認定薬剤師の更新方法|必要単位と単位不足時の対処を解説

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認定期限が近づいてから単位を数え直して、足りないことに気づく。認定薬剤師の更新でもっとも多い失敗がこれです。日本薬剤師研修センターの研修認定薬剤師は、3年間で30単位という合計条件と、1年ごとに5単位以上という条件の両方を満たす必要があります。

また「認定薬剤師」と呼ばれる資格は一つではありません。更新要件も申請先も費用も制度ごとに違います。

この記事では、研修認定薬剤師を中心に、更新に必要な単位数、PECSからの申請手順、単位が足りないときの対処、そして認定が切れた場合に実務へどう影響するかまでを整理します。

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以下からひな形と見本をダウンロードできます。

    更新する認定薬剤師の種類を確認する

    「?」が3つ並んで書かれたノート

    「認定薬剤師」は特定の一つの資格名ではありません。薬剤師認定制度認証機構(CPC)の認証を受けた生涯研修認定制度だけで28制度あり、特定領域の認定制度6つ、その他の認定制度1つを合わせると35制度が認証を受けています(2026年9月時点)。

    制度が違えば、必要単位数も申請先も申請料も変わります。別の制度の要件を読んで手続きを進めると、更新そのものができなくなることがあります。

    CPC認証の内訳と3つの認定制度の比較

    生涯研修認定制度

    28制度

    特定領域認定制度

    6制度

    その他の認定制度

    1制度

    合計(2026年9月時点)

    35制度
    項目研修認定薬剤師薬剤師会・大学などのプロバイダー認定学会認定の専門・認定薬剤師
    運営主体 公益財団法人 日本薬剤師研修センター CPC認証を受けた各団体(東京都薬剤師会、神奈川県薬剤師会、東邦大学薬学部、慶應義塾大学薬学部、日本薬剤師会JPALSなど) 各学会(例:日本医療薬学会)
    認定期間 3年 団体ごとに異なる 例:医療薬学専門薬剤師は5年
    更新の要件 3年間で30単位以上、かつ各年5単位以上 団体ごとに異なる 50単位以上に加え、研修施設での1年以上の研修歴、学術論文5単位以上、臨床実績10件の提出
    申請先 PECS(オンライン) 認定証を発行した団体 ※日本薬剤師研修センターでは更新できない 各学会

    研修認定薬剤師(日本薬剤師研修センター)

    公益財団法人日本薬剤師研修センターが運営する制度で、1994年(平成6年)に始まりました。全職域の薬剤師が対象で、認定期間は3年間、3年ごとの更新です。令和7年(2025年)9月末時点の研修認定薬剤師は124,182名で、認定薬剤師の制度としてはもっとも規模が大きいものです。

    この記事では、以降この研修認定薬剤師の更新を前提に説明します。

    薬剤師会・大学などのプロバイダーによる認定

    CPCの認証を受けて生涯研修認定制度を運営している団体は「生涯研修プロバイダー」と呼ばれ、日本薬剤師研修センターもそのうちの一つです。東京都薬剤師会や神奈川県薬剤師会などの薬剤師会、東邦大学薬学部や慶應義塾大学薬学部などの大学、日本薬剤師会のJPALS認定薬剤師制度などが該当します。

    注意したいのは、日本薬剤師研修センター以外のプロバイダーで取得した認定は、研修センターでは更新を受け付けていないという点です。研修センターの研修認定薬剤師になりたい場合は、更新ではなく新規申請の扱いになります。更新の手続き先は、自分の認定証を発行した団体です。

    学会が認定する専門薬剤師・認定薬剤師

    がん専門薬剤師や薬物療法専門薬剤師などは学会が認定する制度で、更新要件が生涯研修認定制度とは大きく異なります。単位に加えて、症例実績の提出や試験が求められる場合があります。

    たとえば日本医療薬学会の医療薬学専門薬剤師は、認定期間が5年間です。更新には、学会の認定する研修施設で1年以上の研修歴、50単位以上のクレジット、医療薬学に関する学術論文5単位以上、自ら実施した臨床実績10件の提出などが求められます。研修認定薬剤師の「3年間で30単位」とは要件の性格そのものが違います。

    参考:公益財団法人日本薬剤師研修センター「研修認定薬剤師制度とは」 / 公益社団法人薬剤師認定制度認証機構「生涯研修プロバイダー」 / 公益財団法人日本薬剤師研修センター「要覧」 / 一般社団法人日本医療薬学会「医療薬学専門薬剤師 更新申請・更新保留申請」

    研修認定薬剤師の更新要件

    研修会でメモを取る薬剤師

    更新には、単位の「合計」と「各年の下限」という2つの条件があります。どちらか一方でも欠けると更新は認められません。

    更新に必要な2つの条件
    3年間の合計
    30単位以上
    認定期間の全体で判定
    かつ
    各年の下限
    5単位以上
    認定開始日から1年ごとに判定

    必要な単位数

    認定開始日から1年ごとに区切り、各年5単位以上、かつ3年間で合計30単位以上を取得していることが必要です。

    見落とされやすいのが各年5単位の条件です。3年間の合計が30単位に達していても、どこか1年の取得が4単位以下であれば要件を満たしません。しかも過ぎた年の単位を後から埋めることはできないため、この条件を落とすと取り返しがつきません。

    なお新規認定の場合は、申請日から遡って4年以内に40単位以上が必要です。更新は、新規に比べて対象期間も必要単位数も小さく設定されています。

    単位の取得期間の区切り方

    ここでいう「1年」は暦年ではなく、認定開始日を起点とした1年ごとの区切りです。1月から12月で数えると、年の境目がずれて条件を満たしているかどうかの判断を誤ります。

    たとえば認定期間が2023年5月21日から2026年5月20日までであれば、1年目は2023年5月21日から2024年5月20日、2年目は2024年5月21日から2025年5月20日、3年目は2025年5月21日から2026年5月20日です。

    自分の認定期間は、認定証のほか、PECS(薬剤師研修・認定電子システム)にログイン後の薬剤師メニュー「個人情報変更」から確認できます。

    「1年」の区切りは認定開始日が起点
    認定期間の例
    2023年5月21日〜2026年5月20日
    1年目
    2023年5月21日〜2024年5月20日
    この1年で5単位以上
    →
    2年目
    2024年5月21日〜2025年5月20日
    この1年で5単位以上
    →
    3年目
    2025年5月21日〜2026年5月20日
    この1年で5単位以上
    3年間の合計で30単位以上

    単位として認められる研修

    単位の対象になる研修は複数の種類に分かれており、種類ごとに算入できる上限が決まっています。集合研修や学術集会、e-ラーニング研修、ウェブ利用研修は1日あたり各4単位までで年間の上限はありません。一方、自己研修とウェブテスト自己研修は合わせて年間5単位まで、学術集会等発表と学術雑誌論文掲載は各年間3単位までです。

    ここでの「年間」も認定期間開始日から1年ずつの区切りを指します。また、同じ研修を重ねて受講しても、2回目以降は単位に算入されません。

    研修の種類別 単位算入上限

    研修の種類1日あたり年間
    集合研修4単位まで制限なし
    学術集会4単位まで制限なし(1学術集会につき9単位まで)
    e-ラーニング研修4単位まで制限なし
    ウェブ利用研修4単位まで制限なし
    自己研修制限なしウェブテスト自己研修と合計5単位まで
    ウェブテスト自己研修制限なし自己研修と合計5単位まで
    学術集会等発表制限なし3単位まで
    学術雑誌論文掲載制限なし3単位まで

    お探しの求人は?

    参考:公益財団法人日本薬剤師研修センター「研修認定薬剤師になるには」 / 公益財団法人日本薬剤師研修センター「研修認定薬剤師の更新申請」

    更新申請の手順

    マスクを着けてパソコンに向かう女性薬剤師

    更新申請ができるのは、認定終了日の2か月前から終了日の3か月後までの期間だけです。この期間内に申請しなかった場合、その後は更新申請ができず、新規申請からやり直すことになります。PECS上でも、期間外は更新ボタン自体が表示されません。

    更新申請の4ステップ

    1
    単位の取得状況を確認する
    PECSの「研修等の修了状況」「受講歴一覧」で確認する。反映前の単位は算入されない。
    2
    申請期間内にPECSから申請する
    受付は認定終了日の2か月前から3か月後まで。
    3
    審査料を支払う
    税込11,000円。支払い後のキャンセル・返金は不可。
    4
    必要書類を提出する
    PECSの単位のみなら送付不要。他団体の単位は受付完了メール後1週間以内に送付。

    単位の取得状況を確認する

    PECSの自分のページにある「研修等の修了状況」または「受講歴一覧」で単位数を確認します。

    ここで気をつけたいのが、受講してもすぐには単位が反映されない点です。集合研修に現地参加した場合は1週間後、Web参加の場合は1か月後、研修センターに登録されたe-ラーニング研修実施機関によるe-ラーニングは受講日の翌々月末が反映日とされています。

    受講形態別 単位がPECSに反映されるまでの期間

    反映が早い反映が遅い
    集合研修(現地参加)
    受講の1週間後
    集合研修(Web参加)
    受講の1か月後
    e-ラーニング(研修センター登録の実施機関)
    受講日の翌々月末

    もう一つ、PECSの受講履歴にある「単位払出」は押さないようにしましょう。これは研修センター以外のプロバイダーへ認定申請する際の単位取得証明のための機能で、一度払い出すとPECSに戻せず、研修センターの申請には使えなくなります。

    申請期間内にPECSから申請する

    認定期限の2か月前に、PECSに登録されているメールアドレス宛へ更新のお知らせが自動配信されます。見当たらない場合は、迷惑メールフォルダやゴミ箱も含めて確認しましょう。案内メールを受け取れていなくても、申請期間内で条件を満たしていれば申請できます。

    メールアドレスを変更したまま更新していないと案内に気づけないため、PECSの登録アドレスは最新の状態にしておくと安心です。

    なお、認定期限を過ぎてから申請した場合でも、更新が認められれば認定は途切れることなく継続します。更新後の認定日は、すでに有している認定の終了日の翌日になるためです。

    申請料を支払う

    研修認定薬剤師の審査料は、更新・新規とも税込11,000円です(2025年9月1日現在)。認定証を破損・紛失した場合の再発行手数料は3,300円、認定薬剤師カード(IDカード)は2,750円です。

    支払いが完了した後は、理由を問わずキャンセル・取り下げ・返金・他の申請への振替ができません。審査の結果が不承認であっても返金されないため、単位が要件を満たしているかを確認してから手続きを進めましょう。

    領収書は発行されず、クレジットカードの利用明細やコンビニで発行された領収証が領収証の代わりになります。インボイス(適格請求書)として必要な事項は、PECSから届く審査結果メールに記載されます。

    必要書類を提出する

    提出物は、PECSで管理されている単位だけで申請するかどうかで変わります。

    PECSの単位のみで申請した場合は、「認定申請の受付完了について」メールを受信した時点で手続きは完了で、別途送付するものはありません。

    一方、他団体の単位や2022年3月31日までのシールを使う場合は、受付完了メールの送信後1週間以内に次の書類を送付します。

    1. 「研修認定薬剤師制度 認定申請の受付完了について」メールを印刷したもの
    2. シールを貼付し、受講年月日・主催者・テーマを記入した研修手帳または研修受講シール整理表
    3. 研修センター以外のプロバイダーの単位を使う場合は、その団体の公印が押印された受講証明書
    4. 認定期間の延長や各年単位取得条件の免除を受けている場合は、その受理書または許可証の正本

    シールが貼ってあっても受講年月日・主催者・テーマの記載がなければ、別に受講履歴の一覧があっても照合は行われず、その単位は算入されません。記入漏れがないか確認してから送付しましょう。

    書類に不備がなければ、審査は開始から概ね1か月で結果がメールで通知されます。認定証の発送は、審査結果メールからさらに概ね1か月後です。

    薬剤師の求人を探す

    参考:公益財団法人日本薬剤師研修センター「研修認定薬剤師の更新申請」 / 公益財団法人日本薬剤師研修センター「各種申請の手数料等について」

    単位が足りないときの対処

    参考書を開いて自己学習する手元

    残り期間と不足単位数によって、取れる手は変わります。まだ期間があるなら受講で埋める、事情があって研修自体が難しいなら届出で条件を緩和する、間に合わないなら新規申請に切り替える、という3つの方向があります。

    残り期間で受講できる研修を探す

    研修センターの認定対象となる研修を開催している研修実施機関は、令和7年9月末時点で1,024機関あります。都道府県の薬剤師会から大学、学会まで幅広く、勤務先の近くで受講できる研修が見つかることもあります。

    単位の取りやすさで見ると、まとめて確保しやすいのは学術集会です。参加1日につき最大4単位(午前2単位・午後2単位まで)で、1つの学術集会につき9単位まで算入できます。年に1回の学会参加で、更新に必要な30単位の3割近くを確保できる計算です。

    一方、自己研修は年間5単位が上限のため、不足分をレポートだけで埋めることはできません。

    研修実施機関の内訳(全1,024機関)

    0150300450600
    任意団体
    488
    社団・財団・NPO法人
    411
    大学薬学部・薬科大学
    51
    医療機関・研究所
    26
    学会
    25
    協同組合
    11
    eラーニング機関
    7
    国・地方自治体
    3
    独立行政法人等
    1
    個別法律設立法人
    1

    e-ラーニングで単位を取得する

    e-ラーニング研修は1講座につき1単位で、受講日1日あたり最大4単位まで、年間の上限はありません。1講座は講義60分以上とテスト30分以内を組み合わせた合計90分が基準です。時間や場所の制約が小さく、不足分を埋める手段としては現実的な選択肢といえます。

    ただし、期限直前の駆け込みには向きません。研修センターに登録されたe-ラーニング研修実施機関の単位は、受講日の翌々月末にならないとPECSに反映されないためです。11月に受講した単位がPECSに載るのは翌年1月末で、その間は申請に使えません。

    同じ講座を重ねて受講しても2回目以降は単位が付かない点も、まとめ取りの計画では見落としやすいところです。

    やむを得ない事由による認定期間の延長を申請する

    妊娠・出産や疾病などで研修の継続が難しくなった場合は、届出によって単位の取得条件を一部緩和する措置があります。

    対象となる事由は、妊娠及び出産(妊娠が判明し研修が困難になってから出産後8週間まで)、育児(最長1年)、疾病等による長期入院(最長1年)、疾病等による通院(休職している場合に限り最長1年)、長期にわたる家族の介護または看護(最長1年)、被害の大きい災害遭遇(最長1年)の6つです。ここでいう「長期」は3か月以上を指します。長期海外出張は、e-ラーニング研修が普及している状況を踏まえて対象外とされています。

    誤解が多いのは、緩和される内容です。免除されるのは各年5単位以上という条件であって、3年間で合計30単位という条件は変わりません。事情期間が2年目と3年目にまたがる場合や3年目に生じた場合は認定期間が1年延長されますが、その場合も延長した1年を含めた4年間で30単位が必要です。

    届出の期限にも注意が必要です。認定期間の終了日の2か月前までに行う必要があり、これを過ぎると届出はできません。更新認定申請と同時、申請後、申請が不承認となった後も同様に受け付けられません。届出には事由に応じた証明書類の添付も求められます。

    認められる事由と手続きはプロバイダーごとに異なるため、他のプロバイダーの認定をお持ちの場合は必ず自分の認定元に確認しましょう。

    認定期間の延長が認められる6つの事由と期間

    事由認められる期間届出時に必要な書類の例
    妊娠及び出産妊娠が判明し研修が困難になってから出産後8週間まで母子手帳の該当ページの写し
    育児育児休業期間またはそれに相当する期間で最長1年育児休業取扱通知書の写し
    疾病等による長期入院入院により研修が困難な期間と引き続く通院期間で最長1年診断書または医療機関の領収書の写し
    疾病等による通院(休職している場合に限る)休職期間で最長1年休職を証する勤務先発行の証明書類
    長期にわたる家族の介護・看護介護休業期間またはそれに相当する期間で最長1年介護休業取扱通知書の写しなど
    被害の大きい災害遭遇災害により研修が困難な期間で最長1年罹災証明書の写しなど

    更新できなかった場合は新規で申請する

    更新要件を満たせなかった場合や、更新申請が不許可になった場合は、新規申請の扱いになります。2025年1月15日以降の取り扱いでは、認定期限の翌日以降から新規認定申請が可能です。

    ただし、更新とは条件が変わります。新規申請には、申請日から遡って4年以内に取得した40単位以上が必要です。

    さらに知っておきたいのが認定日の扱いです。新規認定の場合、認定日は研修センターが新規認定を許可した日になります。申請日でも前の認定期限の翌日でもないため、審査期間の分だけ認定を持たない期間が生じます。先の認定の継続にはならない点も、更新との大きな違いです。

    なお、更新手続期間中であっても認定期間終了後に新規申請(再新規申請)を行うと、その後に更新申請を行うことはできなくなります。

    更新認定と新規認定申請の違い

    更新できた場合
    必要単位
    現在の認定期間中に30単位以上(各年5単位以上)
    申請できる期間
    認定終了日の2か月前から3か月後まで
    認定日
    いま持っている認定の終了日の翌日
    認定の空白
    生じない(期限後に申請して認められた場合も途切れない)
    更新できず新規申請になった場合
    必要単位
    申請日から遡って4年以内に40単位以上
    申請できる時期
    認定期限の翌日以降(2025年1月15日以降の取扱い)
    認定日
    研修センターが新規認定を許可した日
    認定の空白
    審査が終わるまで認定を持たない期間が生じる

    転職活動するなら?

    参考:公益財団法人日本薬剤師研修センター「研修認定薬剤師になるには」 / 公益財団法人日本薬剤師研修センター「要覧」

    認定が切れると実務にどう影響するか

    調剤薬局で患者さんに薬を説明する薬剤師

    更新を後回しにしても、すぐに何かができなくなるわけではありません。ただ、研修認定の取得は診療報酬の施設基準に組み込まれており、失効の影響は本人だけにとどまらない場面があります。

    調剤報酬の算定要件への影響

    令和8年度(2026年度)の診療報酬改定で、かかりつけ薬剤師指導料は廃止され、服薬管理指導料に「かかりつけ薬剤師が行った場合」という区分(1のイ・2のイ)が設けられました。

    この区分を算定する薬剤師の要件には、勤務経験や在籍期間と並んで薬剤師認定制度認証機構が認証している研修認定制度等の研修認定を取得していることが含まれます。研修認定薬剤師はこの要件に該当する認定の一つです。

    さらに、地域支援・医薬品供給対応体制加算の実績要件にも研修認定が登場します。地域医療への貢献を示す実績項目の一つとして、研修認定を取得した保険薬剤師が地域の多職種と連携する会議へ出席した回数が置かれており、求められる回数は加算の区分に応じて薬局あたり年1回以上または5回以上とされています。

    つまり、認定を失効させると、本人が算定できなくなるだけでなく、薬局の届出にも影響し得ます。診療報酬上の要件は改定のたびに見直されるため、自分の薬局が何を届け出ているかは管理薬剤師や上司に確認しておくと安心です。

    かかりつけ薬剤師として必要な指導等を行う保険薬剤師の要件

    1
    保険薬局での勤務経験3年以上
    保険医療機関の薬剤師としての勤務経験は1年を上限に算入できる。
    2
    当該薬局に週31時間以上勤務
    育児休業・介護休業等で所定労働時間が短縮された場合は週24時間以上かつ週4日以上。
    3
    当該薬局に継続して6か月以上在籍
    産前産後休業・育児休業・介護休業から同じ薬局に復職する場合は、休業前の在籍期間を合算できる。
    4
    研修認定の取得
    薬剤師認定制度認証機構が認証している研修認定制度等の研修認定を取得していること。
    5
    医療に係る地域活動への参画
    地域活動の取組に参画していること。

    職場の手当や評価への影響

    資格手当の有無や金額は職場ごとに決まるもので、全国的な統計はありません。認定の取得・更新にかかる費用を職場が負担するかどうかも同様です。

    参考までに、医療キャリアナビ掲載求人データ(2026年時点)では、薬剤師求人1,450件のうち「研修補助あり」を明記している求人は31件(2%)でした。研修費用の支援を求人票で明示している職場は多くないため、更新費用や研修費の扱いは応募前に確認しておきたいところです。

    面接で聞いておきたいこと
    • 資格手当の対象が研修認定薬剤師なのか、学会の専門薬剤師なのかは職場ごとに違います
    • 研修の受講を勤務時間として扱うか、休みの日に自費で行くかも確認しておきたいところです
    • 「認定の更新にかかる費用と時間の扱い」とまとめて聞けば、角が立たずに確認できます
    キャリアパートナー

    転職時の評価への影響

    かかりつけ薬剤師として指導等を行う薬剤師の要件に研修認定が含まれるため、薬局によっては採用時に研修認定の有無を確認することがあります。

    ここで押さえておきたいのが、要件のうち転職でリセットされるものとされないものの違いです。研修認定そのものは個人に付く資格なので、職場を変えても失われません。一方で「当該保険薬局に継続して6か月以上在籍している」「当該保険薬局に週31時間以上勤務している」といった要件は、転職すると在籍期間を一から積み直すことになります。

    認定を維持しておけば、在籍期間の条件を満たした時点ですぐ要件がそろうという点で、更新を続ける意味は転職後にも残ります。

    薬剤師の求人を探す

    参考:厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」 / 厚生労働省「・特掲診療料の施設基準等(◆平成20年03月05日厚生労働省告示第63号)」

    更新期限から逆算した単位取得の進め方

    カレンダーと赤鉛筆

    各年5単位という下限があるため、3年目にまとめて取得しても要件は満たせません。3年間をどう配分するかを、認定が始まった時点で決めておくほうが確実です。

    1年目〜3年目の単位配分パターン比較(合計はどちらも30単位)

    1年目 2年目 3年目
    10単位
    10単位
    10単位

    年10単位ずつ

    合計30単位

    5単位
    5単位
    20単位

    各年5単位ぎりぎり

    合計30単位

    1年目にすること

    最初にやるのは、認定期間の開始日と終了日を確認し、1年ごとの区切りをカレンダーに書き出すことです。暦年で数えると区切りがずれるため、ここを曖昧にしたまま進めるのが失敗の入り口になります。

    そのうえで、1年目のうちに最低5単位を確保します。集合研修なら90分の講義5コマ分、1日4単位まで取得できる研修会に参加すれば2日弱で到達します。

    あわせて、PECSに登録しているメールアドレスと住所が最新かどうかも確認しておきましょう。認定証は申請時にPECSに登録されている住所へ送付され、申請後は変更できません。

    2年目にすること

    1年目の取得実績を確認し、3年間で30単位というペースに乗っているかを見ます。年10単位ずつなら2年目終了時に20単位で、3年目に無理のない形で残りを消化できます。

    年5単位ぎりぎりで進めてきた場合は、2年目終了時点で10単位しかなく、3年目に20単位を詰め込むことになります。2年目は前倒しで単位を積める最後の余裕がある年だと考えておくと安全です。

    学術集会は1つにつき9単位まで算入できるため、年1回の学会参加を組み込むとペースを作りやすくなります。

    また、妊娠・出産や介護など研修が難しくなりそうな事情が見えてきた場合は、前述の届出を早めに検討しておくと選択肢が残ります。

    3年目にすること

    残りの必要単位を計算し、前述の反映日から逆算して受講計画を立てます。認定期限の2か月前を過ぎてからの受講、とくにe-ラーニングは間に合わない可能性があります。

    申請の受付は認定終了日の2か月前から始まります。単位が要件を満たし、PECSに反映されていることを確認したうえで申請しましょう。

    他のプロバイダーの単位を使う予定がある場合は、公印が押された受講証明書をシール1枚につき1通取り寄せる必要があります。発行に時間がかかることもあるため、早めに手配しておくと安心です。

    認定期限からの逆算スケジュール

    認定期限の約5か月前まで
    e-ラーニングを受講するならこのあたりが目安
    登録e-ラーニング実施機関の単位は受講日の翌々月末に反映されるため、余裕をもって受講しておく必要があります。
    認定期限の2か月前まで
    やむを得ない事情による届出の最終期限
    この期限を過ぎると、事情があっても届出ができなくなります。
    認定期限の2か月前
    PECSから更新案内メールが届く
    同じタイミングで更新申請の受付が始まります。
    認定期限の当日
    認定期間の終了日
    この日をもって、現在の認定期間が終了します。
    認定期限を過ぎた後
    認定期限の3か月後まで
    更新申請の受付期限
    これを過ぎると更新申請そのものができなくなります。

    今のあなたの状況は?

    他のプロバイダーで取得した単位の扱い

    白衣やスクラブを着た医療職が集まる勉強会

    研修センター以外のプロバイダーで受けた研修の単位も、一定の範囲で更新に使えます。ただし上限と手続きが決まっており、そのまま合算できるわけではありません。

    プロバイダーをまたいで単位を使えるか

    CPCの認証を受けた研修センター以外のプロバイダーが交付した単位は、更新申請では30単位のうち15単位まで算入できます。新規申請の場合は40単位のうち20単位までです。

    使用する際は、受講シールに加えて、そのプロバイダーが交付した公印押印済みの受講証明書がシール1枚につき1通必要です。これらの単位はPECSには反映されないため、PECSで申請手続きをした後に書類を郵送することになります。

    研修センターが定めている単位数の制限は、他プロバイダーの単位にも同じように適用されます。自己研修は年間5単位まで、e-ラーニング研修は1日4単位までといった上限は、どこで取得した単位であっても変わりません。

    さらに2026年4月1日から当面の間、他のプロバイダーの自己研修に該当する単位、および自己研修を含まないと明確に判断できない単位は算入できない扱いになっています。e-ラーニング研修として付与されていても、内容が研修センターの実施要領上の自己研修にあたると判断されれば対象外です。

    他プロバイダー単位の算入上限

    更新認定申請
    15 /30単位
    上限50%
    残り15単位は日本薬剤師研修センターの単位が必要
    新規認定申請
    20 /40単位
    上限50%
    残り20単位は日本薬剤師研修センターの単位が必要
    受講シールに加え、そのプロバイダーが交付した公印押印済みの受講証明書がシール1枚につき1通必要
    これらの単位はPECSに反映されない

    認定を別のプロバイダーへ移す場合

    研修センターは、他のプロバイダーの認定制度による認定薬剤師の更新を取り扱っていません。研修センターの研修認定薬剤師になりたい場合は、新規認定申請を行うことになります。

    逆に、研修センターの単位を使って他のプロバイダーへ申請する場合は、PECSの「単位払出」機能を使います。ただし一度払い出した単位はPECSに戻せず、研修センターの認定申請には使えなくなります。どちらの制度で認定を受けるかを決めてから操作しましょう。

    参考:公益財団法人日本薬剤師研修センター「研修認定薬剤師になるには」 / 公益社団法人薬剤師認定制度認証機構「生涯研修プロバイダー」

    まとめ

    研修認定薬剤師の更新は、3年間で30単位以上、かつ各年5単位以上という2つの条件を同時に満たす必要があります。合計だけを追いかけていると、過ぎた年の不足に後から気づいても取り返せません。認定開始日を起点にした1年ごとの区切りを最初に把握しておくことが、いちばん確実な対策です。

    申請できるのは認定終了日の2か月前から3か月後までの期間に限られます。期限を過ぎてからの申請でも、認められれば認定は途切れずに続きます。一方、更新できずに新規申請となった場合は、審査が終わるまで認定を持たない期間が生じます。

    単位が足りないときは、e-ラーニングの反映日が受講日の翌々月末である点を踏まえて逆算しましょう。妊娠・出産や介護などで研修が難しい場合は、認定期間終了日の2か月前までに届出を行うことで各年5単位の条件が免除されます。

    研修認定の取得は、かかりつけ薬剤師として指導等を行う薬剤師の要件や、地域支援・医薬品供給対応体制加算の実績要件にも関わります。更新は自分のキャリアだけでなく、職場の体制にもつながる手続きだと捉えて、早めに動いておきましょう。

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    医療キャリアナビ編集部

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