薬剤師の髪色はどこまで許される?職場別の規定と面接時の髪色の考え方
「薬剤師って、髪を明るくしたら怒られる?」「転職先は髪色自由のところがいい」と考えている薬剤師の方もいるのではないでしょうか?
薬剤師の髪色には法律上の決まりはなく、勤め先の就業規則や身だしなみ規程で許される範囲が決まります。
この記事では、薬剤師の髪色の基準が職場によってどう違うのか、実際の企業の規定例、面接時の髪色の考え方、髪色の自由度が高い求人の探し方を紹介します。
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薬剤師の髪色に決まりはある?

髪色の「OK・NG」を決めているのは、それぞれの職場が定める就業規則や身だしなみのルールです。
法令や免許の規定ではなく就業規則で決まる
髪色のルールは、職場の就業規則の「服務規律」や、それにもとづく身だしなみ規程・マニュアルで決められるのが一般的です。
労働基準法では、常時10人以上の労働者がいる事業場に就業規則の作成と届出を義務づけており、作った就業規則は従業員に周知しなければなりません。
就業規則は会社全体ではなく、店舗や営業所などの事業場ごとに作るものです。 そのため、同じ会社でも店舗や職種によって身だしなみのルールが違うことがあります。
スタッフが10人未満の小さな薬局では、就業規則がなく、管理薬剤師やオーナーの方針として口頭で伝えられるケースもあります。
就業規則で決められた身だしなみのルールがどこまで認められるかは、業務との関係や職場の事情によって判断が分かれます。納得できないルールがあるときは、まず上司や人事に理由を確認しましょう。
清潔感が求められる理由
薬剤師の髪色について職場がルールを設ける背景には、「清潔感」を重視する考え方があります。 薬剤師は患者さんに薬の説明をしたり、体調の相談を受けたりする仕事なので、第一印象が信頼感に直結しやすいためです。
特に、高齢の患者さんが多い薬局や病院では、落ち着いた見た目が安心感につながると考える職場もあります。 一方で、清潔感は髪色の明るさだけで決まるものではありません。
根元が伸びてプリン状態になっている、パサついて傷んでいるといった状態のほうが、明るさそのものより「だらしない」印象を与えやすいです。
法律で決まってないなら、何色でもいいってこと?
参考:e-Gov法令検索「労働基準法」 / 厚生労働省「モデル就業規則について」
職場による髪色の基準の違い

| 職場 | 主に接する相手 | ルールの決まり方 | 確認したいこと |
|---|---|---|---|
| 調剤薬局 | 患者さん・処方元の医療機関 | 会社の規程または管理薬剤師・経営者の方針 | 店舗ごとの運用の違い |
| ドラッグストア | 来店客・患者さん | 全社の身だしなみ規程。職種別の基準を設ける会社も | 薬剤師・調剤併設店にも同じ基準か |
| 病院 | 患者さん・他職種のスタッフ | 病院全体の職員向け基準 | 病棟業務の有無と基準 |
| 企業・行政 | 医療機関・取引先・住民 | 会社の規程や所属組織の服務の考え方 | 外回り・窓口業務の有無 |
調剤薬局
調剤薬局は、患者さんと対面で服薬指導をする時間が長い職場です。 処方元の医療機関との関係や、患者さんの年齢層を意識して、落ち着いた髪色を求める薬局もあります。
大手チェーンでは全社共通の身だしなみ規程がある場合があり、中小の薬局では管理薬剤師や経営者の考え方で基準が決まることもあります。 同じチェーンでも、門前の医療機関や地域によって店舗ごとに運用が違う場合があります。
ドラッグストア
ドラッグストアは、近年身だしなみのルールを緩和する企業が出てきている職場です。 髪色を原則自由にする企業もありますが、調剤併設店で働く薬剤師には別の基準を設けているケースもあります。
ドラッグストアでは、登録販売者や販売スタッフと薬剤師で業務内容が違うため、身だしなみのルールも職種ごとに分けて考える企業があります。
薬剤師の求人を探す病院
病院の薬剤師は、病院全体の職員向けの身だしなみ基準に従うのが基本です。 医師・看護師など他職種と共通の基準になっている場合は、薬剤師にも病院全体の基準がそのまま適用されます。
病棟業務で患者さんのベッドサイドに行く機会がある病院では、薬局と同じく落ち着いた見た目が求められやすいです。 病院ごとの基準は、職場見学や面接で確認しておくと安心です。
企業や行政
製薬企業や行政(公務員薬剤師)は、患者さんと直接接する機会が少ない一方で、取引先や住民の方と接する仕事があります。 製薬企業のMRや営業職は、医療機関を訪問する立場なので、訪問先に合わせた控えめな髪色が無難です。
本社勤務の研究職や内勤の職種は、オフィスワーク中心で、服装や髪色の自由度が比較的高い会社もあります。 行政の薬剤師は、窓口対応や立入検査などで住民や事業者と接するため、所属する自治体の服務の考え方に沿って判断しましょう。
同じ薬剤師でも、職場でこんなに考え方が違うんだね
職場ごとの働き方や仕事内容の違いは、以下の記事で詳しく紹介しています。
実際の規定の例

髪色のルールの書き方は、大きく分けて「トーンの数値で指定」「色名や表現で指定」「原則自由」の3段階があります。 どの書き方かによって、許される範囲の幅が大きく変わります。
- 判断のしやすさ
- 上限がはっきりしている
- 気をつけたい点
- 色落ちで上限を超えやすい
- 判断のしやすさ
- 人によって解釈が分かれる
- 気をつけたい点
- 上司・店舗で運用が変わる
- 判断のしやすさ
- 色の制限はほぼない
- 気をつけたい点
- 薬剤師は例外の場合がある
トーンの数値で指定される場合
「〇トーンまで」「〇レベル以下」のように、髪の明るさを数字で上限を示す職場があります。 トーン(レベル)は、数字が大きいほど明るい髪色を表す目安です。

上限の数字は職場ごとに違い、業界で統一された基準があるわけではありません。 同じ数字でも、髪質や光の当たり方で見え方が変わるため、ギリギリを狙うと「明るすぎる」と言われることもあります。
数字で指定されている職場なら、美容室で「職場の規定が〇トーンまで」と伝えるのが確実です。色落ちで明るくなることも考えて、上限より少し暗めに仕上げてもらうと安心です。
色名や表現で指定される場合
数字ではなく、「黒または自然な茶色」「華美でない色」のように、色名や表現で基準を示す職場もあります。 表現で決められている場合は、どこまでが「自然な色」かの判断が上司や店舗によって変わりやすいのが難しいところです。
色名で指定していた例として、ドラッグストア「セイムス」などを展開する富士薬品は、以前は髪色を「指定の色味のみ可」としていました。
2025年7月1日の改定後は原則自由になりましたが、薬剤師については「明るい茶髪不可」という表現での制限が残っています。
| 項目 | 改定前 | 改定後 |
|---|---|---|
| 髪色 | 指定の色味のみ可 | 原則自由。ただし薬剤師は明るい茶髪不可 |
| 髪型 | 耳・襟・目に髪がかかるヘアスタイルは禁止 | 原則自由。ただし長い髪は勤務中は結ぶ |
| 爪 | 薄いマニキュアのみ可 | 調剤薬局勤務者を除きマニキュア・ネイルアート可 |
髪色を自由としている企業の例
公式に髪色を「自由」と発表しているドラッグストア企業もあります。 兵庫県を中心に展開するゴダイは、2023年11月に公式サイトで身だしなみ規程の大幅緩和を知らせ、髪色・髪型を「自由」としています。
ただし、ゴダイも「調剤薬局勤務の場合は医療過誤防止のため制限があります」と注記しており、ネイルやアクセサリーには調剤業務に合わせた制限があります。
前述の富士薬品も含め、「髪色自由」をうたう企業でも、薬剤師や調剤部門は別扱いになっていることがある点を覚えておきましょう。
「髪色自由」でも、薬剤師は例外のことがあるんだね
紹介した規定は、各社の公式発表(2026年10月21日確認)にもとづく内容です。身だしなみのルールは見直されることがあるため、応募時点の規定は必ず応募先に確認しましょう。
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参考:株式会社富士薬品「店舗従業員の身だしなみルールを緩和~“自分らしく”意欲を持って働けるお店づくりへ~」 / ゴダイ株式会社「従業員の身だしなみに関する規程に関して」
面接時の髪色の考え方

面接では、応募先の規定が分からないことが多いため、入職後に許される範囲より控えめにしておくのが無難です。 一方で、髪色の自由度を重視して職場を選びたい人は、面接で確認しておくことも大切です。
入職後より控えめにする理由
面接官は、髪色そのものより「患者さんの前に立ったときの印象」や「職場のルールに合わせられるか」を見ています。
面接の前に黒や暗めの茶色に戻しておけば、髪色が評価の邪魔をすることはほとんどありません。 入職後に規定の範囲で明るくするのは自由なので、面接の段階では控えめにしておくと選択肢を狭めずに済みます。
薬剤師の求人を探す明るい髪色のまま面接を受ける場合
髪色自由をうたう職場を受ける場合や、髪色の自由度を転職の条件にしている場合は、明るい髪色のまま面接を受けるのも一つの選択肢です。
今の髪色を見たうえで採用されれば、入職後に「その髪色は困る」と言われるリスクを減らせます。
明るい髪色で面接を受けるときは、根元の伸び・色ムラ・傷みがない状態に整え、まとめ髪にするなど清潔感を意識しましょう。
面接で確認しておくこと
髪色の基準は、面接の逆質問や条件確認の場で聞いても失礼にはあたりません。 「身だしなみの規定について教えてください」と、業務への姿勢を前提にした聞き方にすると自然です。
- 髪色の基準が数字・色名・自由のどれで決まっているか
- 薬剤師と他の職種で基準が違うか
- 調剤室や病棟など、配属先で基準が変わるか
- 基準を超えた場合にどう指導されるか
聞き方さえ気をつければ、髪色の質問は大丈夫だよ
聞きにくい場合は、転職エージェントを通して確認してもらう方法もあります。
- 面接前は暗めの色に戻すと評価に響きにくい
- 髪色重視なら「薬剤師にも適用か」を確認
- 聞きにくい規定はエージェント経由で確認
髪色の自由度が高い求人の探し方

髪色の自由度が高い職場で働きたい場合は、求人票の記載だけで判断せず、見学や面接で実際の運用まで確認するのがポイントです。
求人票の記載の見方
求人サイトでは「髪色自由」「髪型自由」などの条件で絞り込めることがありますが、その条件が薬剤師にも当てはまるとは限りません。 販売スタッフやアルバイト向けの条件として書かれている場合もあるため、記載の対象を確認しましょう。
求人票に身だしなみの記載がない場合は、「規定がない」のではなく「書いていないだけ」のこともあります。 気になる場合は、応募前に問い合わせるか、エージェントに確認してもらいましょう。
職場見学で確認すること
職場見学は、実際に働いている薬剤師の髪色を自分の目で確認できる貴重な機会です。 規定の文面がゆるくても、現場の雰囲気として暗めの髪色の人ばかりということもあります。
見学のときは、案内してくれる薬剤師に「髪色の規定はどのくらいですか?」と軽く聞いてみるのもおすすめです。
現場の人の答えから、規定と実際の運用に差があるかどうかが分かります。
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入職後に規定が変わる場合
入ったあとにルールが変わることもあるの?
身だしなみの規定は、入職後に変わることがあります。 ウエルシアホールディングスが2023年12月1日からウエルシアグループで服装や髪型等の基準を大幅に緩和したように、規定が緩くなる方向の変更もあります。
反対に、会社の合併や方針の変更で、基準が厳しくなる可能性もあります。
参考:e-Gov法令検索「労働契約法」 / ウエルシアホールディングス株式会社「“自分らしさ”を尊重した身だしなみの新ルールを採用」
まとめ
薬剤師の髪色は、法律ではなく職場の就業規則や身だしなみ規程で決まります。 許される範囲は職場ごとに違い、「髪色自由」の企業でも薬剤師は別扱いになっていることがあります。
この記事のポイント
- 髪色の基準は法令ではなく職場の就業規則で決まる
- 基準はトーン指定・色名指定・原則自由の3段階
- 髪色自由の企業でも薬剤師は例外のことがある
- 面接は入職後より控えめな髪色が無難
- 求人票だけでなく見学や面接で運用まで確認する
髪色の自由度を転職の条件にしたい場合は、応募前に規定と実際の運用を確認しておくと、入職後のギャップを防げます。 求人票に載っていない身だしなみの規定は、転職エージェントに相談すると、応募先に確認してもらえます。
身だしなみ全般のルールや、白衣の下に着る服などについては、以下の記事も参考にしてください。


