看護師が転職するときの失業保険はいくらもらえる?申請方法や受給条件を徹底解説

看護師が転職するときの失業保険はいくらもらえる?申請方法や受給条件を徹底解説 イメージ

看護の仕事は心身ともに負担が大きいため、転職の際にはいったん休養を取りながら、新たな職場を探したいと考える方も多くいらっしゃいます。 

転職を考える際、気になるのが失業保険(正式名称:雇用保険)についてです。

しかし、具体的にいくら受給できるのか、どのような手続きが必要なのか、詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。

この記事では、看護師が失業保険を受給する際の条件や金額、申請方法について、具体例を交えながら分かりやすく解説します。

転職活動中の経済的な不安を軽減し、安心して次のキャリアに進むための参考にしていただければ幸いです。

\転職のご相談はコチラ/

看護師がもらえる失業保険(雇用保険)とは?

一般的に「失業保険」と呼ばれているのは、雇用保険の「基本手当」のことです。

雇用保険に加入して働いていた人が離職し、再就職までの生活を安定させるために支給されるお金です。

看護師の場合、病院や診療所、介護施設などで正規職員として働いていれば、ほとんどの方が雇用保険に加入しています。

そのため、退職後の条件を満たせば失業保険を受給することができます。

ポイントは次の3つです。

失業保険のポイント

離職前の賃金をもとに1日あたりの支給額(基本手当日額)が決まる
支給される日数(所定給付日数)は、年齢・雇用保険の加入期間・離職理由で変わる
受給できる期間(原則の「受給期間」)は、離職日の翌日から1年間が基本

看護師も、一般の会社員と同じルールで「失業保険(基本手当)」を受給できます。

看護師は比較的求人が多い職種ですが、自分に合った職場をじっくり探したい場合や、少し休養を取りたい場合もあるかと思います。

そのような時に失業保険があれば、経済的な心配を軽減しながら転職活動に専念できます。

看護師が該当する失業保険の受給資格とは?

看護師が失業保険をもらうためには、次の条件をすべて満たす必要があります。

1

雇用保険に入っていた

まず大前提として、雇用保険の被保険者であったことが必要です。

看護師として病院や施設で週20時間以上働いていた場合、事業主は雇用保険への加入手続きを行う義務があるため、下記に当てはまる方は雇用保険の被保険者となります。

常勤看護師

週20時間以上・31日以上の雇用見込みがあれば、通常は雇用保険に加入しています。

パート看護師

週20時間以上勤務なら、同じく加入対象になるケースが多いです。

雇用保険の加入期間(被保険者期間)の条件

一般的な自己都合退職・定年など

離職日の前の2年間に、被保険者期間が通算12か月以上必要

倒産・解雇などの「特定受給資格者」ややむを得ない理由(病気・育児・介護など)で辞めた「特定理由離職者」の一部

離職前1年間に6か月以上あればOK

※「被保険者期間」は、「賃金支払いの基礎日数が11日以上または80時間以上ある月」を1か月と数えます。

なお、被保険者期間は、賃金支払いの基礎となった日数が11日以上ある月を1ヶ月として計算します。

転職を繰り返していても、通算で条件を満たせば問題ありません。

病院Aで6ヶ月勤務 + 病院Bで6ヶ月勤務 = 合計12ヶ月(受給可能)
病院Cで8ヶ月勤務のみ = 合計8ヶ月(受給不可)

看護師の場合、正社員だけでなく、パートタイムやアルバイトでも一定の条件を満たせば被保険者になれます。ただし、雇用保険に加入していても、短期間で退職すると受給資格を得られない場合があるので注意が必要です。

2

再就職の意思・能力がある

失業保険は、働く意思と能力があり、積極的に求職活動を行っているにもかかわらず就職できない状態の方を対象としています。

「いずれ看護師として、また働きたい」「別の仕事でもいいから就職したい」という気持ちがあり、いつでも働ける状態であることが条件になります。

ただし、退職後すぐに転職活動を始める必要はありません。

ハローワークで求職登録を行い、求職活動をしている姿勢を示すことが重要です。

病気や出産・育児などですぐには働けない場合は、失業保険の受給開始を延期できる「受給期間延長」の制度があります。

3

ハローワークで認定手続きをしている

住んでいる地域を管轄するハローワークで求職の申込みをする
「受給資格決定」を受けて、4週間に1回の「失業認定」を受ける

という手続きをして、はじめて失業保険が支給されます。

会社を辞めただけでは、自動的には失業手当は支給されません。必ず自分でハローワークに行く必要があります。

失業保険の基本手当と受給期間について

木製のブロックに印字された失業手当

基本手当について(いくらもらえる?)

基本手当の日額は、離職時の年齢や賃金に応じて決定されます。

給付日数は、年齢、被保険者であった期間、離職理由によって異なります。

基本手当日額は、離職前6ヶ月間の賃金総額を180で割った「賃金日額」の50~80%(60歳以上65歳未満は45~80%)です。

失業保険の給付率の目安

月給20万円程度:約80%
月給30万円程度:約50~60%
月給40万円以上:約50%

給付率は賃金が低いほど高く(最大80%)、賃金が高いほど低く(50%程度)なるように細かく決められています。

年齢区分に応じた上限額と下限額
年齢区分 上限額 下限額
30歳未満 7,255円 2,411円
30歳以上45歳未満 8,055円 2,411円
45歳以上60歳未満 8,870円 2,411円
60歳以上65歳未満 7,623円 2,411円

参考:年齢別基本手当日額の上限額・下限額(令和7年8月1日改定)(厚生労働省)

給付額は離職時の年齢で決定され、受給期間中に年齢が変わっても変更されません。上記の上限額は賃金水準を元に年に1回(8月1日)に改定されます。

基本手当の給付日数(もらえる日数)

基本手当の給付日数は、離職時の年齢、被保険者であった期間、離職理由によって決められています。

自己都合退職(全年齢共通)であった場合
被保険者であった期間 離職時の年齢 給付日数
10年未満 すべての年齢 90日
10年以上20年未満 すべての年齢 120日
20年以上 すべての年齢 150日

参考:一般の離職者(自己都合退職等)の給付日数(ハローワークインターネットサービス)

会社都合・特定受給資格者などの場合

会社の倒産・解雇、契約更新されなかった場合、健康上の理由などでやむを得ず退職した「特定受給資格者」「特定理由離職者」では、給付日数が長くなりやすいです。

最大330日まで伸びるケースもあります。

給付制限(自己都合の待ち期間)について(2025年時点)

  • まず全員共通で7日間の待機期間
  • その後、給付制限期間

給付制限期間は離職日によって変わります。

「〇年〇月〇日以降に離職した人から新ルール適用」と、日付で区切る形で法改正が行われるため、「いつ退職したか(=離職日)」によって適用される給付制限の長さが変わります。

2025年4月1日以降に離職した自己都合退職

原則 1か月の給付制限

過去5年以内に自己都合退職での受給資格決定が2回以上ある場合や、重責解雇など

3か月の給付制限

この期間中は、求職活動の実績は必要ですが、基本手当は支給されません。

具体的な給付例(2025年時点)

月給32万円の30歳の看護師(雇用保険期間9年)が自己都合による退職をした場合の基本手当を計算してみましょう。

※2025年8月以降の基準に近いイメージでのシミュレーション例です。実際の金額はハローワークが計算した額が正式です。

日額の計算

320,000円 ÷ 30日 = 10,667円/日

基本手当日額の計算(30歳の場合、給付率は原則65%)

10,667円 × 65% = 約6,934円/日

30歳の上限額

計算された日額(6,934円)は上限額(7,935円)を下回っているため、6,934円が基本手当日額

28日分の支給額の計算

6,934円 × 28日 = 194,152円/4週間

この金額が、失業中に4週間ごとに支給される基本手当です。

被保険者期間が10年未満のため給付日数は90日となり、その90日の範囲で4週ごとに振り込まれます。

この基本手当には課税されますが、一定の控除があるため、全額が課税対象となるわけではありません。実際の支給額は端数処理により若干異なる場合があります。

今のあなたの状況は?

キャラクター

待機期間

失業保険の給付を受けるには、原則として以下の待機期間があります。

基本的な待機期間

失業の認定を受けた日から7日間

給付制限期間(自己都合退職の場合)

原則として2か月間 ※直近5年間で自己都合退職を2回以上している方は3か月間

基本的な7日間の待機期間は全ての申請者に適用されます。

この期間中は失業状態であっても給付は行われません。

自己都合による退職の場合、基本的な待機期間に加えて2~3か月の給付制限期間が設けられます。

これは、安易な離職を防ぐためのものです。

ただし、健康上の理由、家族の介護の必要性、著しい労働条件の低下、ハラスメントなどの職場環境の問題といった正当な理由がある場合は、給付制限期間が短縮または撤廃されることがあります。

また、この期間中にアルバイトなどの短期的な仕事に就くことは可能です。

待機期間中の注意点

・待機期間中も失業の認定を受けるために、定期的にハローワークに来所する必要があります。

・この期間を利用して積極的に求職活動を行うことが推奨されます。

待機期間中の生活費については事前に計画を立てておくことが重要です。貯蓄や退職金を活用し、この期間をしのぐ準備をしておきましょう。

失業保険の申請手続きの手順

青い空とハローワーク

ここでは実際に看護師が失業手当をもらう際の手続きについて詳しく解説していきます。

1

離職票の受け取り、必要書類の準備

会社から受け取るもの

① 雇用保険被保険者証
雇用保険に加入したことの証明書。一般的には離職日に手渡しで渡されることや、離職票とともに退職後に自宅に郵送されることが多いです。紛失の場合も居住地のハローワークで再発行されます。

② 離職票-1、離職票-2
退職してから会社から本人宛に発行されます。離職票が手元に届くまでに1週間から10日程を有します。

もし退職から2週間ほど経っても届かない場合は、元の職場の事務・人事に連絡してください。
会社が手続きしてくれない場合は、ハローワークに相談することもできます。

自分で用意するもの

❶ マイナンバーカードまたは通知カード
➋ 運転免許証などの本人確認書類
❸ 写真2枚(縦3cm×横2.5cm)
❹ 銀行通帳またはキャッシュカード(本人名義のもの)

これらの書類がそろっていないと申請手続きが滞る可能性があるので、漏れがないか確認してください。

離職票は手元になくても、失業保険の仮申請ができます。

早急に失業保険を受給したい人は、退職日の翌日以降、なるべく早めにハローワークに行きましょう。

給付までは待期期間があるので、速やかに申請に行けるようにしましょう。

2

ハローワークで「求職申込み」と「受給資格の決定」

1 住んでいる住所を管轄するハローワークへ行く
2 「求職申込書」を記入し、離職票などを提出する
3 職員によるヒアリングを受ける
  • 退職理由(自己都合・会社都合)
  • 再就職の意思があるか
  • 健康状態(すぐに就労できるか) など

ここで受給資格が決定され、「雇用保険受給資格者証」と「失業認定申告書」などを受け取ります。

ハローワークの開庁時間は自治体によって異なりますが、失業保険の申請は平日のみとなっていることがほとんどです。
初回の手続きには1~2時間程度かかることが多いため、時間に余裕を持って訪問することをおすすめします。

3

受給説明会に参加する

受給資格決定後、指定された日時に開催される受給説明会に必ず参加します。

雇用保険制度の説明を受け、「雇用保険受給資格者証」に必要事項が記載されます。

説明会は約2時間程度で、DVD視聴を中心とした内容となっています。

この日に第1回目の失業認定日が決定されます。

4

待機期間と給付制限

受給資格決定日から7日間は「待機期間」となり、この期間は基本手当が支給されません。

この期間中のアルバイト等は避ける必要があります。

自己都合退職の場合は、待機期間終了後、さらに2ヶ月間の給付制限期間があります。

この期間も基本手当は支給されませんが、アルバイトは可能です。

5

失業認定日にハローワークで求職活動について報告する

原則として4週間に1回、指定された失業認定日にハローワークに行き、失業認定申告書を提出します。

前回の認定日から今回の認定日の前日までの求職活動実績(原則2回以上)を報告する必要があります。

求職活動として認められる活動
求人への応募
ハローワークでの職業相談、職業紹介
民間職業紹介事業者での職業相談、職業紹介
セミナーや講習会の受講
資格試験の受験(看護師のスキルアップに関連するもの)
6

再就職が決まったらハローワークに報告する

就職が決まったら、すみやかにハローワークに報告します。

就職日の前日までの基本手当が支給され、条件を満たせば再就職手当も受給できます。

申請に必要な書類の会社側での準備や手続きについては、社労士クラウドのメディア記事「退職時に会社が準備する失業保険受給に必要な書類と手続きを解説」もご覧ください。

転職活動するなら?

キャラクター

再就職手当について

スクラブを着て微笑む医療者

再就職手当は、失業給付を受けている方が、早期に安定した職業に就いた場合に支給される手当です。

支給残日数が多い段階で再就職するほど、より多くの手当を受け取ることができます。

再就職手当の給付条件

再就職手当を受け取るためには、安定した職業に就くことが必要です。

具体的には、以下の条件が必要になります。

再就職手当の給付条件
失業保険の受給手続きをしたあと、7日間の待機期間終了後に就職している
再就職した日の前日までに受けている失業認定後の「支給残日数」が所定給付日数の3分の1以上残っている
再就職先で、1年以上働く見込みがある
再就職先で雇用保険に加入する(週20時間以上・31日以上見込みなど)
以前働いていた会社や、その関連会社への再就職ではない
過去3年以内に再就職手当・常用就職支度手当を受け取っていない
受給資格決定前から採用が内定していた会社ではない など

再就職手当の支給額

再就職手当の支給額は、次の式で計算されます。

所定給付日数の2/3以上の支給残日数がある場合

基本手当日額 × 支給残日数 × 70%

所定給付日数の1/3以上~2/3未満の支給残日数がある場合

基本手当日額 × 支給残日数 × 60%

できるだけ早く再就職したほうが、支給残日数が多く残るため、もらえる額が増えます。

再就職手当を給付されるためには、はじめに失業保険の申請をしていなければなりません。
再就職手当は、再就職の旨をハローワークに報告後、一括で振り込まれます。

再就職手当の申請手続きと注意点

再就職手当の申請期限

就職した日の翌日から1か月以内

再就職手当の申請の持ち物

雇用保険受給資格者証、採用証明書、雇用契約書などの写し

なお、再就職手当を受給した場合、その後の基本手当は支給されなくなります。

また、就職後1年以内に離職した場合は、原則として再就職手当の返還が必要となるため、慎重に検討することが重要です。

過去3年以内に再就職手当や就業促進定着手当の支給を受けたことがある場合も、再就職手当は支給されません。

詳しくはこちらの再就職手当の案内(厚生労働省)を参照ください。

お探しの求人は?

キャラクター

よくある質問

シンプルなQ&A

Q.次に転職する病院が決まっているのですが、失業保険は受給できますか?

A.基本的には、難しいケースが多いです。

失業保険の受給には、次の条件が必要です。

  • 就職しようとする積極的な意思がある
  • いつでも就職できる能力がある
  • 具体的な就職先がまだ決まっていない

すでに「○月1日入職」といった形で次の勤務先が確定している場合、「失業の状態ではない」と判断されやすく、基本手当の支給対象外になります。

ただし、「予定していた入職が取り消しになった」「入職時期が大幅に先へ延びた」など状況が変わるときは、早めにハローワークに相談してください。

Q. 失業保険の受給中にアルバイトはできますか?

A. 可能です。ただし、必ず申告が必要です。

アルバイトをする場合、収入に応じて給付額が調整されます。

  • 1日4時間未満:収入額によって基本手当が減額される場合がある
  • 1日4時間以上:その日の基本手当は支給されない(支給が先送りになる)
  • 週20時間以上を継続:就職したと見なされ、失業保険が打ち切られる

申告せずに働くと、「不正受給」と判断され、返還+3倍の納付+給付停止など重いペナルティがあります

アルバイトをする前に、一度ハローワークで「この働き方なら大丈夫か」を確認するのがおすすめです。

Q. 適応障害と診断されました。この場合は失業保険を受給できますか?

A. 条件を満たせば、適応障害と診断された場合でも失業保険を受給できます。

ポイントは次の3つです。

1 雇用保険の加入期間を満たしているか
  • 離職前2年間に12か月以上
  • または、特定理由離職者などの条件を満たす場合は1年間に6か月以上 など
2 医師の診断書などで、離職理由や就労状況を説明できるか

ハラスメントや過酷な勤務によるメンタル不調であれば、特定受給資格者・特定理由離職者として扱われる場合もあります。

3 「今後働く意思と、就職できる程度の回復見込み」があるか

ただし、症状が重くてすぐに働けない状態の場合には、すぐに失業保険をもらうのではなく、

など、別の制度を先に利用するケースも検討してみましょう。

メンタル不調で退職を考えている看護師さんは、まず主治医と相談しつつ、ハローワークにも現状を率直に伝えることが大切です。

まとめ

失業保険は、慎重に時間をかけて転職活動をしたいという看護師を支える重要な制度です。

制度はほぼ毎年のように細かい改正が入るので、最終的には必ず、厚生労働省やハローワークの情報で確認してください。

転職先が決まっておらず、給付を受けたい場合は、必要物品を用意して早めに申請に行きましょう。

失業保険という制度を理解し、上手に活用することで、経済的な不安を軽減しながら、じっくりと自分に合った職場を探すことができます。

不明な点はハローワークに相談し、制度を適切に活用しながら、より良いキャリアへの転換を目指していただければと思います。

医療キャリアナビでは、看護師の転職支援を実施しています!

短期間での転職実績や年収アップの実績も多数あるので、転職を検討されている方はぜひご利用ください。

キャラクター
看護師に選ばれ続ける
「医療キャリアナビ」の特徴
特徴1.
忙しくてもLINEで好きな時間に相談可能♪
特徴2.
地域特化のため職場の内部情報が豊富!
特徴3.
面接対策や条件交渉など実践的サポートが充実!
※調査方法:アンケート/対象者:サービス利用による内定者288名/集計期間:2025年1月1日~2025年8月31日

LINEでのご登録はこちら🔻

LINE logo

看護師の無料転職サポート

医療キャリアナビでは、LINEで無料登録ができ、LINEで求人のご紹介や転職相談が可能です!

\ シェア・拡散していただけると嬉しいです /

転職をご検討中の方へ

医療業界に詳しいキャリアパートナーが無料で転職サポートをさせていただきます!新着・非公開求人の紹介も可能です!