理学療法士と診療報酬の仕組み|単位・点数・算定上限と給料への影響

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「同じ理学療法士なのに、職場によって給料や求められる単位数がこんなに違うのはなぜ?」と感じたことはありませんか?

理学療法士の仕事は、診療報酬のルールで「1単位20分」「1日の上限単位数」「施設基準ごとの点数」が細かく決まっており、それが職場の収入と待遇の土台になっています。

この記事では、令和8年度(2026年度)診療報酬改定後の点数をもとに、理学療法士と診療報酬の仕組み、算定の上限、給料への影響、改定による働き方の変化を紹介します。

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    理学療法士の業務と診療報酬の関係

    手すりやベッドが並ぶ理学療法士が働くリハビリ室

    病院や診療所で理学療法士が行うリハビリは、多くが「疾患別リハビリテーション料」として診療報酬で算定されます。 診療報酬は1点=10円で計算され、患者さんの自己負担分と保険者からの支払いを合わせた額が医療機関の収入になります。

    どれだけ算定できるかは「時間」「医師の指示」「施設基準の区分」の3つで決まります。

    リハビリは1単位20分で算定される

    疾患別リハビリテーション料は、患者さんに20分以上の個別療法を行った場合を「1単位」として算定します。 訓練時間が20分に満たない場合は、リハビリ料としては算定できず、基本診療料に含まれる扱いです。

    訓練時間と算定できる単位数
    19分
    算定できない
    20分
    1単位
    39分
    1単位
    40分
    2単位
    60分
    3単位
    20分40分60分

    時間に数えられるのは、患者さんに直接訓練をしている時間だけです。 また、すべての患者さんについて、訓練内容の要点と実施時刻(開始時刻と終了時刻)を診療録に記録することが求められています。

    算定できるのは医師の指示に基づく実施分

    理学療法士及び作業療法士法では、理学療法士は「医師の指示の下に」理学療法を行う職種と定められています。 診療報酬でも、疾患別リハビリテーションは医師の指示と計画にもとづいて行うことが前提です。

    • 実施計画書の作成
      医師がリハビリ開始後、原則7日以内・遅くとも14日以内に作成する
    • 計画書を作る前の実施
      医師が自ら行うか、医師の具体的な指示がある場合に限り算定できる
    • 効果判定と説明
      医師が定期的に効果を判定し、計画書は3か月に1回以上、患者さんや家族に説明して交付する

    理学療法士が自分の判断だけで単位を取ることはできないんだね

    施設基準の区分で点数が変わる

    同じ「運動器リハ」でも、医療機関が地方厚生局に届け出た施設基準の区分(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ)によって1単位の点数が変わります。 区分(Ⅰ)ほど専従の療法士や医師の人数などの基準が厳しく、そのぶん点数が高く設定されています。

    区分ごとに必要な専従・常勤の療法士数
    脳血管疾患等リハ
    (Ⅰ)PT5名以上・OT3名以上(言語聴覚療法を行う場合はST1名以上)で合計10名以上
    (Ⅱ)PT1名以上・OT1名以上で合計4名以上
    (Ⅲ)PT・OT・STのいずれか1名以上
    運動器リハ
    (Ⅰ)PT・OT合わせて4名以上
    (Ⅱ)PT・OT合わせて2名以上
    (Ⅲ)PT・OTのいずれか1名以上
    ※令和8年度の施設基準通知より。非常勤の常勤換算は一部の人数まで可

    つまり、療法士の人数がそろっている施設ほど高い区分を届け出やすい構造です。 求人を比べるときは、その施設が「どの疾患別リハを、どの区分で届け出ているか」を確認すると、収益構造の違いが見えてきます。

    参考:厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」 / e-Gov法令検索「理学療法士及び作業療法士法」

    疾患別リハビリテーション料の種類と点数

    バイクマシーンや平行棒があるリハビリ室

    疾患別リハビリテーション料は、医科点数表の区分H000〜H003の5種類です。 患者さんの疾患や状態から、最も適切な1つを選んで算定します。 令和8年6月1日から適用されている点数は次のとおりで、いずれも理学療法士が実施した場合の1単位あたりの点数です。

    施設基準の区分別にみた1単位の点数(点)
    脳血管疾患等
    Ⅰ
    245
    Ⅱ
    200
    Ⅲ
    100
    心大血管疾患
    Ⅰ
    205
    Ⅱ
    125
    運動器
    Ⅰ
    185
    Ⅱ
    170
    Ⅲ
    85
    廃用症候群
    Ⅰ
    180
    Ⅱ
    146
    Ⅲ
    77
    呼吸器
    Ⅰ
    175
    Ⅱ
    85

    心大血管疾患リハビリテーション料

    急性心筋梗塞、狭心症、開心術後、大血管疾患、一定の基準を満たす慢性心不全などが対象です。 区分は(Ⅰ)と(Ⅱ)の2つで、理学療法士・作業療法士・医師・看護師のどの職種が行っても、集団療法でも同じ点数なのが特徴です。

    脳血管疾患等リハビリテーション料

    脳梗塞・脳出血などの脳血管疾患のほか、脊髄損傷、パーキンソン病などの神経筋疾患、高次脳機能障害なども対象です。 5種類のうち最も点数が高く、回復期リハビリテーション病棟や急性期の脳神経系病棟で中心になる区分です。 区分(Ⅰ)と(Ⅲ)の差は145点で、1単位あたり1,450円の違いになります。

    廃用症候群リハビリテーション料

    急性疾患などに伴う安静によって廃用症候群になり、基本動作や日常生活の能力が一定以上低下した患者さんが対象です。 肺炎などで入院した高齢の患者さんに使われることが多く、区分は(Ⅰ)〜(Ⅲ)の3つです。 同じ区分の脳血管疾患等リハビリテーション料より、1単位あたり数十点低く設定されています。

    運動器リハビリテーション料

    骨折・外傷などの急性の運動器疾患や手術後、関節の変性疾患などの慢性の運動器疾患が対象です。 整形外科クリニックで働く理学療法士にとって最も身近な区分で、(Ⅰ)と(Ⅲ)では点数が2倍以上違います。

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    呼吸器リハビリテーション料

    肺炎・無気肺などの急性呼吸器疾患、COPDなどの慢性呼吸器疾患、がんなどの手術前後で呼吸機能訓練が必要な患者さんが対象です。 区分は(Ⅰ)と(Ⅱ)の2つで、(Ⅱ)は(Ⅰ)の半分以下の点数です。

    呼吸機能検査や経皮的動脈血酸素飽和度測定などの費用は所定点数に含まれます。

    同じ20分でも、疾患と区分しだいで点数が倍以上変わるんだね!

    参考:厚生労働省「医科診療報酬点数表(令和8年厚生労働省告示第69号)」 / 厚生労働省「医科診療報酬点数表に関する事項(留意事項通知 別添1)」

    理学療法士が算定できる単位数の上限

    日数を確認するためのカレンダーと赤鉛筆

    疾患別リハビリテーション料には、「患者さん1人あたり」「療法士1人あたり」「期間」の3方向から上限があります。 いずれも対象患者や施設によって例外規定が多いため、原則として押さえたうえで、個別の算定可否は所属先の算定ルールで確認しましょう。

    患者1人あたり1日の上限単位数

    疾患別リハビリテーション料は、患者さん1人につき1日合計6単位(2時間)までが原則です。 次のような「別に厚生労働大臣が定める患者」は、1日9単位まで算定できます。

    • 回復期リハビリテーション病棟入院料などを算定する患者さん(運動器リハを算定する人を除く)
    • 脳血管疾患等で、発症日・手術日・急性増悪の日から60日以内の患者さん
    • 病棟で早期歩行やADL自立を目的に、心大血管・脳血管・廃用・呼吸器の各(Ⅰ)を算定する入院中の患者さん

    令和8年度改定で、3つ目の対象から運動器リハ(Ⅰ)が外れました。 また、ベッド上から移動せずにポジショニングや拘縮予防などの他動的な訓練だけを行う一部の入院患者さんは、所定点数の90%で1日2単位までという区分が新設されています。

    療法士1人あたり1日の上限単位数

    療法士1人が1日に実施する単位数は、18単位を標準とし、24単位が上限です。 18単位は訓練時間にすると6時間、24単位は8時間にあたります。

    所定労働8時間の療法士の1日(例)
    18単位の訓練(6時間)
    記録・会議など
    18単位(標準)24単位(上限)
    訓練以外に使える時間
    120分
    週108単位を時間にすると
    36時間/週
    ※休憩時間を除く所定労働時間8時間で、18単位を実施した場合の試算

    令和8年度改定では、専従の療法士が疾患別リハ以外の特掲診療料に関わる業務をした時間も、20分を1単位とみなして実施単位数に加えて計算することになりました。

    患者さんへの指導などに時間を使った日は、そのぶん疾患別リハに使える単位数が減る仕組みです。

    1週間あたりの上限単位数

    1日の上限とは別に、療法士1人あたり週108単位までという上限もあります。 週5日勤務なら1日平均21.6単位、週6日なら1日平均18単位が上限の目安です。

    この単位数には、言語聴覚士が行う集団コミュニケーション療法の単位も合算されます。

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    標準的算定日数の上限

    疾患別リハビリテーション料には、発症日や治療開始日などから数える「標準的算定日数」があり、この期間内であれば所定点数で算定できます。

    標準的算定日数(所定点数で算定できる期間)
    脳血管疾患等
    180日
    心大血管疾患
    150日
    運動器
    150日
    廃用症候群
    120日
    呼吸器
    90日
    標準的算定日数内 超過後は原則として月13単位まで

    標準的算定日数を超えても、必要があれば1か月13単位までは算定できます。 ただし、脳血管・廃用・運動器では、入院中の要介護被保険者等は所定点数の約6割の点数になります。

    一方、治療を続けることで状態の改善が期待できると医学的に判断される場合など、特掲診療料の施設基準等の別表第九の八・第九の九に該当すれば、日数を超えても通常どおり算定できる例外もあります。

    ルールが細かくて、新人のころは覚えるのが大変だよね

    参考:厚生労働省「医科診療報酬点数表(令和8年厚生労働省告示第69号)」 / 厚生労働省「医科診療報酬点数表に関する事項(留意事項通知 別添1)」

    疾患別リハビリテーション料に上乗せされる主な加算

    車椅子と平行棒が置かれたリハビリ室

    疾患別リハビリテーション料には、早い時期に始めたリハビリや、計画づくり・退院時の指導を評価する加算や関連の点数があります。 入院初期に算定できる加算は、令和8年度改定で期間と点数が大きく見直されました。

    早期リハビリテーション加算

    入院中の患者さんに、入院した日から14日を限度として1単位ごとに加算されます。 令和8年度改定で、入院から3日目までは1単位60点、4日目以降は25点の2段階になりました。

    改定前は「発症などから30日まで1単位25点」だったため、入院直後にどれだけ早くリハビリを始められるかで点数が変わる仕組みに変わっています。

    入院初期に算定できる主な加算(1単位あたり)
    1日目 4日目 14日目 30日目
    早期リハビリテーション加算入院日から
    60点
    25点
    初期加算発症・手術など
    45点
    急性期リハビリテーション加算重症の患者さん
    50点
    休日リハビリテーション加算土日祝の実施分
    25点
    ※早期リハは入院日、他の加算は発症・手術・急性増悪など(区分により治療開始日)から起算

    同じ改定で、土曜・日曜・祝日に行ったリハビリを評価する休日リハビリテーション加算(1単位25点)も新設されました。

    初期加算

    早期リハビリテーション加算に上乗せして、1単位につき45点を、発症・手術・急性増悪などから14日を限度に算定できます。

    算定には、リハビリテーション科の常勤医師が1名以上いるなどの施設基準を満たして届け出ることが必要です。 重症の患者さんには、さらに急性期リハビリテーション加算(1単位50点)が加わる場合もあります。

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    リハビリテーション総合計画評価料

    医師・看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などの多職種が共同でリハビリ計画を作り、その計画にもとづいてリハビリを行った場合に、患者さん1人につき月1回算定できます。 令和8年度改定で、初回と2回目以降で点数が分かれました。

    • 総合計画評価料1
      初回300点、2回目以降240点
    • 総合計画評価料2
      初回240点、2回目以降196点(介護保険のリハビリ利用を予定している患者さんが対象)

    回復期リハビリテーション病棟の患者さんの自宅を訪問し、退院後の住環境を評価して計画を作った場合は、入院時訪問指導加算(150点)も加わります。

    退院時リハビリテーション指導料

    退院する患者さんや家族に、家屋の構造や介護力を考えながら、退院後の生活に必要なリハビリの観点からの指導をした場合に、退院日に1回300点を算定できます。 医師の指示を受けた理学療法士が、看護師や社会福祉士などとともに指導した場合も算定できます。

    令和8年度改定で、対象は入院中に疾患別リハビリテーション料などを算定した患者さんに限られました。

    入院直後と退院前は、加算が集中する大事なタイミングなんだ!

    参考:厚生労働省「医科診療報酬点数表(令和8年厚生労働省告示第69号)」 / 厚生労働省「個別改定項目について(令和8年2月13日)」

    診療報酬が理学療法士の給料に与える影響

    給与明細書と給与袋

    理学療法士の給料は、勤め先の医療機関が診療報酬で得た収入から支払われます。 ここまでの単位数の上限と点数を組み合わせると、給料が上がりにくい背景が制度の側から見えてきます。

    売上が単位数の上限で頭打ちになる

    療法士1人が生み出せるリハビリ料は、「1単位の点数×実施単位数」でほぼ決まります。 仮に脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅰ)を週108単位の上限まで実施しても、1週間のリハビリ料は26,460点(26万4,600円)が上限です(加算を除く試算)。

    どれだけ技術や経験があっても、単位数の上限と点数が変わらない限り、1人あたりの売上は大きく伸びません。 そのため、医療機関にとって理学療法士の昇給の原資を増やしにくい構造になっています。

    がんばっても売上の上限が決まっているなんて、ちょっと切ないね

    年代別の平均年収や年収が伸びにくい理由は、以下の記事で詳しく紹介しています。

    施設基準の区分で1人あたりの収益が変わる

    同じ時間・同じ単位数を実施しても、届け出ている区分によって医療機関の収入は大きく変わります。

    1日18単位を実施した場合のリハビリ料
    脳血管疾患等リハ
    Ⅰ
    44,100円
    Ⅱ
    36,000円
    Ⅲ
    18,000円
    運動器リハ
    Ⅰ
    33,300円
    Ⅱ
    30,600円
    Ⅲ
    15,300円
    ※1点10円、加算を含まない試算。患者さんの自己負担分を含む医療費の総額

    区分(Ⅰ)の施設は、(Ⅲ)の施設に比べて同じ1日18単位で2倍以上の収入になります。 ただし、(Ⅰ)を届け出るには療法士や医師を多く配置する必要があり、人件費もかかります。

    区分が高いほど給料も高いとは限らないため、収入の構造と実際の給与水準は分けて確認するのがおすすめです。

    ベースアップ評価料が賃上げの原資になる

    ベースアップ評価料は、医療機関で働く職員の賃上げのために、令和6年度改定で新設された診療報酬です。 令和8年度改定では、外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)の初診時が6点から17点に上がるなど、点数が引き上げられています。

    リハビリ料とベースアップ評価料の使われ方の違い
    疾患別リハビリテーション料
    リハビリの実施単位数に応じて収入になる
    人件費・設備費などの使い道は医療機関が決める
    ベースアップ評価料
    届け出た医療機関が受診・入院ごとに算定
    基本給・毎月の手当の引き上げに充てる
    毎年8月に賃金改善の実績を地方厚生局へ報告

    この評価料で得た収入は、対象職員の基本給や毎月決まって支払われる手当の引き上げなどに使うことが算定の条件です。 理学療法士も対象職員に含まれるため、届け出ている職場であれば賃上げに回る仕組みがあります。

    職員から賃金改善の内容について問い合わせがあった場合、医療機関は書面などで分かりやすく回答することとされています。

    リハビリの成果が給与に反映されにくい

    疾患別リハビリテーション料は、患者さんがどれだけ改善したかではなく、実施した時間(単位数)に対して支払われるのが基本です。 そのため、評価の高い理学療法士でも、算定できる点数は他の療法士と同じになります。

    職場比較で確認したいこと
    • 届け出ている疾患別リハの区分(Ⅰ〜Ⅲ)
    • 1日の目標単位数と記録時間の扱い
    • ベースアップ評価料の届出と賃上げの方法
    キャリアパートナー

    成果を評価してもらいたい場合は、認定資格や役職への手当、教育担当などの役割を給与に反映する制度がある職場を選ぶのも一つの方法です。

    参考:政府統計の総合窓口e-Stat「賃金構造基本統計調査 職種(小分類)、性、経験年数階級別所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」 / 厚生労働省「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(令和8年3月5日保医発0305第8号)」

    診療報酬改定が理学療法士の働き方に与える変化

    スクラブや白衣を着た医療職が集まる勉強会の様子

    診療報酬は原則2年ごとに改定され、そのたびにリハビリの評価のされ方が変わります。 令和8年度改定の内容からは、理学療法士の働き方にかかわる4つの変化が見えてきます。

    今後の改定でもルールが変わる可能性があるため、最新の情報を確認しておきましょう。

    アウトカム評価の比重が高まる

    回復期リハビリテーション病棟では、FIM(機能的自立度評価法)の改善度合いから計算する「リハビリテーション実績指数」が入院料の基準になっています。 令和8年度改定で、この基準が厳しくなりました。

    回復期リハ病棟の実績指数に関する見直し
    改定前令和8年度改定後
    効果の実績が認められないとされる基準
    2回連続27未満
    2回連続30未満
    算定から除外できる患者さんの割合
    3割まで
    2割まで
    FIM認知項目による除外
    24点以下
    14点以下
    80歳以上の患者さんの除外
    除外できる
    除外の要件から削除

    さらに、入院料1を届け出ている病棟には、実績指数などを要件とする回復期リハビリテーション強化体制加算が新設されました。 回復期で働く理学療法士にとっては、FIMの評価の正確さと、改善につながるリハビリの質がこれまで以上に求められます。

    リハビリの場が在宅・生活期へ移る

    疾患別リハビリテーションでは、介護保険のリハビリが必要と思われる患者さんに、ケアマネジャーと協力して訪問・通所リハの事業所を紹介し、見学や体験を提案することとされています。

    外来で標準的算定日数を超えて続ける患者さんには、介護保険のリハビリの適用を評価し、必要な手続きを案内することも求められています。

    入院中も、生活に近い場面での訓練を評価する方向です。 令和8年度改定で、病院の外で行う訓練(公共交通機関の利用、買い物や家事の訓練など)は、1日3単位に加えて、一連の入院で合計3単位(対象患者は6単位)まで追加で認められるようになりました。

    多職種連携を評価する加算が増える

    令和8年度改定では、急性期の病棟で看護職員の配置基準を超えて理学療法士などを配置し、多職種で協働する体制を評価する「看護・多職種協働加算」が新設されました。

    病棟に配置される理学療法士は、リハビリ室での個別訓練だけでなく、病棟でのADL支援や他職種への助言も担うことになります。

    前述のとおり、専従の療法士が疾患別リハ以外の特掲診療料の業務にかかわった時間も単位数として数えるルールが加わり、リハビリ室の外での仕事が制度上も位置づけられました。

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    記録と計画書の業務負担が増える

    令和8年度改定では、リハビリの計画書の様式統一や目標設定等支援・管理料の廃止など、書類を減らす見直しもありました。 一方で、アウトカムを示すための評価や記録は増えています。

    減らす方向の見直し
    リハビリの複数の計画書の様式を統一
    目標設定等支援・管理料を廃止未算定による減算の規定も削除
    求められる評価・記録
    全患者さんの訓練内容の要点と開始・終了時刻の記録
    標準的算定日数を超えて続ける場合のFIM測定と計画書状態の改善が期待できる患者さんは月1回以上
    回復期リハ病棟での日常生活の評価FIMによる測定が望ましいとされた

    単位数の上限がある中で記録の時間が増えると、1日の実施単位数と残業時間のバランスが働きやすさを左右します。 職場を選ぶときは、記録の電子化や、書類作成の時間を勤務時間内に確保しているかも確認しておくと安心です。

    制度の流れを知っておくと、これから伸びる職場を選びやすくなるよ!

    参考:厚生労働省「個別改定項目について(令和8年2月13日)」 / 厚生労働省「医科診療報酬点数表に関する事項(留意事項通知 別添1)」

    まとめ

    理学療法士の仕事は「1単位20分」を基本に、疾患別リハビリテーション料の点数と単位数の上限で収入が決まります。 この仕組みを知っておくと、自分の職場の収益構造や待遇を、制度の面から理解しやすくなります。

    この記事のポイント


    • リハビリは20分以上の個別療法を1単位として算定する
    • 施設基準の区分で同じ20分の点数が2倍以上違う
    • 療法士1人は1日18単位が標準、24単位・週108単位が上限
    • 令和8年度改定で入院初期の加算と休日の評価が見直された
    • ベースアップ評価料の収入は基本給などの賃上げに使われる

    転職先を比べるときは、給与額だけでなく、届け出ている施設基準の区分、1日の目標単位数、ベースアップ評価料の届出の有無もあわせて確認してみましょう。 求人票だけでは分からない場合は、転職エージェントに相談すると、職場ごとの体制や働き方まで確認してもらえます。

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