリニックもあります。
ただし、「清潔感」や「ブランドイメージ」を重視して、身だしなみの基準を厳しくしているクリニックもあります。 タトゥー除去の施術を扱うクリニックや、医療行為としてアートメイクを提供するクリニックもあり、施術の考え方はクリニックによって異なります。
美容クリニックの仕事内容や働き方は、以下の記事で紹介しています。
訪問看護ステーション
訪問看護ステーションは、少人数で運営している事業所が多く、身だしなみのルールを管理者の判断で決めていることがあります。
病院ほど一律の規定がない分、面接でタトゥーについて相談しやすく、長袖インナーの着用などを個別に認めてもらえることもあります。
一方で、利用者さんの自宅に1人で訪問するため、利用者さんや家族からの印象を重視する事業所もあります。 訪問先によっては入浴介助を担当することもあるため、業務内容とあわせて確認しておきましょう。
- 訪問看護の正看護師求人は2,535件
- 介護施設(特養・老健・有料)は計2,219件
- 服装の規定は求人票より面接で確認が確実
介護施設
特別養護老人ホームや有料老人ホームなどの介護施設は、ポロシャツやジャージなど動きやすいユニフォームが多く、施設によって服装のルールに幅があります。 看護師の主な役割は、利用者さんの健康管理や服薬管理、医師との連携です。
入浴介助を介護職員が担当し、看護師は入浴前後の体調確認が中心という施設もあります。 看護師がどこまで介助に入るかで肌が見える機会は変わるため、面接で業務の分担を聞いておくと判断しやすくなります。
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治験コーディネーターなど病棟以外の職種
治験コーディネーター(CRC)は、治験に参加する患者さんのサポートや、医師・製薬会社との調整を担当する仕事です。 オフィスカジュアルやスーツで働くことが多く、長袖で腕が隠れやすいうえ、入浴介助など肌が出る業務はありません。
看護師資格を活かせる病棟以外の職種としては、企業の健康管理室や、医療機器メーカーなどの仕事もあります。 治験コーディネーターの仕事内容や年収は、以下の記事で紹介しています。
参考:最高裁判所「裁判例結果詳細(平成30(あ)1790)」 / 千葉県「医師免許を有しない者によるいわゆるアートメイクの取扱いについて」
看護師のタトゥーに関するよくある質問

看護師のタトゥーについて、これから看護師を目指す人や、現役の看護師から寄せられることの多い疑問をまとめました。
タトゥーがあっても看護学校に入学できる?
看護学校の入学条件は、学校ごとに学生募集要項や学則で定められています。 タトゥーがあることを理由に「入学できない」と一律には言えませんが、入学試験の面接や在学中の身だしなみ規程で判断される可能性はあります。
在学中は、病院や施設での臨地実習があり、実習中は実習先の身だしなみ規定に従います。 気になる場合は、募集要項や学則を確認し、オープンキャンパスや入試の問い合わせ窓口で相談しておきましょう。
国家試験や免許申請に影響する?
国家試験や免許申請に、タトゥーは影響しません。 受験資格は指定の学校や養成所で必要な学科を修めたかどうかで決まり、免許の審査で確認されるのは保健師助産師看護師法第9条の欠格事由に当たるかどうかです。
国家試験や免許の手続きは、タトゥーを気にせず進めて大丈夫だよ!
タトゥーを理由に解雇されることはある?
タトゥーを理由とする解雇が認められるかどうかは、就業規則の定め方や、入職時の説明、勤務への影響など個別の事情によって判断が分かれます。 労働契約法第16条では、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない解雇は無効と定められています。
解雇や配置換えを打診されて不安がある場合は、次の順で確認や相談を進めると整理しやすくなります。
MRI検査は受けられる?
タトゥーやアートメイクがあっても、MRI検査を受けられることが多いです。 ただし、色素に鉄などの金属成分が含まれていると、MRIの強い磁力と反応してやけどや変色、画像の一部が欠けるなどの影響が出る可能性があると、医療機関の説明書で案内されています。
色素に金属が含まれているかどうかは、見た目では判断できません。 検査を受けるときは、タトゥーがあることと、その位置や範囲を事前に伝え、医師や診療放射線技師の判断に従いましょう。
参考:市立札幌病院「MRI検査の注意事項」 / 国立病院機構 名古屋医療センター「MRI・MRA検査申込書・同意書」
まとめ
看護師はタトゥーがあっても、免許の取得や看護師として働くことが法律で制限されることはありません。 採用や勤務での扱いを決めるのは、職場ごとの就業規則や身だしなみ規定です。
この記事のポイント
- 保助看法の欠格事由にタトゥーは含まれない
- 看護学校と職場の扱いはそれぞれの規則で決まる
- 健康診断・入浴介助・更衣室は見えやすい場面
- 隠し方は感染対策のルールに合うか確認する
- 寛容な傾向の職場でも方針は施設ごとに異なる
まずは今の職場や応募先の就業規則を確認し、タトゥーの位置と業務内容を照らし合わせてみましょう。 応募先の規定を自分で聞きにくい場合は、転職エージェントに相談すると、身だしなみの方針や業務の分担を事前に確認してもらえます。


