副腎皮質の3層|覚え方と各ホルモンの働き

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副腎皮質とは

副腎は左右の腎臓の上にのった三角形の小さな内分泌器官で、外側の「皮質」と内側の「髄質」という由来の異なる2つの部分から成り立っています。

皮質は中胚葉由来でステロイドホルモンを分泌し、髄質は神経由来でカテコールアミンを分泌します。

このうち副腎皮質は、さらに外側から球状層・束状層・網状層の3層に分かれています。

層ごとに分泌するホルモンが決まっているため、「どの層から何が出るか」を押さえることが理解の出発点になります。

3層の覚え方「球・束・網」

副腎皮質の3層は、外側から球状層 → 束状層 → 網状層の順に並んでいます。

「球・束・網(きゅう・そく・もう)」と声に出して覚え、そこに対応するホルモンを重ねていくのが定番の覚え方です。

球(球状層) 束(束状層) 網(網状層)
球状層 → 鉱質コルチコイド(アルドステロン)
束状層 → 糖質コルチコイド(コルチゾール)
網状層 → 副腎アンドロゲン(DHEA・テストステロン)

「球・束・網」の頭文字と「鉱質・糖質・アンドロゲン」を並べて覚えるのがポイントです。

外側の2層はどちらも「コルチコイド」という名前なので、外側が電解質(鉱質)、その内側が糖(糖質)と結びつけると取り違えにくくなります。

副腎皮質の3層と分泌ホルモン

層(外側→内側)分泌するホルモン主な働き
球状層(最外層)鉱質コルチコイド(アルドステロン)Na再吸収・K排泄を促し、血圧・体液量を調節する
束状層(中間層)糖質コルチコイド(コルチゾール)血糖上昇・抗炎症・免疫抑制・ストレス応答
網状層(最内層)副腎アンドロゲン(DHEA・テストステロン)男性化作用・タンパク同化作用
ポイント

束状層から分泌されるコルチゾールは、視床下部(CRH)→下垂体前葉(ACTH)→副腎皮質(コルチゾール)という経路で調節されます。コルチゾールが増えるとACTHの分泌が抑制される「負のフィードバック」が働きます。ステロイド薬はこのコルチゾールの合成版で、長期使用で副腎皮質の萎縮が起きることがあります。

3つの中でも臨床で登場する機会が最も多いのは、束状層から分泌されるコルチゾールです。

血糖・血圧・免疫・ストレス応答と幅広く関わり、後述するステロイド薬やクッシング症候群とも直結します。

副腎皮質と副腎髄質の違い

副腎の内側にある髄質は、皮質とはまったく別のホルモンを分泌します。同じ副腎でも「皮質はステロイド、髄質はカテコールアミン」と切り分けて覚えます。

部位分泌するホルモン主な働き
副腎皮質(外側の3層)鉱質コルチコイド・糖質コルチコイド・アンドロゲン体液調節・代謝・性ホルモン
副腎髄質(内側)アドレナリン・ノルアドレナリン交感神経系の作用(心拍増加・血圧上昇・血糖上昇)

髄質のホルモンが過剰になる代表的な疾患が褐色細胞腫で、高血圧・頭痛・発汗・高血糖などをきたします。皮質由来の疾患と混同しやすいため、「カテコールアミン過剰なら髄質」と整理しておくと判別しやすくなります。

分泌異常と主な疾患

各ホルモンが過剰・不足になると、どんな疾患や症状が起こるのかを整理します。国家試験でも臨床でも頻出の組み合わせです。

ホルモン過剰による疾患不足による疾患
アルドステロン(鉱質コルチコイド)原発性アルドステロン症(コン症候群)
高血圧・低カリウム血症
アジソン病(副腎皮質機能低下症)
低血圧・高カリウム血症
コルチゾール(糖質コルチコイド)クッシング症候群
満月様顔貌・中心性肥満・高血糖
アジソン病
倦怠感・低血糖・低血圧
副腎アンドロゲン先天性副腎過形成
女児の男性化・性早熟
まれ(性欲低下・体毛減少)
注意

ステロイド薬(プレドニゾロン・デキサメタゾンなど)は糖質コルチコイドの合成版です。長期投与により副腎皮質が萎縮し、突然の中断で副腎クリーゼ(急性副腎不全)を起こすことがあります。ステロイドを使用中の患者さんは、自己中断しないよう指導することが大切です。

ステロイド薬と副腎皮質の関係

臨床で使われるステロイド薬(プレドニゾロン、デキサメタゾンなど)は、束状層から分泌される糖質コルチコイドの合成版です。

外から糖質コルチコイドが入ってくると負のフィードバックが働き、ACTHの分泌が抑えられて副腎皮質が萎縮していきます。

  • 長期投与中の患者さんが自己判断で中断すると、副腎クリーゼ(急性副腎不全)を起こすことがある
  • 中止する場合は医師の指示のもとで徐々に減量する(漸減)
  • 自己中断しないよう、内服を続ける意味と中断の危険性をあわせて説明する
  • 糖質コルチコイドの作用から、高血糖・感染症・骨密度低下・不眠などの副作用に注意する

印刷して活用しよう

副腎皮質の3層は、層・ホルモン・働き・分泌異常を1枚で見比べられる形にしておくと記憶に残りやすくなります。

下記のフォームから、3層のホルモン一覧・分泌異常・副腎髄質との違いを1枚にまとめた資料を無料でダウンロードできます。印刷して手元に置いたり、ノートに貼って使ってください。

副腎皮質の3層

副腎皮質の3層

副腎皮質3層(球状層・束状層・網状層)が分泌するホルモンと主な働き、過剰・不足で起こる疾患、副腎髄質との違いを1枚にまとめた早見表です。

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