理学療法士(PT)が整形外科クリニックで働くということ

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理学療法士(PT)として、整形外科クリニックで働くことを考えたことはありませんか?

考えてはみたものの「興味はあるけれど、やっぱり病院の方がいいかな?」「整形外科で働いたら、今後脳血管疾患のリハができなくなるんじゃないか」など、悩みや不安もたくさんでてきますよね。

この記事では、自分が整形外科で働くのに向いているかどうか見極める、また整形外科で働き始めてから後悔しないために、PTが整形外科で求められることや注意しておくことを解説します!

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なぜ理学療法士は整形外科に興味を持つのか

理学療法士が整形外科に興味を持つ主な理由は、多くの場合、個人的な経験から生まれます。

理学療法士を目指すきっかけの多くは、学生時代に怪我をした経験からくるもので、必然的に整形外科の分野に興味・関心がある理学療法士が多いです。

スポーツ好きな理学療法士も多いため、アスリートのケアや競技復帰支援に携わるチャンスがある整形外科クリニックでの勤務は、理学療法士にとって魅力的に映るのです。

しかし、整形外科クリニックの採用人数や募集は病院と比べて少なく、若いうちは病院で様々な経験を積んでおきたいと考える理学療法士が多いことから、実際に整形外科クリニックでどのように働くのかイメージがつきにくいという声も聞きます。

実際のところ、病院と整形外科クリニックの違いにはどのようなものがあるのでしょうか?

整形外科クリニックの特徴と病院との違い

整形外科クリニックは、病院とは異なる独自の特徴を持っています。

まずは専門性の高さです。

整形外科クリニックは運動器疾患に特化していて、1回のリハビリの単位数が1~2単位という場合が多いので、短期間で多くの症例・患者数を経験できます。

対応する患者さんの年齢層も幅が広いです。

若い運動器疾患の患者さんは急性期以外では入院するケースが少ないので、病院勤務の場合、急性期病棟に勤めていないと関わる機会がほとんどありません。

整形外科クリニックでは、子供からお年寄りまで、様々な年齢の患者さんと関わることができます。

一方で、関わるメディカルスタッフは少ないという特徴もあります。

中には医師と看護師以外はまったく関わらない(そもそも職場にいない)という整形外科クリニックもあります。

その分、病院と比べてPTの意見が治療方針に反映されやすい環境であったり、書類業務やカンファレンスなどの会議・打ち合わせが少ないというメリットもあります。

では整形外科クリニックで働くとなった場合、理学療法士にはどのようなことが求められるでしょうか?

整形外科クリニックで理学療法士に求められること

時間管理とマルチタスク能力

整形外科クリニックで理学療法士に求められる重要なスキルは、時間管理とマルチタスク能力です。

整形外科クリニックでは、外来の患者さんを対応するため、予約管理からスケジュール調整まで自分で行わなくてはなりません。

病院であれば多少の予定変更はすぐに患者さんに伝えに行けますが、整形外科クリニックではそうはいきません。

また個人経営の整形外科クリニックが多いため、PT業務や臨床業務以外にも事務仕事や雑務など小さな業務がたくさんあります。

一つ一つの仕事は大したことがなくても、積み重なることで時間に追われたり、同時にこなす必要がでてくることもあります。

1回1回の治療で効果を出すこと

入院患者さんであればほぼ毎日リハビリに携われますが、外来の患者さんだと多くても週2回くらいとなります。

そのため、最終的にゴールとなる状態まで回復をサポートするだけではなく、1回1回の治療でいかに効果を実感してもらうかが非常に重要です。

効果を実感してもらえなければ、別の整形外科クリニックに移られてしまう可能性もあります。

入院患者さんへのリハビリのように長期的なプログラムを立てるだけでなく、即効性のある治療も必要になってきます。

経営視点

整形外科クリニックで働く理学療法士には、経営的視点も求められます。

これには、患者さんの満足度向上、効率的な予約管理と患者フロー、コスト意識と資源の有効活用、採用、そしてマーケティングへの貢献などが含まれます。

具体的には、患者さんの心理的ニーズにも配慮した質の高いケアの提供、待ち時間短縮やキャンセル率低減への取り組み、適切な治療頻度や期間の提案、治療機器や消耗品の効率的な使用・管理などです。

採用活動に携わる機会もあるでしょうし、現代ではSNSやホームページの更新などでマーケティングをしながら集客や整形外科クリニックの認知向上に取り組むことも多いです。

整形外科で働く際に理解しておくこと

運動器疾患以外の患者さんを診れない

整形外科クリニックで働く理学療法士は、運動器疾患の患者さんの対応がメインのため、他の分野の経験が限られます。

整形外科クリニックで働くということは、運動器疾患の専門性が高まる一方で、視野や臨床スキルの幅が狭まるリスクも伴います。

既往で神経疾患や内部障害を患っている患者さんと関わることはありますが、これらの分野の知識やスキルを維持するには、継続的な自己学習や外部研修への参加が重要となります。

時間に追われやすい環境

整形外科クリニックで働く理学療法士には、時間管理とマルチタスク能力が必要ということをお伝えしましたが、それは時間に追われやすい環境という意味でもあります。

クリニックの利益のために予約を確保すればするほど、対応する患者数は増えていき、臨床業務以外にかけられる時間が限られていきます。

整形外科クリニックは、部活終わりの学生や仕事終わりのサラリーマンも通えるように終業時間が遅く設定されていることがほとんどです。

そのため、スタッフが遅くまで残ってしまわないように残業を禁止にしているクリニックも多く、必然的に始業前の時間や昼休みの時間を使ってPT業務以外の雑務などをする必要がでてきます。

すると、常に何かしらの業務に追われ、時間に追われるという状況になってしまう可能性があります。

このように時間的制約によるストレスも大きいため、マインドフルネスや適切な息抜きの方法を身につけることも重要となってきます。

院長次第で働きやすさが変わる

整形外科クリニックでの働きやすさは、院長の方針や経営スタイルに大きく影響されます。

そのため、整形外科クリニックで働くときは、院長と馬が合うかどうかを重視したほうが転職後の後悔を減らすことができます。

クリニックの経営理念や経営方針が自身の価値観と一致しているかを確認することも重要です。

最後に

医療キャリアナビでも、実際に「整形外科で働きたい!」という希望がある理学療法士の方の転職サポートをさせていただく機会はとても多いです。

また、転職してみてから「拘束時間が長くて家庭との両立が難しくなった。」「院長と合わなくてストレスが溜まる。」など相談を受ける機会も多いので、事前にどのような整形外科クリニックなのか下調べすることが重要になります。

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