ライトテスト(Wright test)|実施手順・注意点・陽性基準
ライトテストは、上肢を外旋・過外転させることで、鎖骨と第1肋骨のあいだや小胸筋の下で神経・血管束が圧迫されるかどうかを調べる検査です。
胸郭出口症候群のなかでも、腕を頭上に上げる動作で症状が誘発される「過外転症候群」の評価に特に用いられます。
とくに小胸筋の短縮・過緊張があると、鎖骨下動脈・鎖骨下静脈・腕神経叢が圧迫されやすく、長時間の頭上作業や、腕を上げたままの睡眠で手のしびれ・痛み・だるさが生じます。
斜角筋症候群を調べるアドソンテスト、肋鎖症候群を調べるエデンテストと合わせて、圧迫部位を推定します。
胸郭出口症候群は、頸部から上肢へ向かう腕神経叢や鎖骨下動静脈が、斜角筋間・肋鎖間隙・小胸筋下といった狭い部位で圧迫・牽引されることで、上肢のしびれ・痛み・だるさ・冷感などを生じる病態の総称です。なで肩の女性や、腕を挙上する作業・重い荷物を持つ動作の多い人に生じやすいとされます。圧迫される組織によって神経性・動脈性・静脈性に分けられます。
検査の手順
患者を椅子に腰掛けさせ、検者は後方に立って行います。橈骨動脈の拍動を触知しながら、ゆっくりと肢位を変えていきます。
- 安静下垂位で患側の橈骨動脈の拍動を触知し、基準を確認する。
- 肘を90°屈曲したまま、肩関節を外旋させながらゆっくり外転させる(90°)。
- 拍動を触知し続けたまま、さらに過外転位(約180°・万歳位)まで誘導する。
- 各肢位で拍動の変化と、しびれ・痛み等の症状の有無を確認する。
- 健側でも同様に行い、左右差を比較する。

実施上の注意点
- 他の誘発テスト(アドソン・エデン・ルーステスト)と組み合わせて総合的に判断する。
- 過外転はゆっくり行い、症状が強く出たらすぐに肢位を戻す。
- 橈骨動脈の触知は、指先の圧が強すぎないように注意する。
- 評価結果は問診・画像所見などと合わせて臨床的に解釈する。
陽性の判定基準
過外転位で以下の所見がみられた場合に陽性と判断します。拍動の消失だけで判断せず、患者本来の症状が再現されるかを重視します。
| 所見 | 内容 |
|---|---|
| 橈骨動脈拍動 | 過外転位で拍動が減弱または消失する |
| 症状の再現 | 患側上肢・手のしびれ、痛み、だるさが誘発される |
| 皮膚色 | 手指の蒼白・冷感がみられることがある |
無症状の人でも拍動が変化することがあるため、必ず左右差と症状の再現をあわせて評価します。
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胸郭出口症候群 徒手検査まとめ
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