薬剤師の将来性は?AIの影響と制度の変化から需要の方向を読み解く
「薬剤師は飽和する」「AIに仕事を奪われる」といった話を見かけて、この先どうなるのか気になっている方は多いはずです。
薬剤師の将来性を考えるときに見るべきなのは、需要が何によって決まるのかという仕組みです。薬局や薬剤師の業務量は、人口動態だけでなく調剤報酬をはじめとする制度の設計にも強く左右されます。
この記事では、公的な統計と法令・通知をもとに、将来性がないと言われる根拠を一つずつ確認したうえで、需要がどの方向へ動こうとしているのかを整理します。
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薬剤師の「将来性がない」と言われる根拠

薬剤師の将来を不安視する声には、繰り返し挙がる根拠が4つあります。
- 有資格者が増え続けていること
- 調剤の自動化やAIによる代替への懸念
- 業務の一部を薬剤師以外が担えるようになったこと
- リフィル処方箋など制度による処方・調剤の変化
いずれも事実として確認できる部分と、拡大解釈されている部分が混ざっています。公的な統計や通知で裏が取れる範囲はどこまでか、順に確認します。
有資格者が増えていること
厚生労働省の医師・歯科医師・薬剤師統計によると、2024年12月31日時点の薬剤師数は329,045人です。2014年の288,151人から10年で約4万人増え、人口10万人あたりでは265.8人になりました。
増加の背景にあるのは薬学部の拡大です。厚生労働省の検討会がまとめた資料では、薬学部を置く大学が46から75に、入学定員が8,200人から11,602人へ増えたことが示されています。供給側が増えていること自体は統計で確認できる事実ですが、伸び方は一定ではなく、直近2年の増加ペースは10年前と比べると緩やかになっています。
薬剤師数の推移(平成26年〜令和6年)
技術による代替への懸念
調剤機器の自動化やAIの進展が薬剤師の仕事を減らすのではないか、という見方です。電子処方箋は2026年5月時点で9割以上の薬局に導入されており、処方情報のやり取りは急速にデジタル化しています。
ただし電子処方箋は、複数の医療機関にまたがる薬の情報を参照し、重複投薬や併用禁忌をチェックする仕組みです。薬剤師の判断そのものを置き換える制度ではありません。技術が何を代替し、何を支えるのかは業務ごとに分けて見る必要があります。
業務の一部を薬剤師以外が担えるようになったこと
平成31年4月2日付けの厚生労働省通知「調剤業務のあり方について」(薬生総発0402第1号)で、薬剤師以外の者が実施できる行為の範囲が整理されました。「調剤助手」「ファーマシーテクニシャン」という言葉で語られるのは、この通知を受けた動きです。
もっとも、通知が認めた範囲は限定的で、薬剤師法違反になる行為も同じ通知に明記されています。
制度による処方や調剤の変化
令和4年度の診療報酬改定で、リフィル処方箋が新たに設けられました。症状が安定している患者さんについて、医師の処方により医師と薬剤師が連携したうえで、一定期間内に最大3回まで同じ処方箋を反復利用できる仕組みです。1回あたりの投薬期間と総投薬期間は、医師が患者さんの病状を踏まえて個別に判断します。投薬量に限度が定められている医薬品と湿布薬は対象外です。
反復利用が広がれば、同じ患者さんに対する受診と調剤の回数は理屈のうえでは減ります。長期処方の活用も同じ方向の変化です。
参考:厚生労働省「令和6(2024)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」 / 厚生労働省「長期処方・リフィル処方の活用について」
薬剤師の需要は人口動態と制度の2つで決まる

「高齢化するから需要はある」も「有資格者が増えるから飽和する」も、片方だけでは将来の見通しになりません。薬剤師の需要は、薬を必要とする人がどれだけいるか(人口動態)と、その人たちに対して薬剤師が何をすることになっているか(制度)の掛け算で決まるからです。
人口動態から見た需要
内閣府の高齢社会白書によれば、65歳以上人口は令和25年(2043年)に3,953万人でピークを迎え、その後は減少に転じると推計されています。高齢化率は令和6年10月1日時点の29.3%から、令和52年には38.7%まで上がる見通しです。
注目したいのは内訳です。65〜74歳の人口は平成28年の1,767万人ですでにピークを過ぎ、減少局面に入っています。一方で75歳以上人口のピークは令和37年(2055年)と推計されており、令和52年には総人口の25.1%、およそ4人に1人が75歳以上になります。
つまり今後伸びるのは、前期高齢者ではなく後期高齢者です。複数の医療機関にかかり、服用する薬の種類が多く、通院が難しくなる層が増えていきます。処方箋の枚数そのものより、1人あたりにかかる手間が増える方向の変化です。
制度から見た需要
厚生労働省の検討会は、令和2年から令和27年までを対象に薬剤師の需給を推計しています。供給は2通り(国家試験合格者数が維持される場合/人口減少を考慮した場合)、需要も2通り(業務が現状のまま推移する場合/業務が充実する場合)で試算され、2045年時点で供給43.2万〜45.8万人に対し、需要は33.2万〜40.8万人と幅があります。
ここが将来性を考えるうえで重要な点です。供給側の幅が2.6万人なのに対し、需要側の幅は7.6万人あります。しかもその差を生んでいるのは人口ではなく、薬剤師の業務が現状のままか充実するかという前提の違いです。
薬局の業務量と収益は調剤報酬の設計に強く規定されます。対象となる人が増えても、報酬上の位置づけが変われば仕事の中身は変わります。
参考:内閣府「高齢化の現状と将来像」 / 厚生労働省「薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会のとりまとめを公表します」
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制度が薬剤師に求める方向の変化

薬剤師に求められる仕事の中身は、この10年で法律と報酬の両面から書き換えられてきました。方向はひとつで、薬を渡すまでの業務(対物業務)から、渡した後に関わり続ける業務(対人業務)へという転換です。平成27年10月に厚生労働省が示した「患者のための薬局ビジョン」がこの流れの起点にあたります。
薬機法改正で義務づけられたこと
令和元年の医薬品医療機器等法(薬機法)等の改正により、薬剤師法第25条の2に第2項が加えられました。調剤時の情報提供・指導を定めた第1項に加え、調剤した薬剤の適正な使用のため必要があると認める場合には、患者さんの使用状況を継続的かつ的確に把握し、必要な情報提供と薬学的知見に基づく指導を行わなければならないと定められています。令和2年9月1日に施行されました。
努力目標ではなく法律上の義務として、薬を渡した後のフォローが位置づけられたことになります。同じ改正で、オンラインによる服薬指導も制度として認められました。
調剤報酬の評価軸の転換
法律の変化に合わせて、調剤報酬も評価の軸を移してきました。調剤した数量に応じた評価から、服薬指導や継続的な管理といった対人業務の評価へと重点が置かれる流れで、令和8年度の診療報酬改定ではこの方向がさらに明確になりました。かかりつけ薬剤師指導料とかかりつけ薬剤師包括管理料は廃止され、服薬管理指導料に統合されています。あわせてフォローアップと訪問を評価する加算が新設され、地域支援体制加算も「地域支援・医薬品供給対応体制加算」へと改称されました。
見ておきたいのは算定要件です。服薬管理指導料を「かかりつけ薬剤師が行った場合」の区分で算定するには、勤務年数・勤務時間・在籍期間・研修認定・地域活動の5つをすべて満たす必要があります。個人の経験と認定が、そのまま報酬の算定要件として組み込まれている形です。
| 区分 | 点数 |
|---|---|
| 服薬管理指導料1のイ | 45点 |
| 服薬管理指導料2のイ | 59点 |
| かかりつけ薬剤師フォローアップ加算(新設・3月に1回) | 50点 |
| かかりつけ薬剤師訪問加算(新設・6月に1回) | 230点 |
薬局の機能に関する認定制度
薬機法には、薬局の機能を都道府県知事が認定する仕組みが置かれています。第6条の2の地域連携薬局は、他の医療提供施設と連携して地域における薬剤の適正使用を進める機能を持つ薬局、第6条の3の専門医療機関連携薬局は、がんなど傷病の区分ごとに専門的な薬学的知見に基づく指導を行う薬局です。いずれも認定を受けて初めて名乗ることができます。
令和8年7月31日時点の認定数は、地域連携薬局が4,299件、専門医療機関連携薬局が227件です。全国の薬局数はおよそ6万3千施設ですから、認定を受けている薬局はまだごく一部にとどまります。
認定を受けている薬局の割合
※分母は全国の薬局62,828施設(令和5年度末)。2つの認定は別の制度で、同じ薬局が両方を受けている場合がある
薬局に求められる機能は制度上はっきり示された一方で、それを満たす体制を整えているかどうかは薬局によって分かれます。どの薬局で働くかによって、任される業務も身につく経験も変わってくる段階だといえます。
参考:厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」 / 厚生労働省「薬局・薬剤師に関する情報」
薬剤師の求人を探す調剤業務の一部を薬剤師以外が行うこと

「調剤助手に仕事を取られる」という不安は、平成31年の通知が出て以降よく語られます。ただ、通知が整理したのは業務全体ではなく、ごく限られた行為です。
通知で整理された内容
厚生労働省通知「調剤業務のあり方について」(平成31年4月2日 薬生総発0402第1号)で薬剤師以外の者が実施できるとされたのは、取りそろえと数量確認の2つだけです。いずれも薬剤師の指示に基づき、薬剤師が最終的に確認することが前提になっています。
一方で、通知は認められない行為も具体的に挙げています。
薬剤師が担い続ける部分
薬剤師法第19条は、薬剤師でない者は販売または授与の目的で調剤してはならないと定めています。同法第24条は処方箋に疑わしい点があるときの疑義照会を、第25条の2は調剤した薬剤に関する情報提供と指導を薬剤師の行為として定めています。
つまり、処方内容の確認、疑義照会、最終的な監査、患者さんへの服薬指導は、通知が出た後も薬剤師が行うこととされている部分です。取りそろえの一部を分担できるようになったことと、調剤そのものが代替できることは別の話になります。
現場に与えている影響
対物業務の一部を分担することで、薬剤師が対人業務に時間を充てられるようにする。これが通知の想定している方向です。前述の薬機法改正や調剤報酬の見直しとも軌を一にしています。
ただし、実際の運用は薬局によってかなり幅があります。事務スタッフの配置状況や薬局の規模、処方箋の応需枚数によって、分担できる範囲も生まれる時間も変わります。
制度が認めた範囲と、職場で実際に行われていることは同じとは限りません。求人票や面接の場では、非薬剤師がどこまで担当しているかを具体的に確認しておくと、入職後のギャップを避けられます。
参考:厚生労働省「調剤業務のあり方について」 / e-Gov法令検索「薬剤師法」
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【職場別】薬剤師の需要の方向

薬剤師の就業先は統計で人数が公表されており、増えている場所と減っている場所がはっきり分かれています。「活躍の場が広がる」とひとまとめにせず、人数が伸びている方向と、仕事の中身が変わっている方向は分けて捉える必要があります。
薬局
薬局は薬剤師の6割が働く最大の就業先で、前回調査からの増え方も主要な就業先のなかで最も大きい区分です。
ただし増えているのは人数であって、仕事の中身は制度に沿って動いています。前述の認定制度や調剤報酬の要件を満たす薬局と、そうでない薬局とで、任される業務の幅は変わっていきます。
ドラッグストア
調剤併設型のドラッグストアは、統計上は薬局として集計されます。OTC医薬品の販売と調剤の両方を担う点が特徴で、セルフメディケーションの相談窓口としての役割が期待される場所です。
一方で、要指導医薬品や一般用医薬品の販売には登録販売者も関わります。薬剤師でなければできない業務がどこまでかを踏まえて職場を選ぶと、働き始めてからのギャップが小さくなります。
病院
病院に従事する薬剤師は全体の17.5%、診療所は1.7%で、合わせて19.2%です。薬局の60.0%と比べると大きく差がついています。
厚生労働省は薬剤師の充足度を示す偏在指標を公表しています。この指標で、病院薬剤師が目安の1.00を上回る都道府県は全国でひとつもありません。人数の多さと不足感は別物で、病院側は継続して確保が課題とされている状況です。
企業
医薬品関係企業は、主な就業先のなかで唯一、前回調査から人数が減った区分です。減少幅も2,902人と大きく、方向としてははっきり縮んでいます。
研究開発や薬事、安全性情報といった専門性の高い職種は残るものの、人数として増える方向ではないことは統計から読み取れます。
行政・地域
衛生行政機関や大学に従事する薬剤師は、人数としては多くありません。目を引くのは介護分野の伸び方で、介護老人保健施設が9.4%増、介護医療院が27.3%増と、増加率では他のどの区分も上回っています。
母数が小さいので全体への影響は限られますが、75歳以上人口が増える見通しと重ねると、生活の場に近いところで薬に関わる需要が育ちつつあると見ることができます。
- 薬剤師の求人1,450件のうち、調剤薬局が1,124件、病院が289件
- 正社員の月給平均は調剤薬局36.2万円、病院31.1万円
- 介護老人保健施設の求人も8件あり、月給は37.0万円
参考:厚生労働省「薬剤師確保対策」 / 厚生労働省「令和6(2024)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」
技術の進展が薬剤師の業務に与える影響

「AIに代替される」という言い方は範囲が広すぎて、判断材料になりません。薬剤師の仕事を代替されやすい業務・支援される業務・新たに生まれる役割の3つに分けると、技術の影響がどこに出るのかが見えてきます。
代替されやすい業務
機械やシステムに置き換えやすいのは、判断の余地が小さく手順が決まっている作業です。錠剤の計数、一包化、在庫管理、処方箋の入力といった業務がこれにあたります。
制度面でも、薬剤師以外が担える行為として整理されたのは取りそろえと数量確認という定型作業でした。技術による効率化と制度上の業務整理は、同じ領域を指していると考えると分かりやすくなります。
支援される業務
代替ではなく、薬剤師の判断を助ける方向で使われる技術もあります。電子処方箋では、複数の医療機関で処方された薬の情報を参照し、重複投薬や併用禁忌のチェックができます。以前は患者さんの申告やお薬手帳に頼っていた情報が、システム上で確認できるようになりました。
情報が揃うほど、最終的に何を疑い、どう医師に照会するかという判断の比重が増します。チェック機能が働いても、その結果をどう扱うかは薬剤師の領域に残ります。
新たに生まれる役割
オンライン服薬指導は、令和元年の薬機法改正で制度上の位置づけが与えられ、その後に実施要領が整備されました。電子処方箋も、令和7年1月から院内処方への対応が加わるなど機能が広がっています。
こうした仕組みが普及すると、対面以外の場面で服薬状況を把握し、必要な指導を行う機会が増えます。ただし普及の段階や運用の範囲には幅があり、どこまで日常業務になるかは地域や薬局によって異なります。
実証段階の技術と、制度として位置づけられた仕組みは分けて受け止めるのが無難です。
代替されやすい業務・支援される業務・新たに生まれる役割
| 観点 | 代替されやすい業務 | 支援される業務 | 新たに生まれる役割 |
|---|---|---|---|
| 内容 | 判断の余地が小さい定型作業 | 情報を集めて判断材料として示す仕組み | 制度によって新しく位置づけられた業務 |
| 具体例 | 錠剤の計数、一包化、在庫管理、処方箋の入力 | 電子処方箋による重複投薬・併用禁忌のチェック | オンライン服薬指導、電子処方箋の院内処方対応 |
| 制度上の位置づけ | 0402通知で薬剤師以外が担えるとされた取りそろえ・数量確認と同じ領域 | 以前は患者の申告やお薬手帳が頼りだった情報を電子的に確認できるようにする仕組み | 令和元年薬機法改正でオンライン服薬指導を制度化、電子処方箋は令和7年1月から院内処方への対応が追加 |
参考:厚生労働省「電子処方せん対応の医療機関・薬局についてのお知らせ」 / 厚生労働省「オンライン服薬指導に関する情報」
薬剤師の求人を探す将来を見据えて薬剤師が今できること

ここまで見てきた制度の方向から導けることに絞ります。資格を並べたり気持ちの持ちようを説いたりしても、判断材料にはなりません。
対人業務の経験を積む
法律も報酬も、薬を渡した後の関わりを評価する方向に動いています。服薬指導、医師への疑義照会や処方提案、在宅での関与といった経験は、そのまま制度が求めているものと重なります。
特に在宅対応は、75歳以上人口が増える見通しと、かかりつけ薬剤師訪問加算のような報酬上の評価の両方に支えられています。今の職場で在宅に関わる機会があるかどうかは、確認しておく価値があります。
説明できる形で実績を残す
経験は、記録されていなければ転職や異動の場面で伝わりません。数や具体例で言える形にしておくと、中身が相手に届きます。
- 担当した症例数や扱った薬剤の種類
- 在宅訪問の件数と関わった期間
- 処方提案や疑義照会が採用された事例
- 参加した地域の多職種連携の会議
制度上の裏づけを持つ形で残す方法もあります。公益財団法人日本薬剤師研修センターの研修認定薬剤師は、申請日前4年以内に40単位以上の研修を修了していることが要件です。令和8年度改定でかかりつけ薬剤師としての算定要件に研修認定の取得が含まれたことで、この認定は個人の実績であると同時に、薬局側にとっても意味を持つものになりました。
- 研修補助ありを明記している薬剤師求人は、掲載1,450件のうち31件(2%)
- 単位取得の費用と時間を自分で持つ前提になりやすい
- 職場を探す段階で、研修費用の補助や勤務中の受講可否を確認しておくと続けやすい
AIを日常使いして慣れておく
AIが薬剤師の判断を代わりに行う制度はありません。ただ、添付文書や文献の検索、説明資料の下書きといった場面では、使える道具が増えています。
大切なのは、出力をそのまま信じないことです。医薬品の情報は根拠にあたって確認する習慣が前提になります。道具として使い慣れておけば、対物業務にかかる時間を減らし、対人業務に回す余地をつくれます。
働く場と地域を選ぶ
需要の方向は職場だけでなく地域によっても違います。同じ薬局でも、指標のうえで薬剤師が足りている地域とそうでない地域があり、その差は都道府県の間で2倍近くに開いています。
どの場所にも同じ将来性があるわけではありません。自分がどの方向の需要に乗るのかを決めることが、資格を追加することより効きます。地域を移せる余地があるかどうかも、選択肢の幅を左右します。
参考:公益財団法人日本薬剤師研修センター「研修認定薬剤師の新規申請」 / 厚生労働省「薬剤師確保対策」
まとめ
薬剤師の将来性は、「ある」か「ない」かの二択では答えが出ません。需要は人口動態と制度の2つで決まり、公的な推計でも需要側の振れ幅のほうが供給側より大きく出ています。
人口動態から見れば、増えるのは75歳以上の層です。処方箋の枚数より、1人あたりにかかる手間が増える方向の変化になります。制度から見れば、薬機法は服用期間中のフォローを義務として定め、調剤報酬は対人業務を評価する方向へ軸を移してきました。調剤業務の一部を薬剤師以外が担える範囲は限定的で、監査と服薬指導は薬剤師の仕事として残っています。職場ごとの方向も一様ではなく、薬局は人数が増え、病院は全国どこでも確保が課題とされ、企業は人数が減っています。
読み取れるのは、薬剤師という資格の将来性がひとつの答えに収束するのではなく、どの需要に自分を置くかで見通しが変わるということです。制度の方向から導ける行動は、次の3つに絞られます。
- 対人業務の経験を積む
- 説明できる形で実績を残す
- 需要の方向に合う職場と地域を選ぶ
今の職場でどこまでできるかを確かめたうえで、足りない部分を次の選択で埋めていきましょう。


