糖尿病薬物療法認定薬剤師の役割|担う業務と認定までの2段階の要件

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糖尿病薬物療法認定薬剤師は、糖尿病の薬物療法に特化した日本くすりと糖尿病学会の認定資格です。

「どんな役割を担う資格なのか」「何から準備すればいいのか」が分からず、一歩目を踏み出せずにいる薬剤師も多いはずです。

この記事では、糖尿病薬物療法認定薬剤師が担う役割と、履修薬剤師から認定薬剤師へ進む2段階の制度、取得・更新の要件、日本糖尿病療養指導士との違い、薬局勤務で目指す場合の進め方を紹介します。

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以下からひな形と見本をダウンロードできます。

    糖尿病薬物療法認定薬剤師が担う役割

    調剤薬局で患者さんに錠剤を見せながら説明する薬剤師

    糖尿病薬物療法認定薬剤師は、学会が「糖尿病薬物療法に関する十分な知識・技能を有する薬剤師」として認定する資格です。

    学会は制度の目的として、処方監査・処方提案で薬が出る前に関わる役割と、薬を渡した後のデバイス使用・服薬状況・副作用を継続して追う役割の両立を挙げています。 病院薬剤師だけでなく、薬局薬剤師も対象です。

    薬の交付を境にした認定薬剤師の関わり
    投与前
    • 処方監査(用量・腎機能・相互作用)
    • 患者さんの背景に合わせた処方提案
    • 併存疾患の薬との重複チェック
    薬の交付
    交付後
    • 注射薬・測定器などデバイスの手技確認
    • 服薬状況の継続的なフォローアップ
    • 低血糖・副作用の聞き取りと医師への報告
    通して担う役割 薬剤師・医療スタッフへの教育/学会発表などの研究/多職種での情報共有

    患者の状態に応じた薬物療法の提案

    糖尿病の薬は、経口薬だけでもDPP-4阻害薬・SGLT2阻害薬・ビグアナイド薬・SU薬など種類が多く、注射薬にはインスリンとGLP-1受容体作動薬があります。

    認定薬剤師には、薬の特性や体内動態、相互作用を踏まえ、患者さん一人ひとりの年齢・腎機能・生活背景に合った薬物治療を考えて、医師に提案する力が期待されています。

    学会は、専門医だけでなく専門外の医師とも根拠をもって議論し、処方提案・介入ができる薬剤師の育成を掲げています。 糖尿病専門医がいない診療科やクリニックの処方を受ける場面ほど、この役割が生きます。

    インスリンや注射薬の手技指導

    インスリンやGLP-1受容体作動薬の自己注射は、手技が正しくできていないと効果が安定しません。 認定薬剤師は、注入器や注射針の使い方、保管方法、注射部位の選び方などを患者さんに説明し、実際に手技を確認します。

    手技指導や血糖自己測定(SMBG)の支援は、医師が処方・指示した内容の範囲で行う業務です。 投与量の変更や中止を薬剤師が判断するのではなく、気づいたことは処方医に情報提供・提案する形で関わります。

    学会の技能研修会でも、自己注射手技とSMBGが独立した研修テーマになっています。

    低血糖と副作用への対応

    インスリンやSU薬を使う患者さんでは、低血糖への備えが欠かせません。 認定薬剤師は、低血糖が起きたときの症状や対処法を患者さんに説明し、食事が取れない体調不良時(シックデイ)は主治医の指示に沿って対応するよう伝えます。

    SGLT2阻害薬やGLP-1受容体作動薬など、薬ごとに注意したい副作用も異なります。 服薬後のフォローアップで体調の変化を聞き取り、副作用が疑われる場合は早めに医師へつなぐのが薬剤師の役割です。

    併存疾患がある患者への対応

    糖尿病の患者さんは、高血圧・脂質異常症・慢性腎臓病などを併せ持ち、複数の医療機関から薬が出ていることも少なくありません。 学会は、併存疾患があり治療に難渋する患者さんの薬物治療にも、積極的に処方介入できる専門性を認定薬剤師に求めています。

    腎機能に応じた用量の確認や、ほかの薬との相互作用・重複のチェックは、薬を一元的に把握できる薬剤師だからこそできる仕事です。

    薬を出す前と出した後、どっちにも関わるのがこの資格の特徴だね!

    療養指導と多職種連携

    糖尿病の治療は、薬だけでなく食事・運動を含めた患者さん自身の自己管理が土台になります。 認定薬剤師は、患者さんが薬物療法を自分で続けられるよう支援しながら、医師・看護師・管理栄養士などと情報を共有します。

    学会は認定薬剤師の役割として、「治療支援」に加えて「教育」「研究」も挙げています。 薬剤師やほかの医療スタッフへの指導、学会発表などで活動を見える形にすることも、認定後に期待される役割です。

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    参考:一般社団法人 日本くすりと糖尿病学会「認定薬剤師制度について」 / 一般社団法人 日本くすりと糖尿病学会「認定薬剤師規程・細則」

    認定までの2段階の制度

    段階を踏んでステップアップしていく様子のイラスト

    糖尿病薬物療法認定薬剤師になるには、先に「糖尿病薬物療法履修薬剤師」の認定を受け、その後に認定薬剤師を申請するという順番が決まっています。 いきなり認定薬剤師の試験を受けることはできません。

    履修薬剤師から認定薬剤師への2段階
    2
    糖尿病薬物療法認定薬剤師
    2019年度に誕生。CPCの特定領域認定制度(P06)として認証
    175人
    1
    糖尿病薬物療法履修薬剤師
    2016年度に誕生(旧称:准認定薬剤師)
    242人
    ※人数は2025年4月時点

    糖尿病薬物療法履修薬剤師の位置づけ

    履修薬剤師は、認定薬剤師制度の前段階として学会が設けている認定です。 もとは「准認定薬剤師」という名称でしたが、認定薬剤師と誤認されるおそれがあるとして、2020年10月の規程改定で「履修薬剤師」に名称が変わりました。

    学会は、この制度を「履修薬剤師を必ず取得しなければならない教育システム」と説明しています。 また、薬剤師認定制度認証機構(CPC)の認定取得者として登録できるのは、糖尿病薬物療法認定薬剤師のみです。 履修薬剤師は、あくまで認定薬剤師を目指すための通過点という位置づけです。

    履修薬剤師になるための要件

    履修薬剤師の申請には、次の要件をすべて満たす必要があります。

    1. 日本の薬剤師免許があること
    2. 薬剤師歴3年以上で、申請時に学会の正会員(年会費納入済み)であること
    3. 学会が示す修得単位が30単位以上(うち学会発行のP認定単位が15単位以上)あること
    4. 学会の基礎編技能研修(症例検討、自己注射手技・SMBG)をすべて過去5年以内に受講していること

    CPC認証の生涯研修認定制度による認定薬剤師や、日本病院薬剤師会・日本医療薬学会の所定の認定を持っている場合は、必要な修得単位が20単位に軽減されます(P認定単位15単位以上は同じ)。 申請期間は毎年6月1日〜7月1日(消印有効)で、結果は12月上旬に通知されます。

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    認定薬剤師に進むための要件

    履修薬剤師になったら、認定薬剤師に向けて単位・学会発表・症例・研修を積み上げていきます。 ポイントは、必要な単位が「履修薬剤師を取得した後に」修得した20単位以上と決められている点です。

    履修薬剤師になる前に修得した単位は、この20単位には数えられません。

    学会の制度紹介資料では、基礎編技能研修の受講から履修薬剤師の取得、アドバンスト編技能研修の受講を経て認定試験に進む流れが示されています。

    資料のスケジュールでは、履修薬剤師・認定薬剤師とも申請した翌年に取得となるため、数年がかりの計画を立てておくと準備の順番を誤りません。

    履修薬剤師のときの単位って、認定の申請には使えないんだ?

    参考:一般社団法人 日本くすりと糖尿病学会「履修薬剤師認定申請」 / 一般社団法人 日本くすりと糖尿病学会「認定制度紹介スライド(2025年4月現在)」

    認定を受けるための要件

    研修でペンを持ちメモを取る薬剤師

    認定薬剤師の申請要件は、学会の規程で6項目が定められています。 書類審査と症例(自験例)の審査を通過した人だけが、認定試験に進めます。

    認定薬剤師の申請条件と提出するもの
    1
    日本の薬剤師免許
    提出免許の写し
    2
    履修薬剤師で継続して正会員
    提出履修薬剤師の認定証の写し
    3
    履修後20単位(P認定15)
    提出単位申請書(P認定は原本貼付)
    4
    本学会で筆頭発表1回
    提出大会の表紙・要旨の写し
    5
    自験例10例か論文3報
    提出自験例の所定書式
    6
    アドバンスト編3種を受講
    提出修了証3種の原本

    学会の正会員であること

    申請時に履修薬剤師であり、継続して日本くすりと糖尿病学会の正会員であることが必要です。

    年会費は毎年かかります。 途中で会費の納入が途切れると「継続して」の要件を満たせなくなるため、認定を目指す間は毎年の納入を忘れないようにしましょう。

    取得が必要な単位

    履修薬剤師の取得後に20単位以上が必要で、そのうち15単位以上は学会が発行するP認定単位でなければなりません。 P認定単位は、学会の学術集会への参加や、学会が承認した講習会・研修会、技能研修会で発行されます。

    P認定単位は原本の貼付が必要で、写しでは単位として認められません。日本糖尿病学会など他学会の参加単位や、他のプロバイダーの単位は申請に使えても、P認定単位の15単位には数えられないため、内訳を分けて管理しておきましょう。

    症例の提出

    申請時に、自分が関わった糖尿病療養指導の症例(自験例)を10例提出します。 自験例の代わりに、糖尿病に関連した査読付き論文3報以上(うち1報以上は筆頭)で申請することもできます。

    自験例は学会の書式を使い、1例ごとにPAPO形式(項目ごとに整理した記録)で12行以内にまとめるルールです。

    あわせて、学会での筆頭発表1回以上と、アドバンスト編技能研修3種類(自己注射手技・血糖自己測定手技・症例検討)をすべて過去5年以内に受講していることも求められます。

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    認定試験

    書類審査と自験例の審査に合格すると、筆記試験の受験資格が通知されます。 2025年度の試験概要では、マークシート方式の筆記試験を年1回実施し、筆記試験と自験例の記録の両方が合格水準に達した人を合格としています。

    筆記試験(2025年度)
    75問
    120分
    1回/年
    単純な択一形式・五肢二択形式が基本。2025年度は12月14日(日)に昭和薬科大学(東京都町田市)で実施
    認定薬剤師の申請費用
    書類審査料10,000円
    認定試験受験料15,000円
    認定証発行料3,000円
    合計28,000円
    ※不合格でも返金なし。年会費は別途

    出題範囲には、『糖尿病の薬学管理必携 糖尿病薬物療法認定薬剤師ガイドブック』や日本糖尿病学会の『糖尿病治療ガイド2024』、薬剤の使用指針などが挙げられています。 合格率は、学会の公式サイトでは公表されていません。

    合格者には翌年4月1日付で認定証が交付されます。 病気など規程で定める事情で受験できない場合は、試験前日までに申請すれば最大2年間、受験を保留できます。

    認定薬剤師の申請から認定証までの流れ
    4月
    申請受付(4月1日〜5月1日消印)
    7月
    書類・自験例の審査結果通知
    10月
    受験料の振込(2025年度は10月31日期限)
    12月
    筆記試験
    年度末
    理事会承認後に結果を郵送
    翌4月
    認定証の交付・氏名掲載
    ※試験日・振込期限は年度ごとに学会サイトで告知

    症例10例と試験、両方そろえるのはなかなか大変だよね

    参考:一般社団法人 日本くすりと糖尿病学会「認定薬剤師申請」 / 一般社団法人 日本くすりと糖尿病学会「認定試験概要(2025年10月11日現在)」

    認定後の更新

    カレンダーと赤鉛筆

    糖尿病薬物療法認定薬剤師は、認定を受けてから5年ごとに更新しなければなりません。 更新でも単位・学会発表・症例が求められるため、認定後も活動を続けることが前提の資格です。

    更新の周期と必要な単位

    更新には、5年間の認定期間中に50単位以上が必要です。 このうち35単位以上はP認定単位で、毎年最低5単位以上を修得していなければなりません。

    「毎年5単位」だけでは更新に届かない
    上乗せ
    5単位
    上乗せ
    5単位
    上乗せ
    5単位
    上乗せ
    5単位
    上乗せ
    5単位
    1年目2年目3年目4年目5年目
    毎年の最低ライン合計25単位
    更新に必要な単位50単位
    5年間で上乗せが必要25単位

    最後の1〜2年でまとめて単位を取ろうとしても、「毎年5単位」の条件で引っかかることがあります。 学術集会への参加を毎年の予定に組み込んでおくと、無理なく条件を満たせます。

    更新申請は毎年10月1日〜11月30日(消印有効)で、書類審査料10,000円と認定証発行料3,000円がかかります。

    期間内に条件を満たせない場合は更新保留を申請でき、保留期間を含めて最大8年間が更新期間になります。 ただし、保留中は「認定薬剤師」と名乗れません。

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    学会発表の要件

    更新では、認定期間中に日本くすりと糖尿病学会での発表が1回以上必要です。 新規申請では筆頭発表者に限られていましたが、更新では共同発表者としての発表でも認められます。

    症例は、認定期間中に行った自験例10例以上の提出と、アドバンスト編技能研修すべての受講(過去5年以内)が求められます。 自験例が出せない場合は、糖尿病に関した論文3報(共著可)か、認定薬剤師として十分な活動を証明できる実績で代えられます。

    更新の発表は共同発表でもOKなら、少し気がラクになるね

    認定薬剤師全般の更新の考え方や、単位が足りないときの対処は以下の記事も参考になります。

    参考:一般社団法人 日本くすりと糖尿病学会「認定薬剤師更新」

    日本糖尿病療養指導士との違い

    医師と並んで正面を向く男女の薬剤師

    糖尿病に関わる薬剤師の資格として、日本糖尿病療養指導士(CDEJ)もよく比べられます。 どちらも糖尿病の患者さんを支える資格ですが、認定する団体も、対象となる職種も異なります。

    糖尿病薬物療法認定薬剤師日本糖尿病療養指導士(CDEJ)
    認定団体日本くすりと糖尿病学会日本糖尿病療養指導士認定機構
    対象職種薬剤師のみ看護師・管理栄養士・薬剤師・臨床検査技師・理学療法士
    主な受験条件履修薬剤師であること、単位・症例・学会発表・技能研修条件を満たす医療施設での療養指導経験、自験例10例、受験者用講習(eラーニング)
    勤務先の条件なし(薬局薬剤師も可)糖尿病の外来診療・患者教育が恒常的な施設
    合格率非公表95.4%(2025年度・全職種)
    更新5年ごと5年ごと

    認定団体と対象職種の違い

    糖尿病薬物療法認定薬剤師は、日本くすりと糖尿病学会が認定する薬剤師だけの資格です。 一方、日本糖尿病療養指導士は一般社団法人日本糖尿病療養指導士認定機構が認定し、看護師・管理栄養士・薬剤師・臨床検査技師・理学療法士の5職種が対象です。

    CDEJの有資格者は16,123人で、そのうち薬剤師は2,548人です(2026年6月4日現在)。 受験には、糖尿病の診療や患者教育が恒常的に行われている医療施設で、医師の指導のもと過去10年以内に通算2年以上・1,000時間以上の療養指導に携わった経験などが求められます。

    求められる役割の違い

    CDEJは、糖尿病治療でもっとも大切とされる患者さんの自己管理(療養)を指導する医療スタッフの資格です。 職種ごとの専門性を持ち寄り、チームで療養指導にあたることが前提になっています。

    糖尿病薬物療法認定薬剤師は、そのなかでも薬物療法に特化しています。 処方提案や副作用・相互作用のチェックなど、薬剤師ならではの関わりを深める資格と考えると違いがつかみやすくなります。

    CDEJは5職種のチーム資格、こっちは薬剤師だけの資格なんだね

    両方を取得する意味

    両方を持つと、チーム全体の療養指導と、薬物療法の専門的な提案の両面で役割を担えます。 制度上のつながりもあり、学会の正会員でCDEJの認定を5年以上継続している人は、認定薬剤師の申請要件のうち自験例・論文の項目が免除されます(認定薬剤師制度規程第13条)。

    CDEJの受験には勤務先の条件があるため、病院やクリニックで療養指導に携わっている人はCDEJから、薬局勤務の人は履修薬剤師から始めるなど、働く場所に合わせて順番を考えましょう。

    参考:一般社団法人日本糖尿病療養指導士認定機構「CDEJとは」 / 一般社団法人日本糖尿病療養指導士認定機構「受験資格について」

    薬局勤務で取得する場合の進め方

    薬局で処方薬について説明する薬剤師

    糖尿病は外来で長く治療を続ける病気で、薬局でも糖尿病の薬を受け取る患者さんに日常的に接します。 学会も「保険薬局の方も取得できます」と案内しています。

    履修薬剤師から始める

    薬局薬剤師が目指す場合も、最初の目標は履修薬剤師です。 薬剤師歴3年以上が条件なので、経験年数を満たす前から入会して単位を貯め始めると、条件を満たした年に申請できます。

    認定薬剤師まで取得すると、学会は「かかりつけ薬剤師の申請」に使えると案内しています。 令和8年度の調剤報酬改定でかかりつけ薬剤師指導料は廃止され、服薬管理指導料の「かかりつけ薬剤師が行った場合」に再編されましたが、かかりつけ薬剤師の要件には引き続き「薬剤師認定制度認証機構が認証している研修認定制度等の研修認定を取得していること」が含まれています。

    この研修認定は、CPC認証の生涯研修認定制度による認定などでも満たせます。かかりつけ薬剤師になるために糖尿病薬物療法認定薬剤師が必須というわけではありません。令和8年度改定の調剤の概要資料にも、この認定そのものを算定要件とする点数は示されていません。

    症例をどう積み上げるか

    認定薬剤師の申請に必要な自験例10例は、薬局での服薬指導やフォローアップでも積み上げられます。 大切なのは、関わった時点からPAPO形式で記録を残しておくことです。

    症例をまとめる前に残しておきたいメモ目標 10例
    患者さんの背景年代・罹病期間・併存疾患・生活リズム
    処方と変更の経過いつ・どの薬が追加、変更、中止されたか
    把握できた検査値患者さんが持参した結果(HbA1c・腎機能など)と日付
    見つけた問題手技の誤り、飲み忘れ、低血糖の訴え、相互作用など
    薬剤師の介入指導した内容、医師へのトレーシングレポート・疑義照会
    その後の変化次回来局時の手技・服薬状況、処方への反映

    薬局では検査値が手に入りにくいため、患者さんが持参する検査結果や、トレーシングレポート(服薬情報提供書)で医師とやりとりした内容を記録に残しておくと症例をまとめやすくなります。 インスリンの手技確認や低血糖の聞き取り、服薬状況に合わせた処方提案など、薬剤師の介入と結果が見える症例を選ぶのがコツです。

    薬局にいても、毎日の服薬指導が症例になるんだね

    単位の取得方法

    単位は、学会の学術集会への参加・発表と、学会が承認した講習会・研修会、技能研修会で取得します。 基礎編技能研修会は2026年度だけで第5回まで開催され、Web開催の回もあるため、地方の薬局からでも参加しやすくなっています。

    おもな単位の取り方(2026年6月改訂の単位基準)
    内容参加筆頭発表共同発表
    日本くすりと糖尿病学会 学術集会(現地)P認定431
    日本糖尿病学会 年次学術集会(現地)431
    日本糖尿病学会 年次学術集会(Web)1231
    学会の技能研修会(基礎編・アドバンスト編)P認定90分で1単位(45分で0.5単位)
    査読付き学会誌への論文(IFのある欧文誌は筆頭10)ー5共著 2
    ※P認定単位になるのは学会発行の単位のみ。本学会での発表はP認定単位の対象外

    学会参加や研修会の費用を職場が補助してくれるかどうかは、求人票だけでは分かりにくい部分です。

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    職場の支援制度もあわせて確認しておくと、取得までの負担を抑えられます。 認定薬剤師の資格が年収や転職にどう影響するかは、以下の記事で紹介しています。

    参考:厚生労働省「令和8年度診療報酬改定の概要【調剤】」 / 一般社団法人 日本くすりと糖尿病学会「認定薬剤師制度の申請・更新に必要な所定単位基準(一覧表)」

    まとめ

    糖尿病薬物療法認定薬剤師は、処方提案から交付後のフォローアップまで、糖尿病の薬物療法に一貫して関わる薬剤師を認定する資格です。 取得には、履修薬剤師を経て認定薬剤師に進む2段階の手順があり、それぞれに単位・研修・症例の要件があります。

    この記事のポイント


    • 認定薬剤師の前に履修薬剤師の取得が必須
    • 履修は薬剤師歴3年以上・30単位(P15単位)以上
    • 認定は履修後の20単位・症例10例・発表・試験
    • 認定後は5年ごとに50単位(P35単位)で更新
    • CDEJは5職種対象の別団体の資格

    まずは学会に入会し、学術集会や基礎編技能研修会でP認定単位を貯めるところから始めましょう。 糖尿病の患者さんに深く関われる職場で経験を積みたい場合は、転職エージェントに相談すると、研修支援や症例を積みやすい環境がある求人を探してもらえます。

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