理学療法士の男女比は?OT・STとの違いと領域ごとの偏りを解説

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「理学療法士って男性が多いイメージだけど、女性でも働きやすいのかな?」と気になっている学生さんや、現役の女性理学療法士は多いはずです。

理学療法士の男女比は、日本理学療法士協会の会員ベースでおよそ6対4で男性が多数です。ただ、同じリハビリ職でも作業療法士・言語聴覚士では女性が多数で、職場の規模や領域によっても構成は大きく変わります。

この記事では、最新の協会統計をもとに理学療法士の男女比と推移、OT・STとの違い、領域ごとの偏り、男女の給与差、ライフイベントと両立するための選択肢を紹介します。

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    理学療法士の男女比

    手すりやベッドが並ぶ理学療法士が働くリハビリ室

    日本理学療法士協会の統計情報によると、2026年3月末時点の会員は144,943人です。 このうち男性が約61%、女性が約39%で、男女比はおよそ6対4です。

    会員全体の男女比

    日本理学療法士協会の男女別会員数 会員総数144,943人
    男性 60.6%
    女性 39.4%
    男性
    87,897人
    女性
    57,046人
    ※2026年3月末時点。協会会員のみの集計で、有資格者全体の数ではない

    この数値は協会に入会している理学療法士だけを集計した「会員ベース」の値で、資格を持つ人全体の男女比ではありません。

    協会がまとめている国家試験合格者の累計は24万人を超えており、会員はその6割ほどです。

    男女比の推移

    協会の会員数は、平成22年度の70,758人から令和7年度には144,943人と、15年でおよそ2倍に増えました。 協会は男女別の年次推移を公表していませんが、年代別の会員数を見ると、若い世代ほど女性の割合が高い傾向があります。

    年代別の女性会員の割合
    会員全体の女性割合(39.4%)
    0 10 20 30 40 50 44.0 41.2 40.1 35.7 39.4 40.2 35.9 36.6 29.7 21-25 26-30 31-35 36-40 41-45 46-50 51-55 56-60 61-65 (歳) (%)

    21〜25歳では女性が44.0%と、全体の39%を上回ります。 一方で、36〜40歳は35.7%と低くなっています。 会員統計は退会や休会の影響も受けるため、この差がそのまま働く人の男女比の差とは限りません。

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    平均年齢の男女差

    会員の平均年齢は、男性36.9歳、女性35.9歳で、差は1歳ほどです。 どちらも30代半ばで、20〜30代が会員の中心です。

    女性は約4割。決して少数派ってわけじゃないんだね

    参考:日本理学療法士協会「統計情報」

    作業療法士・言語聴覚士との男女比の違い

    スクラブや白衣を着た男女の医療職が参加する勉強会

    同じリハビリ職でも、作業療法士と言語聴覚士は女性が多数派です。 理学療法士だけが男性多数で、リハビリ3職種の中で男女比が逆転しています。

    リハビリ3職種の会員の男女比
    女性 男性
    理学療法士2026年3月末
    39.4%
    60.6%
    作業療法士2025年3月31日
    60.8%
    39.2%
    言語聴覚士2026年3月31日
    76.9%
    23.1%
    ※いずれも各職能団体の会員ベース。作業療法士は2024年度末の公表値

    作業療法士の男女比

    日本作業療法士協会の会員統計資料によると、2025年3月31日時点の会員は63,352人です。 内訳は男性24,859人(39.2%)、女性38,493人(60.8%)で、理学療法士とはほぼ正反対の比率です。 平均年齢は男性38.0歳、女性37.0歳で、男女の差は理学療法士と同じく1歳ほどです。

    言語聴覚士の男女比

    日本言語聴覚士協会の会員動向によると、2026年3月31日時点の会員は22,511人です。 このうち女性は17,303人で、約77%を占めます。 年代別に見ても、20代から60代まですべての年代で女性が多数です。

    言語聴覚士の男女比や、男性の言語聴覚士の働き方は以下の記事で詳しく紹介しています。

    3職種で比率が違う理由

    男女比の違いが生まれる理由を直接示した統計はありませんが、3職種で主に担当する領域が違うことは協会の統計から読み取れます。

    理学療法士は、急性期や回復期の病院で、身体の動きや歩行の回復を支えるリハビリが中心です。 作業療法士は精神科や発達支援の分野にも多くの会員がいて、言語聴覚士は言葉やコミュニケーション、飲み込みの障害を専門にしています。

    理学療法士と作業療法士の会員数の比較
    項目理学療法士作業療法士
    会員総数144,943人63,352人
    精神科の病院・病床で働く会員232人4,799人
    児童発達支援・放課後等デイサービスで働く会員346人947人
    ※理学療法士は2026年3月末(休会者除く)、作業療法士は2025年3月31日時点。集計区分は協会ごとに異なる

    会員数は理学療法士のほうが2倍以上多いにもかかわらず、精神科や障害児の通所支援で働く会員は作業療法士のほうが多いです。

    どの分野に関心を持って進路を選ぶかが職種ごとに違い、それが男女比にも表れていると考えられますが、性別だけで向き・不向きが決まるわけではありません。

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    3職種の仕事内容や担当する患者さんの違いは、以下の記事で紹介しています。

    参考:日本作業療法士協会「2024年度日本作業療法士協会会員統計資料」 / 日本言語聴覚士協会「会員動向」

    領域・職場によって男女比は偏る

    バイクマシーンや平行棒が置かれたリハビリ室

    全体の比率が6対4でも、自分が働く職場が同じ比率とは限りません。 協会は領域別の男女比を公表していませんが、協会会員が所属する施設の約47%は、理学療法士が1人だけの職場です。

    理学療法士1人の施設
    46.7%
    施設あたりの理学療法士会員数
    1人 46.7% 2人 16.0% 3〜5人 17.7% 6〜10人 8.6% 11人以上 11.0%
    ※2026年3月末。会員の勤務先として登録された26,613施設が対象

    1〜2人の職場では、性別の構成は全体の比率と関係なく、「同性の同僚がいない」こともめずらしくありません。 逆に、人数の多い職場ほど全体の比率に近い構成になりやすいです。 領域ごとの規模の違いを知っておくと、職場選びの目安になります。

    領域別・1施設あたりの理学療法士会員数(平均)
    回復期リハビリテーション病棟
    14.4人
    高度急性期病院
    13.4人
    急性期病院
    8.0人
    小児(病院・療育センター等)
    4.3人
    無床診療所(クリニック)
    2.7人
    訪問看護ステーション
    1.7人
    訪問リハビリテーション
    1.5人
    通所リハビリテーション
    1.4人
    プロスポーツチーム(トレーナー契約)
    1.2人
    ※2026年3月末の休会者を除く会員数÷施設数で算出

    急性期病院

    急性期・高度急性期の病院で働く会員は約3万人で、理学療法士が最も多く働く領域です。 1施設あたりの会員数も多めです。 人数が多いぶん、リハビリ科全体では男女どちらかに極端に偏りにくく、病棟や担当チームの単位で構成が変わります。

    整形外科クリニック・スポーツ分野

    無床の診療所(クリニック)で働く会員は9,169人で、1施設あたり2〜3人の職場が中心です。 プロスポーツチームと契約してトレーナーとして働く会員は35人と、全体から見るとごく少数です。 どちらも少人数の職場が中心で、1人入れ替わるだけで男女比が大きく変わるため、全体の数字よりも応募先の現在のスタッフ構成を確認するのが確実です。

    スポーツ分野で働くための方法は、以下の記事で紹介しています。

    回復期リハビリテーション病棟

    回復期リハビリテーション病棟で働く会員は19,102人で、1施設あたりの会員数は領域別で最も多い規模です。 人数が多いぶん、同性の同僚がいる環境を求める人にとっては候補にしやすい領域です。

    ただし、職場ごとの男女比は公表されていないため、見学のときにリハビリ部門の人数と構成を聞いておきましょう。

    訪問リハビリ・通所リハビリ

    訪問リハビリテーションで働く会員は1,142人、訪問看護ステーションは4,996人、通所リハビリテーションは1,629人です。 いずれも1施設あたり1〜2人の体制が中心で、理学療法士の同僚より、看護師や介護職と一緒に働く場面が多くなります。

    理学療法士の男女比よりも、事業所全体のスタッフ構成や相談できる体制を確認しておくと、入職後のギャップを減らせます。

    小児・療育分野

    小児の病院・発達センター・療育センターなどで働く会員は421人です。 児童発達支援(147人)や放課後等デイサービス(199人)も、1事業所あたり1人ほどの配置です。

    この分野では作業療法士の会員のほうが多く、作業療法士や言語聴覚士と同じチームで働くことが多いため、チーム全体の男女構成は理学療法士だけの比率とは違ってきます。

    全体の6対4より、応募先の今のスタッフ構成を見るのが大事だね!

    参考:日本理学療法士協会「統計情報」 / 日本作業療法士協会「2024年度日本作業療法士協会会員統計資料」

    男女で給与に差はある?

    給与明細書と給与袋

    厚生労働省の調査では、理学療法士は「理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,視能訓練士」としてまとめて集計されています。 そのため理学療法士だけの男女別の賃金は公表されていませんが、リハビリ職全体の傾向はつかめます。

    平均賃金の男女差

    令和7年の調査(企業規模10人以上・一般労働者)では、毎月の所定内給与額は男性31万2,400円、女性28万2,000円です。 女性は男性の約9割で、月におよそ3万円の差があります。 残業代などを含む毎月の給与の12か月分に年間賞与を加えて試算すると、年収は男性が約467万円、女性が約417万円です。

    理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・視能訓練士の男女別データ
    項目男性女性
    平均年齢36.7歳35.5歳
    平均勤続年数9.2年7.6年
    所定内実労働時間(月)158時間156時間
    きまって支給する現金給与額(月)32.5万円29.3万円
    年間賞与その他特別給与額76.7万円66.1万円
    ※令和7年調査・企業規模10人以上・一般労働者。4職種をまとめた値

    ただし、年代別に見ると20代前半ではほとんど差がありません。 差が目立ってくるのは30代後半からです。

    年代別の所定内給与額(月額・千円)
    男性 女性
    0 100 200 300 400 247 / 245 276 / 261 295 / 280 323 / 279 333 / 303 348 / 327 400 / 316 375 / 332 20-24 25-29 30-34 35-39 40-44 45-49 50-54 55-59 (歳)
    ※数値は男性/女性の順。PT・OT・ST・視能訓練士をまとめた値

    差が生まれる要因

    統計上の差は、性別そのものより、勤続年数や働き方の違いが積み重なった結果と考えられます。 統計から読み取れるのは、次のような違いです。

    • 勤続年数
      平均勤続年数は男性のほうが約1.6年長く、勤続に応じた昇給の差が出やすい
    • 年代による伸び方
      30代後半以降、男性の給与の伸びが大きくなる
    • 勤務先・働き方
      勤める施設の種類や規模、夜間・休日の勤務の有無でも給与は変わる

    ただし、統計から個人の事情までは分からないため、「女性だから給与が低い」と言い切れるものではありません。

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    管理職の男女比

    リハビリ職の管理職だけの男女比を示す公的な統計はありません。 参考として、厚生労働省の令和7年度雇用均等基本調査では、医療・福祉の企業で課長相当職以上の管理職に占める女性の割合は53.6%で、全産業の中で最も高い水準です。

    ただし、この数値は看護職など女性が多い職種も含めた業界全体の値で、リハビリ部門の管理職の構成とは一致しません。

    役職手当や役職に応じた昇給は、30代後半以降の給与の伸びに影響します。 将来の給与を考えるなら、求人を比べるときに「女性の管理職がいるか」「役職への登用の基準が明確か」も確認しておくと参考になります。

    差があるのは性別そのものより、働き方の違いなんだね

    参考:政府統計の総合窓口(e-Stat)「賃金構造基本統計調査 令和7年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」 / 厚生労働省「令和7年度雇用均等基本調査」

    女性理学療法士が増えている背景

    学校の外観

    女性の理学療法士が増えてきた背景には、養成校の拡大、対象領域の広がり、働き方の多様化が関係していると考えられます。

    養成校の入学者構成の変化

    日本理学療法士協会の調べでは、養成校は平成2年度の48校から、令和8年度には274校に増えました。 入学定員も1,115人から14,142人と10倍以上になっています。

    理学療法士養成校の入学定員と学校数
    1,115人
    2,640人
    4,230人
    8,987人
    13,339人
    14,514人
    14,142人
    199048校
    199580校
    2000118校
    2005183校
    2010249校
    2020276校
    2026274校
    ※年度。入学定員は募集停止校を除く、学校数は募集停止校を含む

    特に増えたのが4年制大学で、平成2年度は0校でしたが、令和8年度は125校です。 入学者の男女別の統計は公表されていませんが、学べる場所が全国に増えて進学の選択肢が広がったことが、若い世代ほど女性の割合が高い会員構成にもつながっていると考えられます。

    対象領域が広がったこと

    理学療法士の活躍の場は、病院のリハビリだけでなく、在宅や介護予防、企業のヘルスケアサービスなどへ広がっています。

    2024年10月には、こども家庭庁の「産前・産後サポート事業ガイドライン」などの改定で、実施担当者として理学療法士が明記されました。

    日本理学療法士協会も、尿失禁に対する骨盤底筋トレーニングなど、妊娠・出産を経験する人向けの動画教材を公開しています。

    理学療法士が関われる場面って、どんどん広がっているんだね!

    働き方の選択肢が増えたこと

    訪問リハビリやクリニック、通所リハビリなど、病院以外の勤務先が増えたことで、勤務時間や休日の選び方も広がりました。

    日曜・祝日が休みの職場や、夕方で終わる職場、パートで働ける職場など、生活に合わせて選べる求人が多いことも、長く働き続けやすい理由の一つです。

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    参考:日本理学療法士協会「統計情報」 / 日本理学療法士協会「女性のライフステージと理学療法」

    ライフイベントと両立するための選択肢

    育児をしながら転職先を調べる様子

    出産・育児と仕事を両立するための制度は、法律で決められているものが多くあります。 2025年4月と10月の育児・介護休業法の改正で、子育て中に使える制度はさらに広がりました。

    子どもの年齢別・法律で使える主な制度
    出産予定日の6週間前〜産後8週間
    産前・産後休業
    産前は請求で取得(多胎は14週間前から)。産後は原則として就業不可
    子どもが1歳になるまで
    育児休業
    保育所に入れない場合などは最長2歳まで延長できる
    3歳未満
    短時間勤務制度
    1日6時間を原則とする勤務を選べる
    3歳〜小学校入学前
    柔軟な働き方を実現するための措置2025年10月〜
    始業時刻の変更・テレワーク・短時間勤務など、事業主が用意した2つ以上から1つを選ぶ
    小学校入学前まで
    残業の免除(所定外労働の制限)2025年4月〜
    対象が3歳未満から小学校入学前までに広がった
    小学校3年生修了まで
    子の看護等休暇2025年4月〜
    年5日(子ども2人以上は10日)。学級閉鎖や入園・入学式でも使える

    産休・育休後の復帰

    産前休業は出産予定日の6週間前(多胎妊娠は14週間前)から請求でき、産後8週間は原則として働くことができません。 その後は育児休業を取り、子どもが1歳になるまで(保育所に入れないなどの場合は最長2歳まで)休めます。

    復帰するときは、同じ職場に戻るか、働き方を変えて転職するかを選べます。 休業中に担当領域の知識が気になる場合は、復帰前に職場と面談し、最初の担当や勤務時間を相談しておくと安心です。

    時短勤務・非常勤

    3歳未満の子どもを育てている人は、1日6時間を原則とする短時間勤務制度を利用できます。 2025年10月からは、3歳から小学校に入る前の子どもを育てる人向けに、事業主が始業時刻の変更やテレワーク、短時間勤務などから2つ以上の制度を用意することが義務になりました。

    正社員のまま短時間勤務を続けるほか、パートや非常勤として働く方法もあります。 法律で決められているのは最低限の内容なので、職場独自の制度があるかどうかも就業規則で確認しておきましょう。

    医療キャリアナビ掲載求人データ
    • PT求人6,409件のうちパートは1,790件
    • 託児所・保育所完備の求人は496件
    • 時短勤務OKと明記した求人は353件
    キャリアパートナー

    職場選びで確認する項目

    両立のしやすさは、制度があるかどうかより、実際に使われているかどうかで決まります。 求人票や面接、見学で、次の項目を確認しておきましょう。

    • 産休・育休の取得実績と復帰した人の人数
    • 短時間勤務を使っている理学療法士がいるか
    • 急な休みのときに担当を代われる人数がいるか
    • リハビリ部門の人数と男女の構成
    • 託児所や保育補助などの支援があるか

    制度の「実績」まで聞くのはちょっと勇気がいるよね

    聞きにくい項目は、転職エージェントを通して確認してもらう方法もあります。

    参考:厚生労働省「育児・介護休業法について」 / e-Gov法令検索「労働基準法」

    まとめ

    理学療法士の男女比は、協会の会員ベースでおよそ6対4です。 同じリハビリ職でも作業療法士・言語聴覚士は女性が多数で、職場の規模や領域によっても構成は大きく変わります。

    この記事のポイント


    • 会員の約39%が女性(2026年3月末)
    • OTは約61%、STは約77%が女性
    • 施設の約47%は理学療法士1人の職場
    • リハビリ職の給与は女性が男性の約9割
    • 育休・時短など両立制度は法改正で拡大

    全体の男女比より、応募先のスタッフ構成や両立支援の実績のほうが、働きやすさを左右します。 気になる職場があれば、見学や面接で人数構成や制度の利用状況を確認してみましょう。

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    ※調査方法:アンケート/対象者:サービス利用による内定者288名/集計期間:2025年1月1日~2025年8月31日

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