退職時の保険証はいつ返却する?転職時の必要手続きをまるっと解説!

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医療職は、離職しても再就職しやすい側面や、キャリアアップ志向により転職を考える方が多い傾向にあります。

しかし、「転職活動を進めてみたものの、退職手続きが面倒が複雑すぎる」「何から手をつければいいのか全然わからない」といった悩みを抱えている方は少なくありません。

「転職したい」と思ったとき、多くの方が最初にぶつかる壁が退職手続きの複雑さです。

「どんな書類が必要?」「返却するものは?」「いつまでに何をすればいいの?」

この記事では、そんな不安を解消するために、退職手続きを時系列と離職期間の有無に分けて詳しく解説します。

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【全員共通】退職時の流れと返却するもの・受け取るもの

退職時の流れ:いつ何をすべきか

大まかな退職の流れは以下です。

退職を考えている方は、適正な時期とやるべきことを参考にしてみてください。

看護師退職時の流れ表
時期 やるべきこと
退職の3ヶ月前〜1ヶ月前
転職意向の相談と退職願の提出
直属の上司(師長・主任)に転職の意向を相談。同僚や他部署の人に先に話すのは避ける。繁忙期(年末年始、GW、お盆、インフルエンザ流行期など)は避けるのがマナー。退職理由は前向きに伝えることで円満退職につながる。
引き継ぎ計画の策定
担当患者の情報、特殊な医療処置、委員会活動、研究活動、薬品管理、医療機器の取り扱いなど、幅広い業務の引き継ぎ計画を立てる。患者情報の機密保持を徹底しながら、必要な情報のみを確実に伝達する。
退職の1ヶ月前〜2週間前
引き継ぎの実施
引き継ぎ計画に基づいて、後任者への実際の引き継ぎを行う。口頭での説明だけでなく、文書化された資料も併用することで、引き継ぎ漏れを防ぐ。
有給休暇の消化計画
残有給の取得計画を立てる。引き継ぎ期間や業務の繁忙状況を考慮して、計画的に取得スケジュールを調整。完全消化が難しい場合は、有給買取制度があるかどうかも確認。
返却物の整理・準備
制服や白衣などの貸与物は、クリーニングを済ませて返却準備を進める。ロッカーや個人の物品も整理し、私物と貸与物を分別。
退職の2週間前〜退職日
最終的な業務調整
引き継ぎの最終確認を行い、不明点がないかを後任者と確認。緊急時の対応方法や特記事項についても、改めて説明。
各種手続きの確認
人事部門と、退職時に必要な書類の受け取りや返却について最終確認。退職金の支給条件や支給時期、退職後の連絡先なども確認。
挨拶回り
お世話になった上司、同僚、他部署のスタッフへの挨拶を計画的に行う。患者やその家族への挨拶については、施設の方針に従って適切に行う。
退職日当日
最終的な返却・受け取り
すべての返却物を提出し、必要な書類を受け取る。ロッカーの清掃と鍵の返却、IDカードや社員証の返却なども忘れずに行う。
退職後の連絡先届け
緊急時の連絡先や住所変更があれば、人事部門に伝える。退職後に送付される書類もあるため、正確な連絡先を伝えることが重要。

退職時に返却するもの(全員共通)

必須となる返却物

  • 健康保険証(扶養家族分も含む)
  • 社員証・IDカード・入館証
  • 制服・靴、白衣等の貸与物(要クリーニング)
  • ロッカーキーや会社の鍵
  • 通勤定期券(会社支給の場合)

特に制服類は、クリーニングを済ませて返却するのがマナーです。

見落としがちな返却物

  • 職員食堂のプリペイドカード・食券
  • 図書カード・研修受講証
  • 院内マニュアル・研修資料(機密情報含む)
  • 貸与されたタブレット・PC・携帯電話(個人データは消去する
  • 駐車場許可証・自転車登録証

IT機器については、個人データの削除も忘れずに行いましょう。

退職時に受け取るもの(全員共通)

  • 雇用保険被保険者証
    次の職場での継続手続きや失業給付の申請に必要
  • 年金手帳
    会社で保管の場合は受け取りを忘れない
  • 源泉徴収票
    年内に再就職する場合は新しい職場での年末調整に、年をまたぐ場合は確定申告で使用
  • 健康診断結果
    転職先での健康管理に活用されることが多いため、可能であれば受け取る
  • 退職証明書
    必要に応じて発行してもらえるが、転職先から求められる場合もあるので、事前に確認しておく

離職期間が【ない】場合の手続き(転職先決定済み)

転職先が決まっており、退職から入職までの期間がない、または数日程度の場合は、手続きが比較的シンプルになります。

転職先への提出書類

転職初日に提出を求められるものは主に以下になります。

  • 雇用保険被保険者証:入職手続きで必要
  • 年金手帳:厚生年金継続手続き用
  • 源泉徴収票:年末調整で使用
  • 健康診断結果:入職時に求められる場合がある
  • 各種資格免許証のコピー

その他、必要な手続きや必要書類がないか転職先の人事部からの指示を受けてください。

手続きの流れと注意点

必要書類を揃えた後は、基本的に個人で行う手続きはありません。

離職期間がない場合の社会保険手続き表
手続き項目 手続き内容と注意点
健康保険 前職の健康保険から転職先の健康保険へ自動的に切り替わるため、基本的に個人で行う手続きはありません。
ただし、転職先での入職日に健康保険証が間に合わない場合があるため、急な医療機関受診に備えて、前職の健康保険証の使用期限を確認しておきましょう。
厚生年金 特別な手続きは不要です。転職先で新たに厚生年金に加入する手続きが行われ、年金記録は自動的に引き継がれます
雇用保険 転職先で継続手続きが行われるため、個人での手続きは基本的に不要です。
ただし、雇用保険被保険者証は転職先での手続きに必要なので、必ず持参しましょう。
住民税 住民税については、退職月によって取り扱いが変わります。前職で特別徴収(給与天引き)されていた場合、転職先でも特別徴収を継続できることが多いですが、空白期間がある場合は一時的に普通徴収(個人納付)になる可能性があります。
転職先の人事担当者に、住民税の特別徴収継続について確認しておくと良いでしょう。

離職期間が【ない】場合の注意点

  • 転職先での初日に必要書類を持参
  • 健康保険証の切り替えタイミングを確認
  • 年末調整のため源泉徴収票は大切に保管

離職期間が【ある】場合の手続き(転職先未定・休職期間あり)

転職先が決まっていない場合や、意図的に休職期間を設ける場合は、個人で行わなければならない手続きが多いため、よく確認しておく必要があります。

追加で受け取る書類

転職先が未定の場合は、通常の退職時書類に加えて、離職票(1・2)の発行を依頼しましょう。

離職票は失業給付を受ける際に必要な書類で、希望しないと発行されない場合があります。

離職票は、退職日から10〜14日後に郵送されることが一般的です。

退職に伴い、引っ越しがある場合は引っ越し先住所を人事に伝える必要があります。

なるべく早く失業給付を申請したい場合は、在職中に会社に依頼する必要があるため忘れないようにしましょう。

また、健康保険の任意継続を検討している場合は、手続きに関する案内も受け取っておきましょう。

健康保険の任意継続について

退職後も2年間、以前の職場の健康保険を継続できる制度です。

メリットとしては、国民健康保険よりも保険料が安くなる可能性があること、扶養家族がいる場合に有利になる可能性があること、そして退職前の保険給付を継続できることが挙げられます。

デメリットとしては、保険料が全額自己負担になること、出産手当金や傷病手当金が受け取れない場合があること、そして保険料を滞納すると資格を喪失することが挙げられます。

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健康保険の切り替え(必須)

退職後の健康保険については、3つの選択肢があります

退職後の健康保険選択肢一覧表
健康保険の選択肢 手続き内容・条件・注意点
国民健康保険
へ加入する
最も一般的な選択肢です。
退職日の翌日から14日以内に、住所地の市区町村窓口で手続きを行います。

必要書類:健康保険資格喪失証明書、身分証明書、印鑑

保険料:前年の所得に基づいて計算されますが、退職により所得が減少した場合は減免制度を利用できる場合があります。
任意継続
被保険者制度
前職の健康保険を最大2年間継続できる制度です。
ただし、保険料は全額自己負担となり、前職時の約2倍になります。

手続き期限:退職日の翌日から20日以内
手続き先:前職の健康保険組合
家族の扶養
に入る
配偶者などの被扶養者になる選択肢もあります。

加入条件:年収が130万円未満(見込み)である必要があります

手続き先:家族の勤務先で行います。

どの選択肢が最適かは個人の状況によって異なるため、保険料、給付内容などを総合的に考慮して決めましょう。

国民年金への切り替え(必須)

厚生年金から国民年金への切り替えは、退職日の翌日から14日以内に行う必要があります。

住所地の市区町村窓口や年金事務所で、第1号被保険者への変更手続きを行います。

必要書類は、年金手帳、健康保険資格喪失証明書、身分証明書、印鑑です。

国民年金保険料は月額17,510円(令和7年度)です。所得が少ない場合は免除や猶予の制度もあります。

※配偶者の扶養に入る場合は、第3号被保険者への変更手続きを配偶者の勤務先で行います。

住民税の支払い方法(必須)

住民税の支払い方法は、退職月によって大きく異なります。

退職月別の住民税手続き一覧表
退職時期 住民税の手続きと注意点
1月〜5月
に退職した場合
住民税の支払い手続きは不要


退職年度分の住民税残額が最後の給与から一括徴収されることが多いためです。

注意点:金額が大きくなる可能性があるため、事前に確認しておきましょう。
6月〜12月
に退職した場合
普通徴収(個人納付)に切り替わります


市区町村から納付書が送付されるので、指定された期日までに納付します。

住民税は前年の所得に基づいて計算されるため、退職後も支払いが続きます。転職活動中の家計管理において考慮が必要です。

住民税は前年の所得に基づいて計算されるため、退職後も支払いが続きます。

転職活動中の家計管理において、住民税の支払いも考慮に入れておくことが重要です。

失業給付の申請

失業給付(失業保険)を受給する場合は、住所地のハローワークで手続きを行います。

失業給付申請の条件・必要書類一覧表
項目 内容・詳細
受給条件
雇用保険加入期間:退職前2年間に通算12ヶ月以上の加入が必要
就職への意欲:就職の意思と能力があることが求められます
必要書類
  • 離職票(1・2)
  • 雇用保険被保険者証
  • 身分証明書
  • 印鑑
  • 写真2枚 (3×2.5cm)
  • 普通預金通帳

失業給付は、離職理由や年齢、雇用保険の加入期間によって給付日数が決まります。

自己都合退職の場合は、申請から3ヶ月の給付制限期間があるため、その間の生活費も考慮して計画を立てましょう。

なお、失業給付は非課税所得のため、確定申告での申告は不要です。

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確定申告の準備

退職年に再就職しなかった場合は、翌年に確定申告が必要になる可能性があります。

源泉徴収票は大切に保管し、医療費が年間10万円を超えた場合は医療費控除の準備も行いましょう。

また、転職活動中にアルバイトをした場合、再就職先で合算して年末調整を行ってもらえる場合があります。

合算ができない場合は、原則として確定申告をすることをお勧めします。

確定申告をすることにより、税金の還付を受けられる可能性が高く、適切な税務処理により翌年の住民税負担も正確に計算されます。

離職期間中の注意点

社会保険料の負担

離職期間中は、社会保険料の負担が重くなります。

国民健康保険料は前年の所得に基づいて計算されるため、前職での収入が高かった場合は保険料も高額になります。

国民年金保険料は定額ですが、所得が少ない場合は免除や納付猶予の制度を利用できます。

未納のまま放置すると将来の年金受給に影響するため、支払いが困難な場合は必ず手続きを行いましょう。

所得が減少した場合の減免制度があるので、市区町村の窓口で相談してみましょう。

転職活動中の書類管理

転職活動では、同じ書類を複数の応募先で求められることがあります。

各種証明書は複数枚準備し、電子データでも保管しておくと便利です。

また、健康診断書など有効期限のある書類は、期限を確認して必要に応じて再取得の準備をしておきましょう。

再就職時の準備

再就職が決まったら、雇用保険被保険者証、源泉徴収票、健康診断書(1年以内のもの)などを準備します。

失業給付を受給中の場合は、就職が決まった時点でハローワークに報告し、受給停止の手続きを行います。

また、再就職手当の対象になる場合があるので、ハローワークで確認してみましょう。

まとめ

転職手続きは複雑に見えますが、離職期間の有無によって必要な手続きが異なることを理解すれば、効率的に進めることができます。

離職期間がない場合は比較的シンプルで、主に書類の受け渡しと転職先での提出が中心となります。

一方、離職期間がある場合は、健康保険、年金、住民税、失業給付など多岐にわたる手続きが必要になります。

いずれの場合も、計画的に進めることで不安を軽減し、スムーズな転職を実現できます。

わからないことがあれば、前職の人事部門、市区町村の窓口、ハローワークなどで遠慮なく相談しましょう。

新しい職場での良いスタートを切るためにも、退職手続きは確実に完了させることが大切です。

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