柔道整復師はやめたほうがいい?7つの理由と辞める判断基準・資格を活かせる職場を解説

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柔道整復師とは、骨折や捻挫などのケガを手技によって治療する国家資格の専門職です。独立開業できる医療系資格として人気がありましたが、近年は「やめたほうがいい」という声も増えています。

高額な学費をかけて国家資格を取得したのに、現実は長時間労働と低賃金に悩まされるケースも少なくありません。心身の負担が大きく、キャリアの選択を後悔している方もいるでしょう。

しかし、その苦しさは決して個人の努力不足が原因ではありません。給与水準や競争環境、制度など、業界の構造的な問題が影響しています。

本記事では、柔道整復師が「やめたほうがいい」と言われる理由を客観的なデータをもとに整理し、辞めるべきサインや、資格や経験を活かして新しいキャリアを築く方法も解説します。

納得のいく判断をするための参考にしてください。

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柔道整復師はやめたほうがいいと言われる理由7つ

人体模型の骨とスクラブの男性

柔道整復師はやめたほうがいいといわれる背景には、個人の努力では解決しにくい業界の構造的な問題があります。

ここでは公的データなどをもとに、主な理由を整理します。

①給料が低い

数百万円の学費をかけて取得する資格にもかかわらず、柔道整復師の年収は一般的な会社員の平均より低い可能性があります。

厚生労働省の調査によると、柔道整復師の平均年収は約430万円です。一方、一般産業の平均年収は約506万円のため、約70万円の差があります。

柔道整復師の給料相場
年収
430万2,200円
月給
30万3,600円

参考:厚生労働省|令和6年賃金構造基本統計調査

20代前半では年収300万円を下回るケースもあり、手取りは月21万円前後になることもあります。高額な学費や奨学金の返済を抱えている場合、生活に余裕を持ちにくいのが現実です。

②拘束時間が長い

柔道整復師は身体を使う仕事です。多くの整骨院では夜20時や21時まで診療しており、準備や片付けを含めると拘束時間が12時間を超えることも珍しくありません。

長時間立ち続けながら施術を行うため、手首や腰への負担も大きくなります。20代のうちは問題なく働けても、30代以降になると慢性的な痛みを抱える人もいます。

自分の体を酷使しながら患者さんの身体を治すという矛盾を感じ、「この仕事を続けられるのだろうか」と不安を抱く人も少なくありません。

⓷勤務時間外の勉強や練習の負担が大きい

柔道整復師は資格を取得して終わりではなく、現場で通用する施術技術や保険制度の知識を学び続ける必要があります。実際、多くの整骨院では勤務後の勉強会や技術練習、外部セミナーへの参加が行われています。

参加費が自己負担になるケースも多く、時間とお金の負担が重なります。職場によっては研修参加が事実上義務になっていることもあり、断りにくい雰囲気があります。

結果として仕事とプライベートの境界がなくなり、十分に休めない状況が続くこともあります。

④患者さん対応による精神的な負担が大きい

柔道整復師は、身体の痛みや不調を抱えた患者さんと直接向き合う仕事です。患者さんの症状や悩みに寄り添える点はやりがいですが、その一方で精神的な負担を感じる場面もあります。

痛みの感じ方は人それぞれで、施術の効果がすぐに出ないケースもあり、「全然良くならない」「お金を返してほしい」といったクレームを受けることもあります。

患者さん一人ひとりと真剣に向き合うからこそ、プレッシャーが精神的な負担に感じる人もいます。

⑤人間関係に悩みやすい

整骨院は院長と数名のスタッフで運営される小規模な職場が多く、同じメンバーと長時間働く環境になります。

院長との関係が上下関係になりやすく、施術方針や経営方針に疑問を感じても意見を言いにくいことがあります。

また、部署異動などがないため、人間関係が悪化すると環境を変えることが難しいという特徴もあります。このストレスが退職の理由になることもあります。

⑥廃業率が高い

柔道整復師の魅力の一つは独立開業ですが、市場はすでに飽和に近い状態です。2024年時点で、全国の接骨院・整骨院は50,924カ所あります。コンビニの約55,000店舗に迫る数です。

さらに整形外科や鍼灸院、整体サロンなどとも患者さんを取り合う状況になっています。保険による療養費収入も減少しており、経営が難しくなっています。

このように競争が激しい業界ですが、事前に対策を行うことで廃業リスクを下げることもできます。例えば次のような取り組みが重要です。

  • 保険施術だけでなく、自費メニューを取り入れる
  • SNSやブログを活用して集客する
  • スポーツや美容など専門分野を持つ
  • 地域の整形外科や介護施設と連携する
  • 患者さんが継続して通院しやすい施術プランを作る

参考:厚生労働省|衛生行政報告例

⑦保険の不正請求でイメージが悪い

柔道整復師が健康保険を使えるのは、骨折・脱臼・捻挫・打撲・挫傷などの急性外傷に限られています。

しかし、一部の施術所では、慢性的な肩こりや腰痛にも保険を適用するなどの不正請求が問題になってきました。こうした問題は一部の施術所によるものですが、業界全体のイメージを悪化させています。

厚生労働省も不正防止の取り組みを強化していますが、「整骨院は怪しい」というイメージに悩む柔道整復師も少なくありません。

参考:厚生労働省関東信越厚生局|不正請求等が行われた場合の取扱いについて

今のあなたの状況は?

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柔道整復師をやめたほうがいいと判断する基準

スクラブの男女が笑顔でガッツポーズをしている

「やめたい」と感じたとき、それが一時的な疲れなのか、本当に方向転換すべきサインなのかを判断するのは簡単ではありません。感情だけで決めると後悔する可能性があります。

ここでは、辞めるかどうかを冷静に考えるための判断基準を3つ紹介します。

判断基準 具体的なサイン
心身に限界のサインが出ている 疲れが取れない、手首や腰の痛みが続く、出勤前に強い憂うつを感じる
収入面で生活に影響が出ている 生活費に余裕がない、貯金ができない、昇給がほとんどない
職種への不満が出ている 施術にやりがいを感じない、患者さん対応がつらい、長く続けるイメージが持てない

心身に限界のサインが出ている

身体や心が限界に近い状態なら、それは甘えではなく方向転換を検討するサインです。例えば次のような症状が見られることがあります。

  • 朝起きても疲れが取れない
  • 手首や腰の痛みが休日でも消えない
  • 出勤前に強い憂うつを感じる

柔道整復師は立ち仕事と手技の繰り返しが多く、身体への負担が大きい仕事です。自分の身体を痛めながら患者さんを治療する状況に悩む人も少なくありません。

心身の不調は放置するほど回復に時間がかかります。職場を変えるのか、働き方を変えるのか、職種そのものを変えるのか。身体が動くうちに考え始めることが大切です。

収入面で生活に影響が出ている

現在の収入が生活に影響している場合も、働き方を見直すサインです。

柔道整復師の平均年収は約470万円程度とされています。ただし、勤務先によって差が大きく、初任給が月給20万円前後のケースも少なくありません。家賃や生活費を考えると、貯金がほとんどできないと感じる人もいます。

今の職場で収入が上がる見込みがあるかどうかも確認しておきたいポイントです。昇給制度がほとんどない職場では、数年働いても給与が大きく変わらないことがあります。

今の収入で生活が苦しい、収入が上がる見込みがないと感じているなら、働き方や職場を見直すタイミングかもしれません。

職種への不満が出ている

柔道整復師という仕事そのものに不満を感じている場合は、職場を変えるだけでは解決しない可能性があります。

辞めたいと感じたときは、不満の原因を整理することが大切です。不満の原因が「今の職場」なのか「柔道整復師という職種」なのかで、取るべき行動は変わります。

院長との人間関係や拘束時間、給料などが原因であれば、整形外科や介護施設など別の職場に移ることで状況が改善する可能性があります。

一方で、施術そのものに魅力を感じない、患者さんと向き合うことがつらいと感じる場合は、職場を変えても根本的な解決にはなりません。その場合は、柔道整復師で培った経験を活かして別のキャリアを考えることも一つの選択です。

転職活動するなら?

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柔道整復師を続けた方がいい人の特徴

スクラブの男性が笑顔でこっちを見ている

柔道整復師は「やめたほうがいい」と言われることもありますが、すべての人に当てはまるわけではありません。
自費施術で高収入を得ている人、スポーツ現場で活躍している人など、資格を活かしてキャリアを広げている人もいます。

ここでは、柔道整復師を続けることで可能性が広がる人の特徴を紹介します。

特徴 理由
スポーツトレーナーを目指す人 ケガの応急処置ができ、スポーツ現場で資格が活かせる
患者さんからの感謝にやりがいを感じる人 回復を直接サポートできる仕事
開業して高収入を目指したい人 独立開業権があり、経営次第で収入を伸ばせる

スポーツトレーナーを目指している人

スポーツに関わる仕事を目指すなら、柔道整復師の資格は大きな強みになります。

柔道整復師は、医師の指示がなくても脱臼や捻挫の応急処置を行える国家資格です。試合中や練習中のケガにすぐ対応できる点は、スポーツ現場で評価されます。

最近では、整骨院グループがプロチームや大学と提携し、トレーナーを派遣するケースも増えています。整骨院での経験がスポーツ現場につながることもあります。

接骨院だけで将来を考えると視野が狭くなりがちですが、スポーツという分野に目を向けると資格の活かし方は広がります。

患者さんからの感謝にやりがいを感じられる人

柔道整復師の魅力の1つとして、患者さんの回復を間近で感じられることもあります。痛みが改善したときに「先生のおかげで楽になりました」と直接感謝される経験は、他の仕事ではなかなか得られません。

介護分野では、機能訓練指導員として働く道もあります。機能訓練指導員については、後ほど詳しく紹介します。

夜勤がなく残業も比較的少ない施設が多いため、身体への負担を減らしながら働きたい人におすすめの選択肢です。

開業して高収入を目指したい人

柔道整復師は医療系国家資格の中でも「独立開業権」があり、自分で整骨院や接骨院を開業して経営することができます。

厚生労働省の「衛生行政報告例」によると、全国の施術所数は年々増えており、柔道整復師が開業して働くケースは珍しくありません。資格を活かして自分の院を持てる点は、柔道整復師の大きな特徴です。

高収入を実現している人の多くは、保険施術だけに頼らず、骨盤矯正や姿勢改善など自費メニューを取り入れています。さらに、SNSやブログで専門性を発信し、指名で来院する患者さんを増やしています。

もちろん、独立開業にはテナント料や設備費などの初期費用が必要です。しかし、経営が軌道に乗れば年収1000万円も可能です。

参考:厚生労働省|衛生行政報告例

柔道整復師の将来性については下記の記事を参考にしてください。

柔道整復師をやめたあとに資格を活かせる仕事

治療ベッドが並んでいる

柔道整復師の活躍の場は、接骨院や整骨院だけではありません。

介護、スポーツ、病院、一般企業、そして保険に頼らない自費サロンなど、資格と経験を活かせる選択肢は複数あります。ここでは、柔道整復師の資格や現場で培ったスキルを武器にできる4つの仕事を紹介します。

仕事 主な仕事内容
機能訓練指導員 高齢者の身体機能を維持・回復させるリハビリ計画の作成
スポーツトレーナー 選手のコンディション管理やケガの予防、応急処置
リハビリ職 医師の指示のもとで運動機能回復のサポート
一般企業の営業職 医療機器やヘルスケア商品の営業

機能訓練指導員

柔道整復師の資格があれば、介護施設で機能訓練指導員として働くことができます。

機能訓練指導員は、高齢者一人ひとりの身体状態に合わせてリハビリ計画を作り、日常動作の維持や回復をサポートする職種です。

介護保険制度ではデイサービスや特別養護老人ホームなどに配置が必要とされているため、求人が安定しています。整骨院と比べて残業が少ない施設も多く、働き方を変えたい人におすすめの選択肢です。

機能訓練指導員については下記の記事を参考にしてください。

スポーツトレーナー

スポーツトレーナーは、柔道整復師の資格が強みになる仕事です。

選手のコンディショニング管理やケガの予防、応急処置などを担当します。試合中の急なケガに対応できる点は、柔道整復師ならではの強みです。

整骨院グループがスポーツチームと提携してトレーナーを派遣するケースも増えており、整骨院での経験がスポーツ現場につながることもあります。

スポーツトレーナーが活躍する場所

・プロスポーツチーム

・実業団チーム

・大学や高校などの部活動

・スポーツクラブやフィットネスジム

・スポーツ整形外科やトレーニング施設

リハビリ職

整形外科や外科クリニックで、柔道整復師がリハビリ業務を担当することもあります。

医師の指示のもとで患者さんの運動機能回復をサポートする仕事で、レントゲンやMRIの知識など整骨院では学びにくい経験が得られます。

また、勤務時間が比較的規則的なため、長時間労働を避けたい人にも向いています。ただし施術の裁量は医師の指示に従うため、自分の判断で施術を組み立てたい人には物足りないと感じる可能性があります。

一般企業の営業職

柔道整復師としての経験は、一般企業でも評価されることがあります。

医療機器メーカーやヘルスケア関連企業の営業職では、身体構造の知識とコミュニケーション能力が強みになります。患者さんの悩みを聞き、信頼関係を築く経験は営業にも活かせます。

新人指導や売上管理の経験があれば、マネジメント能力として評価されることもあります。接骨院の経験しかないから企業では働けないと決めつける必要はありません。

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柔道整復師をやめる前にやること

チェックリスト

退職後に「続ければよかった」と感じる人の多くは、不満の原因を整理しないまま勢いで辞めてしまうと後悔する可能性があります。

行動を起こす前に次の2つを行うことで、納得のいく判断がしやすくなります。

やること 内容
情報収集と自己分析で方向性を固める 自分の経験やスキルを整理し、どのような働き方をしたいのかを明確にする
転職エージェントに相談する 求人情報を比較しながら、履歴書の添削や面接対策などのサポートを受ける

情報収集と自己分析で方向性を固める

勢いで転職する前に、自分の経験やスキルを整理して「何ができるのか」「何をやりたいのか」を明確にしましょう。

柔道整復師の仕事で身につくコミュニケーション能力や課題解決力は、一般企業でも評価されるスキルです。

1日の業務内容を書き出し、そこから得た強みを言語化しておくと、職務経歴書の作成にも役立ちます。方向性が定まらないまま求人を見ても判断がぶれてしまいます。まずは自分の現在地を把握することが大切です。

自己分析のポイント

・1日の業務内容を書き出す

・施術や患者さん対応で評価された経験を振り返る

・自分が得意な施術や分野を整理する

・仕事でやりがいを感じた場面を思い出す

・ストレスを感じた業務を整理する

・将来どのような働き方をしたいか考える

転職エージェントに相談する

自己分析ができたら、転職エージェントを活用して求人の選択肢を確認しましょう。

柔道整復師に特化した転職エージェントでは、求人紹介だけでなく、履歴書の添削や面接対策のサポートを受けられる場合があります。

また、一般の求人サイトには掲載されていない非公開求人を紹介してもらえることもあります。自分一人で求人を探すよりも、条件に合った職場を見つけやすくなるのがメリットです。

在職中に相談しておくと、収入が途切れる不安なく転職活動を進めることができます。

柔道整復師におすすめのエージェントは下記の記事を参考にしてください。

まとめ

柔道整復師として働いていると、
「このまま続けていいのか」「別の働き方もあるのではないか」と悩むこともあります。

ただし、勢いで辞めてしまうと収入や働き方の面で後悔する可能性もあります。まずは柔道整復師の求人情報や転職事例を確認し、自分に合った働き方があるかを知ることが大切です。

柔道整復師に特化した転職エージェントでは、接骨院だけでなく、介護施設の機能訓練指導員やスポーツトレーナー、クリニックなどさまざまな求人を紹介してもらえます。履歴書の添削や面接対策のサポートを受けられることもあるため、初めての転職でも安心です。

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