【柔道整復師を辞めたい】主な退職理由と辞めるか悩んだときにできること

柔道整復師としての仕事を続けることに悩みを抱えていたり、疑問を感じていませんか?
毎日の業務にやりがいを見出せなかったり、他の業界が羨ましく見えて「このまま続けていいのだろうか?」と悩んで退職を考える柔道整復師は非常に多いです。
現役で柔道整復師を続けている方の中にも、一度は退職を検討した時期があるのではないでしょうか?
この記事では柔道整復師が直面する退職理由と、辞めようか悩んだときやキャリアの転換点に立ったときの選択肢についてご紹介します!
柔道整復師の離職率

柔道整復師の離職率は、どのくらいなのでしょうか。
厚生労働省の調査によると、柔道整復師を含む「医療、福祉」に従事する方の離職率は約15.3%とされています。
参考:厚生労働省 「令和4年雇用動向調査結果の概況」
業界全体の離職率も約15%となっているので、特別高い数字ではないことがわかります。
ただし、この数字だけでは見えない業界特有の課題があります。
柔道整復師養成校を卒業した新卒者の約30%が3年以内に離職するという調査結果もあり、理想と現実のギャップや、労働時間の長さが主な原因とされています。
年代別に多い離職パターン
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20代前半理想と現実のギャップ
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20代後半キャリアアップや待遇改善
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30代家庭との両立やワークライフバランス
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40代以上体力的な問題や同年代がいる環境探し
次の章では、医療キャリアナビを利用して転職した柔道整復師に多い退職理由をいくつかピックアップしてみます。
柔道整復師はつらい?主な退職理由

①給与や年収が低い
柔道整復師の平均年収は380~420万円くらいと言われています。
一方で、日本全国の平均年収は約450万円となっており、平均値だけを見ると下回っているのが現状です。
給与が上がりにくい主な理由
- 保険診療の制約
- 人件費率の高さ
- 競合の激化
多くの整骨院・接骨院では保険診療が中心となっており、診療報酬が国によって定められているため、売上に上限があります。
そのため、自費診療がメインの整骨院・接骨院では給与が平均よりも高い傾向があります。
人件費率の高さも給与が上がりにくい理由です。
手技中心の治療では機械化が難しく、人件費が売上の大部分を占めるため、個人の給与を上げることが困難な構造になっています。
また、柔道整復師の数が年々増加している一方で、整骨院・接骨院の数も増加傾向にあり、駅前など利便性の高い立地ではあちこちで整骨院・接骨院を見かけます。
そのため、いかに患者さんを集客するか、リピートしてもらうかといった競合の激化も理由の一つです。
長期の辛い実習や国家試験を乗り越えて、毎日長時間労働をしているにもかかわらず、その努力が給与に反映されないことが多くの柔道整復師のストレスとなっています。
「これだけ頑張っているのに、なぜ?」そんな思いを抱えている方はとても多いです。
②評価制度が曖昧
多くの整骨院や接骨院では、明確な評価制度が存在しません。
明確な評価制度を設けていたとしても、数字を用いた定量評価ではなく、定性評価が基本となっているため、評価者の主観が大きく影響します。
これは柔道整復師に限らず医療・福祉業界全体に言えることですが、努力量やスキルを客観的に評価することが困難で、どうしても上司や院長の個人的な判断に左右されがちです。
そのため、自分の仕事ぶりが正当に評価されているのか、キャリアアップの道筋が見えにくいという声が多く聞かれます。
「頑張っても認められない」という感覚がモチベーションの低下につながり、最終的に退職を検討するという方も多いです。
③夜遅くまで働くのが大変
柔道整復師の仕事は、患者さんの都合に合わせて夜遅くまで営業することが一般的です。
業務自体は20~21時に終わったとしても、技術者であるため残業して勉強会に参加したり、自己研鑽に時間をあてる必要もでてきます。
中には毎日終電で帰っているという柔道整復師の方もいます。
そのため、プライベートの時間が取りにくく、ワークライフバランスの維持が難しいという問題と、体調を崩しがちという健康面の問題が発生します。
家族や友人との時間、趣味や自己啓発の時間、恋愛の時間、自分の健康。
これらの大切にしたいものを犠牲にして働くことに限界を感じ、辞めたいと思う方が多いのも柔道整復師あるあるかもしれません。
④将来が心配
年収の低さや、地域によって柔道整復師の需給バランスが崩れつつあると言われていること、保険制度の変更など、業界を取り巻く環境の変化や噂が、将来への不安を引き起こす原因となっています。
特に30代、40代と年齢を重ねていくにつれ、同年代の方の仕事や平均年収が羨ましくなったりすることもあります。
「このまま柔道整復師を続けていて大丈夫だろうか」という不安は誰しもが一度は思うことです。
手に職を持っているだけでは不安が拭えず、よりスキルアップを目指す方向に進むか、資格を活かして働ける別の業種を探すかで悩んで退職する方も一定数います。
⑤人間関係に疲れた
人間関係の悩みはどの職種・業界にも当てはまることですが、小規模な整骨院やクリニックが多い柔道整復業界では、職場の人間関係が仕事の満足度に大きく影響します。
上司や同僚との関係だけでなく、患者さんとの関係でも精神的に疲弊してしまうケースは少なくありません。
また、手技に対する考え方や価値観が職場によって色濃くでる業界でもあるので、人間関係というよりは考え方が合わず、自分が思い描く働き方や治療ができる職場へ移る方も多くいます。
辞めるか悩んだときにできること

柔道整復師を辞めるかどうか悩んだときは、その理由が何であるかをはっきりさせること、辞めることでそれが解決するのかどうかを考えることが大切です。
自己分析
まずは、自分自身と向き合って「なぜ辞めたいのか」を考えてみましょう。
何が本当の問題なのか、何を変えたいのか。
自己分析を通じて、自分の価値観やキャリアゴールを明確にすることで、次の一歩が見えてくるかもしれません。
別の職場に転職したり、柔道整復師以外の仕事をすることでその悩みが解決できるのであればいいですが、そうでなければ次の職場でも同じことの繰り返しになってしまう可能性が高いです。
辞めたい理由がはっきりして、次の一歩が見えてきたら以下のことをやってみるのをオススメします。
- 自分の強みと弱みを書き出す
- 働く上で大事なものの優先順位を考える
- 5年後、10年後の働き方をイメージする
これらのステップを踏むことで、今後の方向性が明確になってくるはずです。
別の職場に転職する
柔道整復師を辞めずとも、職場を変えることで解決できそうな悩みであれば、別の職場に転職することを一つの選択肢として持っておくことも大事です。
年収面であったり人間関係の悩みは、職場を変えることで解決できる場合がたくさんあります。
帰りが遅くなることが嫌で辞めようか考えていた柔道整復師の方も、現代にあった働き方を推奨しているクリニックに転職したことで、毎日19時の定時ピッタリに退勤できるようになったという事例もあります。
より良い待遇や職場環境を求めて転職することで、柔道整復師としてのキャリアを続けながら、新たな可能性を見出すことができるかもしれません。
別の業界・ジャンルに転職する
柔道整復師としての経験やスキルは、他の分野でも十分に活かすことができます。
例えば、スポーツトレーナーであったり、介護・福祉関連の仕事、医療機器メーカーの営業職、柔道整復師養成校の教員などが挙げられます。
自分の興味や適性に合わせて、新たなキャリアパスを探ってみるのも良いでしょう。
柔道整復師の強みは、資格を保有しているため別の業界にチャレンジして自分に合わなかったとしても、また戻ってこられる場所があることだと思います。
医療キャリアナビで転職をサポートさせていただく柔道整復師の方の中にも、別の業界で働いた経験がある柔道整復師は意外と多いです。
近年は、アルムナイ採用(カムバック制度)を導入する企業が増えており、転職や別業界・業種へのチャレンジがしやすくなっています。
アルムナイ採用とは、一度退職した社員を再び雇用する採用手法のことで、元社員の経験やスキルを活かし、即戦力として再雇用するメリットがあります。
関東から九州まで約50の店舗を運営する「すずらん鍼灸接骨院グループ」でもアルムナイ採用を導入しており、医療・介護業界でも注目されています。
ただし、何度も転職を繰り返すことは自分自身の負担になりますので、本当に自分の悩みが解決できる業界・仕事なのかは冷静に見極める必要があると言えます。
今は副業が当たり前の時代になっているので、まずは興味がある業界の仕事を副業で始めてみることである程度のリスクは減らせます。
最後に
柔道整復師としてのキャリアに悩むことは、決してあなただけではありません。
多くの人が同じような悩みを抱え、新たな道を切り開いています。
大切なのは、自分自身と向き合い、本当に望む未来に向かって一歩を踏み出すことです。
この記事が、あなたの新たな一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。
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