言語聴覚士に英語スキルは必要?活用シーンと知っておくべき英単語

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言語聴覚士として臨床現場で働いていると、こんなときに英語が話せたら…!と思う瞬間ってありませんか?

そのような経験がなくても、「STに英語スキルは必要なのだろうか?」「どんな場面で英語が役立つのだろう?」と疑問に思う言語聴覚士の方は多いと思います。

今日のグローバル社会において、英語の重要性は医療分野でも例外ではありません。

日本国内におけるインバウンドの増加や、海外の最新研究にアクセスする機会の拡大など、言語聴覚士の業務においても英語スキルが求められる場面が増えています。

しかし、日々の臨床業務に忙殺される中で、英語学習に時間を割くのは難しいと感じている方も多いでしょう。

「英語の必要性は理解しているが、何から始めればいいのか分からない。」「実際の臨床でどう活用できるのかを知りたい。」といった悩みを抱える言語聴覚士の方々も少なくありません。

そこで、英語学習へのモチベーション向上を目指し、言語聴覚士の業務における英語スキルの活用シーンと、すぐに役立つ英単語をご紹介します!

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言語聴覚士の業務における英語スキル活用シーン

外国人患者への対応時

言語聴覚士にとって、外国人患者さんへの対応は英語スキルが最も直接的に活きる場面です。

近年、インバウンドの増加に伴い、医療機関での外国人患者さんの受け入れ数も上昇傾向にあります。

外国人患者さんへの対応では、英語で症状の聴取、評価結果の説明、そして訓練指導を行う能力が求められます。

例えば…!

●「Could you explain your difficulty in swallowing?(嚥下の困難さについて説明していただけますか?)」
●「Now, let’s work on this speech exercise.(では、このスピーチ練習に取り組みましょう)」

昨今は、音声翻訳ツールやアプリの進化が著しく、英語が話せなくても、機械の翻訳してもらい伝えることが可能です。

一方で、このような基本フレーズを使いこなせれば、訓練の円滑な進行だけでなく、患者さんとの信頼関係構築にも大きく貢献します。

海外文献・論文の読解時

言語聴覚士の分野では、最新の治療技術や研究成果が英語で公開されることが多くあります。

英語スキルを持つことで、これらの情報にいち早くアクセスし、自身の臨床実践に取り入れることが可能になります。

英語の要約を理解する力があれば、効率的な情報収集が可能になります。

現在では機械翻訳の精度も向上していますが、英語スキルがあれば微妙なニュアンスの違いまで正確に把握できます。

すべての英単語を暗記するのは困難ですが、「methodology(研究方法)」「results(結果)」「conclusion(結論)」といった論文特有の用語に慣れていくことから始めてみると、理解度に大きな差が生まれていきます。

多職種間のコミュニケーション

医療現場では、医師、看護師、理学療法士など様々な専門職との連携が欠かせません。

こうした場面では、情報を簡潔かつ正確に伝達する能力が重要となり、特定の専門用語を英語で表現することが多くあります。

「アセスメント」という言葉を無意識に使用しているように、医療業界では(職種によっては)英語表現が一般的な用語や、簡潔な伝達のために英語化される用語が存在します。

経験の浅い段階では、専門用語が飛び交う状況に戸惑うこともあるでしょうが、日常業務の中にも英語スキルを活かせる機会が多くあることに気づくはずです。

カルテ記載時

先述のコミュニケーションと同様に、カルテを英語で記載する場面も少なくありません。

特に言語聴覚士は、言語機能や嚥下機能の評価結果を英語(または英語の略語)で記録することが一般的です。

これにより、カルテの整理が容易になるだけでなく、記載時間の短縮にもつながります。

例えば…!

●「MMSE: 25/30」(Mini-Mental State Examination: 25点/30点満点)
●「WAB-R AQ: 80.5」(Western Aphasia Battery-Revised Aphasia Quotient: 80.5)

このような記載をカルテで目にする機会は多いのではないでしょうか?

これはSTの評価結果の記載になりますが、医師や看護師が頻繁に使用している英語表現(英略語)を理解しておくことで、より効率的な情報共有やカルテ記載が可能になります。

言語聴覚士が知っておくべき英単語

言語聴覚士にとって有用な英単語・英語略語をカテゴリー別にまとめました!

言語機能と状態

・Aphasia – 失語症
・Dysarthria – 構音障害
・Dysphagia – 嚥下障害
・Fluency – 流暢性
・Articulation – 構音
・Phonation – 発声
・Cognition – 認知
・Memory – 記憶
・Attention – 注意
・Comprehension – 理解

●評価と診断

・SLTA (Standard Language Test of Aphasia) – 標準失語症検査
・WAB-R (Western Aphasia Battery-Revised) – ウェスタン失語症検査改訂版
・MMSE (Mini-Mental State Examination) – ミニメンタルステート検査
・VF (Videofluoroscopy) – 嚥下造影検査
・VE (Videoendoscopy) – 嚥下内視鏡検査
・GRBAS Scale – 音声障害の聴覚印象評価尺度

●解剖学的用語

・Larynx – 喉頭
・Pharynx – 咽頭
・Vocal cords – 声帯
・Tongue – 舌
・Palate – 口蓋
・Epiglottis – 喉頭蓋

●医学的状態と診断

・CVA (Cerebrovascular Accident) – 脳血管障害
・TBI (Traumatic Brain Injury) – 外傷性脳損傷
・PD (Parkinson’s Disease) – パーキンソン病
・ALS (Amyotrophic Lateral Sclerosis) – 筋萎縮性側索硬化症

●バイタルサイン

・BP (Blood Pressure) – 血圧
・HR (Heart Rate) – 心拍数
・RR (Respiratory Rate) – 呼吸数
・BT (Body Temperature) – 体温
・SpO2 (Saturation of Percutaneous Oxygen) – 経皮的動脈血酸素飽和度

まとめ

言語聴覚士にとって、英語スキルは様々な場面で役に立ちます。

外国人患者さんへの対応、海外の研究文献の理解、多職種との連携、そしてカルテ記載など、多岐にわたる状況で英語力が求められ、そのスキルを活かす機会があります。

特に言語機能や嚥下機能に関する専門用語の英語表現や略語を習得すること、さらに医師や看護師が日常的に使用する英語表現を理解することで、チーム医療における効果的なコミュニケーションが可能になります。

英語に苦手意識を持つ言語聴覚士の方々も、今後のキャリアに英語を活用したいと考える方々も、まずは少しずつ英語に親しむことから始めてみてはいかがでしょうか?

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