
術後のシバリングを見た際の初期対応として最も適切なのは?
正解は1
シバリングとは?
シバリング(shivering)とは、体温低下などに対する生理的な防御反応として現れる、骨格筋の不随意で反復的な収縮(=戦慄)です。
体内で熱を産生し、体温を上昇させようとするメカニズムの一つです。
術後に見られるシバリングは、麻酔薬による体温調節中枢の乱れ、術中の放熱(開腹など)による深部体温の低下によって起こります。
シバリングの影響
シバリングは以下のリスクがあるため、早急に対応する必要があります。
酸素消費量の増加
→ 筋活動による代謝亢進のため、酸素消費量(VO₂)が最大2倍以上に。
※呼吸器疾患・心疾患患者では呼吸困難・心不全の引き金に。
心負荷の増加
→ 心拍数・血圧上昇 → 心不全・虚血性心疾患のある患者では心筋に過剰負荷がかかる。
不快感の増大
→ 術後・集中治療中の患者にとっては強い苦痛。
せん妄・不穏・不眠の原因にもなる。
シバリングに対する看護師の対応
- 体温を測定することが第一(電子体温計または深部体温計)
- 加温処置を検討(ブランケット、温風加温装置、加温輸液など)
- 必要に応じて医師に報告し、薬物的介入(ペチジン等)も検討(※呼吸抑制など副作用に注意。)