妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師を取得するメリット|担う業務と認定の取得要件

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「妊娠中だけど、この薬を飲み続けて大丈夫?」「授乳中は薬をやめたほうがいい?」と聞かれて、自信を持って答えられずにもどかしい思いをしたことはありませんか?

妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師は、日本病院薬剤師会が認定する資格で、妊娠・授乳期の薬物療法を専門的に支える薬剤師です。

この記事では、妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師を取得するメリットと取得後に担う業務、認定の要件・費用・更新条件を、日本病院薬剤師会の最新資料をもとに紹介します。

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    妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師を取得するメリット

    MERITと書かれた単語カード

    妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師の大きなメリットは、妊娠・授乳期の服薬相談に「根拠を示して」答えられるようになることです。

    認定までの過程で、生殖発生毒性の評価やカウンセリングの技術を体系的に学ぶため、日々の業務の質と周囲からの信頼の両方につながります。

    妊娠週数に応じた薬の可否を判断できる

    妊娠中の薬の影響は、同じ薬でも妊娠のどの時期に使ったかによって考え方が変わります。 日本病院薬剤師会は、妊婦・授乳婦領域の専門薬剤師に求める力として「妊娠週数にあわせた胎児の薬剤感受性」の理解を挙げており、認定薬剤師はその土台となる資格です。

    認定の準備では、講習で妊娠・授乳期の薬物療法を学び、研修施設での実技研修で情報評価やカウンセリングのトレーニングを受けます。

    「添付文書に禁忌とあるから中止」と機械的に判断するのではなく、時期と薬の情報を組み合わせて考える力がつくのが、この資格ならではの強みです。

    授乳と服薬の両立について説明できる

    授乳中の服薬相談では、「薬を飲むなら授乳をやめるしかない」と思い込んでいる患者さんも少なくありません。

    国立成育医療研究センターの妊娠と薬情報センターによると、2019年から添付文書の「授乳婦」の項目の書き方が変わり、多くの薬で「治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること」と記載されるようになりました。

    授乳を続けるかを考えるときの4つの材料
    赤ちゃん側
    母乳育児の利点

    感染症の予防や、免疫機能・神経発達を助けるはたらきがある

    お母さん側
    治療を続ける必要性

    薬を我慢すると病気が悪化し、育児そのものが難しくなることもある

    薬の性質
    母乳への移行量

    多くの薬は母乳に移るものの、その量はとても少ない

    赤ちゃん側
    月齢と飲む量

    離乳食や混合栄養で母乳の量が減るほど、影響はより小さくなる

    認定薬剤師は、こうした判断材料を整理して、授乳を続けるか、一時的に止めるかを母親と医師が決められるよう支えます。

    一時的な中止でも母乳の出が悪くなる場合があるため、「とりあえず止める」以外の選択肢を示せることは、母子双方にとって大きな意味があります。

    医師への情報提供で信頼を得やすい

    妊娠・授乳期の薬物療法は、産科医だけでなく、持病を診ている内科・精神科などの主治医も判断に迷いやすい分野です。 評価の根拠を添えて情報提供できる薬剤師は、医師から相談を受ける機会が増え、チーム内での役割もはっきりします。

    日本病院薬剤師会が公表している妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師は、令和7年10月1日現在で169名(うち更新者99名)です。 全国でも認定者が少ない資格のため、院内で「妊娠と薬のことならこの人」と頼られる存在になりやすいといえます。

    先生から相談されるようになると、仕事がぐっと面白くなるよ

    薬局でも相談に対応できる

    妊娠中・授乳中の患者さんが最初に薬の不安を口にする場所は、病院よりも身近な薬局であることも多いです。

    認定を取得した薬剤師が薬局に移った場合も、身につけた情報評価やカウンセリングの技術は、そのまま窓口での服薬相談に活かせます。

    認定の申請時には病院または診療所に勤務していることが要件のため、薬局に勤務したままでは申請できません。薬局で活かすのは「病院・診療所で取得したあと」になる点に気をつけましょう。

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    上位の専門薬剤師への前提になる

    妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師は、上位資格である「妊婦・授乳婦専門薬剤師」の申請に欠かせない資格です。 将来、地域の指導役や研究も担う専門薬剤師を目指す場合、まずこの認定を取ることが第一歩になります。

    ほかの認定薬剤師の資格とあわせて比べたい場合は、以下の記事が参考になります。

    参考:国立成育医療研究センター「授乳と薬について知りたい方へ」 / 日本病院薬剤師会「妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師認定者」

    取得後に担う業務

    ベッドサイドで患者さんに処方薬を説明する薬剤師

    妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師の業務は、「妊娠中の相談」「授乳中の薬剤選択」「産科・小児科との連携」「情報源の評価」の4つに分けられます。 どれも、患者さんへの説明と医師への提案の両方を担うのが特徴です。

    妊娠中の服薬相談への対応

    妊娠中の相談には、持病の薬を妊娠中も続けてよいか、妊娠に気づく前に飲んだ薬の影響はないか、といったものがあります。

    日本病院薬剤師会は、妊婦・授乳婦領域の「服薬に関連したカウンセリング」を、単に薬剤の情報を提供するだけでなく、リスクの程度を正しく分かりやすく説明することと定義しています。

    妊娠中の服薬相談の進め方
    1

    使っている薬と妊娠の時期を聞き取るお薬手帳・診療情報

    2

    生殖発生毒性の情報を集めて評価する複数の情報源

    3

    リスクの程度を分かりやすい言葉で伝える本人・家族

    4

    理解できたか、不安が強すぎないかを確かめる本人・家族

    5

    必要に応じて医師へ結果を伝え、方針を相談する主治医・産科・小児科

    説明して終わりではなく、相手が正しく理解できたか、不安が強すぎないかまで確認するのがこの業務の要です。 過剰な不安から必要な治療が中断されないよう支えることも、この領域の薬剤師の大切な役割とされています。

    授乳中の薬剤選択の提案

    授乳中の患者さんに薬が処方されるときは、母乳への移行のしやすさや乳児の月齢などを踏まえて、授乳と両立しやすい薬剤を医師に提案します。

    同じ効果を持つ薬が複数ある場合に、授乳中の使用経験が多い薬を情報源で確認し、処方設計の段階から関われるのが認定薬剤師の強みです。

    薬剤の提案は、あくまで主治医の判断を支える立場で行います。 患者さんには、提案の理由と、授乳を続ける・一時的に止めるといった選択肢を整理して伝えます。

    産科や小児科との連携

    妊婦・授乳婦の薬物療法では、原疾患の主治医、産婦人科医、小児科医の3者が関わることが多くなります。 説明しても患者さんの理解が進まない場合や不安が強い場合は、その内容を医師にフィードバックし、一緒に方針を考えます。

    院内で対応が難しい相談は、国立成育医療研究センターの「妊娠と薬情報センター」につなぐ方法もあります。 妊娠と薬情報センターは国の事業として設置された相談窓口で、全国47都道府県の拠点病院に「妊娠と薬外来」を設けています。

    全国の拠点病院で受けた相談の件数
    2022
    507件
    2023
    495件
    2024
    518件
    2025
    592件

    ※1〜12月の年間合計。2025年の相談総数は872件

    妊娠と薬情報センターは認定薬剤師の制度とは別の仕組みですが、認定の申請要件で数える「妊婦・授乳婦の薬剤指導」には、妊娠と薬情報センターを利用したカウンセリングも含まれます。

    拠点病院の妊娠と薬外来に関わる薬剤師は、その相談対応を薬剤指導の実績として積み上げやすい環境にあります。

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    情報源の評価と活用

    妊娠・授乳期の薬の判断は、添付文書だけでは足りないことが多い分野です。 認定薬剤師には、複数の情報源の特徴を理解し、目の前の相談に合った情報を選んで評価する力が求められます。

    妊娠・授乳期の主な情報源
    情報源分かること使う場面
    添付文書
    公的な基本情報
    承認時点の注意事項と、妊婦・授乳婦の項目の記載最初の確認と、説明の前提づくり
    妊娠と薬情報センターの公開情報
    国の事業
    授乳中に使用できると考えられる薬の一覧や、妊娠中・授乳中のQ&A授乳中の相談、患者さんへの説明
    専門書・国内外のデータベース妊娠・授乳中の使用に関する報告をまとめた情報添付文書だけでは判断しにくいとき
    原著論文
    疫学研究・症例報告
    研究ごとの対象・規模・結果情報源どうしで結論が食い違うとき

    情報源ごとに結論が食い違うこともあるため、「どの情報を、なぜ根拠にしたか」を記録に残しておくと、医師への説明や症例のまとめにも役立ちます。

    添付文書と専門の情報で書いてあることが違ったら、どうするの?

    情報が食い違うときこそ、研究の規模や対象を比べて評価する力が試されます。 認定の準備で受ける実技研修では、この情報評価のトレーニングも行います。

    参考:国立成育医療研究センター「妊娠と薬情報センター」 / 日本病院薬剤師会「妊婦・授乳婦 専門薬剤師・認定薬剤師」

    認定を受けるための要件

    チェックリストと書かれた紙とペン

    妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師の認定申請資格は、令和6年6月1日施行のものが最新です(2026年10月時点で日本病院薬剤師会の公開資料を確認)。 申請資格は10項目あり、すべてを満たした人だけが申請できます。

    資格・所属
    1日本の薬剤師免許あること
    2薬剤師の実務経験と日病薬の会員3年以上
    3指定学会の会員6学会のいずれか
    4日病薬病院薬学認定薬剤師取得済み
    勤務・研修
    5病院・診療所での妊婦・授乳婦の薬剤指導3年以上
    6研修施設での実技研修40時間以上
    学習・実績
    7妊婦・授乳婦領域の講習20時間・10単位
    8妊婦・授乳婦の薬剤指導実績15症例以上
    推薦・試験
    9病院長・施設長などの推薦あること
    10日病薬の認定試験合格

    実務経験と学会の会員であること

    まず、薬剤師としての実務経験が3年以上あり、日本病院薬剤師会の会員であることが必要です。 日本病院薬剤師会の代わりに、日本薬剤師会か日本女性薬剤師会の会員でもこの要件を満たします。

    あわせて、次のいずれかの学会の会員である必要があります。

    • 日本医療薬学会
    • 日本薬学会
    • 日本臨床薬理学会
    • 日本産科婦人科学会
    • 日本小児科学会
    • 日本先天異常学会

    医学・薬学系大学院の博士課程(4年制課程、社会人大学院を除く)を修了した人は、個別審査のうえで実務経験年数などに2年を算入できる場合があります。

    前提となる日病薬病院薬学認定薬剤師

    申請時に、日本病院薬剤師会の「日病薬病院薬学認定薬剤師」を取得している必要があります(日本医療薬学会の専門薬剤師でも可)。

    日病薬病院薬学認定薬剤師は、過去3年度を通算して50単位以上を取得し、毎年度10単位以上を取ったうえで認定試験に合格すると得られる資格です。

    単位は、医療倫理と法令・基本的業務・チーム医療・医療安全・ファーマシューティカルケアの5領域から、決められた数を取る必要があります。 妊婦・授乳婦の勉強を始める前に、この土台の資格を計画的に進めておくのがおすすめです。

    病院や診療所での従事期間

    申請資格の中で、もっとも取得の可否を分けるのが勤務先と従事期間の要件です。 申請時に病院または診療所に勤務し、妊婦・授乳婦の薬剤指導に3年以上、かつ申請時に引き続いて1年以上従事している必要があり、所属長の証明も求められます。

    妊婦・授乳婦の薬剤指導に従事する期間のイメージ
    1年目
    2年目
    直近の1年
    病院・診療所で通算 3 年以上(うち直近 1 年は途切れずに)
    在籍が必要な期限:認定開始日の前日

    ※所属長の証明が必要。産休・育休などによる中断は個別審査

    ここでいう「申請時」は書類の提出日ではなく、認定開始日の前日を指します。 そのため、申請後すぐに薬局へ転職すると要件を満たさなくなります。

    保険薬局やドラッグストアに勤務している間は、この要件を満たせません。薬局勤務のまま講習や症例の準備を進めても申請できないため、取得を目指すなら病院・診療所への転職から考える必要があります。

    あわせて、日本病院薬剤師会が認定する研修施設で、模擬妊婦・模擬授乳婦とのロールプレイを含む実技研修を40時間以上受けることも必要です。 研修施設で3年以上妊婦・授乳婦の薬剤指導に従事している場合は、この実技研修の要件を満たします。

    症例報告の件数

    妊婦・授乳婦の薬剤指導の実績として、15症例以上(複数の疾患)が必要です。 同じ疾患の症例ばかりでは要件を満たさないため、さまざまな疾患の相談に関わっておくことが大切です。

    ここでの薬剤指導には、胎児毒性・乳児毒性の評価とカウンセリングのほか、妊娠と薬情報センターを利用したカウンセリングも含まれます。 日々の相談対応の中で、評価の過程と説明の内容を記録しておくと、申請時にまとめやすくなります。

    講習の受講時間と単位

    講習は、日本病院薬剤師会が認定する妊婦・授乳婦領域の講習会や、指定の学会が主催する講習会などで、20時間・10単位以上を履修する必要があります。 そのうち、日本病院薬剤師会が主催する妊婦・授乳婦の講習会を1回以上受講していることが条件です。

    対象となる講習会は、日本病院薬剤師会のほか、同会のeラーニング、各都道府県病院薬剤師会、妊娠と薬情報センター、一般社団法人妊娠と薬情報研究会が実施するものです。

    これらに加えて、病院長や施設長などの推薦と、日本病院薬剤師会が行う認定試験への合格が必要です。

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    参考:日本病院薬剤師会「妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師認定申請資格」 / 日本病院薬剤師会「日病薬病院薬学認定薬剤師制度規程細則」

    取得までの流れ

    研修会でメモを取りながら学ぶ薬剤師

    取得までの流れは、前提資格と学会の準備から始まり、症例の積み上げ、講習・研修の受講、認定試験と申請へと進みます。 勤務先の要件があるため、現在の職場で何年かけて準備できるかを先に見積もっておくと計画が立てやすくなります。

    前提資格と学会所属の準備

    最初に、日本病院薬剤師会への入会と、指定学会への入会を済ませます。 日病薬病院薬学認定薬剤師は3年度分の単位が必要なため、妊婦・授乳婦の準備と並行して早めに単位を積み始めるのがスムーズです。

    学会は、日本産科婦人科学会・日本小児科学会・日本先天異常学会のいずれかに入っておくと、更新や上位の専門薬剤師の申請で求められる条件にもつながります。

    症例の積み上げ

    15症例と薬剤指導の従事期間(3年以上)は、短期間では満たせません。

    今の職場で症例が集まるか、不安になる人も多いよね

    産科・小児科があり、妊婦・授乳婦の薬剤指導の機会がある病院で働いているかどうかが、準備期間を大きく左右します。

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    講習会の受講

    日本病院薬剤師会の妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師講習会は、令和8年度はWebで年2回の開催予定です。

    研修施設での実務研修は、日本病院薬剤師会が「妊婦・授乳婦専門薬剤師養成研修」(5日間)として毎年度実施しており、令和8年度は第32期として10月〜翌2月に予定されています。

    令和8年度の予定(2026年3月公表)
    4月
    5月

    10日 認定試験(東京)

    6月

    7日 講習会 第1回(Web)

    7月

    上旬 申請締め切り

    8月
    9月
    10月

    1日 認定開始

    講習会 第2回(10月か11月・Web)

    11月
    12月
    1月
    2月
    3月
    実務研修(5日間)を行う期間

    講習会・研修・認定試験の詳しい日程や申込方法は、受付開始時に日本病院薬剤師会のホームページに掲載されます。 日程が変わることもあるため、受験を考え始めたら定期的に確認しておきましょう。

    申請と審査

    認定試験に合格したら、申請書類をそろえて日本病院薬剤師会に提出し、認定審査を受けます。 試験・申請・認定のそれぞれに費用がかかり、日本病院薬剤師会の会員と非会員で金額が変わります。

    会員非会員
    前提資格(日病薬病院薬学認定薬剤師)
    認定審査料2,000円
    認定料3,000円
    妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師
    日病薬の講習会(1日あたり)10,000円15,000円
    実務研修(養成研修)30,000円
    認定試験の受験料10,000円15,000円
    認定審査料10,000円15,000円
    認定料20,000円

    ※金額はすべて税別。1つだけの金額は会員・非会員共通

    このほかに、学会の年会費や講習会・研修への交通費もかかります。 勤務先によっては学会費や研修費を補助する制度があるため、事前に確認しておくと負担を抑えられます。

    参考:日本病院薬剤師会「令和8年度各領域の専門薬剤師・認定薬剤師に係る研修・講習会・認定試験等の予定について」 / 日本病院薬剤師会「専門薬剤師・認定薬剤師認定制度規程細則」

    認定後の更新

    カレンダーと赤鉛筆

    妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師の認定は、取得して終わりではなく5年ごとの更新制です。 更新条件は令和6年6月1日施行のものが最新です(2026年10月時点で確認)。

    認定期間と必要な単位

    認定期間は5年間で、更新しなければ妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師を名乗れなくなります。 日本病院薬剤師会からは、満期の約1年前に更新手続きの案内が届きます。

    5年間の講習単位の取り方
    1年目
    3
    単位以上
    2年目
    3
    単位以上
    3年目
    3
    単位以上
    4年目
    3
    単位以上
    5年目
    3
    単位以上
    更新の案内が届く
    30単位以上
    うち12単位以上は日病薬の妊婦・授乳婦の講習会か、妊娠と薬情報センターの講習会で取得

    単位は30単位以上が必要で、特別な理由がない限り毎年3単位以上を取る必要があります。 このうち12単位以上は、日本病院薬剤師会の妊婦・授乳婦に関する講習会か、妊娠と薬情報センターが実施する講習会で取ることが条件です。

    更新申請時にも日病薬病院薬学認定薬剤師(または日本医療薬学会の専門薬剤師)であることが求められ、学会は、日本薬学会・日本医療薬学会・日本臨床薬理学会のいずれかと、日本産科婦人科学会・日本小児科学会・日本先天異常学会のいずれかの両方に所属している必要があります。

    単位のほかに、5年間で妊婦・授乳婦の薬剤指導5症例以上と、学会発表1回以上または査読制のある学術誌への論文1編以上(いずれも共同発表・共著で可)が必要です。

    毎年3単位以上がルール。最後にまとめて取るのはNGだよ

    業務に従事していることの証明

    更新では、認定期間中に施設内で妊婦・授乳婦に関する専門的業務に従事していたことを証明する必要があります。

    産休・育休や転勤などで専門的業務が中断した場合は、特例措置で名乗れる期間を延ばせることがあります。 延長と保留を合わせて最長3年までで、本来の更新申請の受付期間内に書類を出す必要があります。

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    単位不足のときの対処など、認定薬剤師の更新全般は以下の記事でも紹介しています。

    参考:日本病院薬剤師会「妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師認定の更新条件」 / 日本病院薬剤師会「専門薬剤師・認定薬剤師の認定審査・更新審査に係る取扱いについて(Q&A)」

    上位資格の妊婦・授乳婦専門薬剤師

    階段を上がる人のイラストとCAREERの文字

    妊婦・授乳婦専門薬剤師は、妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師の上位にあたる資格です。 認定薬剤師としての実践に加えて、研究や後進の指導まで担う薬剤師が対象になります。

    位置づけと違い

    妊婦・授乳婦専門薬剤師は、申請時に妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師であることが条件で、認定薬剤師を経てから目指す資格です。

    日本病院薬剤師会が公表している妊婦・授乳婦専門薬剤師は、令和8年4月1日現在で35名(うち更新者16名)と、認定薬剤師よりさらに少数です。

    妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師169名令和7年10月1日現在 妊婦・授乳婦専門薬剤師35名令和8年4月1日現在
    申請の前提資格日病薬病院薬学認定薬剤師など妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師
    認定試験の時期5月12月または1月
    申請の締め切り7月上旬2月初旬
    認定期間5年(更新制)5年(更新制)

    認定薬剤師と専門薬剤師の違いや、専門薬剤師を取ることのキャリア上の意味は、以下の記事で詳しく紹介しています。

    求められる要件

    妊婦・授乳婦専門薬剤師の申請には、認定薬剤師であることに加えて、日本産科婦人科学会・日本小児科学会・日本先天異常学会のいずれかの会員であることが必要です。

    研究面では、妊婦・授乳婦領域の学会発表が3回以上(うち1回以上は発表者)と、査読制のある学術誌への論文1編以上(うち1編以上は筆頭著者)の両方が求められます。

    専門薬剤師は「研究の実績」が大きなハードルになるんだ

    このほか、病院長などの推薦と、日本病院薬剤師会の専門薬剤師認定試験への合格が必要です。 認定薬剤師の段階から学会発表や論文の準備を少しずつ進めておくと、上位資格への移行がスムーズになります。

    参考:日本病院薬剤師会「妊婦・授乳婦専門薬剤師認定申請資格」 / 日本病院薬剤師会「妊婦・授乳婦専門薬剤師認定者」

    まとめ

    妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師は、妊娠・授乳期の服薬相談に根拠を持って答え、医師と母子の両方を支える資格です。 取得の可否を大きく分けるのは、申請時に病院または診療所で妊婦・授乳婦の薬剤指導に従事しているかどうかです。

    この記事のポイント


    • 妊娠時期や授乳の状況に応じた服薬相談に根拠を持って対応できる
    • 申請時に病院・診療所で薬剤指導3年以上の従事が必要
    • 15症例・講習20時間10単位・実技研修40時間・認定試験が要件
    • 認定期間は5年で、更新には毎年3単位以上の講習単位が必要
    • 上位資格の妊婦・授乳婦専門薬剤師は研究実績も求められる

    まずは今の職場で妊婦・授乳婦の薬剤指導に関われるか、症例を積める環境かを確認してみましょう。 薬局勤務などで要件を満たしにくい場合は、産科・小児科のある病院への転職も選択肢の一つです。

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