【退職前にチェック】看護師の退職理由と上司への適切な伝え方
看護師として日々の勤めを全うする中で、退職を考える瞬間は誰にも訪れます。
しかし、その決断を上司や人事にいかにスムーズに伝えるかは悩ましい問題です。
この記事では、看護師が退職を決意する主な理由から正しい伝え方まで解説しています。
長時間労働、人間関係の悩み、ライフステージの変化といった具体的な退職理由からエチケットを重んじた退職意思の伝え方まで、円満な退職へ導くためのポイントを押さえていきましょう。
看護師が退職を決意する主な理由
看護師が退職を決意するに至る理由には、何が挙げられるでしょうか。
ここでは看護師の退職理由として多いものをピックアップしてご紹介します。
長時間労働と過重なストレス
看護師としての勤務は、長時間にわたることが多くあります。
特に夜間や休日における勤務は避けられないもので、連続しての勤務や緊急時の対応は過酷な労働環境を生み出す要因になっています。
また、患者さんの命を扱う重圧や、病状の急変時のストレスは計り知れません。
これらの長時間労働と過重なストレスは、精神的・肉体的な健康を損なうことに繋がり、その結果として退職を考える看護師も少なくありません。
働く環境の改善が望まれるところですが、看護という仕事の特性上、現状では厳しい現実があり、自身の健康やプライベートな時間を確保するために、退職を選択する看護師が一定数います。
人間関係や価値観の違い
人間関係の構築は、どの職業においても重要ですが、看護師にとっては特に重要な要素となります。
患者さんやその家族、医師、看護師、その他の医療スタッフなど様々な人々と協働しながら業務を遂行する必要があるからです。
チームワークが欠かせない医療現場では、助け合い、信頼関係の中で働くことが求められます。
しかし、時として人間関係におけるトラブルや価値観の違いが起こり、業務に関連することでも報連相がしにくい状況・環境となってしまうことがあります。
たとえ優秀なスキルを持っていても、人間関係の問題で職場の雰囲気に馴染めず、それが退職を考える理由になることも多いです。
また、自分の想い描く看護に対し、現実とのギャップに失望し、別の職場やキャリアへの転職を考えることもあります。
ライフステージの変化
看護師として働く方は女性が多く、ライフステージの変化で転職を余儀なくされるパターンも多いです。
例えば、結婚や子どもの出産、親の介護が必要になった場合など、私生活の大きな変動は仕事にも深く影響を及ぼします。
このような生活の節目において、かつてはこなしていた長時間労働やシフト制による不規則な仕事が困難になり、退職やパート勤務で働くことを選ぶ看護師は沢山います。
また、仕事とプライベートのバランスを取ることが難しくなり、仕事に対する優先度が変化してくることも、ライフステージの変化に伴い起こり得ることとしてあります。
給与や待遇面の不満
一般業界で転職理由として多く挙げられる給与や待遇に関する不満も、看護師が退職を選択する要因の一つです。
例えば、自分のスキルや経験に見合った給与が支払われていないと感じたり、残業が多くてその分の手当が十分でない場合などです。
成果が数字で目に見える職ではないため、どんなに優秀でスキルが秀でていても評価されにくいというのが看護師業界の特徴と言えます。
また、福利厚生が整っていない職場や、昇進や昇給の機会が限られている職場では、やりがいを感じることができず、スキルを活かせるより良い環境を求めて退職を選択することもあります。
キャリアアップや専門性の追求
看護師の中には、さらなるスキルアップや専門性の追求を望む方もいます。
自分が得意とする分野や専門知識を深めるため、またはより良い条件で働くために退職を考えるケースです。
看護師にとってキャリアアップは重要な要素であり、「もっと学びたい」「専門的な領域で活躍したい」という熱意がある場合、その目標を達成するために転職活動を始めるのはごく自然な選択です。
このように、キャリアアップや専門性の追求をモチベーションの一つとして働いている看護師にとっては、条件面や人間関係よりもキャリア形成が転職する上で重要なポイントとなっています。
上司への退職の伝え方の基本
ここまでお伝えしてきたように、看護師の退職理由には様々なものがあります。
そしてそれをどのようにして上司に伝えるかが非常に重要なポイントです。
退職を伝えるときはこれまでの労働と感謝の気持ちを込めつつ、同時に自分の退職意思を理解してもらうための大事な時間です。
感情的にならず、事実と理由をしっかりと伝える心構えが必要で、プロとしての体面を守ることも忘れずにしっかりと進める方法を確認しましょう。
伝えるタイミング
退職意思を伝えるタイミングは、その後の働き方に大きな影響を与える要素です。
病院や施設によっては、数ヶ月前に退職意向を伝えることが規定されている場合もありますし、個々の上司との関係性によっても適切なタイミングは異なります。
基本的には、自分の後任や引継ぎがスムーズに進むようにするため、早めに伝えることが望ましいでしょう。
一般的には業務の引継ぎや後任の人材を確保する時間を考え、退職される日から逆算して少なくとも1〜2ヶ月前に伝えるのが無難です。
年度をまたぐことで部署や病棟の異動が考えられる場合や、実習生の担当になる可能性がある場合などは、そのことも考慮して伝える時期を逆算しましょう。
また、人事評価や業務の繁忙期など、上司や職場にとって大切なタイミングを避けることも、円滑に退職するためのキーポイントです。
オフィシャルな話になるため、休日や業務時間外にメール等で伝えるのではなく、業務時間内に正式に上司と時間を確保し、しっかりとしたコミュニケーションの場を設けることが望ましいです。
伝え方のポイント
直接上司と対面して退職の意向を伝える場合、言葉選びや伝え方に細心の注意を払うことが必要です。
退職の要因がその上司だったとしても、建前として大人の対応をする必要があります。
自分の感情や不満を前面に出しすぎず、退職の理由を客観的かつ具体的に伝えることで、上司も納得しやすくなります。
感情的になる気持ちも分かりますが、そうなると残りの期間が働きにくくなる、冷戦状態で退職日を迎えるなどデメリットしか生まれませんので、ここはグッと堪えることが必要です。
もし退職理由が職場や上司に関するものの場合、批判的な表現は避け、前向きな言い回しを心がけるといいかもしれません。
また今の職場がなかなか退職を認めてくれないなどの先例がある場合は、自己成長や家庭の事情など、合理的で納得してもらいやすい退職の理由を含めることも考えてみてください。
書面での事前準備
口頭だとうまく退職意思を伝えられない、上司に丸め込まれてしまいそうという方は、退職意思を書面で表すことも有効です。
退職願では、退職の日付や願い出る理由を正式に記載します。
できれば手書きで丁寧に書くことが好まれますが、近年の傾向から清潔な印象のタイピングでも構いません。
可能であれば引継ぎに関する提案もできると、よりスムーズな退職につながります。
職場によっては退職願のテンプレート・ひな形が準備されていますので、確認してみてください。
すでに退職意思を伝えて話し合いを進めている場合は、退職願ではなく退職届を準備しましょう。
日本では書面での事務手続きが多く、退職の意向が書面で残されることで、法的な証拠としても重要性を担います。
退職の伝え方で避けるべきトラブルとは
退職を上司に伝える時、トラブルを避けるため気をつける点があります。
特にコミュニケーションの取り方次第で退職が円滑に進むか、募るトラブルを引き起こすかが変わってきます。
不要な誤解や後味の悪い退職にならないように、クリアなコミュニケーションを心がけることが重要です。
ここでは、そんな時に避けるべき具体的なトラブルについて解説いたします。
不明瞭な退職理由は避ける
退職を決めた時には、その理由を明確かつ適切に上司に伝えることが必要です。
しかし、中には個人的な事情をあまり詳しく話したくないというケースもあるかもしれません。
そうした場合でも、漠然とした表現や、余計な説明を避けることで、上司が理由を誤解することなく受け止められるようにする必要があります。
「職場が合わない」「もっと成長したい」という抽象的な理由ではなく、可能な限り具体的な状況を説明することで、納得感を持ってもらえる可能性が高まります。
例えば、「夜勤の頻度が多く自身の健康に影響している」「ここでの経験を活かして在宅看護の分野に挑戦したい」といった具体的な理由をしっかり伝えることが大切です。
また、退職理由を伝えるつもりが気づかぬうちに愚痴を吐き出す機会となっていて、上司に何を伝えたいのか着地点を見失ってしまう方も多いです。
退職が長引く原因になってしまうので、落ち着いて事前に話そうと決めていたことを伝えられているか頭の中で確認しましょう。
噂やゴシップを生む伝え方の回避
退職を伝える際には、それが原因で職場内に不要な噂が立ったり、ゴシップが生まれたりしないよう配慮が必要です。
退職の事実を上司だけに伝え、その他の同僚たちへの情報拡散は慎重に行ったほうがことがうまくいくケースが多いです。
事実とは違う、「結局は人間関係が原因だ」といった根も葉もない噂を立てられないように、退職の意向を伝えるタイミングや方法をしっかり見極めましょう。
プライベートな情報や独自の感情は伝え過ぎないように留意し、専門的で公正な態度を崩さないことが、トラブルを避ける上での鉄則と言えます。
まとめ
看護師が退職を決意する主な理由として、長時間労働と過重なストレス、人間関係や価値観の違い、ライフステージの変化、給与や待遇面の不満、キャリアアップや専門性の追求などが挙げられていることがわかりました。
円満かつ円滑に退職を進めるには、上司に伝えるタイミングを決め、感情的にならずに伝えられるよう言い回しを考えておいたり、話すポイントを事前に決めておくことが重要です。
また直接伝えるのが苦手な方は、書面を準備しておくことも有効な手段となります。
実際には看護業務と同じようにマニュアル通り、想定通りにはいかないことも多々あるかと思いますが、一人で悩みすぎず周囲に相談したり、自分が退職しても職場は何とかなるというマインドで気負いすぎず頑張ってみてください。
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