公務員は夏・冬にボーナスがそれぞれ約2か月分支給されることが多いため、33.2万円×16か月で計算すると年収は約531万円となります。
作業療法士が公務員になるには?気になる年収はどれくらい?
医療専門職として活躍する作業療法士(OT)の中でも、公務員として働くことを検討している方は少なくありません。
公務員OTは安定した収入と充実した福利厚生が魅力的なため、非常に人気が高いです。
実際に公務員OTになるにはどのような試験に合格する必要があるのか、そして具体的な年収はどれくらいなのでしょうか?
本記事では、OTが公務員を目指す際に知っておきたい情報を詳しく解説していきます!
公務員OTになるには?
公務員OTになるためには、各地方自治体の公務員試験に合格する必要があります。
応募が完了し書類審査を通過した後、面接や学科試験、作文試験、適性検査、SPIなどが課されるのが一般的です。
公務員OTになるまでの流れ
応募の時期は決まっておらず、採用枠がでたら不定期で募集を開始することがほとんどです。
気になるところがあれば定期的に都道府県や市区町村の募集状況を確認しましょう。
公務員OTになったらどこで働く?
公務員OTとして働けるところはいくつかあります。
それぞれの特徴を確認していきましょう。
公立病院
公立病院は、都道府県・市区町村が運営する地域の中核病院です。
一般的な診療から救急医療まで幅広く対応しており、地域の医療ニーズに応じたサービスを提供しています。
原則として転勤がなく、家庭を持っている方でもワークライフバランスが取りやすいという特徴があります。
OTの業務内容自体は一般的な病院と変わりありません。
国立病院
国立病院は、独立行政法人国立病院機構が運営する病院です。
給与形態は公務員と変わりありませんが、厳密には準公務員(みなし公務員)として勤務することになります。
高度専門医療の提供、臨床研究や治験の実施、政策医療(難病・がん等)の中心的役割を果たしており、キャリアアップの面でも魅力的な職場といえます。
キャリアアップを目的とした人事異動があり、数年に1度転勤があります。
公立病院と同じく、OTの業務内容自体は一般的な病院と変わりありません。
行政機関(保健所・保健センター)
保健所や保健センターなどの行政機関で働くOTも公務員となります。
呼び方はさまざまですが、健康推進課、生活保険課、障害福祉課などの部署で働くのが一般的です。
臨床業務を行うわけではなく、地域住民の健康・生活に関するサポートや相談、福祉サービスの利用支援、予防活動の企画・実施、地域リハの推進などが業務内容となります。
就労支援施設
都道府県や市区町村が管轄の就労支援施設で働く場合も、公務員扱いとなります。
就労支援とは、障がいなど何らかの理由により働くことが難しい方が安定して働けるよう支援することをいいます。
OTの視点を持って職業訓練に携わったり、働く能力を評価したり、働き先を紹介したりする活動を行います。
公務員OTの年収は?
多くのOTが気になる年収について、具体的な数字を見ていきましょう。
OTを含む医療技術職の公務員の給料は、令和5年度の調査で33.2万円と発表されています。
公務員の給与は、職種別の給料表に基づき、役職に応じて変わる等級(1級、2級、3級…)と経験年数や年齢に応じて変わる号俸(1、2、3…)で計算されます。
そのため、長く勤めれば勤めるほど給与は安定して上がっていきます。
公務員OTのメリット
収入が安定している
公務員OTは、公務員の給与体系により確実な昇給が期待できます。
また、ボーナスも年2回の支給が確実で、長期的な生活設計が立てやすいです。
福利厚生が充実している
公務員として働く職場は、福利厚生が充実しているところが多いです。
地域手当や期末手当、勤勉手当などの手当が充実している、特別休暇の制度が整っている、退職金制度があるなどが代表的です。
公的医療保険・年金もあるので、一般病院に勤務している場合と比較して医療費の自己負担が少なくなったり、3階部分の年金積立もあります。
社会的信用が高い
公務員という立場は、地方自治体や国家から身分を保証されているため、社会的信用が高いです。
クレジットカードや住宅ローンの審査、各種契約時に有利に働くことが多いです。
公務員OTのデメリット
年功序列で評価される
公務員の世界は、いまだに年功序列の風潮が根強く残っているため、能力や実績よりも、勤続年数が重視される傾向にあります。
実力に見合った評価をしてほしい方や若いうちから役職を上げて活躍したいという方には向いていない可能性があります。
副業ができない
公務員は副業が認められないため、収入面での柔軟性は限られます。
ただし、講演や研究活動など、一部の学術的活動については許可される場合もあります。
公務員OTを目指す前に確認しておくこと
公務員OTを目指す前に、以下のことを確認しておきましょう。
公務員OTの募集は不定期なので、一般病院への就職・転職と比較して入社時期の調整がしにくいです。
そのため、内定を貰ってから入社まで期間が空いてしまわないか、今の職場を退職するのにどれくらいの期間が必要か確認しておく必要があります。
また公務員OTの一番のメリットは、安定した収入が得られるところです。
数年で転職するつもりなら、公務員OTのメリットはそこまで得られないため、どのくらいそこで勤めるつもりでいるのか将来の見通しを立てておきましょう。
同様に訪問リハに興味が出てきた、デイサービスで働いてみたくなったなど自分の興味・関心が変わったときに、経験年数を積み上げてきた公務員OTをやめる覚悟を持てない方も多いです。
長く勤めれば勤めるほど、心理的問題で転職しにくくなることはあらかじめ想定しておきましょう。
若手のうちは給与が低く、自分の仕事の出来に関係なく年功序列で評価されることに嫌気が差してしまう方もいるので、そのような時期を根気強く乗り越えられる性格かどうかも、公務員OTになる上で重要な要素だといえます。
この部分も公務員OTになる前の確認ポイントです。
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