WLRテスト(交差性下肢伸展挙上テスト)|正しい測定手順・陽性基準・鑑別のポイント
WLRテスト(Well Leg Raising test)は、交差性下肢伸展挙上テスト(Crossed SLR)やFajersztajn(ファジャースタイン)徴候とも呼ばれます。
仰臥位の患者に対して、症状のない健側の下肢を膝を伸ばしたまま挙上したときに、挙上した脚ではなく反対側の患側に坐骨神経痛様の痛みが放散するかを確認する検査です。
健側を挙上すると、対側の神経根が牽引されて患側に症状が誘発されるため、陽性の場合は正中〜傍正中に位置する大きな椎間板ヘルニアが強く疑われます。
検査の手順
WLRテストは特別な器具を必要とせず、ベッドサイドで簡便に実施できます。基本的な手順は次のとおりです。
- 患者を仰臥位(背臥位)にする
- 症状のない健側の下肢を、膝を伸ばしたまま検者がゆっくりと挙上する
- 痛みが出現した部位と、そのときの股関節屈曲角度を確認する

実施上の注意点
- 挙上した健側の脚ではなく、反対の患側に痛みが出ることを確認する(挙上脚自体の痛みは陽性ではない)
- 単なる腰痛や太もも裏の突っ張りではなく、膝より下へ放散する神経痛かどうかを見極める
- 陰性でもヘルニアは否定できないため、SLRや画像検査(MRI等)と併せて総合的に判断する
- 強い痛みを訴える場合は無理に挙上せず、患者の反応を確認しながら慎重に行う
陽性の判定基準と感度・特異度
健側を挙上したときに、挙上した脚ではなく反対側の患側へ坐骨神経痛様の放散痛が生じれば陽性と判定します。
痛みはおおむね股関節屈曲40°前後で誘発されることが多いとされています。
| 指標 | 目安 | 解釈 |
|---|---|---|
| 感度 | 約23〜42% | 低い(陰性でも除外はできない) |
| 特異度 | 約85〜100% | 高い(陽性ならヘルニアの確定診断に有用) |
WLRテストは感度が低く特異度が高いという特徴があります。そのため「陽性であればヘルニアを強く支持する」一方で、「陰性であってもヘルニアを除外することはできない」点を理解しておくことが重要です。
通常のSLRテストとの違い
通常のSLR(下肢伸展挙上テスト/ラセーグ徴候)は、患側の下肢を挙上して患側に痛みが出るかを確認する検査です。これに対してWLRテストは、健側を挙上して患側に痛みが出るかを確認します。
SLRは感度が高く特異度がやや低いのに対し、WLRは特異度が高く感度が低いため、両者を組み合わせることで椎間板ヘルニアの評価の精度を高めることができます。
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