理学療法士の志望動機の書き方|押さえておきたいポイントと材料集めから確認までの手順
理学療法士の志望動機を書こうと思っても、なかなか良い表現が思い浮かばなかったり、ありきたりな内容になってしまい困った経験はないでしょうか?
志望動機が書けないのは文章力の問題ではなく、書く材料が手元にそろっていないことがほとんどです。求人票と施設のWebサイトから何を拾い、自分のこれまでの臨床とどう結びつけるか。そこが決まれば、文章は自然と自分の言葉になります。
この記事では、理学療法士の志望動機について、採用側が見ている点から始めて、材料集め・組み立て・立場や施設種別ごとの書き分け・提出前の点検までを手順として整理します。
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理学療法士の志望動機で見られていること

採用選考の基本的な考え方は、応募者の適性と能力に基づいて行うことだと厚生労働省が示しています。志望動機はその判断材料の一つで、自施設で働いている姿が具体的に想像できるかを確かめるために読まれます。
応募先を選んだ理由に具体性があるか
まず見られるのは、応募先の何を見て志望したのかが読み取れるかどうかです。理念への共感や「地域に貢献したい」という思いだけでは、数ある施設の中からここを選んだ理由になりません。
病床機能、対象となる疾患や利用者さんの層、リハビリ部門の体制、法人が展開している事業。こうした固有の事実に一つでも触れていれば、読み手は「調べてきた人だ」と受け取ります。逆に、理念を引用しただけの文章はどの施設にも当てはまってしまいます。
入職後に何ができるか
中途採用では、入職後にすぐ動けるかどうかが強く意識されます。厚生労働省の令和2年転職者実態調査では、理学療法士が含まれる「専門的・技術的な仕事」で転職者を採用した理由として、経験を活かし即戦力になるから66.1%、専門知識・能力があるから52.7%が上位に挙がりました。
同じ調査では、転職者の賃金や役職を決めるときに最も重視した要素として、これまでの経験・能力・知識が53.7%で最多でした。年齢11.9%、免許・資格10.7%を大きく上回っています。理学療法士の免許を持っていること自体は前提で、その先の中身が評価の対象になるということです。
志望動機に「入職後に何ができるか」を一行添えるだけで、読み手は配属先をイメージしやすくなります。
転職者を採用した理由(専門的・技術的な仕事)
複数回答(3つまで)
長く働く見込みがあるか
先ほどの調査では、転職者を採用した理由として離職者の補充のためが44.6%を占めていました。欠員を埋める採用である以上、また早期に抜けてしまわないかは気にされます。
ここで効くのが、自分の関心と応募先の機能が噛み合っていることを示す一文です。急性期での全身管理に関心があるのに生活期の施設へ応募すれば、なぜここなのかが説明できません。志望動機が応募先の機能と一直線につながっていれば、続けて働く姿も伝わります。
転職者の賃金・役職を決めるときに見られた要素
- 年齢 11.9%
- その他 11.6%
- 免許・資格 10.7%
- 前職の賃金 6.8%
- 経験・能力・知識 74.7%
- 年齢 45.2%
- 免許・資格 37.3%
- 前職の賃金 25.3%
- 学歴 11.0%
参考:厚生労働省「公正な採用選考の基本」 / 厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況」
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志望動機の材料を集める

「応募先をよく調べましょう」という助言はよく目にしますが、どこから何を拾えばよいかまでは詳しく紹介されていないことが多いです。ここを項目にしておくと、調べる作業がそのまま志望動機の材料集めになります。集めた情報は面接での逆質問にも使えます。
求人票から拾う項目
求人票は最初に読む資料でありながら、条件面だけ確認して終わりにしてしまいがちです。志望動機の根拠になる項目は次のあたりです。
- 病床機能や病棟種別(急性期、回復期リハビリテーション病棟、地域包括ケア病棟など)
- 対象となる疾患や利用者さんの層
- リハビリ部門の配置人数と、そのうち理学療法士が何人か
- 1日に担当する単位数の目安
- 新人教育やプリセプター制度、院内研修、学会発表の支援
- 法人が展開している他の事業(訪問、通所、保育、障害福祉など)
2024年4月からは、労働条件の明示ルールが変わり、就業場所と業務の変更の範囲も明示事項に加わりました。法人内に複数の事業所がある場合、将来どこへ異動する可能性があるかが読み取れます。訪問や通所への配置転換を含むと書かれていれば、それ自体が志望動機の材料になります。
なお求人票に書かれた病床機能の名称は、医療法施行規則で定義が決まっています。言葉のイメージで受け取らず、定義に沿って読むと応募先の役割がつかみやすくなります。
施設のWebサイトから拾う項目
Webサイトでは、求人票に載らない「その施設が何に力を入れているか」が分かります。
- 理念や基本方針
- リハビリ部門のページにある取り組み(早期離床、装具療法、呼吸リハビリ、生活行為向上の取り組みなど)
- 地域連携の内容(連携先の病院、地域ケア会議、健康教室、市町村事業への参加)
- 部門紹介やスタッフ紹介(人数構成、経験年数の幅、認定資格の保有状況)
- 広報誌やブログ、学会発表・研究報告の実績
ここで気をつけたいのは、理念をそのまま引用しても志望動機にはならない点です。自分の経験と接続できる箇所を選ぶのがコツです。たとえば「早期離床に力を入れている」と書かれていれば、前職で急性期病棟の離床プロトコルに関わった経験が根拠として使えます。
自分の経験から拾う項目
応募先を調べるのと同じ密度で、自分の側も棚卸しします。頭の中で思い返すだけでは言葉になりにくいので、書き出すのが早道です。
-
担当した疾患領域脳血管疾患、運動器、呼吸器、心大血管、廃用症候群など
-
担当した病期急性期、回復期、生活期のどこを、どのくらいの期間か
-
使った評価指標FIM、BBS、10m歩行、MMT、ROM、握力など、記録に残してきたもの
-
介入の内容装具の選定、歩行練習の進め方、自主練習の指導、家屋調査、家族指導
-
担ってきた役割実習指導、新人指導、勉強会の担当、委員会、カンファレンスでの発言
症例数や在籍年数は経歴書に書けば伝わります。志望動機で効くのは、そのとき何を考え、何を変えたかのほうです。「担当した患者さんが自宅退院に不安を感じていたため、家屋調査の結果をもとに手すりの位置を変更した」といった一場面があれば、それが根拠になります。
見学や説明会から拾う項目
施設見学で自分の目で見た情報は、Webサイトからは拾えません。ほかの応募者と重ならないという意味でも、最も強い材料になります。
見学中に気になったことはその場でメモに残しておきましょう。「リハビリ室ではなく病棟で練習している場面が多かった」といった一文は、志望動機の書き出しにそのまま使えます。
参考:厚生労働省「令和6年4月から労働条件明示のルールが改正されます」 / e-Gov法令検索「医療法施行規則」
理学療法士の求人を探す材料を組み立てる手順

材料がそろったら、結論から順に並べていきます。完成した文章を用意してから中身を考えるのではなく、組み立ての順番を決めておくほうが早く書けます。
結論を一文で決める
最初に「この施設のどこに惹かれて応募したのか」を一文にします。ここが決まらないまま書き始めると、前置きが長い文章になります。
一文は「(応募先の固有の事実)に取り組んでいる点に惹かれ、(自分が活かせること)を活かして働きたいと考えました」という形が扱いやすいです。
前半には必ず、材料集めで拾った具体的な事実を入れます。「地域医療に貢献したい」のような、どの施設にも当てはまる表現は結論に置かないようにしましょう。
根拠となる経験を選ぶ
結論を支える経験は、ひとつに絞るのが無難です。複数並べると一つひとつが浅くなり、結局どれが強みなのか伝わりません。
選ぶ基準は、応募先の機能と重なるかどうかです。回復期リハビリテーション病棟への応募なら、在宅復帰を目指した介入や家族指導の経験が合います。訪問リハビリなら、生活の場での動作指導や住環境への働きかけが合います。手持ちの経験の中で応募先と最も近いものを選び、そのときの判断と結果まで書きます。
入職後にできることを添える
結論と根拠まで書けたら、入職後の行動を一文添えます。ここが抜けると、応募先を褒めただけの文章になってしまいます。
書く内容は大きな目標でなくてかまいません。「前職で行っていた自主練習メニューの可視化を、こちらの病棟でも取り入れたい」といった等身大の内容のほうが、読み手には実行できる人として伝わります。
経験が浅い場合は「まず〇〇を身につけたうえで」と、学ぶ姿勢と組み合わせる形にすると自然です。
文字数に合わせて調整する
履歴書の志望の動機欄は、様式によって書ける分量が違います。令和2年7月に日本規格協会がJIS規格の解説から履歴書の様式例を削除したことを受けて、厚生労働省が新たに履歴書様式例を作成しました。現在はA3版とA4版が公開されており、どの様式を使うかで欄の大きさが変わります。
応募先から様式の指定がある場合は、その指定が優先されます。指定がなければ厚生労働省の様式例を使うのが無難です。
欄が小さいときは結論と根拠だけに絞り、入職後の行動は面接で話す。欄が大きいときは根拠の場面を少し詳しく書く。削る順番を決めておくと、様式が変わっても書き直しがすぐ終わります。
| 欄が小さいとき | 欄に余裕があるとき | |
|---|---|---|
| 結論の一文 | 必ず入れる | 必ず入れる |
| 根拠となる経験 | 担当した病期と疾患領域だけに絞る | そのとき何を考え何を変えたかまで書く |
| 入職後にできること | 一言で添える。詳しくは面接で話す | 具体的な行動まで書く |
| 応募先の特徴への言及 | 結論の一文に含めてまとめる | 独立した一文として書く |
参考:厚生労働省埼玉労働局「厚生労働省履歴書様式について」 / ハローワークインターネットサービス「履歴書・職務経歴書の書き方」
【立場別】書ける材料の違い

同じ組み立て方でも、手元にある材料は立場によって根本的に違います。新卒に「これまでの実績を」と言っても書けませんし、経験10年目が実習の話を中心に据えても物足りません。自分の立場で何を材料にできるかを先に決めます。
新卒の場合
臨床経験がない代わりに、実習で考えたことが材料になります。担当症例そのものより、評価から治療プログラムを組み立てるまでに何を迷い、指導者の助言をどう受け止めたかが書きやすいところです。
養成校での学習内容も使えます。卒業研究のテーマ、力を入れた科目、学外の勉強会や学会への参加。応募先が力を入れている領域と重なるものがあれば、そこを選びます。
- 実習先の施設名や地域が特定できる書き方をしない
- 患者さんの年齢・疾患・家族構成を組み合わせて個人が特定される形にしない
- 書けるのは「自分が何を考え、どう動いたか」まで
理学療法士及び作業療法士法では、理学療法士に業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならない義務が定められ、違反には罰則もあります。学生のうちは資格者ではありませんが、守秘義務への姿勢は選考でも見られています。
経験の浅い転職の場合
経験1〜3年目では、経験の量で勝負しないほうが結果につながります。担当してきた病期と疾患領域をはっきり示し、そのなかで身につけた基本的な評価・介入を具体的に書きます。「回復期リハビリテーション病棟で脳血管疾患の患者さんを中心に2年間担当し、装具を使った歩行練習の進め方を学んだ」といった書き方です。
短い在職期間を気にして、志望動機の中で前職を説明したくなりますが、志望動機の中心に前職を辞める理由を置かないほうが読みやすくなります。退職理由は履歴書の別欄や面接で聞かれたときに答える内容です。志望動機は、応募先で何をしたいかに集中させます。
経験を積んだ転職の場合
経験年数が長くなるほど、担当してきた症例だけでは差がつきません。臨床以外で担ってきた役割を材料に加えます。
- 実習指導者や新人教育の担当
- 勉強会・症例検討会の企画や運営
- 安全管理、感染対策、褥瘡対策などの委員会
- 退院支援カンファレンスや地域ケア会議への参加
- 認定・専門領域の資格や、学会発表・研究の実績
これらは応募先が管理職候補や中核スタッフを探している場合に直接効きます。ただし役割を並べるだけでは経歴書と同じになるので、その経験を応募先でどう使うかまで書ききります。
ブランクからの復職の場合
離れていた期間を隠す必要はありません。期間と理由を一言で示したうえで、復帰に向けて何をしてきたかを書きます。研修や講習会への参加、協会の生涯学習の受講、書籍や文献での学び直し、短時間勤務での復帰経験など、事実があればそれを使います。
応募先の選び方も材料になります。ブランク明けで訪問リハビリのような単独業務に戻るのか、複数名体制の病棟から慣らしていくのか。自分が選んだ理由を書けること自体が、計画性の裏づけになります。
離れていた期間と理由を隠さず、一言で示す。長い説明はしない。
研修や講習会への参加、協会の生涯学習の受講、文献での学び直し、短時間勤務での復帰など、事実があるものだけを書く。
単独で動く職場か、複数名体制の職場か。どちらを選んだかとその理由を書く。
慣らしていく順番まで書けると、計画性が伝わる。
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【施設種別】盛り込みたい観点

施設種別が変われば、求められる経験も、理学療法士がチームの中で置かれる位置も変わります。ここでは観点として挙げます。施設ごとの方針もあるので、当てはまるかどうかは求人票と見学で確かめてください。
日本理学療法士協会の統計では、施設区分ごとの会員数と施設数が公表されています。1施設あたりの人数は、回復期リハビリテーション病棟で14人台、訪問リハビリや通所リハビリでは1人台と大きく開きます。チームで動くのか一人で判断するのか、この差は志望動機の書き方に直結します。
1施設あたりの理学療法士の人数(施設区分別)
日本理学療法士協会の会員数・施設数(2026年3月末時点)から算出
急性期病院
全身状態が安定しきらない時期に関わるため、リスク管理と他職種との情報共有が中心の観点になります。バイタルの変動や検査値を踏まえて離床を進めた経験、医師や看護師との連携で介入内容を調整した経験が根拠になります。
在院日数が短く、評価から次の療養先につなぐまでが早いという特徴もあります。短い期間で方針を立てて申し送る動き方に関心があることを書くと、応募先の役割と噛み合います。
回復期リハビリテーション病棟
在宅復帰を目標に、集中的にリハビリを提供する病棟です。1施設あたりの理学療法士の人数が多く、チームで担当を分けながら方針を共有する働き方になります。
観点になるのは、目標設定と家族支援です。退院先の生活を想定した目標を立てた経験、家屋調査や家族指導に関わった経験、他職種とゴールをすり合わせたカンファレンスでの経験。このあたりを一つ選んで具体的に書きます。
生活期の施設(介護老人保健施設・通所リハビリなど)
生活期では、機能の改善だけでなく今ある力をどう生活に活かすかが主題になります。医療保険から介護保険へと制度も変わり、ケアマネジャーや介護職との連携が日常業務に組み込まれます。
介護老人保健施設なら在宅復帰を支える立場、通所リハビリなら通い続けてもらうための関わり。どちらに応募するかで観点が変わるので、施設の役割を確認してから書きます。介護職への助言や環境調整の経験があれば、そのまま材料になります。
病院と生活期の施設で変わること
訪問リハビリテーション
利用者さんの自宅で、原則として一人で判断します。1施設あたりの理学療法士は1人台で、その場に相談できる同僚がいない前提の働き方です。
観点は、生活環境への働きかけと単独での判断です。家屋の段差や動線を踏まえた動作指導、福祉用具の選定、ご家族への介助方法の説明。加えて、体調の変化に気づいて主治医やケアマネジャーに連絡した経験があれば、安全面の判断ができる人だと伝わります。
- 医療キャリアナビ掲載求人データでは、理学療法士の求人6,409件のうち訪問リハビリが1,983件で最多。次いでクリニック999件、病院819件です
- 月給の中央値は全体で272,500円。訪問リハビリは300,000円で最も高い水準です
クリニック・整形外科
外来を中心に、運動器疾患や術後の患者さんを短時間で多く担当します。医師の診察と近い距離で動くため、評価結果を簡潔に共有する力が求められます。
観点になるのは、運動器の評価と自主練習の指導です。限られた時間で要点を絞った評価をした経験、患者さんが自宅で続けられる運動を提案した経験を書きます。スポーツ分野や産業分野に力を入れているクリニックであれば、その領域への関心を重ねると応募先固有の内容になります。
児童発達支援・放課後等デイサービス
障害のあるお子さんを対象とする通所支援です。ここは他の施設種別と事情が異なります。児童福祉法に基づく人員基準では、機能訓練を行う場合に配置する機能訓練担当職員は児童指導員・保育士との合計数に算入できるものの、半数以上は児童指導員又は保育士でなければならないと決まっています。理学療法士が必ず置かれる職種ではありません。
つまり志望動機では、「なぜこの事業所に理学療法士が必要なのか」を自分の言葉で示すことになります。姿勢や粗大運動の評価、座位保持装置や補装具への関わり、保護者への説明。医療機関で身につけたどの視点を持ち込めるのかを書くと、応募先にとっての採用理由になります。
参考:日本理学療法士協会「統計情報」 / 厚生労働省「児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準」
理学療法士の求人を探す使い回しが見抜かれる理由と書き分け方

複数の施設に応募すると、一から書き直すのは現実的ではありません。問題は使い回すこと自体ではなく、変えるべき部分まで使い回してしまうことです。どこが固定でどこが可変かを分けておけば、応募先が増えても手間は増えません。
どこが使い回しに見えるか
読み手が違和感を持つのは、どの施設にも当てはまる表現だけで文章が終わっているときです。「地域医療に貢献したい」「幅広い症例を経験したい」といった言葉は、それ自体が間違いなのではなく、施設名を入れ替えても成立してしまうところが弱点です。
使うとすれば、具体的な事実とセットにすることです。「地域に根ざした」であれば、どの地域のどんな取り組みを指しているのかを続けます。
もう一つ気づかれやすいのが、施設の機能と合わない表現です。外来中心のクリニックへの応募で「在宅復帰に向けたチーム医療に携わりたい」と書けば、調べていないことが伝わってしまいます。
応募先ごとに変える部分
書き換えるのは、応募先の固有名詞や事実が入る部分です。結論の一文、応募先の特徴に触れた箇所、入職後の行動。この3か所を差し替えれば、文章全体は作り直さずに済みます。
差し替えるときは、根拠となる経験も一緒に選び直します。同じ「家屋調査の経験」でも、回復期リハビリテーション病棟なら退院支援の文脈で、訪問リハビリなら在宅での環境調整の文脈で書くほうが、応募先の業務に近づきます。
応募先ごとに差し替える。応募先の固有の事実が入る部分。
担当してきた病期・疾患領域・評価指標
どの場面を選ぶかは応募先に合わせる
応募先ごとに差し替える。応募先の業務に合わせる部分。
共通で使える部分
一方で、応募先が変わっても中身が変わらない部分もあります。自分が担当してきた疾患領域や病期、使ってきた評価指標、理学療法士として大切にしている考え方。ここは一度しっかり書いておけば、どの応募先にも使えます。
共通部分を先に作っておくと、応募のたびに必要なのは調べることと差し替えだけになります。志望動機を毎回ゼロから書くより、共通の土台を1本持っておくほうが現実的です。
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書き終えたあとの自己点検

書き上げたら、提出前に自分で確認できる項目でひと通り見直します。ここで引っかかる箇所は、面接でも突かれやすいところです。
施設名を入れ替えても成立しないか
最初に試したいのがこれです。文中の施設名を別の施設に置き換えて読み直し、それでも意味が通るなら、応募先を調べた形跡が文章に残っていません。
通ってしまった場合は、材料集めに戻ります。求人票と施設のWebサイトから固有の事実を一つ拾い、結論の一文に入れ直すだけで変わります。
待遇面が中心になっていないか
給与や休日を志望動機に書くこと自体が問題なのではありません。労働条件は働き続けるうえで大切な要素です。志望動機の中心に据えないという趣旨で受け取っておきましょう。
読み手が知りたいのは、応募先の仕事に対する関心と、入職後に何ができるかです。条件面は求人票で確認し、詳しく聞きたいことは面接や内定後の場で扱うほうが整理されます。
事実と異なる記述がないか
前職の退職理由をそのまま書くと印象が重くなるため、表現を前向きに整えることはあります。ただし、表現を整えることと、事実と違う説明をすることは別です。
経験していない領域を担当したと書く、関わっていない役割を自分の実績として書く。こうした記述は、面接で少し掘り下げられただけで食い違いが出ます。書き換えるときは、事実の範囲内で、どの面に光を当てるかを選ぶだけにとどめます。
面接で説明できる内容か
最後の基準がこれです。履歴書に書いた内容は、面接で必ず深掘りされます。厚生労働省は、面接の質問事項は職務遂行のために必要な適性・能力を評価するために必要な事項とするよう示しています。書いた内容がそのまま質問になると考えておくのが自然です。
読み返して詰まる箇所があれば、そこは材料が足りていないところです。書き直すより、材料集めに一度戻るほうが早く仕上がります。
まとめ
理学療法士の志望動機は、例文を探すところから始めると手が止まります。先に材料を集めるほうが、結果として早く書けます。
求人票からは病床機能や配置人数、担当単位数、教育体制を。施設のWebサイトからは理念や力を入れている取り組みを。自分の側からは担当した疾患領域と病期、使ってきた評価指標、担ってきた役割を書き出す。ここまでそろえば、結論の一文・根拠となる経験・入職後にできることの順に並べるだけで形になります。
立場によって使える材料は違います。新卒なら実習で考えたこと、経験の浅い転職なら担当してきた病期と疾患領域、経験を積んだ転職なら臨床以外の役割、復職ならブランク中に取り組んだこと。施設種別によっても観点が変わるので、応募先の機能を確かめてから根拠を選びます。
提出前は、施設名を入れ替えても成立しないか、待遇面が中心になっていないか、事実と異なる記述がないか、面接で説明できるかを確認します。ここで引っかかったら材料集めに戻る。この往復を一度やっておけば、次の応募先からはずっと楽になります。
まずは応募を考えている施設の求人票を開いて、この記事で挙げた項目を書き出すところから始めてみてください。


