●休日:労働契約上、労働義務がない日
●休暇:労働義務がある日に、労働者の申請で労働が免除される日(年次有給休暇など)
年間休日の平均日数ってどれくらい?医療職の転職で失敗しない休日の選び方を解説
医療業界で転職を考える際、給与と並び重要視されるポイントのひとつが「年間休日数」です。
特に土日祝休みが当たり前ではなく、夜勤や当直、早番や遅番など不規則な勤務体制になりがちな医療職にとって、適切な休息は心身の健康維持に欠かせません。
しかし、年間休日には業界特有の違いがあり、どの程度の休日が適切なのかは少々わかりにくい部分も。
この記事では、医療職の方が転職する際に参考になる、年間休日の基礎知識や転職先選びのポイントについて詳しく解説します。
年間休日の定義とは?
年間休日とは、1年間(4月1日~翌年3月31日、または1月1日~12月31日)における休日の総数を指します。
労働基準法で定められた「法定休日」とそれ以外の「法定外休日」によって年間休日数が決まります。
法定外休日には、夏季休暇や年末年始休暇、その他企業が定めるバースデー休暇やリフレッシュ休暇、創立記念日なども含まれる場合もあるため、業界や職場によって大きな差が生じる場合もあります。
法律上の定め
労働基準法で定められている「法定休日」は、労働者に対して1週間に1日、または4週間に4日以上の休日を与えることが義務付けられています。
この基準を満たすことが「法定休日」と呼ばれ、最低限の基準となっています。
しかし、1年間≒52週間だからといって、年間休日の最低日数は52日とはなりません。
労働基準法では、週の労働時間の上限が40時間までと定められているので、1年間に働いていい時間は「365日÷7日×40時間≒2,085時間」となります。
2,085時間を1日の労働時間(8時間)で割って日数に換算すると、「2,085時間÷8時間≒260日」となるため、「365日―260日=105日」は最低でも年間休日として設ける必要があります。
ただし、1日の労働時間が8時間未満の場合などはこの条件に該当しないので注意しましょう。
正社員として1日8時間働く医療職の場合、最低の年間休日は105日となりますが、多くの医療機関ではこれより多くの休日が設けられており、「働き方改革」により休日数を増やす動きが広がりつつあります。
休日・休暇の違い
年間休日を把握する際に知っておくべきポイントとして、「休日」「休暇」の違いがあります。
ここでややこしいのが、夏季休暇や年末年始休暇の扱いです。
基本的に「年間休日120日」と記載されていたら、労働義務がない日=「休日」が120日と捉えることができますが、その中に夏季休暇や年末年始休暇も含まれているのが一般的です。
しかし、会社側によって夏季休暇の日が決まれれておらず、自分で好きな日に申請して休めるような場合だと、定義的には休日ではなく休暇扱いとなります。
この違いを理解しておくことで、転職先での休日制度をより正確に把握できるでしょう。
年間休日の平均日数は?
厚生労働省が出している令和5年就労条件総合調査の概況によると、平均年間休日数は110.7日となっています。
少し古いデータになりますが、平成30年就労条件総合調査の概況によると、医療職の平均年間休日数は109.4日でした。
医療業界における平均年間休日は施設の規模や種類によって異なりますが、一般平均よりも約1日少ないことがわかりました。
特に人数が少ない施設では休日数が少ない傾向にあったり、給与が少し高めに設定されている代わりに休日数を少なくしているケースなどもあるようです。
年間休日の計算
年間休日数として多いパターンには、以下の4種類があります。
125日パターン
完全週休2日制を採用し、祝日も全て休みの場合、土日休みが104日、祝日休みが16日で計120日となります。(正しくは土曜日と祝日が重なる日もあるため、120日よりは少なくなります。)
それにプラスして夏季休暇と年末年始休暇が数日設定されているケースが多く、医療職の中でも休日体系に恵まれた職場といえます。
120日パターン
125日パターンと近しい休日体系ですが、月に1回土曜日出勤があったり、夏季休暇や年末年始休暇の日数が少ないとトータルで120日前後の年間休日数となります。
110日パターン
週休2日制を採用していて、月の休日数が9日(2月は8日)と設定されている職場だと110日パターンになります。
夏季休暇や年末年始休暇が1~2日であったり、有給で取得することが前提の職場が多いです。
105日パターン
基本的には週休2日制ですが、最低年間休日数のため他の休暇はありません。
105日パターンだと1年間のうちで3連休を取れることはほとんどなく、取れた場合は他の週に6連勤して調整する働き方となります。
年間休日が多い求人の探し方
年間休日が多い職場は、医療職でも特に競争が激しく人気のある求人です。
年間休日が120日以上の職場を探す場合は、一工夫して根気よく探すことが重要です。
以下のポイントを意識して探してみましょう。
「年間休日120日以上」や「完全週休2日制」を条件に設定する
求人サイトには、年間休日120日以上、完全週休2日制などのフィルター機能が備わっていることが多いです。
これで絞り込みができれば、実質的な年間休日数がいくらかすぐに確認ができます。
注意点としては、年次有給休暇の年間最低取得日数(5日以上)を含めて120日という悪質な書き方をしている求人もあるので、そこは注意が必要です。
できれば、有給休暇の取得率もチェックしておきましょう。
福利厚生の欄も確認する
求人票の休日・休暇の欄ではなく、福利厚生の欄に夏季休暇や年末年始休暇の情報が記載されている場合もあります。
他にも企業独自の休暇制度が記載されていることがあります。
たとえ年間休日が110日と記載されていても、実際には120日以上となる場合があるので、福利厚生欄に記載されている休暇が年間休日に含まれているかどうかは必ず確認しましょう。
施設規模が大きい・従業員数が多いところを確認する
施設規模が大きかったり従業員数が多いところは、働き方改革が進んでいて年間休日数が多い傾向にあります。
また、シフト制勤務の場合でも希望休が通りやすかったり、有給の取得率が高いところも多いので、施設規模の大きさや従業員数の多さで探してみるのもおすすめです。
年間休日数が多くても希望が通らない職場だと働きやすいとは言えないので、年間休日数に加えて希望休の取りやすさを重視したい人はここを確認してみてください。
まとめ
医療職の平均年間休日数は109.4日です。
医療職は労働環境が厳しいため、休日数が法律上の最低基準である105日を大きく上回る職場が理想的です。
休日数が多い職場は、休息が適切に確保されやすく、心身の負担が軽減される傾向があるため、働きやすい職場環境の指標の一つとしても注目されます。
年間休日とは、1年間の休日の総数を指し、労働基準法で定められた「法定休日」とそれ以外の「法定外休日」によって構成されます。
夏季休暇や年末年始休暇は申請の有無によって法定休日か法定外休日か分かれるので、求人票や就業規則に記載されている年間休日数に含まれているのかどうか必ずチェックしましょう。
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