体位の種類一覧|臥位・座位・立位の特徴と体位交換のポイント
体位は、からだと重力の関係によって大きく「臥位」「座位」「立位」の3つに分類されます。同じ臥位でも、仰向けか横向きかで圧のかかる部位は大きく変わり、同じ座位でも上半身の角度によって呼吸のしやすさや循環への影響が異なります。
代表的な体位の特徴と褥瘡の好発部位についてまとめました。
臥位
臥位は、からだを横たえた姿勢の総称です。支持面が広く安楽である一方、長時間同じ姿勢が続くと骨が突出した部位に圧が集中し、褥瘡の原因になります。
仰臥位・背臥位

背中を下にして水平に寝た姿勢で、もっとも基本的な体位です。支持面が広く全身の力が抜けやすいため安楽が得られやすく、診察や処置、安静時に広く用いられます。
一方で、臥床が続くと横隔膜の動きが制限されて呼吸がしにくくなることや、仙骨部への圧が集中しやすいことに注意が必要です。
褥瘡ができやすい部位
側臥位・横臥位

からだの片側を下にした横向きの姿勢です。左側を下にすれば左側臥位、右側を下にすれば右側臥位と呼びます。背部の観察や清拭、寝衣交換、浣腸(左側臥位)などの場面で用いられ、嘔吐時には誤嚥を防ぐ姿勢としても選択されます。
支持面が狭く不安定になりやすいため、背部や下肢の間に枕を入れて姿勢を安定させます。
褥瘡ができやすい部位
半側臥位

仰臥位と側臥位の中間にあたる姿勢で、背部に枕やクッションを入れてからだを30度ほど傾けたものを「30度側臥位」といいます。
骨の突出した仙骨部や大転子部ではなく、脂肪や筋肉のある殿筋で体重を支えられるため、褥瘡予防の体位として広く用いられます。
圧が分散される部位と褥瘡ができやすい部位
腹臥位

うつ伏せの姿勢です。背面の除圧ができるほか、背側の肺への換気と血流のバランスが改善するため、呼吸状態の改善を目的とした「腹臥位療法」としても行われます。
顔の向きや胸腹部の圧迫、気道・ルート類の屈曲に注意が必要で、実施には複数名での介助が基本となります。
褥瘡ができやすい部位
座位
座位は、上半身を起こした姿勢の総称です。上半身の角度によって呼びかたが変わり、食事や離床、呼吸を楽にする目的などで使い分けられます。
臥位に比べて支持面が狭く、ずり落ちや転倒のリスクがあるため、支えかたと観察が重要です。
端座位

ベッドの端に腰かけ、両足を床に下ろした姿勢です。移乗や歩行の前段階、食事、清拭、リハビリなど、離床の起点となる基本の姿勢です。
長座位

両下肢を前に伸ばしたまま、上体を約90度に起こして座る姿勢です。ベッド上での食事や整容などで用いられます。
上体を深く起こすため、仙骨部や尾骨部に圧とずれ力が集中しやすく、長時間の保持には向きません。
ファーラー位・半座位

ベッドの頭側を上げ、上半身を約45度挙上した姿勢です。横隔膜が下がって胸郭が広がるため呼吸が楽になり、食事や経管栄養の際には誤嚥の予防にもつながります。
一方で、からだが足側へずり落ちることで仙骨部にずれ力が生じやすく、褥瘡のリスクが高い体位でもあります。
褥瘡ができやすい部位
セミファーラー位

上半身を15〜30度ほど挙上した、ファーラー位よりゆるやかな姿勢です。頭側挙上の角度が小さいぶんずれ力が生じにくく、誤嚥の予防や軽度の呼吸困難への対応、経管栄養後の姿勢保持などに用いられます。
褥瘡予防の観点からは、頭側挙上は30度以下とすることが多いです。
褥瘡ができやすい部位
起座位

上半身を起こしたうえで、オーバーテーブルに枕やクッションを置き、前傾してもたれかかる姿勢です。横隔膜が下がって胸郭が広がり、静脈還流量が減って肺うっ血が軽くなるため、心不全や気管支喘息の発作時など、呼吸困難のある方が自然にとる姿勢でもあります。
安楽に保てるよう、テーブルの高さと枕の厚みを調整します。
立位
立位は、からだを起こして足で体重を支えた姿勢です。歩行などの動作につながる基本的な姿勢である一方、臥位に比べて支持面が狭く重心が高いため、姿勢を保つには筋力やバランス能力が必要になります。
立位

両足で床に立った姿勢です。移乗や歩行、トイレ動作の起点となり、日常生活動作(ADL)を支える基本の姿勢です。
支持基底面がもっとも狭く重心が高いため、体位のなかでは最も不安定で、転倒のリスクが高くなります。
体位交換を行う際のポイント
体位交換(体位変換)は、同じ部位に圧が加わり続けるのを防ぎ、褥瘡や関節拘縮、沈下性肺炎を予防するために行います。実施の流れとあわせて、押さえておきたいポイントを確認しましょう。
- 点滴・ドレーン・カテーテル類の位置と長さを確認し、抜けや屈曲を防ぐ
- ベッドの高さを介助者の腰の高さに合わせ、ベッド柵を利用して安全を確保する
- 腕を胸の前で組む、膝を立てるなど、患者さんのからだを小さくまとめる
- 支持基底面を広くとり、重心を低くして、水平に引くように移動する
- 体位変換後に背抜き・圧抜きを行い、寝衣やシーツのしわを伸ばす
- 骨突出部の発赤や皮膚の状態、表情や呼吸状態を観察して記録する
実施の間隔は原則2時間ごとが目安ですが、体圧分散マットレスを使用している場合は4時間以内であってもよいとされています。
患者さんの皮膚の状態やリスクに応じて、施設の基準に沿って判断します。
印刷して活用しよう
臥位・座位・立位それぞれの体位と褥瘡好発部位を1枚にまとめた早見表です。印刷して、ナースステーションや実習・研修時の確認用にご活用ください。下のフォームから無料でダウンロードできます。
体位の種類
仰臥位・側臥位・ファーラー位など、臥位・座位・立位の代表的な体位と褥瘡好発部位を1枚にまとめた早見表です。