薬剤師の残業は多い?平均時間・職場別の実態・残業代が出ないときの対処法・残業の少ない職場の探し方

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「薬剤師ってサービス残業が普通なの?」「残業申請が30分未満だと出せない…」と感じている方は少なくありません。薬剤師の残業時間は職場によって大きく異なり、調剤薬局・病院・ドラッグストア・MRなど勤務先ごとに残業が発生する原因もさまざまです。

この記事では、厚生労働省の統計データをもとに薬剤師の平均残業時間を紹介するとともに、職場別の残業実態や残業代の法律上のルール、サービス残業への対処法、そして残業の少ない職場の探し方まで詳しく解説します。

残業の悩みを解決し、自分に合った働き方を見つけるためにぜひ最後までお読みください。

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目次

薬剤師の平均残業時間はどれくらい?

時計のブロックと置時計が並べられた残業時間を連想させるイメージ

薬剤師の残業時間は、厚生労働省の統計調査で全国の平均値が公表されています。ここでは公的データをもとに、統計上の数字と現場の体感のギャップ、そして他の医療職との比較を整理します。

厚労省データでは月10時間前後

厚生労働省が毎年実施している「賃金構造基本統計調査」では、薬剤師の超過実労働時間数(いわゆる残業時間)が職種別に集計されています。令和5年調査の結果によると、薬剤師の月間平均残業時間は約10時間です。

1日あたりに換算すると約20〜30分程度となり、数字だけ見るとそこまで長くない印象を受けるかもしれません。

しかしこの数値は調剤薬局から病院、ドラッグストア、製薬企業などすべての職場を含めた全体の平均値です。勤務先や繁忙期によっては、月20時間を超える残業が発生しているケースも珍しくありません。

統計データはあくまで「届け出られた残業時間」の平均であるため、実態を正しく理解するには根本の問題について知っておく必要があります。

薬剤師の月間平均残業時間

10時間

超過実労働時間/月

÷

20

月間勤務日数

約30分/日

1日あたりの残業

参考:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況」

統計データと実態にはギャップがある

統計上の残業時間が比較的短く見えるのは、いくつかの理由があります。

  • 賃金構造基本統計調査は「賃金が支払われた時間」を集計しており、無給のサービス残業は含まれない
  • 開局前の準備や閉局後の薬歴記入が勤務時間にカウントされていないケースがある
  • 自己研鑽として扱われる勉強会・研修の時間が除外されている場合がある

つまり、統計データは「公式に記録された残業」の平均にすぎず、現場で実際に働いている時間とは差があります。特に調剤薬局では薬歴記入を閉局後に行う慣習がある職場も多く、「帰れない時間」が統計に反映されにくい構造になっています。

統計データを鵜呑みにするのは危険

    サービス残業や就業前の準備時間は含まれていないよ。統計データはあくまでも目安として、周りの薬剤師の声なども参考にして自分の現状と比較することが大事!

実態は乖離しているかも…!
キャリアパートナー

このギャップを認識したうえで、自分の職場の残業が適正かどうかを客観的に見極めることが大切です。

医師や看護師など他の医療職との残業時間比較

同じ賃金構造基本統計調査のデータを用いて、薬剤師と他の医療職の残業時間を比較してみましょう。

医療職種別 月間平均残業時間(超過実労働時間)
※企業規模10人以上、男女計
医師
16時間
薬剤師
10時間
看護師
7時間
PT・OT・ST
5時間

医師と比べると薬剤師の残業時間は短いものの、看護師や理学療法士と比較するとやや長い傾向にあります。ただし、先述のとおりサービス残業が反映されていないため、単純な比較には注意が必要です。

今のあなたの状況は?

キャラクター

職場別の残業時間と残業が発生する原因

カンファレンスでメモを取る薬剤師

薬剤師の残業事情は、勤務先の業態によって大きく異なります。ここでは調剤薬局・病院・ドラッグストア・MRの4つの職場に分けて、それぞれの残業時間の傾向と残業が発生する原因を詳しく見ていきます。

調剤薬局
病院
ドラッグストア
MR
残業の原因内容
薬歴記入閉局後にまとめて記入する慣習があり、1日30分〜1時間の残業につながる
閉店間際の対応門前クリニックの診療延長で処方箋が遅れて届き、退勤が遅れる
在宅訪問移動時間を含めた業務量増加で定時を超過しやすい
残業の原因内容
病棟業務持参薬鑑別・服薬指導・問い合わせ対応が日中に集中し、記録業務が後回しに
カンファレンス医師や他職種のスケジュールに合わせることが多く、他の業務を中断する必要がある
急患対応予定業務が後ろ倒しになり、退勤が遅れる
勉強会業務後開催や自主参加という名目で労働時間に含まれず、事実上のサービス残業になることも
残業の原因内容
営業時間の長さ20〜21時閉店の店舗では遅番の退勤が遅くなりやすい
棚卸し閉店後の在庫確認作業で数時間の残業が発生しやすい
品出し・レジ対応調剤以外の業務で1日の業務量が増加する
残業の原因内容
診察終了待ち医師の診察終了後に面会するため、待ち時間が長引くと退勤が遅れる
資料作成プレゼン資料や報告書の作成が業務時間を圧迫する
新薬発売・講演会繁忙期は業務量が急増し、月30時間超の残業になることも

調剤薬局

調剤薬局は薬剤師の勤務先として最も多い職場ですが、残業の原因も多岐にわたります。

まず大きな要因が薬歴記入です。患者さんへの服薬指導後に記録する薬歴は、丁寧に書こうとすると1件あたり数分かかります。日中は調剤や投薬で手が離せないため、閉局後にまとめて記入する薬剤師も少なくありません。

薬歴記入が残業につながるケース

3分/件

薬歴1件あたり

×

20

閉局後にまとめ書き

約60分/日

閉局後の残業

次に、閉店間際の患者さん対応も残業につながります。門前クリニックの診療が長引くと、閉局時間ギリギリに処方箋が持ち込まれることがあり、調剤・監査・投薬の一連の流れを終えるまで帰れません。

さらに、在宅訪問に力を入れている薬局では、移動時間を含めた業務量が増え、結果的に定時を超えることがあります。在宅患者さんの数が増えるほど、通常業務との両立が課題になりやすい傾向です。

病院

病院薬剤師は業務の幅が広い分、残業の原因も多様です。

病棟業務では、入院患者さんの持参薬鑑別や服薬指導、医師・看護師からの問い合わせ対応などが日中に集中します。これらの対応に追われると、薬剤管理指導記録の作成が勤務時間内に終わらないことがあります。

また、カンファレンスや委員会活動は医師や薬剤師以外の職種のスケジュールに合わせて設定されることも多く、薬剤師は業務の合間を縫って参加しなくてはいけないことも多いです。

全ての職種が参加できるように就業後に実施されるケースもあり、参加が義務であっても残業扱いにならないこともあります。さらに急患対応が入ると、予定していた業務が後ろ倒しになり、結果的に残業が増えます。

他に勉強会や症例検討会への参加があります。スキルアップのために必要ですが、就業後の開催がデフォルトになっていたり、自主参加といいつつ全員参加が当たり前の風潮で勤務時間にカウントされないなど、サービス残業になることもあります。

ドラッグストア

ドラッグストアでの残業は、店舗の営業形態に大きく左右されます。

最も影響が大きいのは営業時間の長さです。20時や21時まで営業する店舗では、シフトによっては遅番の終了時間がそもそも遅くなります。閉店後のレジ締めや片付けを含めると、実際の退勤はさらに遅くなりがちです。

また、ドラッグストアでは薬剤師も品出しやレジ対応を行う場合があり、調剤以外の業務が増えることで1日の業務量が膨らみます。特に棚卸しの時期は閉店後に残って作業することも珍しくありません。

一方で、大手チェーンではシフト制が整備されており、残業時間の管理が比較的厳格なところもあります。店舗の規模や人員配置によって残業の多さに差が出る点が特徴です。

MR(医薬情報担当者)

MRとして働く薬剤師は、他の職場とは異なるタイプの残業が発生します。

MRは医師や医療従事者への情報提供・収集が主な業務ですが、面会のタイミングは相手の都合に左右されます。医師の診察終了を待ってから面会するケースが多いため、待ち時間が長くなると必然的に退勤が遅くなります。

また、プレゼン資料や報告書の作成、社内会議への出席なども業務時間を圧迫する要因です。特に新薬の発売時期や講演会シーズンは業務量が一気に増え、残業が月30時間を超えることもあります。

ただしMRは営業職の性質があるため、事業場外みなし労働時間制が適用されている企業もあります。この場合、残業時間の把握があいまいになりやすく、実際の労働時間との乖離が生じることがある点に注意が必要です。

診察終了待ち

医師の診察後に面会するため、待ち時間が長引くと退勤が遅れる

日常的に発生
📄

資料作成・社内会議

プレゼン資料や報告書の作成が業務時間を圧迫する

通年で負担大
📊

新薬発売・講演会

繁忙期は業務量が急増し、月30時間超の残業になることも

月30時間超も

薬剤師の残業代は出る?出ない?法律上のルール

給与明細書と書類が置かれたデスク

「薬剤師には残業代が出ないのでは?」と不安に思う方もいるかもしれません。しかし結論から言えば、薬剤師であっても残業代は支払われるのが法律上の原則です。

ここでは、よくある誤解を含めて法律上のルールを整理します。

薬剤師にも残業代は支払われるのが原則

労働基準法では、法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えて労働させた場合、使用者は割増賃金を支払う義務があります。これは職種に関係なく適用されるルールであり、薬剤師だからといって残業代が免除される法律上の根拠はありません

時間外労働の割増率は以下のとおりです。

  • 法定時間外労働(月60時間以内)
    基本給の25%以上
  • 法定時間外労働(月60時間超)
    基本給の50%以上
  • 深夜労働(22時〜翌5時)
    基本給の25%以上
  • 法定休日労働
    基本給の35%以上

残業代の支払いは使用者の「善意」ではなく法的義務です。支払われていない場合は、法律に基づいて請求する権利があります。

「薬剤師は裁量労働制だから残業代なし」は誤り

「薬剤師は専門職だから裁量労働制が適用され、残業代は出ない」という説明を受けたことがある方もいるかもしれません。しかし、これは明確な誤りです。

専門業務型裁量労働制の対象は、労働基準法施行規則で限定列挙された業務のみです。具体的には研究開発、情報処理システムの設計、放送番組のプロデューサーなどが該当しますが、薬剤師の調剤業務や服薬指導は対象業務に含まれていません

したがって、薬局や病院が「裁量労働制だから残業代を支払わない」と主張しても、法的根拠がなく違法となる可能性が高いです。

薬剤師の業務 → 対象外

裁量労働制を適用できない理由

  • 調剤業務は対象20業務に含まれない
  • 服薬指導・薬歴管理も対象外
  • 処方箋の受付時間に縛られ時間配分の裁量がない

「裁量労働制だから残業代を払わない」は法的根拠がなく違法の可能性が高い

対象の20業務(一部抜粋)

裁量労働制が適用できる業務

  • 研究開発(新商品・新技術)
  • 情報処理システムの設計・分析
  • 放送番組のプロデューサー・ディレクター
  • 弁護士・公認会計士・税理士等の士業
  • 大学教授の研究業務
  • M&Aアドバイザリー業務(2024年追加)

対象は省令で限定列挙された全20業務のみ(労基法施行規則第24条の2の2)

参考:厚生労働省「裁量労働制の概要」

年俸制でも残業代は発生する

年俸制で雇用されている薬剤師の中には、「年俸に残業代が含まれているから別途支給されない」と思い込んでいる方がいます。しかし、年俸制であっても法定労働時間を超えた分の残業代は発生します。

年俸に固定残業代が含まれている場合でも、以下の条件を満たす必要があります。

  • 固定残業代の金額と対応する残業時間が明示されていること
  • 固定残業時間を超えた分は追加で支払われること
  • 基本給と固定残業代が明確に区分されていること

これらの条件を満たしていない場合、固定残業代の定めそのものが無効とされる可能性があります。年俸制だからといって残業代がゼロになるわけではない点を覚えておきましょう。

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管理薬剤師は「管理監督者」に該当するか?

労働基準法第41条2号では「管理監督者」には残業代(時間外・休日の割増賃金)を支払わなくてよいと定められています。このため「管理薬剤師は管理監督者だから残業代なし」という運用をしている職場があります。

しかし、法律上の「管理監督者」は非常に限定的な概念です。厚生労働省のQ&Aでは、以下の3つの要素を総合的に判断するとされています。

  1. 経営者と一体的な立場にあり、労務管理について十分な権限を持っていること
  2. 出退勤の時間について厳格な制限を受けていないこと
  3. その地位にふさわしい十分な待遇(賃金)を受けていること

多くの管理薬剤師は、出退勤時間がシフトで管理されており、採用・人事権も限定的です。また、一般の薬剤師と大きく変わらない給与水準であるケースも多いため、法律上の「管理監督者」に該当しない可能性が高いといえます。

「管理薬剤師だから」という理由だけで残業代が支払われていない場合は、労働基準監督署への相談を検討してもよいでしょう。

参考:厚生労働省「『管理監督者』の範囲の適正化に関するQ&A」

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サービス残業が起きやすいケースと対処法

STOPと書かれた札を手に持つ様子

薬剤師の職場では、残業としてカウントされない「サービス残業」が慣習化しているケースがあります。どのような場面でサービス残業が生じやすいのかを知り、適切に対処することが大切です。

開局前の清掃・準備や閉局後の薬歴記入が無給になっている

多くの調剤薬局では、開局前に清掃や調剤機器の立ち上げ、在庫確認などの準備作業が必要です。同様に、閉局後には薬歴の記入やレセプト業務を行う薬剤師も多くいます。

これらの業務が「始業前の自主的な準備」や「業務時間内に終わらせるべきだった仕事」として扱われ、残業としてカウントされないケースがあります。しかし、使用者の指示(明示・黙示を問わず)のもとで行われている業務であれば、労働時間に該当します。

  • 自分の出退勤時間を手帳やアプリで記録しておく
  • タイムカードの打刻時間と実際の業務開始・終了時間にズレがないか確認する
  • 業務命令として行っている作業は、上司に「労働時間として計上したい」と申し出る

まずは自分の労働時間を正確に把握し、記録を残すことが第一歩です。

参考:厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」

残業時間の30分未満が切り捨てになっている

「残業は30分単位で計算される」として、30分未満の端数が毎日切り捨てられている職場があります。しかし、1日ごとの残業時間を30分や15分単位で切り捨てることは原則として違法です

労働基準法では、賃金は「全額払いの原則」が定められており、実際に働いた時間に対して1分単位で支払うのが原則です。ただし、1か月の合計残業時間について30分未満を切り捨て・30分以上を切り上げる処理は、行政通達で認められています。

つまり、毎日の残業を端数切り捨てするのは違法ですが、月単位でまとめて四捨五入するのは適法です。自分の職場がどちらの方法をとっているか確認してみましょう。

違法

1日ごとの端数切り捨て

毎日の残業を30分・15分単位で切り捨てるのは「全額払いの原則」に違反

例:毎日25分の残業 → 0分に切り捨て
→ 月20日で約8時間分が未払いに

適法

月単位の四捨五入

1か月の合計残業時間を30分未満切り捨て・30分以上切り上げは行政通達で認められている

例:月合計10時間20分 → 10時間に
例:月合計10時間35分 → 11時間に

勉強会や研修を残業時間に含んでいない

病院や一部の調剤薬局では、勤務時間外に勉強会や研修が行われることがあります。「自主参加だから残業にはならない」とされるケースが多いですが、実態によっては労働時間に該当する可能性があります。

労働時間に該当するかどうかの判断基準は、使用者の指揮命令下にあるかどうかです。

  • 参加が事実上強制されている(不参加で評価が下がる等)場合は労働時間に該当する
  • 業務に直接必要な内容の研修で、参加しなければ業務に支障が出る場合も労働時間に含まれる
  • 完全に任意で、参加しなくても一切の不利益がない場合は労働時間に該当しない可能性がある

「自主参加」という形式をとっていても、実質的に強制されている場合はサービス残業にあたります。勉強会への参加状況と処遇の関係を確認しておくことが重要です。

みなし残業(固定残業代)の求人に注意

注意点と書かれた付箋

薬剤師の求人には「月給○万円(みなし残業○時間分を含む)」と記載されているものがあります。みなし残業制度そのものは違法ではありませんが、正しく運用されていないケースもあるため、求人票の読み方を知っておくことが大切です。

みなし残業とは何か?

みなし残業(固定残業代)とは、あらかじめ一定時間分の残業代を毎月の給与に含めて支払う制度です。たとえば「月20時間分の固定残業代を含む」と定められている場合、実際の残業が20時間未満でも固定残業代は支払われます。

企業側にとっては毎月の人件費を安定させられるメリットがある一方、労働者側にとっては「残業が前提の働き方」が組み込まれているとも言えます。

求人票で「月給○万円(みなし残業○時間分を含む)」の読み方

みなし残業を含む求人を見るときは、以下のポイントをチェックしましょう。

みなし残業の求人チェックポイント
1
基本給を確認

固定残業代を引いた基本給がいくらかを計算する。月給総額だけで判断しない

例:月給35万円−固定残業代5万円=基本給30万円
2
設定時間を確認

固定残業時間が何時間に設定されているか確認。40時間以上は長時間労働の可能性あり

例:月20時間分→妥当 / 月45時間分→要注意
3
超過分の支給を確認

固定残業時間を超えた分が追加で支払われるか面接時に確認しておく

例:30時間設定で40時間残業→10時間分の追加支給が必要
  1. 基本給がいくらかを確認する(月給総額ではなく、固定残業代を除いた金額)
  2. 固定残業時間が何時間に設定されているかを確認する(40時間以上は要注意)
  3. 固定残業代の金額が明示されているかを確認する

たとえば「月給35万円(固定残業代5万円・月30時間分を含む)」と記載されていれば、基本給は30万円です。基本給だけで見ると、他の求人より低い場合もあるため注意が必要です。

みなし残業を超えた分は追加で支払われる必要がある

みなし残業制度で最も重要なのは、設定された時間を超えて残業した場合、超過分の残業代は別途支払われなければならないという点です。

「固定残業代に含まれているから、それ以上は支払わない」という運用は違法です。たとえば月30時間分のみなし残業が設定されていて、実際に40時間残業した場合、10時間分の残業代が追加で支払われる必要があります。

みなし残業の求人を選ぶ場合は、実際の残業時間が設定時間を超えたときに追加支給されるかどうかを面接時に確認しておきましょう。

薬剤師の転職、プロが伴走します

薬剤師が残業を減らすためにできること

バインダーを持ちながら笑顔でメモを取る女性薬剤師

残業が慢性化している場合、個人の工夫と職場全体の改善の両面からアプローチすることが重要です。ここでは、薬剤師が日々の業務で実践できる残業削減の方法を紹介します。

薬歴記入を業務時間内に終わらせる工夫をする

薬歴記入は残業の大きな原因の一つですが、業務時間内に処理するための工夫は可能です。

  • 投薬直後にキーワードだけメモしておき、患者さんの合間に記入する習慣をつける
  • テンプレートや定型文を活用し、記入時間を短縮する
  • 電子薬歴の音声入力機能やコピー機能を使いこなす

「閉局後にまとめて書く」という習慣を変えるだけでも、残業時間は大幅に減らせます。完璧な文章を求めすぎず、必要十分な内容を効率的に記録することを意識しましょう。

業務の属人化を減らしチームで分担する

特定のスタッフだけが在庫管理や発注業務を担当している場合、その人に業務が集中して残業が増えがちです。業務マニュアルを作成し、複数人が対応できる体制にすることで、負担を分散できます。

また、調剤や監査の業務も「この薬はあの人に聞かないとわからない」という状態を減らすことが大切です。定期的なミーティングで知識を共有し、誰でも対応できる環境を整えましょう。

チーム全体で残業を減らすという意識を持つことが、個人の負担軽減につながります。

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自動監査システムや電子薬歴などの効率化ツールを活用する

IT技術の進歩により、薬剤師の業務を効率化するツールが増えています。

  • 自動監査システム:処方箋の内容を自動でチェックし、相互作用や用量の確認を効率化
  • 電子薬歴システム:テンプレート機能や過去データの参照で記入時間を短縮
  • ピッキングサポートシステム:調剤ミスの防止と同時にピッキング時間を削減
  • 一包化調剤機器:一包化の手作業を自動化し、調剤にかかる時間を大幅に短縮

ツールの導入は個人の判断だけでは難しい場合もありますが、業務改善の提案として上司や経営者に働きかけることは可能です。導入によってどれだけ時間が短縮できるかを具体的に示すと、提案が通りやすくなります。

人員不足を上司・経営者に伝え改善を求める

残業が慢性的に発生している場合、根本的な原因が人員不足にあるケースは少なくありません。個人の努力だけでは限界がある場合は、上司や経営者に状況を伝えて改善を求めることも大切です。

その際、「忙しい」「大変だ」という主観的な訴えだけでなく、具体的なデータを示すと効果的です。

  • 直近3か月の残業時間の記録を提示する
  • 1日あたりの処方箋枚数と薬剤師数のバランスを数値で示す
  • 残業が発生しやすい時間帯やピークの曜日を可視化する

データに基づいた改善提案は、経営側にとっても検討しやすい形です。人員の補充や業務の見直しにつながる可能性があります。

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残業が少ない職場の探し方

JOBSEARCHの文字を指さす転職活動のイメージ

「今の職場は残業が多すぎる」と感じている場合、残業の少ない職場への転職を検討するのも一つの選択肢です。ここでは、残業の実態を事前に見極めるためのポイントを紹介します。

求人票で「残業月○時間」の記載を確認する

求人票には月の平均残業時間が記載されていることがあります。まずはこの数字を確認し、自分の希望と照らし合わせましょう。

ただし、記載されている数字が必ずしも正確とは限りません。「残業ほぼなし」「残業月5時間以内」と書かれていても、実際はもっと多いケースもあります。求人票の数字はあくまで目安として捉え、面接や職場見学で実態を確認することが重要です。

また、「残業なし」を強調している求人は、業務量が少ない(=処方箋枚数が少なく収益が不安定)場合もあるため、その理由まで確認するとよいでしょう。

面接時に「平均的な退勤時間」を質問する

面接では残業時間について直接質問することが可能です。その際、「残業は多いですか?」と聞くよりも、「平均的な退勤時間は何時ごろですか?」と聞く方が具体的な回答を得やすくなります。

質問例


  • 「薬剤師の方は普段何時ごろに退勤されていますか?」
  • 「繁忙期はどの時期で、残業はどのくらい増えますか?」
  • 「薬歴の記入は業務時間内に終わりますか?」

相手が答えにくそうにしたり、あいまいな返答をする場合は、残業が多い可能性を考慮しておくとよいでしょう。

門前クリニックの診療終了時間をチェックする

調剤薬局の場合、門前のクリニックや病院の診療終了時間が薬局の実質的な退勤時間に直結します。求人に応募する前に、門前の医療機関の診察スケジュールを確認しておくことが有効です。

診療終了が18時のクリニックであれば、最後の患者さんの調剤を終えて19時前後に退勤できるのが一般的です。しかし、19時や20時まで診療している場合は、薬局の退勤時間もそれだけ遅くなります。

また、複数の医療機関の処方箋を受けている薬局は、どこか1つの診療が長引くだけで残業が発生しやすくなります。門前1軒のみの薬局の方が、退勤時間の見通しが立てやすい傾向があります。

転職エージェントに残業の実態を調べてもらう

求人票や面接だけでは把握しきれない残業の実態を知るには、転職エージェントを活用するのも効果的です。エージェントは求人先の企業や薬局と日常的にやりとりしているため、内部の労働環境について詳しい情報を持っていることがあります。

  • 「この薬局の実際の退勤時間は?」と直接聞ける
  • 過去にその職場に転職した薬剤師からのフィードバックを踏まえた情報を得られる場合がある
  • 残業の少ない求人を条件で絞り込んで紹介してもらえる

特に初めて転職する方や、残業の少なさを最優先にしたい方は、エージェントに希望条件を明確に伝えておくとマッチングの精度が高まります。

残業代の計算方法と未払い残業代の請求手順

書類に記入する男性の手元

残業代が正しく支払われているか確認するためには、計算方法を知っておくことが大切です。ここでは基本的な計算式とシミュレーション、そして未払い残業代を請求する手順を解説します。

残業代の基本的な計算式

残業代は以下の計算式で求められます。

残業代の計算式


  • 残業代 = 1時間あたりの基礎賃金 × 割増率 × 残業時間
  • 1時間あたりの基礎賃金 = 月給 ÷ 月の所定労働時間

月給から除外されるのは、家族手当・通勤手当・住宅手当・臨時の賃金・1か月を超える期間で支払われる賃金などです。薬剤師手当や職務手当は基礎賃金に含まれるのが一般的です。

割増率は先述のとおり、通常の時間外で25%以上、月60時間超で50%以上、深夜で25%以上、休日で35%以上です。

月給30万円・月10時間残業の場合の残業代シミュレーション

具体的な数字で確認してみましょう。

残業代シミュレーション(月給30万円・月10時間残業の場合)
項目数値
月給(基礎賃金対象額)300,000円
月の所定労働時間160時間
1時間あたりの基礎賃金1,875円(300,000÷160)
割増率(時間外25%)×1.25
残業1時間あたりの単価2,344円(1,875×1.25 端数切上げ)
月10時間の残業代23,440円

計算すると、1時間あたりの基礎賃金は30万円÷160時間=1,875円です。これに割増率1.25を掛けると、残業1時間あたり2,344円(端数切り上げ)となります。月10時間の残業では、23,440円が残業代として支払われるべき金額です。

自分の給与明細と照らし合わせて、適正な残業代が支払われているか確認してみましょう。

未払い残業代を請求する手順(証拠確保→通知→交渉→労働審判)

未払い残業代が発生している場合、以下の手順で請求を進めることができます。

STEP.1
証拠を確保する
タイムカードの記録、業務メールの送受信時刻、PCのログイン履歴、手書きの出退勤メモなど、労働時間を証明できる資料を集める
STEP.2
残業代を計算する
給与明細と勤務記録から、未払い分の残業代を正確に算出する
STEP.3
会社に通知する
内容証明郵便で未払い残業代の支払いを請求する(時効は3年)
STEP.4
交渉する
会社と話し合い、支払いに応じてもらう。応じない場合は次のステップに進む
STEP.5
労働基準監督署に相談する
是正勧告を出してもらうことで、会社が支払いに応じる場合がある
STEP.6
労働審判・訴訟
それでも解決しない場合は、労働審判や裁判で請求する

残業代の請求権には3年の時効があります。過去の未払いが気になる場合は、早めに証拠を確保しておくことが重要です。まずは労働基準監督署の無料相談窓口に問い合わせてみるのもよいでしょう。

参考:厚生労働省「時間外労働の上限規制」

まとめ

薬剤師の残業時間は統計上は月8〜9時間程度ですが、サービス残業を含めると実態はそれ以上になるケースが多くあります。残業の原因は職場によって異なり、調剤薬局では薬歴記入や閉店間際の対応、病院では病棟業務やカンファレンス、ドラッグストアでは営業時間の長さが主な要因です。

残業代については、薬剤師であっても法律上は支払われるのが原則です。裁量労働制の適用外であること、管理薬剤師でも管理監督者に該当しない可能性が高いことを知っておくだけでも、不当な扱いに気づくきっかけになります。

この記事のポイント


  • 薬剤師の統計上の残業時間は月8〜9時間だが、サービス残業が含まれていないため実態とはギャップがある
  • 残業代は法律上の義務であり、薬剤師だからといって免除される根拠はない
  • サービス残業が疑われる場合は労働時間の記録を残し、労働基準監督署に相談できる
  • 残業の少ない職場を探すには、退勤時間の確認や転職エージェントの活用が有効
  • 未払い残業代の請求権には3年の時効があるため、早めの対応が大切

残業の悩みを放置すると、心身の健康やキャリアにも影響が及びます。現状を見直し、より良い働き方に向けた一歩を踏み出しましょう。

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