【パッと確認】ホーエンヤール分類・生活機能障害度分類|パーキンソン病(PD)評価

パーキンソン病を評価する代表的な指標には、以下の2つがあります。
- ホーエン・ヤール分類(医学的分類)
- 厚生労働省の生活機能障害度分類(制度的分類)
ホーエン・ヤール分類
1967年に提唱されたパーキンソン病専用の指標です。
運動症状(振戦、筋強剛、姿勢反射障害など)に着目して評価されます。
主に治療・リハビリの目安として使われます。
特徴
目的: パーキンソン病の「運動機能障害の進行度」を医学的に評価
分類者: 医師(主に神経内科)
分類段階: 5段階(+中間ステージあり)
ステージ | 内容 |
---|---|
ステージ1 | 片側(片半身)のみの症状。日常生活にほぼ支障なし。 |
ステージ2 | 両側の症状が現れるが、歩行やバランス機能は正常。軽度の生活機能低下。 |
ステージ3 | バランス障害が出現。転倒のリスクが増すが、自立歩行が可能。日常生活に中等度の支障。 |
ステージ4 | 重度の身体障害。立ち上がり・歩行に介助が必要となるが、車椅子までは不要。生活機能は大きく制限される。 |
ステージ5 | 完全介助が必要。車椅子やベッドに依存した生活。日常生活動作(ADL)が著しく制限される。 |
厚生労働省「生活機能障害度」分類(障害者総合支援法・介護保険)
「障害者総合支援法」や「介護保険制度」に関連するものです。
認知機能、日常生活動作(ADL)、外出の可否、意思伝達の可否などを広く評価できます。
支援区分や障害等級、介護保険の要介護度を決める参考にされます。
特徴
目的: 介護認定や福祉支援の必要性を判断するための評価
分類者: 主治医、ケアマネジャー、福祉担当者など
分類段階:原則3段階(I・II・III)+補助評価あり
障害度区分 | 内容 |
---|---|
I度 | 基本的に自立しており支援はほぼ不要 |
II度 | 外出や生活に一部支障。支援が必要な場面あり |
III度 | 日常生活のほとんどで支援が必要。介護者同伴での生活 |
※具体的な等級判定は、厚労省の「障害認定基準」や「障害支援区分評価表」に準拠します。
ホーエン・ヤールと生活機能障害度の違い
パーキンソン病をはじめとした神経疾患では、医療の場ではホーエン・ヤール分類、制度の場では厚生労働省の生活機能障害度と、それぞれ役割の異なる分類が用いられています。
比較項目 | ホーエン・ヤール分類 | 生活機能障害度(厚労省) |
---|---|---|
主目的 | 医学的進行度の評価 | 介護・支援制度の判断基準 |
評価者 | 神経内科医など | 医師、ケアマネ、自治体 |
評価対象 | 運動機能中心 | 生活全般・支援の必要性 |
用途 | 治療、研究、診療記録 | 介護認定、障害年金、福祉制度 |
適用範囲 | パーキンソン病に限定 | 高齢者や障害者全般 |
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