看護師が誤って転職サイトに登録してしまった場合の断り方|場面別の伝え方と相談先

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転職サイトに登録した直後から電話が鳴り続ける、条件に合わない求人が次々に届く。勢いで登録してしまった、思っていたサービスと違った、という理由で連絡を止めたい看護師は少なくありません。

断り方を調べると「角が立たない伝え方」「嫌われないマナー」といった情報が並びます。ただ、紹介を受けるかどうかを決めるのは求職者本人で、看護師側が費用を負担する仕組みにもなっていません。

この記事では、看護師が転職サイトの連絡や紹介を断るときの考え方を制度から整理し、場面別の伝え方、内定辞退の扱い、改善しない場合の公的な相談窓口までをまとめます。

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以下からひな形と見本をダウンロードできます。

    断ることは求職者の正当な行為

    〇と×の札を持って判断を示す看護師

    転職サイトは、職業安定法にもとづく有料職業紹介事業として運営されています。

    断ることに気を遣いすぎなくてよい理由を、条文から順に整理します。

    求職者は手数料を負担しない

    職業安定法第32条の3第2項は、有料職業紹介事業者について「求職者からは手数料を徴収してはならない」と定めています。登録しても、紹介を受けても、断っても、看護師側に費用は発生しません。

    この原則には例外がありますが、対象は職業安定法施行規則第20条第2項が挙げる芸能家・モデル・科学技術者・経営管理者・熟練技能者の5つの職業だけで、しかも紹介により就いた職業の賃金が厚生労働大臣の定める額を超える人に限られます。看護師はここに含まれません。

    関連法令
    職業安定法 第32条の3 第2項
    「有料職業紹介事業者は、前項の規定にかかわらず、求職者からは手数料を徴収してはならない。」
    例外にあたる職業(職業安定法施行規則 第20条第2項)
    芸能家
    モデル
    科学技術者
    経営管理者
    熟練技能者
    ※就いた職業の賃金が厚生労働大臣の定める額を超える者に限る
    看護師はこの5職業に含まれない

    事業者の収入源は、採用した医療機関や施設が支払う手数料です。

    断られた側に損失が生じるとしても、それは求人側と事業者の間の話で、求職者が負い目を感じる筋合いのものではありません。

    求職と手数料の流れ
    看護師
    求職者
    転職サイト
    有料職業紹介事業者
    医療機関・施設
    求人側

    紹介を受けるかどうかは求職者が決める

    有料職業紹介事業者には、求職の申込みを受理したあと速やかに、業務の内容を求職者へ明示する義務があります(職業安定法第32条の13、同法施行規則第24条の5)。明示しなければならないのは次の項目です。

    事業者が明示すべき5項目

    1
    取扱職種の範囲等
    その事業者が扱う職種・地域などの範囲
    2
    手数料に関する事項
    手数料表の内容
    3
    苦情の処理に関する事項
    苦情の申し出先と処理の方法
    4
    求人者の情報及び求職者の個人情報の取扱いに関する事項
    5
    返戻金制度に関する事項
    紹介で就職した人が早期に離職した場合などに、求人側から受け取った手数料の全部または一部を返す制度
    求人・求職の申込みを受理した後、速やかに、書面の交付・ファクシミリ・電子メール等の方法で明示されます。

    手数料と並んで「苦情の処理に関する事項」が明示項目に入っている点が、この制度の性格をよく表しています。

    紹介を断ることも、苦情を申し出ることも、遠慮する必要はありません。求職者はそもそも、説明を受けて自分で判断する側に置かれています。

    覚えておきたいこと


    • 登録は「紹介を受ける契約」ではなく、求職の申込みを受理してもらった状態
    • 紹介された求人に応募するかどうかは、その都度求職者が決める
    • 面談や応募を断っても、登録自体は続けられる

    断ったことで不利益を受けるわけではない

    「断るとブラックリストに載るのでは」という不安をよく聞きますが、事業者をまたいで求職者を共有する名簿のような仕組みは制度上ありません。断ったことを理由に、ハローワークやナースセンターといった公的な職業紹介の利用が制限されることもありません。

    有料職業紹介事業者は職業安定法第32条の14に基づき、職業紹介責任者を選任する義務があります。その責任者が最初に管理する事項として「求人者または求職者から申出を受けた苦情の処理」が挙げられており、苦情への対応は制度として組み込まれています。

    断った記録が積み上がって不利益になる、という仕組みは制度の側にはありません

    お探しの求人は?

    参考:e-Gov法令検索「職業安定法」e-Gov法令検索「職業安定法施行規則」

    【場面別】断り方

    スマートフォンで連絡を返す女性の手元

    断る場面は、連絡そのものを減らしたいときから内定を辞退するときまで幅があり、伝える相手も伝えるべき時期も変わります。

    場面ごとに要点を押さえておけば、そのつど言葉を探さずに済みます。

    場面別・断り方の要点

    場面伝える相手伝えるタイミング伝える内容の芯
    連絡が多い担当者負担に感じた時点連絡の手段と時間帯を限定したい
    紹介された求人を断る担当者届いてすぐ合わない条件を1つ挙げる
    面談を断る担当者日程調整の返信で面談は受けず求人情報だけ受け取りたい
    応募・面接を辞退する担当者(直接応募なら施設)面接日より前選考を辞退する
    内定を辞退する(承諾前)担当者、そのあと施設回答期限内今回は辞退する
    内定を辞退する(承諾後)担当者、そのあと施設決めた当日辞退の意思と、決めた時期
    転職活動そのものをやめる担当者決めた時点転職活動を終了した

    断るときの基本

    場面が変わっても、断りを伝えるときの組み立ては変わりません。

    断るときの基本

    1
    結論を先に置く
    1文目で結論を言い切る。
    「今回は辞退させていただきます」
    2
    理由は一つに絞る
    代案の余地が残らないものを1つだけ。
    「通勤時間が条件に合わないため」
    3
    次の対応を添える
    次の行動を指定する。
    「今後の求人のご紹介は不要です」

    理由を細かく説明するほど、担当者は代案を出しやすくなります。「夜勤が難しい」で足りるところに家庭の事情まで書き添えると、条件を調整した求人が返ってくることがあります。伝える理由は、代案の余地が残らないものを一つだけ選ぶのが実際的です。

    返信を保留すると再度の連絡が続きます。断ると決めた時点で返すのが、結果としてやり取りの回数を減らします。

    連絡の頻度や手段を変えてほしいとき

    電話が負担であれば、連絡手段をメールやメッセージに限定したい旨と、連絡を受けられる時間帯を具体的に伝えます。「なるべく少なく」ではなく「週1回まで」「平日18時以降のみ」と数量や時間で示すと、認識のずれが起きにくくなります。

    登録時に伝えた電話番号やメールアドレスも個人情報です。厚生労働省の指針では、事業者は個人情報の管理のために講じている措置について、求職者から求められれば説明しなければならないとされています。連絡先がどう使われているのかが気になる場合は、説明を求められます。

    • 連絡手段を一つに絞る(メールのみ、アプリのメッセージのみ)
    • 連絡可能な時間帯を指定する
    • 求人の紹介を止め、こちらから相談するときだけ連絡する形に変える

    紹介された求人を断るとき

    合わない点を一つ挙げて断ると、次に届く求人が絞られます。「通勤1時間以内」「日勤のみ」のように条件で返すと、担当者の側でも対象を外しやすくなります。

    紹介そのものを止めたい場合は、個別の求人への返答ではなく「求人の紹介は不要です」と切り分けて伝える必要があります。一件ずつ断っていると、断りの返信が次の紹介のきっかけになり、やり取りが終わりません。

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    面談を断るとき

    登録は面談を受ける約束ではありません。日程調整の連絡に対して、面談は希望せず、求人情報の受け取りだけを希望すると返せば足ります。

    情報収集の段階で、まだ転職の意思が固まっていないという事情であれば、そのまま伝えて構いません。時期が決まっていない求職者に何度も面談を打診するのは事業者側にとっても効率が悪く、伝えたほうが連絡は落ち着きます。

    応募・面接を辞退するとき

    選考が始まると、施設側が面接官の予定を押さえ、書類を回す段階に入ります。辞退を決めたら、面接日より前に、できるだけ早く伝えるのが基本です。

    伝える相手は応募の経路で決まります。転職サイトの担当者を通じて応募したなら担当者へ、自分で直接応募したなら施設の採用窓口へ連絡します。面接前日や当日に決まった場合は、メールだけで済ませず電話を入れておくと確実です。

    内定を辞退するとき

    内定の連絡を受けたあとに辞退する場合も、期限内であれば承諾しない旨を返すだけで手続きは終わります。承諾したあとに辞退することもできますが、扱いが変わるため、次の章でまとめて説明します。

    転職活動そのものをやめるとき

    現職に残ることにした、転職の時期を先に延ばした、といった場合は、「転職活動を終了した」と明確に伝えるのがもっとも連絡が止まりやすい伝え方です。「しばらく様子を見ます」と濁すと、数か月後に再開の確認が入ります。

    ただし、活動の終了を伝えることと、登録の退会や個人情報の取り扱いは別の手続きです。この違いは連絡が止まらない原因になりやすいので、あとの章で詳しく取り上げます。

    参考:厚生労働省「職業紹介事業者、求人者、労働者の募集を行う者、募集受託者、募集情報等提供事業を行う者、労働者供給事業者、労働者供給を受けようとする者等がその責務等に関して適切に対処するための指針」

    内定辞退の扱い

    採用担当者が面接の履歴書を確認している様子

    内定辞退は、承諾する前と後で位置づけが変わります。

    承諾後であっても辞退できないわけではありませんが、入職日が近づくほど施設側の準備が進み、影響も大きくなります。

    承諾前・承諾後で何が変わるか

    承諾前

    労働契約の状態

    まだ成立していないと考えられる

    辞退の手続き

    回答期限内に辞退する旨を返答すれば終わる

    伝える速さの重み

    他が決まった時点で伝えれば、施設は次の候補者へ進める

    承諾後

    労働契約の状態

    成立したと解される

    辞退の手続き

    労働者側からの契約の解約の申入れにあたると考えられる

    伝える速さの重み

    入職日が近いほどシフトや人員配置への影響が大きくなる

    承諾前の辞退

    内定の通知を受けた段階では、まだ労働契約は成立していないと考えられます。返答の期限が示されているのが通常なので、期限内に「今回は辞退します」と返答すれば手続きは終わります

    複数の施設を並行して受けている場合、他が決まった時点で残りに連絡すると、施設側は次の候補者へ進めます。返答を期限ぎりぎりまで引き延ばすより、決まった段階で伝えるほうが双方の負担が小さくなります。

    承諾後の辞退

    内定を承諾した時点で労働契約が成立したと解されるため、辞退は労働者側からの契約の解約にあたると考えられています。民法第627条第1項は、期間の定めのない雇用について各当事者はいつでも解約の申入れができ、申入れの日から2週間を経過することによって雇用は終了すると定めています。

    民法
    第627条 第1項
    期間の定めのない雇用の解約の申入れ
    「当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。」
    2
    週間で終了
    ※実際の扱いは個別の事情により判断が分かれる

    もっとも、実際の判断は個別の事情によって分かれます。入職日の直前に辞退すればシフトや人員配置の組み直しが必要になりますし、すでに引き継ぎや手続きが進んでいることもあります。

    損害賠償を求められるかどうかも、状況によって評価が変わる部分です。

    承諾後の辞退で不安がある場合は、各都道府県の労働局や労働基準監督署内に置かれた総合労働相談コーナーに相談できます。内定通知、承諾の返信、労働条件の通知といった記録を手元にそろえてから相談すると話が早く進みます。

    いずれにしても、決断から連絡までの間隔が短いほど、施設側に立て直しの余地が残ります。

    伝えるときの順序

    転職サイトの担当者を通じて応募した場合は、担当者へ先に伝えるのが実務上の流れです。施設と事業者の間で入職日や条件の調整が進んでいるため、担当者を飛ばして施設に直接連絡すると、情報が二重になって確認の連絡が増えます。

    自分で直接応募した場合は、施設の採用担当へ直接連絡します。どちらの場合も、まず電話で伝え、そのあとメールで同じ内容を送って記録を残しておくと、後から経緯を確認しやすくなります。

    転職活動するなら?

    参考:e-Gov法令検索「民法」厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」

    改善しない場合の対処

    険しい表情で電話に対応する看護師

    伝えても連絡が止まらない、担当者との相性が合わない、という状態が続く場合は、同じ相手に同じ依頼を繰り返しても状況は変わりにくくなります。

    担当者の変更、退会と個人情報の手続き、公的な窓口という順に、対処の幅を広げていきます。

    対処の進め方

    段階1
    担当者に直接伝える(連絡の手段・頻度、紹介の停止を伝える)
    改善しない場合
    段階2
    担当者を経由しない窓口へ申し出る(問い合わせフォーム、カスタマーサポート)
    改善しない場合
    段階3
    退会の手続きをし、あわせて個人情報の利用停止・消去を請求する
    それでも連絡が続く場合
    段階4
    都道府県労働局の需給調整事業担当部署に相談する

    担当者の変更を申し出る

    担当者本人に伝えづらい場合は、問い合わせフォームやカスタマーサポートなど、担当者を経由しない窓口から申し出る方法があります。

    前述のとおり、有料職業紹介事業者は事業所ごとに職業紹介責任者を選任し、求職者から申し出のあった苦情の処理を統括管理させなければなりません。担当者個人との相性の問題としてではなく、事業者に対する申し出として伝えると、社内で扱う部署が変わります。

    申し出るときは、連絡の頻度や日時など事実を具体的に書き添えると、事業者側も状況を確認しやすくなります。

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    退会と個人情報の取り扱い

    退会の手続きをしても連絡が続く、という相談は珍しくありません。これはサービスの退会と、登録した個人情報の取り扱いが別の手続きだからです。

    厚生労働省の指針では、事業者が講じるべき措置として「収集目的に照らして保管する必要がなくなった個人情報を破棄又は削除するための措置」が挙げられています。さらに個人情報の保護に関する法律第35条第5項は、事業者がその個人データを利用する必要がなくなった場合などに、本人が利用の停止・消去や第三者提供の停止を請求できると定めています。

    「退会」と「個人情報の利用停止・消去の請求」の違い

    観点退会個人情報の利用停止・消去の請求
    何をする手続きかサービスの利用をやめる事業者が持っている自分のデータの利用停止・消去などを求める
    申し出る先各社のマイページや退会フォーム各社が定める開示等の請求の受付窓口
    手続きの決め方各社の利用規約で決まる法律で請求できる権利として定められている
    起きること求人紹介のサービスが終了する請求に理由があると判明すれば利用停止等が行われる
    関連法令
    個人情報の保護に関する法律 第35条第5項(利用停止等)
    「本人は、個人情報取扱事業者に対し、当該本人が識別される保有個人データを当該個人情報取扱事業者が利用する必要がなくなった場合、(中略)その他当該本人が識別される保有個人データの取扱いにより当該本人の権利又は正当な利益が害されるおそれがある場合には、当該保有個人データの利用停止等又は第三者への提供の停止を請求することができる。」
    第35条第6項
    利用停止等に多額の費用を要するなど対応が難しい場合は、本人の権利利益を保護するための代わりの措置をとればよいとされている
    第35条第7項
    事業者は、対応した場合も対応しない旨を決定した場合も、その結果を本人へ遅滞なく通知しなければならない

    同法第35条第6項には、利用停止等に多額の費用を要するなど対応が難しい場合には、本人の権利利益を保護するための代わりの措置をとればよいとする例外も置かれています。

    請求すれば必ず即座に削除される、というものではありません。一方で同条第7項により、事業者は請求への対応の結果を本人へ遅滞なく通知しなければなりません

    請求の受付方法は事業者ごとに定められているため、まずは各社のプライバシーポリシーや問い合わせ窓口で手順を確認する形になります。

    公的な相談・苦情の窓口

    事業者に伝えても改善しない場合、職業紹介事業に関する相談や苦情は各都道府県労働局の需給調整事業担当部署で受け付けられています。有料職業紹介事業は厚生労働大臣の許可を受けて行う事業で、その指導監督を担う部署が労働局に置かれているためです。

    部署の名称は労働局によって需給調整事業部、需給調整事業課、職業安定部指導官などと異なります。厚生労働省が都道府県別の担当窓口一覧を公開しているので、相談前に自分の地域の部署名と連絡先を確認すると行き違いがありません。

    個人情報の取り扱いについての相談であれば、個人情報保護委員会が設けている個人情報保護法相談ダイヤルという別の窓口もあります。内容に応じて使い分けるのが無難です。

    職業紹介そのものについて

    相談できる内容

    紹介や連絡のしかた、事業者の対応など職業紹介事業に関する相談・苦情

    窓口

    各都道府県労働局の需給調整事業担当部署

    窓口を探すときのポイント

    部署の名称は労働局によって異なる(需給調整事業部/需給調整事業課/職業安定部指導官など)

    個人情報の取り扱いについて

    相談できる内容

    登録した個人情報の利用停止・消去など、個人情報の取り扱いに関する相談

    窓口

    個人情報保護委員会の個人情報保護法相談ダイヤル

    窓口を探すときのポイント

    退会の手続きとは別の相談先として使い分ける

    参考:e-Gov法令検索「個人情報の保護に関する法律」厚生労働省「需給調整事業関係業務担当窓口一覧」

    転職サイトを使わない求人の探し方

    求人票とペンが置かれた机

    担当者とのやり取り自体が負担になっているなら、担当者がつかない探し方に切り替える選択肢があります。

    厚生労働省の令和2年転職者実態調査によると、転職活動の方法(複数回答)は求人サイト・求人情報専門誌等が39.4%、ハローワーク等の公的機関が34.3%で、民間の職業紹介機関の14.8%を上回っています。

    転職活動の方法(複数回答)
    求人サイト・求人情報専門誌・新聞・チラシ等
    39.4%
    ハローワーク等の公的機関
    34.3%
    縁故(知人、友人等)
    26.8%
    企業のホームページ
    15.1%
    民間の職業紹介機関
    14.8%
    その他
    8.5%
    出向・前の会社の斡旋
    7.0%
    企業訪問
    2.5%

    複数回答のため合計は100%を超える

    都道府県ナースセンター

    ナースセンターは、看護師等の人材確保の促進に関する法律に基づいて都道府県ごとに一個に限り指定される機関です(同法第14条第1項)。同条第2項により、職業安定法第33条第1項の許可を受けて無料の職業紹介事業を行う者でなければ指定できないと定められていて、無料であることが指定の要件そのものになっています。

    同法第15条は、無料職業紹介のほか、看護師等への情報提供・相談・援助、研修などをナースセンターの業務として挙げています。eナースセンターからインターネットで求職登録ができ、都道府県の看護協会が窓口になります。

    ハローワーク

    公共職業安定所は全国にネットワークがあり、看護師の求人も扱っています。ハローワークインターネットサービスで求人情報を検索でき、登録しなくても閲覧はできます。

    求人票に載る労働条件は、施設が公共職業安定所へ申し込んだ内容です。担当者からの紹介を受けるかどうかも、自分のタイミングで決められます。

    医療キャリアナビ掲載求人データ(2026年時点)
    • 正看護師の掲載求人は9,633件
    • 就業先の内訳(件数上位):訪問看護2,535件/クリニック2,384件/病院1,368件
    • 正社員求人の月給の中央値は292,000円
    キャリアパートナー

    施設への直接応募

    気になる病院や施設が決まっている場合は、採用ページから直接応募する方法があります。間に事業者が入らないため、紹介手数料も発生しません。施設によっては、自法人の採用ページにだけ求人を出していることもあります。

    一方で、応募書類の準備から日程調整、条件の確認まですべて自分で進めることになります。在職中で時間が取りにくい時期には負担が大きくなる点は考えておきたいところです。

    掲載型の求人サイト

    求人情報を掲載するだけで、担当者による紹介やあっせんを行わないサービスもあります。これは職業紹介事業ではなく募集情報等提供事業にあたり、応募先とのやり取りは自分で進める形になります。

    この形の事業者にも、職業安定法第43条の7で求職者などから申し出のあった苦情を適切かつ迅速に処理する義務と、そのための体制整備の義務が課されています。担当者がつかないぶん自分のペースで動ける一方、条件の交渉や日程調整を代わってくれる相手はいません。

    4つの探し方の比較

    探し方 相談できる担当者 費用 扱う求人 入口
    都道府県ナースセンター 都道府県看護協会の窓口に相談できる 無料(法律上、無料の職業紹介を行う者でなければ指定できない) 看護職向けの求人 eナースセンター、各都道府県のナースセンター
    ハローワーク 窓口で相談できる 無料 全職種(看護師の求人も扱う) ハローワークインターネットサービス、最寄りの公共職業安定所
    施設への直接応募 つかない 無料(紹介手数料も発生しない) その施設の求人のみ 施設の採用ページ
    掲載型の求人サイト つかない(募集情報等提供事業にあたる) 無料 サイトに掲載されている求人 各サイト

    参考:厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況」e-Gov法令検索「看護師等の人材確保の促進に関する法律」

    まとめ

    転職サイトの連絡や紹介を断ることは、制度の上で想定された行為です。

    求職者から手数料を徴収してはならないと職業安定法に定められ、苦情の処理は事業者が明示すべき項目にも、職業紹介責任者が統括管理すべき事項にも入っています。引け目を感じる必要はありません。

    この記事の要点


    • 費用は求人側の負担で、看護師が手数料を払うことはない
    • 断るときは、結論を先に、理由は一つ、次にどうしてほしいかを添える
    • 内定は承諾の前後で扱いが変わる。迷うときは総合労働相談コーナーへ
    • 退会と個人情報の利用停止・消去の請求は別の手続き
    • 改善しない場合は都道府県労働局の需給調整事業担当部署に相談できる

    連絡そのものが負担になっているなら、ナースセンターやハローワーク、施設への直接応募といった、担当者がつかない探し方に切り替える手もあります。まずは今の状況を止めるところから、伝えられる相手に伝えてみましょう。

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